◉ 愛すべき旅道具

肉を切らせて骨を買う〜トレラン事始め〜

そろそろ限界だ。

先月半ばの武儀川カヌー以来、僕は何もしていない。


春の陽気は勢いを増し、山や川が僕を待っている。

にも関わらず、僕はこの3週間以上ずっと病床の人。

胃腸風邪でただひたすら汚物を垂れ流すだけの男と化し、嫁からは菌扱いされて家出までする始末。


そしてやっと胃腸風邪が治り、意気揚々と行なったランニング中に足をグネって負傷。

さらにその負傷野郎に追い打ちのような雨と嵐が降り注ぎ、見事に再び風邪を引いてしまう惨憺たる結果に。

その胃腸風邪明けの追い風邪は思いのほか長引き、会社も休んでしまうという有様。


もうすっかり筋肉はやせ細り、体力もがた落ちだ。

でも今週末は久しぶりにチーム・マサカズでのハードな登山が控えている。

前回の養老山は、僕が企画しておきながらも、企画者ご本人の胃腸風邪が発覚して無念の不参加というまさかな展開。

そして今回またしても最悪な体調のまま、週末の登山を迎えようとしている。

もちろん今回も企画したのは胃腸風邪が治ったと思っていた僕自身だ。


負の連鎖が止まらない。

企画すればする程に僕は病に冒されて行く。

果たして週末の登山までにこの風邪は治って、体調は元に戻るのか?

こいつは行けたとしても、かなりのハードマゾな匂いがプンプンして来たぞ。



しかしこの動けなかったこの3週間。

アウトドア野郎には、動けない時なりの活動がある。

このぶっ倒れていた3週間で、新たなトレラングッズをご購入だ。

調べる時間はいくらでもあったからね。

肉を切らせて骨を買うという理論だ。


今回はそんな新規ご購入な奴らを軽くご紹介です。

かと言ってトレランは初心者なんで、あまり参考にはなりません。

参考になるかもしれないのは、「嫁が育児中でサド中のため、早朝の皆が寝静まった時間だけで山を走らざるを得ない男達」が対象です。


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以前、最低限必要なもので、かつ最重要アイテムのトレランシューズの事は触れた。(参考記事:トレラン初陣〜アサヒスーパーツライ〜

「モントレイル」の「Bajada(バハダ)」ですな。

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トレラン専門店にて、足に合うものならフリル付でも買ってやると言う意気込みで店長さんと協議・試着を繰り返して手に入れた相棒だ。

結果的には猛烈にコイツの事は気に入っている。

絶妙なバランスで軽さと安定感が両立されていて、踵浮きもないし安心して身を委ねられる一品だった。

同時に買ったドライマックスのソックスも、今の所ムレも感じないし非常に調子がいい。


さて、ハッキリ言ってトレランやるにはこれで十分なんだよね。

基本的なアウトドアウェアやランニングウェアもあるから、シューズがあれば何の問題も無かった。

以前に買ったエンデュランスベルトもあるから、3時間程度のトレランには装備も十分。(参考記事:桃園の奇跡

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2年前に買ったものだが、実はこの頃から将来トレランする事を視野に入れていたのだ。

なので今まではこんな感じだったわけです。↓

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パンツなんて9年前にスポーツジムで買ったやつを、未だに使っているという物持ちの良さだ。


でもこれからいよいよ暑くなって来る。

そうなると今のままでは水分が足りなくなる事は必至だし、快適な軽装トレランウェアが欲しくなって来るのが人ってものじゃないか。

そこで新たなトレラン用ザックとウェアの購入へと踏み切ったわけだ。


しかし今冷静になってみれば、別にレースに出るわけでもないんだし(出たいんだけど嫁がアレでアレなんで)、今持ってるもので十分だったはず。

結局は風邪で心が弱り、外に出れないジレンマと嫁に菌扱いされた腹いせの衝動買い。

ただの鬱憤晴らしでございます。


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まずはトレラン用ザック。

欲しい要素としては、「2Lのリザーバーが入れられること」「その他必要最低限のものが入る容量」「デジカメがササッと取り出せること」「体にフィットして揺れが少ないこと」。

まだ長距離レースに出るわけでもないし、ザックに入れていくものはリザーバー以外は応急セットと行動・非常食と携帯電話程度。

あとは今後のスーパー早朝ラン(もはやナイトラン)のためのヘッドライトと、ハンディGPS、軽量コンパクトな防風ジャケットくらいだ。


で、猛烈に悩み抜いて購入したのが、ノースフェイスの「TRコンポ」。

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容量はわずか5Lで、ザックというよりベスト感覚で「背負うというより着る」と言った商品。

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まさにリザーバー搭載可能で必要最低限なザックで、これからの季節の早朝トレラン野郎には最適なザックだ。


実はもうちょいと容量があって一般的な「マーチンウィング10」か、僕の好きなグレゴリーの「ルーファス8」かで強烈に悩んだ。

でもそんなの買った日には間違いなく長距離トレランやレースに出たくなるのは目に見えている。

決して0歳の子供を持つ父親が買ってはいけない容量だ。


他にもこの様なタイプのザックはあったが、TRコンポに決めた一番の理由はカスタマイズできるアクセサリーポケットが豊富だという点。

後付けで状況に合わせて自分好みでポケットが取付けられるのだ。

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嫁にもこのカスタマイズ機能が搭載されていれば、僕は迷わず「やさしさ」というアクセサリーポケットを取付けただろうが、残念ながら嫁にその機能はなかった。

むしろ買う時には気付かなかった、「サディスティック」なる隠れ機能が装着されていることが発覚。

以来、僕は快適なマゾライフを楽しんでいる。


話を元に戻すと、この追加ポケットのおかげで常に前面の絶妙な位置にデジカメ(お糸さん)を忍ばせることが出来るのだ。

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開口部もキュキュッと絞れるから、飛び出る心配もなし。

多分本来はエネルギージェルを入れるポケットなんだろうが、何に使うかは使う人の用途で決めれば良い。


で、肝心の2Lリザーバーを入れてみる。

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おや?入りきらないぞ。

お店の人は2Lのリザーバーは入るって言っていたが。


結局強引にねじ込んで何とか入った。(こういうものなのか?)

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まあぴっちり収まった方が揺れが少ないんだろう。

しかもこのリザーバーは上部開口式のやつなんで、もう少しシンプルな構造のやつをスポーツドリンク用に買ってみるのも手かもね。


一瞬「またか」と冷や汗をかいたが、何とか無事に機能しそうだ。

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背面を見れば、センターがスケスケメッシュになっているから一応水の残量が確認できる仕組み。

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恐らくそんなに確認する事はないだろうが、むしろ夏場は自分の体温で水が温められしまう恐れがあるね。

自分とは言え、人肌で温められた水を飲むのは少々気分の良いもんではないな。

でも逆に半分凍らせた水を入れておけば、常に背中が冷え冷えという利点がありそうだ。

凍らせなくても冷え冷えな我々夫婦の関係性には遠く及ばないけどね。


で、ちょうど良いモデルが夢中でYouTube見てたから背負わせてみました。

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実際は大人が背負うので、こんな感じです。

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実際に僕も背負ってみたが、前から見るとなんだか「黒いブラジャーを身にまとったおっさん」といった変態的な雰囲気を身につけることになる。

まあいいだろう。

「なんでブラ着けてんの?」と言われたら「ブラじゃないよ!TRコンポだよ!」と言ってやれば良いだけのことだ。

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このように一般的ザックのように腰ベルトはない。

ゆえに今まで使っていたエンデュランスベルトとの合わせ技が可能なのだ。

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このような合わせ技が可能なので、本当は青色が良かったけど黒で合わせたんです。

これなら状況に応じてさらにカスタマイズの幅が広がる。


リザーバー使用時は、腰のボトルホルダーに防風ジャケットを忍ばせておけばサッと取り出せる。

胸のアクセサリーポケットを取って、ベルトの方にカメラを忍ばせることも出来る。

そもそもこのエンデュランスベルトはコルセット的なサポート機能があるので、腰の悪い僕の場合は用がなくても着けてて効果がある。

お腹冷えの予防にもなるしね。


何よりもこの二つを装着しているだけで、何やら忍者にでもなった気がして来て速く走れる気がする。

妄想癖がある僕としては「本能寺の変を家康に伝えに行く伊賀忍者」という設定なども楽しめるわけだ。

これはまさに一石二鳥。


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続いてトレラン用ウェア。

ザックに続き、ひたすらノースフェイスまるけです。

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左の防風ジャケットは前から持ってるやつで、ちょっと肌寒い時にでも着ようと思っていたが大して出番がなく埋もれていたやつ。

しかし知らなかっただけで、実は最近になってこれはランニングに最適だとやっと気づき(そもそもトレラン用のやつだった)、やっと日の目を見た苦労人のジャケットだ。

長い育成契約期間を乗り越え、この度見事に正式契約の運びとなったんだね。


で、新たに買ったのが「ハイブリッド フラッシュドライ ジオメッシュ ジップアップ タンク」。

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袖のないタンクタイプを買うのは、二の腕がプルプルの僕としては非常に勇気を必要としたが、今後痩せて行くことへの期待も込めて買ってしまった。

こいつの特徴は、前面の風が当たって冷えてしまう部分だけに防風透湿素材を使用しているので、トレラン中の内臓の冷えを予防できるというもの。

お腹回りがすぐに冷えてしまう僕には最適だと判断。


逆に夏のクソ暑い時にはこの部分が蒸れないか心配だが、そんな時は次回購入予定のコイツ。

マウンテンハードウェアの「Way2Cool Tank」だ。

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これは実際にお店で現物を見て惚れ込んでしまった一品。

体に空気を入れこむ構造も見事だったけど、こいつには「COOL Q ZERO」という新素材が組み込まれている。

それはなんと「汗を吸収して、その水分で素材が冷える」という商品。

実際に触っていただけで、若干のヒンヤリ感が実感出来た。

夏になったらこいつを導入してみようと思っている。


そして一番右にかかっていたのが「フライウェイトショート」。

(↓画像はレーシングショートです)

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これにてやっと9年間使い続けて来たトレーニングパンツとはおさらばだ。(普通にランニングでは今後も使い続けるけど)

これもお店で「スワロウテイル」と履き比べたり、レーシングショート履いてみたりした上での決断。

正直、iPhoneが入るポケットなどは不要だったが、総合的に軽いし足上げの邪魔もしない。

股間がムレムレになりやすい僕としては、股間部に通気性の良い素材を使っていることも決め手になった。


これで春夏に向けた基本的なウェアが揃いました。


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その他アクセサリー。

帽子に関しては、今までノースフェイスのランナーズハイワークキャップを使用していた。

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通気性抜群で非常に気に入っていたが、一つ問題があった。

毎度嫁に「パン工場の人が工場抜け出して走ってるみたい」と言われるという屈辱を味わっていた。

確かに格好と合わせにくくて苦労していたのも事実。


ということで、夏場に向けてさらに通気性アップのバイザータイプを購入。

「ランナーズバイザー」でございます。

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これなら通気性は完璧で、嫁にも「パン工場」と言われずに済むだろう。

しかしこれを被っていたら嫁が現れて、「なんかファーストフードの店員が走ってるみたい」と言われてしまった。

結局何を被ろうが屈辱を受けるという事はハッキリした。


若干心配なのは、最近僕のM字ハゲが後退の一途を辿っているという事。

そのうちこのバイザー部分から地肌が出て来そうで恐ろしい。


ちなみに子供に被せて「横山三国志に出て来る文官」みたいにして遊んでみるのも良いだろう。

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それにしてもこの男のYouTubeに対する集中力が恐ろしい。

何をやっても微動だにしないぞ。


最後に「なんかこれ着けてるとそれっぽく見えるから」という理由でアームカバーを購入。

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実際に着けてみると、うまく言えないが何となく恥ずかしい。

なんかオカマっぽくなるというか、妙な気持ちになる。

特にタンクタイプのシャツを来てこれ着けると、二の腕のプルプル白地肌がムニッとして気持ち悪い。

誰もいない山中での使用にとどめておこう。


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と、こんな感じでがっつりとトレラングッズが充実してきた。

あとは体力の回復を待って、ひたすらに週末の早朝トレランにいそしむのみだ。


そしていつかはUTMF(ウルトラトレイルマウントフジ)へ。

これは46時間以内に累積標高差9000mの道のり「161km」を走りきるというマゾの祭典。

夢は広がるばかりだ。



夢は広がるが、まずは目の前の風邪が治らない事には今週末の登山すら行けやしない。

昼休みの公園ウォーキングですら息が切れる状態。

ひとまず今回の衝動買いと、この殴り書いた記事で気持ちは落ち着いたがなんとかして治していかんと。


なんかまた喉が痛くなって来た。

唾を飲み込むのもしんどいや。

こうなったら根性でこのまま登山に突入してやる。

今回はりんたろくんを背負った上での、急登・鎖・岩場・痩せ尾根乱立のスペシャルハードマゾ登山。



今回も僕のコンディションは万全のようだ。



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コメント

    • makoyasu
    • 2013年 4月 11日

    SECRET: 0
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    僕も3年ほど前にかなりのフライングでマーチンウイングプロを買いました。
    最初はトレランはビブラムファイブフィンガーで走っていましたが、とてつもなく怪我が続いたのでモントレイルのハードロックに替えました。
    マーチンウイングはやっと前回の東京マラソンからちゃんと使い始めましたが。
    いいですねUTMF。僕は素人ながらハセツネに出たくなっています。
    ヤバイですよトレラン。もともと走るの大っ嫌いなのですが…..。

    • yukon780
    • 2013年 4月 12日

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    おっと、マーチンウィングプロですか!
    何やらネーミングと雰囲気的に「レースな本気野郎」の雰囲気が漂っていたんで僕はパスしました。
    でもよくよくTRコンポと旧エンデュランスベルトを装着すると、見た感じはマーチンウィングプロっぽくなります。
    ビブラムファイブフィンガーは僕も実にそそったんですが、トレラン専門店の店長に止められました。
    やっぱり初心者には高難度なようですね。
    モントレイルは僕もがっちりハマりました。
    サロモンの靴は僕の場合踵が浮いてしまったんですよね。

    不思議なもんで、僕も走る事は大嫌いでした。
    むしろ運動とは縁のない文科系路線一直線で来て、誰よりも体力と気力もないモヤシ野郎でした。
    登山始める前までのカヌー時代は、いかに楽して体を動かさずにビール飲んで過ごせるかばかり考えてましたから。
    でもなんだか続けて走ってるといつのまにか走れるようになってるし、そうなってくるとアウトドア野郎としてトレランまっしぐらなのは必然ですよね。
    あのランニングと登山とMTBがごちゃ混ぜになったお得感がハンパないです。
    下山後の爽快感は一番ですね。
    今は早朝の2,3時間しか行けれないですが、もっとがっつりやってみたいです。

    是非、何年後になるか分んないですがいつか共にUTMFへ!
    そしてやがては日本一の変態レース「トランスジャパンアルプスレース」へ!

    まあその前に家庭内のハードレースを勝ち抜かんといけないんですがね…

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