ニヒルな表情でたれを見つめる男。
0歳にして北方謙三のような渋味を帯びたこの男はこーたろくんだ。
お父さんが京都で絶句した後はこーたろくんの初節句。
結局お父さんはこのGWで、大人しく家にいたのはこの一日のみ。
こんな最低な父を許しておくれ。
よく考えたら、長男りんたろくんの初節句の時も僕はこどもの日にしか家にいなかった。
あの時は今回よりも酷く、名古屋〜静岡〜茨城〜栃木〜伊豆〜山梨〜初節句〜長野〜高山という強行軍。
全力で遊びきった「爆発大移動の旅」だった。(参考記事)
あの時の事を思えば、今回の冷戦カヌー〜8耐登山〜足助トレラン〜板取事変〜キョウトライアスロン2013なんて大人しくしていた方だ。
驚く方も多いかもしれないが、一応これでも僕は僕なりに「我慢している」という状態。
本来であればアラスカ辺りを1ヶ月以上放浪したいのだ。
仕方なくその思いを日帰り旅に求めてしまうあまり、無理に無理を重ねて毎度悲惨な目に遭っているわけだ。
改めて嫁も大変な男と結婚してしまったものだと思う。
彼女がサド化するのも無理の無い話だ。
そんな最低野郎でも、りんたろくんとこーたろんの二人の息子の事が愛しくてたまらない。
もの凄く手がかかって大変な毎日だけど、これはこれでアラスカを旅する以上に「今しか出来ない旅」のひとつ。
全力で苦しみ、悩み、楽しむのだ。
というわけで今回は久々に「りんたろこーたろ成長記」として、過酷なGWの中のささやかな一日を記録しておこう。
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5月5日こどもの日。
皮肉にもこのGW中で一番天気の良い日となった。
そこで僕の提案で、無理矢理インドア家族たちを説得してガレージでBBQにこぎつける。
BBQと言えど、外で何かをしてないと発狂すると思ったからだ。
久しぶりに訪れた静かなる時間。
やはりたまにはBBQのような穏やかな休息が必要だ。
ここまでMMQ(マゾマゾ狂い)が過ぎたからね。
そして最近、徐々に外に連れ出し始めたこーたろくんも外へ。
彼が産まれて5ヶ月が過ぎ、首も座り始めて乳児湿疹も大分落ち着いて来た。
お父さんとしてはそろそろ彼を担いで山に登りたくてウズウズしているが、さすがにまだ早すぎる。
過去にりんたろくんのスタートダッシュに失敗して、彼の唇を紫色にしてしまった苦い過去もある。
こーたろくんは慎重に慎重に扱って行こう。
それにしてもこの男は僕にも嫁にも似ていない。
僕のようなエロ顔でもなければ嫁のようなサド顔でもない。
眼光鋭く、早くも人生を模索しているかのような哲学的な男。
試しにスプラッシュディスクを乗せてみても、この渋い表情。
僕の遺伝子のカケラも感じない。
前回も述べたが、僕の全遺伝子はりんたろくんに注がれてしまったのは間違いないようだ。(左:父、右:りんたろ)
しかしりんたろくんの性格は段々と嫁に近づいて、近頃父に対するサディストっぷりが増している。
ひょっとしたら僕のM的性格はこーたろくんに引き継がれているかもしれない。
あの渋い表情でマゾってたら、ある意味凄みのある変態になりそうだ。
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BBQも終わってこーたろくんの初節句。
哲学的な表情の弟と、エロ顔の兄。
マンガに出て来るエロ野郎みたいな顔の兄とは対照的な弟。
口から泡を吹きながらもこの落ち着き。
こうして見ると、嫁に似てなくもない。
僕がふいにオナラをこいた時、嫁はよくこんな感じの無表情で僕を無言で見下して来る。
そこには愛情を含めた一切の感情が読み取れない。
だからあんまりそんな目で見つめないでね。
そして気付けばりんたろくんも大きくなったものだ。
彼の初節句の時はまだこんなだった↓
でも今や袴を履いて兜もかぶれるように。
中々大きくならんもんだと思っていたけど、こうして知らない間に大きくなって行ってるんだな。
どうりで最近彼を背負って登山すると僕の肩の痛みも激しいわけだ。
そのうちあっという間に背も体力も追い抜かれて、僕が彼のお荷物になる日が来るんだろう。
その時は僕がりんたろくんに担がれて山に捨てられてしまうんだろうね。
でもそんな彼も、最近は「お父さんみたいになりたい」などと泣ける事を言ってくれるようになった。
そんな時いつも嫁は、苦虫を80匹くらい噛み潰した感じで顔をしかめる。
地道にウルトラマンの怪獣を買い与えて来た甲斐があったというものだ。
一方で本日の主役のこーたろくん。
君はりんたろくんの時に比べて、今の所手のかからない子だ。
比較的よく寝てくれるし、夜泣きも2回くらいで済ませてくれるようになった。
りんたろくんの時は2時間置きに叩き起こされて、さらに寝かしつけるのに1時間程を要する戦いだった事を思えば随分と助かっているぞ。
それでもまだまだかなり大変な日は続いている。
正直あやしながら何度も「あーもう!寝むたいんならそんなに泣かんで寝てくれよ!」と何度もイライラして、やっと寝たと思ってベッドに置けば「背中スイッチ」で振り出しに戻って発狂寸前なんて事の繰り返し。
この日々がまた2年くらい続くと思うとヘビーな気持ちになるけど、そんな日々がこの「長い旅」にとっては非常に重要だとりんたろくんには教えてもらった。
そして終わらない旅が無い事も登山で学び、辛い先には絶景や穏やかな空気感がある事も僕は知っている。
1合目がやたらと長くて急登だらけでも、5合目過ぎれば1合目も良い思い出になっているもんだ。
敬愛する星野道夫さんは、著書「長い旅の途上」で言う。
「あなたの子供は、あなたの子供ではない。彼等は、人生そのものの息子であり、娘である。彼等はあなたを通じてくるが、あなたからくるのではない。彼等はあなたとともにいるが、あなたに屈しない。あなたは彼等に愛情を与えてもよいが、あなたの考えを与えてはいけない。何故なら、彼等の心は、あなたが訪ねてみることもできない、夢の中で訪ねてみることもできない、あしたの家に住んでいるからだ……」
「それなのに、僕は泣き叫ぶ息子を見つめながら、“この子は一人で生きていくんだな”とぼんやり考えている。たとえ親であっても、子どもの心の痛みさえ本当に分かち合うことはできないのではないか。ただひとつできることは、いつまでも見守ってあげるということだけだ。その限界を知ったとき、なぜかたまらなく子どもが愛おしくなってくる」
数十年後に「あんな日々があったなあ」って目を細めて思い出してノスタルジックな気分にひたるのなら、今目の前の彼らの一瞬一瞬を、僕も共に噛み締めて味わった方がいいんだろう。
彼らは僕の子ではあるが、僕ではない。
とても貴重な時間を今共に過ごしているんだね。
そう思えばもうちょっとアラスカ放浪なんてのも封印できるかな。
まだまだ暫くは「日帰りの旅気分」でさすらう事にしよう。
そしていつかは親子三人でユーコン川へ。
焚き火を囲んでバーボン回し飲み。
その時、ゆっくり育児時代の話でもしてやろうか。
押し付けはしないけど、そんな日が来るといいな。
父のささやかな夢。
長い旅の途上〜こーたろくん初節句〜
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MATATABI BASE
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なんだか、ちょっと感動して、涙しそうに・・・我が家も、4歳と1歳の息子がいますので。。。ですが今年は、節句のお祝いどころか、カヌーを購入したので、あちこちの湖で乗りまくり、キャンプやBBQばかりでした。そして、5月はなんと突然テレビの取材が入ったので、タレントさんを庭に置いてあるカヌーでお出迎えすることもできました。もしよろしければご覧下さい。5月27日 月曜、昼2時~4時のCBCテレビ、ゴゴスマという番組の中のすごんちゅさんコーナーです。10分ほどですが・・・名倉といいます。すみません番宣になってしまいました。でも、このブログでカヌーの楽しさを知り、買ってしまい、テレビにも登場(カヌーはあまり関係ありませんが・・・)ですので、つい書いてしまいました。
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ルーシーさん、順調にカヌーライフを楽しんでるようですね!
このGWは天気はよかったですが、結構風が強かったんで湖でカナディアンは中々操船しにくかったかもですね。
でもカヌーメインというより、BBQなんかを織り交ぜて子供達とのんびり自然を楽しむ道具と考えれば、やっぱりカヌーがあるだけで色んな豊かさが発生しますよね。
本当に良かったです。
一応今回は人に見せるつもりじゃなくて、彼らの成長日記の一環として書いたんですが、何やら書いてるうちにいろんな思いがあふれて来てしまったんですよね。
でも星野さんの言う「あなたの考えを与えてはいけない。」を一番出来てない人間の僕が書くのもなんなんですがね。
あれだけ子供を連れ回してアウトドアを押し付けようとしてますから。
でも今後の選択は彼らに任せるとして、選択肢の一つを教えてあげてるって思えばいいのかなと。
僕もこの世界に目覚めたのは20代後半でしたからね。
ぜひルーシーさんのお子さん達にも、色んな世界を見せてあげてくださいね。
湖でのカヌー、キャンプ、BBQは間違いなく彼らの根深い所に居座るステキな体験になっていると思います。
そしてテレビに出るんですね。
すごんちゅさんのコーナーってことは、ルーシーさんは何かの分野で凄い人なんですね?
ある種僕も変態的な遊び人としてはすごんちゅさんですが、放映日を楽しみにしておりますね!
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ルーシーさん、放送見ました!
想像以上の状況に感心しきりです。
もう何度も僕が夢に描いていたような夢のような家と家族。素敵すぎました。
こんな環境で子供を育てたいなあって思っていた事を実践されてて、勉強にもなり羨ましくもありました。
お子さんたちの成長の雰囲気を見ていれば、その生活の豊かさが垣間見れて我が家の環境との違いを痛感です。
僕の場合、本人の意思関係なく自然に連れ回してる感じがありますが、ルーシーさん家のように遊びの中で自発性をもって行動している子供たちに色んな事を気付かされました。
ただただ脱帽です。
そして何より、こんなにカナディアンカヌーの似合う家もありませんね。
これからもバンバンカヌーで遊んで、次回はカヌーファミリーでのTV出演を期待しております!
ああ…ほんと羨ましい….