清流に咲く一輪の花。
空に浮かぶように川底に影を落としながら、浮かれた信号艦隊が流れて行く。
場所は清流板取川。
そう、この花が咲く3日前に「板取事変」が勃発したあの川だ。(参考記事:板取事変〜警察のちクレーン時々竜巻〜)
その時はチーム・マサカズのチェリーメンバーズで挑み、わずか「2分」という早さで早漏撃沈。
そして警察やクレーン車が入り乱れるという、非常にスペクタクルな展開に突入して行った因縁の川だ↓
そんなチーム・マサカズの無念を晴らすべく、今回新たに立ち上がった者たちがいる。
このGW中に四国遠征をしていた、毎度お馴染みの「横浜組」の面々だ。
彼らは四国からの帰りにわざわざ岐阜に寄ってのリベンジマッチ参戦。
「チーム・マサカズの分まで我々が花を咲かしてみせる」とばかりに気合い十分な横浜組。
そのやる気具合は、中日から横浜に移籍して大暴れしているトニ・ブランコのような迫力だ。
僕としても、走り続けたこのGWの最終日。
3日前の哀しい記憶を払拭するリベンジマッチ。
「本来の板取川の川下りとは何ぞや」を示す時がやって来たのだ。
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前回と同じスタート地点。
四国帰りの横浜組が意気揚々と集結だ。
B旦那、バターN、ダッチャーS、マゾ、B女房のお馴染みメンバー。
まさに去年のGWを共に戦ったメンバーが今年も集結したのだ。
思えば去年のGWは、僕の壮絶な「発熱死」によって四国からの強制撤退を余儀なくされたという哀しい結末だった。(参考記事:激流どうでしょう)
「今年こそは美しくGWを締めてみせる」という意味では、僕にとっては2つの意味でのリベンジマッチなのだ。
そして今回はなぜか僕一人でのこのこ遊びに来ている。
本来ならいつものように「りんたろくん同伴」が僕の外出条件だが、実は前日りんたろくんが咳き込んで若干風邪気味な事が発覚。
いつもならそのまま嫁によって「外出禁止令」が発令される局面。
しかし僕は「彼らはわざわざ横浜から四国経由ではるばるこの岐阜まで来てくれた。ホストとして彼らをご案内する義務が私にはあるのです。私が行かなければ、彼らは岐阜の山奥で空しく路頭に迷う事になるのです。」と熱弁を振るう。
そして見事に、僕単独での外出許可が奇跡的に発令されたわけだ。
そして僕は満面の笑みを噛み殺しながら「じゃあ、行って来る」と渋い表情でここに来たわけだ。
これにて全力でこの最終日を遊び倒す準備は万端整ったわけです。
そして意気揚々と出発。
大快晴と大清流に囲まれてご満悦なメンバー。
清流王国四国帰りの彼らも唸らせる程の清流度。
本日も本気の板取川の清流っぷりが我々に襲いかかる。
しかしこの時点でただ一人浮かれていない男がいる。
もちろんそれはこの3日前、スタート2分後に不幸に突き落とされた過去がある僕だ。
早くも迫り来る「伝説のテトラポッド」。
今後長らく「アゴ矢作の瀬」と恐れられる難所の登場だ。
しかしここが難所なのはあくまでもチーム・マサカズ内だけのお話。
もちろん横浜組は「ほぅ、ここがかの有名なアゴ矢作の瀬」かと、横目で見ながら軽々と越えて行く。
「チーム・マサカズの無念を晴らす」と意気込んで来たものの、あまりのチョロ瀬に驚愕するメンバーたち。
そして同時に「なぜここで?」という疑問の表情。
彼らなりにチーム・マサカズの底力に恐れを抱いた瞬間だ。
そんな感じでさっさとリベンジを果たした横浜組。
ここから先はチーム・マサカズが見られなかった「本来の板取川」がスタートする。
前回は水の美しさを満喫する時間すらなかったが、やはり素晴らしすぎる透明度だ。
横浜組も「清流と見込んではるばる行った四万十川に裏切られた」という思いが強かったらしく、ことのほか感動してくれている。
そしてこの清流度は心までも浄化。
B夫妻に至っては、知らず知らずのうちに正座での「皇族漕法」に切り替わっている。
礼をもって板取川に接する高貴な夫婦。
これを見た僕とバターNコンビも負けじと清らかな気持ちへ。
しかしそんな我々コンビのダッキーに、そうはさせじと鳥のフンがダイレクトに襲いかかる。
広い広い川のこの一点に落として来るとは、敵も中々やる。
汚れマゾと庶民バターにはこのフン付きダッキーがお似合いだ。
しかし本当の被害者はこのダッキーの所有者であるダッチャーSなのかもしれない。
そのダッチャーSは快適に僕の相棒「ゴエモン」を操って清流を堪能。
思えば彼は去年のGWに、僕の主催するマゾ塚カヌースクールに入校した途端に「渦に巻かれる」という鮮烈のデビューを果たした男。
あのセンセーショナルなデビュー後、彼はゴエモンと色違いの「NRSバンディット2」を購入して1年間の修行を積んでるから、見事なパドリングを披露している。
その後も快適な瀬と清流区間が断続的に現れる。
やはり圧倒的な気持ち良さを誇る川だ。
何とかしてチーム・マサカズメンバーにも体験してもらいたいもんだが、彼らはこの川にウルトラマンよりも短い時間しか留まることが出来ないのが残念だ。
瀬の無い所では優雅に漂い、これでもかと清流を堪能。
優雅すぎて、バターNがそのまま優雅に寝たまま瀬に突入。
何気にここで一番危険なのはバターNではなく、一眼カメラで撮影しながら瀬を越える僕だったかもしれない。
こうして徐々に浮かれ出してしまったメンバーたち。
ついにはダッチャーSが、マゾ塚カヌースクールの教訓「マゾれぬなら マゾってしまえ ホトトギス」の教えを守って果敢なスタイルで瀬に突入して行く。
そして最終的には「土下座スタイル」でのフィニッシュ。
ついに彼も僕の十八番「土下座」を身につけたか。
講師としても成長した生徒の姿を見るのは実に誇らしいものだ。
これでダッチャーSも、いつでもサドの嫁さんを貰っても戦って行ける事だろう。
やがて以前僕が見つけておいた撮影スポットの岩場に到着。
当時は僕一人だったから、岩の上にカメラをセットして必死でカヌーに戻って苦難の撮影だった。
結果的に「ぽつん」としたなんとも寂しげな写真になった。(当時の写真↓)
しかし今回はこんなに仲間がいる。
本来はチーム・マサカズのメンバーで咲かせるはずだった花が、今横浜組によって見事に板取川に咲いたのだ。
そして間髪入れず、僕も加わってもう一花咲かせます。
見事なる浮かれっぷり。
出来るだけ浮かれないように注意していたが、あまりの楽しさに思わず僕ごときのような人間が浮かれてしまった。
もちろんこんな暴挙を神が許すはずが無い。
このあと、撮影してくれたB旦那からカメラを受け取ろうとした僕に神の鉄槌が下る。
僕は岩で足を滑らし川に落下。
そして這い上がった時に再び足を滑らして脇腹を痛打。
さらに勢いで弁慶の泣き所を岩に打ちつけて悶絶。
絵に書いたような一人舞台が展開され、浮かれてしまった代償を体で支払う男。
もちろんこれは、急激な悪天候で代償を支払う前に自らを犠牲にした涙ぐましい彼の男気。
ホストとして、横浜の皆さんにご迷惑をかけないためにすすんで生贄となったのである。
そして何気にこの一部始終をしっかりカメラに収めている辺りはさすがB旦那。
ツーと言えばカー、マゾと見ればシャッター。
深い友情の成せる技だ。
カヌー花と一人マゾ花を咲かせた後は、優雅に藤の花を見ながらのツーリング。
そして快適な瀬を越えて行くと、
僕が「アンパンマン」と呼ぶ、快適な休憩スポットへ到達。(名前の由来は過去の記事参照:清流悶絶デート〜板取さんの恥じらい〜)
夏場になるとBBQの人で溢れ返るこの場所も、この時期は独占状態。
そしてこの透明度。
そのあまりの水の奇麗さに、まだまだ寒い時期だというのに久々にバターNの水上槍ヶ岳が炸裂。
我慢できなかったんだなあ。
彼の変態度は相変わらずのようだ。
でもこのようにいい歳こいて純粋に川を遊び倒す姿は、バターNと言えど実に美しいものだ。
一方で止まらない好奇心を制御できない女、B女房も勝手に自由行動開始。
アンパンマンの川原は、瞬く間に「カヌーが空を飛んでいるような写真」に収まる事を誰よりも愛する彼女を陸から3人の男達がカメラで狙うというグラビア撮影会場に。
山間に男達の低い声がこだまする。
「ああ!いいよ!いいよ!」「もう少し右にお願いします!」「今、浮いてます!」「パドルで波立てないで!」
周りから見たら、「浮遊アイドルB女房によるファン感謝祭」的な熱狂的撮影現場に。
ひとしきり撮影を楽しんだ後は、ファンとともに記念撮影。
やはり良い川は何をやっても単純に楽しいのだ。
その後も快適にツーリングは続き、
再び以前見つけた、岩場のおすすめ撮影スポットへ。
渾身の浮遊写真にて、岐阜県民から横浜のシティボーイズ&ガールへ精一杯のおもてなしだ。
これで横浜の皆さんもご満足していただけたに違いない。
接待を気に入っていただけたんなら、出来ればトニ・ブランコを中日に返していただけないだろうか?
そしてあとはユラユラと流れて行ってゴールです。
完璧だ。
久しぶりに完璧な川下りをした気分。
欲を言えばもう少し暑い時期に潜って魚と戯れつつ、ビール飲みながら流されて、完璧な川原で焚き火&キャンプと洒落込めたら最高だが、今の僕にはそれは望み過ぎだ。
今の僕にとっては、警察とクレーン車が登場しなかっただけでも最高じゃないか。
今回こうして平和な川下りが出来たのも、チーム・マサカズが事前に代償を前払いしてくれたおかげなのだ。
みんな、ありがとう。
やがてホクホク顏で横浜組は長い帰路につき、僕も大満足で帰宅した。
こうして長く短かったGWを全力で駆け抜ける旅は終わった。
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それでは最後に今年のGWのおさらいです。
4/27:和知野川冷戦カヌー
4/28:親子三代宇連山8耐登山
4/29:20キロ足助トレラン
5/3:板取川カヌー板取事変
5/4:キョウトライアスロン2013
5/5:こーたろくん初節句
5/6:板取川浮かれカヌー
1月にこーたろくんが産まれた時は「今年のGWは1日くらいしか遊べんだろうなあ」と思っていたが、実際に終わってみると「1日しか家にいなかった」という驚きの結果となった。
その代わり基本的な育児をこなしながらだから、随分とハードなスケジューリングで走り抜ける事になった。
しかし0歳児のパパでも「相当な無理をすれば遊び倒せる」という事をを証明できたのかもしれない。
しかし恐らく無理のし過ぎで、1年分くらいの寿命は削られた気もするがいかがか?
このペースで遊び続けて行けば、82歳くらいでエベレストに登頂しているかもしれない。
それとも42歳くらいで嫁に殺されているかもしれない。
人生何事もデッドorエベレスト。
進むも地獄、引くも地獄の遊び人魂。
この不治の病に冒されてしまった以上、真剣に山や川でリハビリの日々。
殺されたって三途の川を優雅にカヌーで川下り。
今のニッポン、たまにはこんな人がいてもいいじゃないか。
嫁にもここらでガツンと言ってやろう。
ほんと、スイマセンでした…。
川に咲く花〜板取リベンジ〜
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MATATABI BASE
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さいとうです。写真バッチリ!川も綺麗ですね。
東京 奥多摩も綺麗ですよ!皆さんも奥多摩いかがですか?
横浜組の皆さん 近いし日帰りも可?
参考にyoutube海部郡山川町で検索 徳島出身のバンテッド所有の方です。https://www.youtube.com/watch?v=QiPbgod7EQM ももはコギーかなり賢いです。(20130411ももと川くだり)バンテッドだし!
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「海部郡山川町」ってネット上でよく目にしてました。
カヌー界は狭いんで必ずどこかで接点ができるんですねえ。
今僕も職場なんで帰ってからじっくり動画見させてもらいますね。
奥多摩はずーっと行きたくて行けないでいた場所。
現在子育てによる長旅産休期間。
なかなか遠出ができずに悶々としております。
横浜組はちょくちょく長瀞行ってるみたいです。
ぜひ声をかけてやってください!
B旦那も最近「ダッキーに犬のせて下ってる人がいる」と電話で行っていたのはゴルゴさんなのかもしれませんね。
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おはよう御座います。
「ダッキーに犬のせて下ってる人がいる」海部郡山川町さんですよ!
家の馬鹿犬は水没犬 狩猟犬の癖に犬掻きからの横向き水没 モンベルのロープ当然掴みません!海部郡山川町さんのももちゃんは賢いです!お父さん大好き!奥さんのヘリオス乗っていたのに、ジャンプ!泳いでバンテッドのお父さんの所に!
家のは***とほほ?
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ゴルゴさいとうさん、おはようございます!
どうやら勘違いしていたみたいで、海部郡山川町さんとゴルゴさいとうさんは別の方だったんですね。失礼いたしました…。
それにしても動画見ましたが、犬のせてあれだけ瀬を越えて行くってすごいですね。
ダッキーに犬乗せると爪で破裂しんかと心配だったんですが、全然問題なさそうですね!
同じマニアックなバンディットユーザーとしても尊敬いたします!