GWに突入した。
世間ではレジャーだ旅行だと賑やかになる季節。
しかし僕の世界でのGWとは「いかに肉体と精神を追い込んでゴールデンにマゾれるか?」というフェスティバルと言っても過言ではない。
一年で最も浮かれてはならない、格好の修行期間だ。
そんなGMWの前半戦。
僕は「帰省」という名目でりんたろくんを連れて家を飛び出した。
あくまでも僕の実母と孫が平和にGWを過ごすという建前の3日間。
しかし今週のマゾエさんが企てた計画は以下の3本。
・マスオ、強風冷水の和知野川でカヌー。
・マスオ、親子三代8時間耐久マゾ登山。
・マスオ、足助トレランで人体の限界に挑戦。
の3本です。
それでは前半戦。
まずは和知野川から振り返って行こう。
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初日。
いきなり下痢が止まらない。
高速道路で一路和知野川に向けて走らせる車中。
僕の大腸の反乱分子は、早くも暴徒化して襲いかかってきた。
岐阜羽島ICから飯田山本ICまでの、ほぼすべてのサービスエリアにマーキングをしながらの旅路。
実に華々しいGWの幕開けだ。
和知野川に着いた頃にはゲッソリして1キロくらい痩せてしまった気分だった。
それでも気分はいい。
実に8年ぶりの和知野川は、相変わらずの美しさで僕を出迎えてくれたからだ。
あの時はこの川で一人野宿した際、闇の恐怖に取憑かれてテントも置いたまま逃げ去ったという思い出の川だ。(参考記事:闇の魔物と野宿野郎)
そんな微笑ましい一人旅野郎だった僕も、8年の歳月が流れて我が子を引き連れての凱旋。
感慨に耽る僕の前には凱旋門みたいな味のある橋。
相変わらずの変態的な川の美しさ。
この川は独特の雰囲気で、川底が砂利ではなくて砂が多いから南国のビーチのような川なのだ。
お腹はユルユルだが、猛烈にテンションが上がって来たぞ。
8年前と同様に発電所から少し上がった場所から川に侵入です。
勝手にハイテンションになって行くゲリ父を横目に、何やらりんたろくんのテンションが強烈に低い。
彼はここまでの長い道中、ひたすら車内でウルトラマンのDVDを観ていて見事に車酔い。
そして到着と同時に軽く草むらに嘔吐。
結果、このようなテンションが出来上がったわけだ。
父はゲリで子はゲロ。
こうして妖怪人間のような排泄親子の挑戦が始まった。
川原に降りて行くと、当時と変わらぬ素敵な川原が登場。
本来はもっと鏡のような水面なんだが、表面が波立ってしまっている。
要するにこれは「風は強い」という事を意味している。
やたらと天気が良いから、まあそのへんは覚悟していたけどね。
出発前の記念撮影。
親子のテンションの違いがとても分かり易い写真になったね。
風が強くて寒くて鬱陶しいけど、いざ漕ぎ出せばやはりそこは清流。
強烈なスケスケっぷりでお父さんのコーフンはマックスだ。
しかしコーフンも束の間。
8年経ってすっかり忘れていたが、この先にはテクニカルな瀬が乱立していた。
道路からはこんな感じでどうなってるか分らないんだけど、
いざ突っ込んでくとこんな感じのが次々と襲いかかる。
ここで隠れ岩に乗り上げ、この後僕はカヌーから降りてカヌーを押す。
すると思いのほかアッサリとカヌーが外れて、そのままカヌーとりんたろくんだけが流されて行くという驚愕の事態に。
大慌ててで僕は川をダッシュしてカヌーにダイブ。
こうして開始5分で下半身がずぶ濡れとなり、以来ゴールするまでずっと下半身が冷たい風で冷やされ続けるといったゲリ野郎には過酷な状況設定が出来上がった。
そこを切り抜けると少しの間だけ平穏な区間。
この川は結構流れが速くて、こまごまと瀬が来るので落ち着いて写真が撮れない。
なので今回は後で歩いて戻って来た時に撮った写真を織り交ぜつつ進行していきます。
ここを進むと、発電所の放水口の流れに合流。
ここが大量放水中は危険なんでお気をつけて。
そこを越えると例の味のある橋をくぐり、
清流堪能タイム。
とっても幸せなんだけど、とってもお腹が痛いのね。
素直には堪能させてもらえないんだね。
と思っているのも束の間、早くも瀬。
コンクートの壁が変な形してるから複雑な流れになってる。
思いがけず緊張感のある瀬へ突入。
8年前に来た時の写真が少なかったから忘れていたが、当時も写真を撮るヒマなんてなかったんだね。
今回は3歳児を乗せている事もあって実にスリリングな川下りだ。
なんとか瀬を越えてりんたろくんを確認。
今まで使ってた帽子を失くしたんで、急遽買ったデカい帽子で表情が読み取れない。
でも帽子を上げると笑顔です。
いつも静水ばかりのカヌーで退屈そうだったが、今回は流れも瀬もあって彼も大コーフンの模様。
なんと僕が「一回川原で休憩しようか」と聞けば、「イヤ。このままカヌーに乗る。」と言うじゃいない。
これには僕も嬉しくてたまらなかった。
でもお父さんはちょっと川原でウンコをしたいんだが…。
これはついにりんたろくんがカヌーに覚醒したのか?
どうやら彼は激流好きだったみたいだね。
その後も気を抜けない細かい瀬や岩を越え、
のんびりした風景の中を滑るように進んで行く。
この川はこんな感じで、瀬と清流が入り乱れて実に忙しい川だ。
やがて大きな瀬に、親子で「うおおお」と叫びながら突入。
ここで思いっきり波を全身で被った。
もちろんりんたろくんには初めての体験。
見事に全身びしょ濡れだ。
夏なら良いんだが、ただでさえこの日は寒くて風もあって僕としては気が気じゃない。
でもりんたろくんは「もう一回!もう一回!」とおかわりを要求するというハイテンション。
嬉しいんだけど君を風邪引かせたら、お父さんはお母さんに殺されてしまうんだよ。
でもなんだか父さんは嬉しいぞ。
どうだ、家でDVDばっか見てるより自然は楽しいだろう。
ついに彼の中の川ガキの本質が目覚め始めて来たのかな?
それともただマゾが開花しただけなのか?
その後も和知野川は壮絶な美しさを見せつけ、
慌ただしい瀬のオンパレードを提供。
と言ってもそんなに悪質な瀬はなく、何度か水は被るけどそれも気持ち良い。(寒くて冷たいけど)
何度も親子二人で「3、2、1、とつにゅー!うおおおおお」と叫びながら瀬に突入して行く楽しい時間。
8年前のストイックな単独行カヌー野郎時代では考えられなかった、息子との川下り。
瀬が終わるとりんたろくんは僕の懐で横になり、のんびりと流されて行く。
空を見上げて「キモチいいねえ、おとうさん」。
ふと、すごく輝いた時間を今親子で共有しているなあと思う。
数年後にこの時の事を思い出した時、理由も無く泣いてしまいそうだ。
すでに目の前の風景がセピア色に見えてしまったよ。
やはり川はいいな。
やがてゴールの和知野川二瀬キャンプ場に到着。
ちょっとおセンチになってしまった僕を待っていたのは「突風さん」。
天は感慨に耽る事も許さない。
風は容赦なくずぶ濡れの二人に激しく襲いかかり、たちまち凍え出す二人。
りんたろくんはブルブルと震え出し、「もう、風さんやめてぇ」と悲痛な叫び。
着替えはスタート地点の車の中。
今回は距離が短いから歩いて車を取りに行く予定だったので、一気に事態は悲壮感を帯び始める。
ひとまず僕のレインウェアをりんたろくんに着せて、何とか彼だけは風から救助。
僕はこれにて、無防備状態で濡れた体に冷たい風を浴び続ける事になる。
本来はのんびりと歩いて行くつもりだったが、小走りで一路スタート地点を目指す。
でも20キロを担いでの小走りは、急速に僕の肩と腰にダメージを与えてグッタリとなる。
こんなはずじゃなかったのに。
初日からここまで追い込むつもりは正直なかったのに。
色々焦りすぎて、もはやお父さんのウンコはどこかへ行ってしまったよ。
へこへこになりながらなんとか例の橋を渡り、
無事にスタートの車へ到達。
急いでりんたろくんの服を着替えさせ、車内で暖をとらせる。
ああ、さっきまであんなに楽しかったのに。
GWなのに、なぜかスキーウェアを着て毛布で暖をとっている息子の哀れな姿よ。
彼のテンションは、ゲロ吐いてたあの頃にすっかり戻ってしまっている。
しかし今回の僕には秘策がある。
どこかの段階で彼のテンションが劇的に下がる事は想定内。
我々は再びキャンプ場に戻って来た。
そして僕はおもむろに秘策を取り出す。
こんな事もあろうかと、彼の熱望していた「巨大ヤプール星人」を購入して来ていたのだ。
こいつをバレないように川原にセットし、さもここで見つけた風にして彼をコーフンさせようというのが狙い。
何も知らずに、相変わらずのローテンションで車から出て来る男。
僕は彼に「川原に何かがいるぞ!」と猿芝居。
異変に気付くりんたろくん。
そして大急ぎで駆け寄って、巨大ヤプール星人を発見。
まんまと罠にかかった単純な男。
一気にテンションが上がって大喜びだ。
僕が「よかったな。巨大ヤプール星人は川にいるんだな。じゃあまた川に来ような。」と越後屋的な汚い大人の駆け引き。
しかし彼は「どこで買ったの?いつ買ったの?」と妙に現実的発言。
まあ機嫌が良くなったから良しとしておこう。
こうしてなんとか彼にとって、カヌーが悪い思い出にならずにすんだ。
これから川に行く度に怪獣を一体買っておかないとな。
親子カヌーは金がかかるのだ。
より大きな地図で 和知野川 を表示
こうしてGW一発目の和知野川カヌーが終わった。
そして一路愛知県岡崎市の実家へと向かう二人。
この時、親に続いてゲリに襲われた息子。
最近便秘気味だったから、嫁に下剤を飲まされていたのがここに来てその効果をいかんなく発揮。
今回のりんたろくんは「ゲロ〜凍え〜ゲリ」と受難の連続だ。
車内はたちまち濃密な匂いで包まれ、ずぶ濡れの衣類の匂いと合体して素敵なフュージョン。
そこから山中の道路脇でウェッティな彼の産物処理。
固形じゃないだけに、野外でのその処理は困難を極めた。
正直、この時の壮絶なオムツ替えの攻防戦が一番ハードだった気がする。
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こうして我々のGWは晴れやかに開幕した。
そしてここからゴールデンなマゾに突入して行く男達。
今年は育児でGWは何も出来ないだろうと覚悟していたわりには、なんやかんややっちゃってしっかりと体に苦痛を植え込む事を忘れない。
やればできるという0歳児パパの渾身のGW前半戦。
工夫次第で体はいくらでも追い込めるのだ。
次回マゾエさんは、親子三代8時間耐久歩荷マゾ登山の模様をお送りいたします。
ジュナンボーイとヤプールの秘策〜冷戦和知野川〜
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MATATABI BASE
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いいですねぇー、かなり楽しめたんじゃないですか?
子供のテンションが上がるとたしかに泣きそうになりますね。
うちもやっと今月、長男と御岳に行く予定が出来ました。
散々反対されましたけどね(笑)
小学校が始まったばかりで疲れさせるんじゃない的な感じで。
そういえば一つ聞きたかったのですが、今、NRSのバンディットが生産終了になったみたいで後継モデルのアウトロー2を買おうかと思っています。
バンディットとほとんど変わらないのですが疑問が1つ。
サイズはわかるんですが強度です。
大人2人、小学生1人、幼児1人は可能だと思いますか?
家族での紅葉もしくは花見リバー用に検討しています。
大した瀬は全員ではもちろん行かないので乗れればいいかと。
バンディット乗りの方のアドバイスください。
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makoyasuさん、どうもです。
僕も何気に子供をハードな場所に連れて行くのは禁止されてて、キャンプデビューはまだ厳しい模様です。
まあこんなにびしょ濡れになってますが、嫁には「湖のように穏やかな川さ」といって出て来ております。
悪い大人でございます。
でも小学生が始まったばかりだからこそもっと屋外で遊ばせたいですよね。
子供なんてのは基本的に疲れない動物です。
むしろ遊ばない方が良くない事だと信じてるんで、どんどんウソついて遊びに行きましょう!
そしてバンディット生産終了にはビックリしました。
それにしてもバンディット(盗賊)の次はアウトローですか。
相変わらず男心揺さぶるネーミングで攻めてますね。
確かに見た目はほとんど変わりませんね。
パッと見は持ち手がついたくらいかなーって見ていたら、フロア部分が大幅に変わってますね。
多分SUPボードと同じようなものを別で付けるんですね。
これならシート部がフラットになって乗り心地は良くなりそうです。
ひょっとしてこれを外したら、単体でSUPボードみたいに遊べるのかも。
子供に静水で遊ばせるにはいいかもですね。
でもその代わりに3キロばかし重くなってるのがちょっと残念ですね。
フロアがフラットになった分、安定性は増して居住性もアップしてると思います。
ちゃんと空気をパンパンに入れれば大人2人、小学生1人、幼児1人は静水域なら問題ないと思います。
シートの位置も結構細かく移動出来るんで、目一杯後ろの方に付ければスペースができるかと。
今回僕が子供を懐に挟んで下ったみたいにすれば、前後で子供を固定出来ます。
そのかわり子供が邪魔で若干パドリングがしずらいですけど漕げないレベルじゃないです。
まあでも4人乗ってやった事無いんで何とも言えないですが、感覚的には行けると思います。
是非ステキなアウトローファミリーで小滝の瀬を攻めてやってください!
かなり話題になると思います。
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ありがとうございます、参考にさせてもらいます。
そうなんですよ、重くなっちゃんたんですよ。これが痛いですね。
実際はもっと重いんじゃないかと。
それならセビラーとかでもいいかなと悩んでいます、安いし。
なかなか決められないところですが、悩みながら楽しんでます。
うちは僕が今までさんざん子供に怪我をさせてきたので、妻は相当厳しくなってしまいました(笑)
でも、諦めずバック転やらバック宙やらやらせて一緒にパルクールでもやろうかと。
とりあえずは僕が相手できない時の為にスカウトにでも入れて、山になれさせようかと。
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セビラーのコストパフォーマンスは最強ですね。
結構な瀬でも難なく抜けて行きますし。
でもベイラーの抜けが悪くて結構水が浸かりますが、一方でバンディットはガンガン抜けて行きます。
ちなみに最近リンクス2に親子二人と子供二人が乗って仁淀川を下っていたという情報あり。
似たようなもんなんで、軽い流れ程度の川ならいけそうですね。
まあでも、最終的に選んだモノは何選んでも正解ですよね。
でも子供にパルクールはさすがに不正解かもです。
親子パルクールしてたら、近所の人がナニコレ珍百景に応募してそれが嫁の目に触れる可能性ありで大変な事になりそうですね。
でもそんな親子がいてもいいじゃないかと思う今日この頃でございます。
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抜けがいいのは相当魅力的ですねー。
セビラーは少し面白味に欠けるんですよね、だからなかなか手が出ない。
アウトレットで半額でも買えませんでした。今思うと買っておけば良かったですが(笑)
ちなみに最近SUPでもダウンリバーしてますが結構面白いです。
お洒落な海でのんびりの方が好きな妻のために用意したSUPですが川では使えます。
今年は、激流もチャレンジしようかと思ってます。
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SUP持ってるんですか!羨ましい。
まだ一回もやってる人見た事ないから、川でやったら結構目立つでしょうね。
あれで川下るとどんな感覚なんだろうかと想像している日々ですわ。
あれならベビーキャリアで子供を背負って下れそう。
もしくはSUPを背負ってトレランしてから川下って帰って来るなんてマゾも…。
SUPとパックラフトがあればさらに自由度が増して楽しいんですけどね。
でもそんなの買ったらお小遣いの不自由度が増して苦しいんですけどね。
なんだかやりたい事と行きたいとこが星の数程あって大変です。
そう考えると一生って短い。
やっぱりもっと貪欲に遊んで行かないといけませんね。
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僕のはセビラーのインフレータブルSUPですけどなかなかいいですよ。
海でやる本格的なモデルと比べると遅いですけど、やはり移動や保管を考えると断然インフレータブルですね。
コンパクトとは言っても70リットルぐらいのザックと同じサイズなのでまあまあでかいです。
でも色々と使い道がありそうなのでとりあえずどこに行くにも積んでいきます。
子供受けはかなりいいですよ。
流石にベビーキャリアはやったこと無いですが、デッキにハンドルバーを二本付けたので多少荒く乗っても子供は楽しんでつかまってますよ。
後はダウンヒルや山岳パラもちょこちょこやってます。
どれもこれも真剣にやってる人に比べたら中途半端ですが、何分時間が足りません。
お小遣いはもちろんですが、やはり一番欲しいのは時間ですね。
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最近やっとフェイスブック始めました。
もしよければ友達申請してください。
仕事や余り積極的に広げたくない場合は無理にとはいいませんので。
何となくこちらだけが覗いているのは気が引けるので。
ちなみに根峯誠(ネミネマコト)と申します。
宜しくです。