甲斐駒ケ岳/長野

甲斐駒男塾〜プロローグ〜




男が男である以上、決して避けては通れぬ道がある。

体力・精神力・マゾ力。

その全てが試される珠玉のお時間。

それがこの「男塾」シリーズなのである。


2年前の「南ア男塾」は、初の冬季3,000m峰となる仙丈ヶ岳での開催だった。

この時は「松尾(ジョンボーA)」と「田沢(僕)」の二人で南アの女王に挑み、そのあまりに長過ぎる行程の末に見事に過労死した。

IMGP0676_20131227175619c52.jpg

無言の帰宅となった松尾と田沢だったが、この戦いを機に彼らの男度は急上昇したことは言うまでもない。

参考記事:
南ア男塾 前編〜ジョジョと僕らのホーリーナイト〜
南ア男塾 後編〜白豚ショッカーズの絶頂行軍〜


そしてこの死亡確認から半年後、二人は「虎丸龍次(ランボーN)」という最強の変態を仲間に入れ、「大豪院先輩(ハッポーNさん)」によって白馬大四凶殺(白馬三山)へと送り込まれる。

それが二度目の男塾である「白馬男塾」だ。

354654.jpg

この時はあまりの悲惨すぎる根性合戦に死亡者が続出。

しかし王大人(ワンターレン)によって何度も蘇生させられ、再び無理矢理戦地に送り込まれて生き地獄の嵐。

やがては限界突破の松尾が白目になるという惨劇も巻き起こった。

IMGP4918 のコピー

この白馬男塾で我らの男度はさらにグッと上昇したのは記憶に新しい。

参考記事:
白馬男塾1・大雪渓直登編〜ギリギリボーイズの挑戦〜
白馬男塾2・白馬散々縦走編〜嗚咽まみれの消耗大会〜
白馬男塾3・不帰激闘編〜命がけの九九斉唱〜



そしてあれから半年。

ついに男塾三部作の完結編。

再び奴らが帰って来たのである。


そのステージはもちろん聖地「厳冬期・南アルプス」。

それはやたらと長過ぎるアプローチでお馴染みの男の殿堂。

山ガール達で浮かれた八ヶ岳に背を向けて、ただただ己の根性と向き合う修行の道場。


しかもその南アの中に「変態尾根」と呼ばれる天下一のお笑いマゾ道場がある。

それは甲斐駒ケ岳(2,967m)へと続く長大すぎる道。

その道場とは、日本三大急登の中でもナンバーワンの悲惨度と謳われる「黒戸尾根」である。


日本三大急登とは、谷川岳の「西黒尾根」と、僕がパックトランピングでエクトプラズムを吐き倒した「ブナ立尾根」、そして今回の「黒戸尾根」だ。

登山口からの標高差で見てみると、西黒尾根が「1300m」で、あの地獄のブナ立尾根が「1547m」。

しかしこの黒戸尾根に至っては、脅威の標高差「2400m」。

その標高差は僕と嫁の価値観の違い「2500m」に匹敵するという、もはや手の施しようのない標高差。

その変態過ぎる標高差と、あまりにも長過ぎるアプローチ距離ゆえ、ここ最近はめっきり誰も登らなくなったというマゾの花道なのである。


そんな所をあえて厳冬期に、そして重いテン泊装備を担いで挑もうというオシャレさ。

もちろん家庭の事情が何かとこじれている塾生達に許されたのは、「1泊2日」という厳しい時間設定。

これぞ男に磨きをかけるに相応しい「甲斐駒男塾」の実態なのである。


しかも今回は直前になってありがたい援軍も登場。

それは天気予報。

初日は珍しく「晴れで登山日和」というパーフェクト予報だが、肝心の甲斐駒アタックの2日目は「大荒れで吹雪」という脅威的変化。

これによって初日のうちに山頂アタックせねばならなくなり、その日の移動時間は「12時間(休憩入れず)」というハイパーロングハイクを余儀なくされる羽目に。

もはや登山開始前から敗色が濃厚すぎて、希望の希の字も見当たらない。

こんな負けると分かってる戦いに挑む価値はあるのか?



しかし彼らの目的は登頂ではない。

あくまでも「男を上げること」それ一本。

ならば今言えることはただ一つ。


「男は黙って黒戸尾根」


たとえ登頂できずとも、この尾根に根性を刻み付けた者こそ勝者なのである。



そして今回は白馬男塾のギリギリボーイズ(虎丸・松尾・田沢)の三人に元に、さらに新たな一号生が名乗りを上げた。

その男こそ、前回の藤原岳で歴史的バースデーブッチをかましたパパラッチKこと「極小路秀麻呂」。

maku.jpg

彼は藤原での失態によって、チームメンバーから「パンチパーマになって謝罪しろ」と激しく責められた。

だからこそ今回彼は、この黒戸尾根で根性を叩き直すことに。

しかしいまいち厳冬期の黒戸尾根のことを良く知らない彼は、まだこの男塾をなめていた。

201204180436237b4.jpg

一度この男をしっかり懲らしめてやる必要がある。

そしてししっかりと奴に男を刻み込んで、ちゃんと結婚できる男になれるように調教しなくてはならない。

まさにこの甲斐駒男塾とは、そんな更生の場に持って来いなのである。


しかも今回は途中で先輩の二号生達も助っ人で登場。

さらには理不尽な鬼教官も乱入してまさかの事態へ。




さあ、男は黙って黒戸尾根。

辛口一献黒戸尾根。

常識を覆すか。

常識に従うか。

今動くか。

一生動かないか。

未来の選択肢にMAYBEはない。

自分を信じろ。

未来を決められるのは男気だけだ。


嗚呼男塾。

男意気。

己の道を魁よ。


嗚呼男塾。

男意気。

己のマゾを魁よ。



というわけで、次回から「甲斐駒男塾」前編・後編が始まります。



みさらせ。


四人の塾生の根性を。





〜つづく〜



記事が気に入ったら
股旅ベースを "いいね!"
Facebookで更新情報をお届け。

MATATABI BASE

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)




カテゴリー

アーカイブ

おすすめ記事

  1. ユーコン川漂流記

    ユーコン川漂流記〜予告編〜
  2. 京都一周トレイル/京都

    京都一周トレイルラン〜東山コース前編〜
  3. ◉ りんころ成長記

    神々の理想郷〜デスゾーンの彼方に〜
  4. ◉日々のツレヅレ

    庭男あおによし〜三連休の残像〜
  5. 御池岳/滋賀

    デキる男のビジネス新書〜必殺仕事人のスマートな一日〜
PAGE TOP