週末の愛人との戯れの模様は前回の記事で書いた。
しかしまだまだ、この天気の悪い週末にやっておかねばならん事がある。
戦いは現場だけで行なわれるものではない。
事前にどれだけ準備が出来ているかで、山での快適さが決まるはず。
コアな読者は「あんた毎度そう言って準備万端整えてもいつも悲惨な目に遭ってるじゃないか。」「こんなはずじゃなかったのにって言ってるじゃないか」ってツッコミを入れたくなったことだろう。
準備万端に整えて、現場で不測の事態に陥り右往左往する。
これが僕が好きで選んだマゾスタイルなので放っておいてもらおう。
そんな不毛な事前準備の模様と、最近新規に導入した冬山アイテムの使用レビューを2回にわたってお送りします。
今回はウェアの使用レビューだけ。
ギア編の使用レビュー&改造事前準備の模様は次回で。
それでは好き者の方だけご入店ください。
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まずは使用レビューから。
まだ記憶に新しい、先週の雨乞岳でのバファローマン戦の惨敗の記憶。
バッファローマンのハリケーンミキサーの餌食になって、悲惨にまみれたあの登山。
実はこの登山は鈴鹿セブン完全制覇を目標にしつつ、冬山に向けたニューアイテムの実地テストも兼ねていたのだ。
まずは「冬山準備season2〜僕とアイツのドライな関係〜」でご紹介した、選びに選び抜いた最強のインナー達の使用レビュー。
ベースレイヤーはパタゴニア「キャプリーン3」。
まず着心地はグンバツ。
一切の不快感もなく素晴らしい着心地だ。
172cm72kgの僕でSサイズで調度いいんだけど、こいつの吸湿発散性能を考慮するとXSで肌とピッタリさせて着てみるのも良いかもしれない。
今回は新製品テストなので「ベースのベースレイヤー」ことファイントラックのフラッシュドメッシュスキンは使用していない。
にもかかわらず、吸湿発散性が素晴らしくて汗をかいても肌をドライに保つことが出来た。
今回はあまりハードな急登が無かったからまだ何とも言えないが、休憩時に汗冷えして寒いと感じる事も無かった。
ハードな喧嘩をしなくても、いつだって愛情が冷え冷えの我が家とはやはり訳が違うようだ。
(パタゴニア)patagonia M’s Cap 3 MW Crew 44421 |
そしてミッドレイヤーのパタゴニア「R1プルオーバー」。
こいつもベースレイヤーとしての使用も想定しているだけあって、着心地は素晴らしい。
ミッドレイヤーはベースから排出された汗を素早く吸収して発散する吸湿性能、そして適度な保温性能が求められる。
R1はこの裏地のモコモコっとしたブロック状のフリース地が適度な保温力を生む。
そして恐らくブロック状の隙間から、吸い上がって来た汗が拡散されて行くんだろう。
正直、キャプリーン3とR1だけでは通常時には寒さを感じる。
しかし、いざ行動時になるとその快適さは絶妙な状態をキープし続けるのだ。
そしてキャプ3をクルーネック、R1をプルオーバータイプとした事で体温調整も思いのまま。
まさに行動時の最強インナーコンビと言っても良いだろう。
動かない楽屋では冷えた関係でも、いざ舞台に立てばお客様につまらないギャグで寒い思いをさせる事は無い。
そんな安定感抜群のベテラン漫才コンビのような組合せ。
僕は今回の山行中に、一度も汗冷えによる寒さを感じる事は無かった。
【正規取扱店製品】patagonia パタゴニア R1プルオーバー男性用 40107 |
そうなって来ると、アウターでやっと本来の威力を発揮したのがマウンテンハードウェアのドライステインジャケット。
大分前に「脱湿マニアとガンダムシュー」で紹介した今シーズンの僕の相棒。
ドライQ素材のコイツの脱湿っぷりったら、もはや変態の域に達している。
ウェア内が蒸れる事をひたすらに許さないのだ。
それは決して僕からのチューを激しい抵抗で許さない嫁のような頑固さなのだ。
僕はコイツを使用し始めてから、行動中にウェア内が汗で蒸れて脱ぎたいなんて思った事が無い。
GORE-TEX素材のアウター使用の周りの人が「あっちー」と言ってウェアを脱いでいるのを、僕は涼しい顔で眺めていたほど。
GORE-TEX素材は内部が蒸れてから徐々に脱湿していくが、ドライQ素材はギャバン並のスピードで即座に脱湿を開始するからだ。
僕も以前はGORE-TEX素材のアウターで、何度となくいちいちザックを降ろしては着脱を繰り返していた。
過去に恵那山では「北風と太陽の旅人」と化し、何度となく来たり脱いだりをした苦い記憶がある。(参考記事)
もうあの頃の「ひとりグリム童話劇場」とはおさらばだ。
ただコイツの弱点として、何となくだけど「若干涼しい」のだ。
暑い時期はいいんだけど、雪山の風が吹く環境下では非常に厳しい思いをした。
この頃は大したインナーを着ていなかったから、汗冷えした体内に外気の冷気が侵入した感じになって凍え死ぬかと思った。
ゆえに冷えるから休憩をする事無く、ひたすらに動き続けなくてはならないという修行登山を楽しむ羽目になった。
でも今はもう違う。
今の僕には、ベテラン漫才師「パタゴニア」のベース師匠とミドル師匠のお二人が味方に付いている。
この師匠達のおかげで肌は常にドライに保たれ、師匠達に吐き出された湿度はドライQの変態的な脱湿効果と相まって面白いほどに排出されて行く。
会場はバカ受けで熱気ムンムンでも全く問題無し。
全身から服を通り越してモクモクと湯気が昇って行くのがよく分かり、まるで僕がラオウばりのオーラを解き放っているかのようで、なんだか強そうに見えたり見えなかったり。
(マウンテンハードウェア) Mountain Hardwear Drystein Jacket ドライステインジャケット BlueHorizon/Sapphire |
最近では2代目の変態も登場した模様↓
MOUNTAIN HARDWEAR(マウンテンハードウェア) ドライステインIIジャケット OM4771 |
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そんなインナー師匠+変態アウターの最強の組合せで行動中の快適さは保障された。
でも強風の稜線上や、外気気温が低くて行動時にも寒さを感じる時がある。
そんな時に満を持して登場するのが、パタゴニアのインナーダウン「ナノパフ プルオーバー」だ。
「ワシが男塾塾長江田島平八であるッ」といったような、ここぞで登場するこの威圧感。
実に頼りになる存在がこのインナーダウンだ。
このナノパフは化繊のダウンなので、羽毛に比べて濡れてもその保温力が落ちる事が無い。
もちろん羽毛より保温力は劣るが、僕はコイツをインナー用と認識しているから、湿度によって濡れてもいい化繊を選んだ。
今回の雨乞岳ではタイムオーバーによって途中撤退になってしまったが、あのままハリケーンミキサーの暴風寒風内で稜線上を歩いていたらこの塾長の登場となっていた事だろう。
おそらく1000万パワーのバッファローマンでも、人間であって人間ではない江田島塾長の手にかかれば容易く撃破出来たはずだ。
今回は家を出る時の防寒用と、風のない林間での休憩時に使用した。
この濡れても良いという安心感と気軽にいつでも羽織れるって感じが非常によろしい。
胸のポケットに本体が収納出来るから嵩張らないし、頻繁に使いそうな時はカラビナでザックに括り付けておくのもいい。
収納も何も考えずにスルスル入れていってちゃんと納まるから、面倒くさがりの僕にもピッタリだ。
ただコイツだけに防寒を任せるのは保温力に不安が残るので、行く山の状況次第ではちゃんとフード付きの羽毛のダウンは持っていこうと思ってます。
あとサイズに関しては僕はドMのくせにSを選んだけど、日本人向けに作られてないから袖が長くて裾が短く感じる。
普段着で着ると若干80年代の匂いが感じられる形になってしまうから、僕みたいな胴長の人は注意が必要ね。
(パタゴニア)patagonia M’S NANO PUFF P/O 84020 |
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そして今回初登場させたバラクラバ(目出し帽)。
サッカーファンなら、かつて黄金のライオンアフロでお馴染みのバルデラマを思い出した事だろう。
しかし実際はそんな派手な物ではなく、実に地味な存在の目出し帽。
しかもこれを被ればたちまち変態度がうなぎ上りという禁断のアイテム。
ここが山だから良いが、万が一ここが女性更衣室だった場合、女性陣のパニックぶりは計り知れない。
でもそんな地味で変態なバラクラバだが、雪山では大重要アイテム。
生身の肌が露出しまくる顔面の凍傷予防には無くてはならない物だ。
僕の買ったのはモンベルの薄手のメリノウール素材の物。
モンベル(mont‐bell) スーパーメリノウール バラクラバ |
色々と厚手の物や防風の物、鼻や口周りが呼吸しやすいように穴の開いた物などがあったが、僕のような低山使用ならまずは安価なこの程度の物からでいいだろう。
ただこれの使用感については、僕がハリケーンミキサーを食らっている真っ最中に使ったから必死すぎてあまりよく覚えていない。
言える事はやっぱり無いよりは断然顔が暖かいってこと。
でも防風仕様じゃないから、アウターのフードと併用しないと大して温かくはないので注意が必要。
さらに息苦しいので「コーホー」という息づかいも、そして見た目もウォーズマンになるという事だ。
吐いた息がモワッとなってメガネが曇るのも難点。
まあ、これに関してはもっと経験を積むほどに本当に必要なタイプの物が見えて来る事だろう。
我こそはという勇者は、一度これを被ったまま満員電車に乗って登山に行ってみてはいかがだろうか?
恐らく諸事の理由で登山口にすら辿り着けないことだろう。
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新規導入ウェアに関しての使用レビューはこんな感じです。
参考になったでしょうか?
基本的に各アイテムを大絶賛してますが、決してどこかの巨乳アイドルみたいに謝礼金をもらっていないのであしからず。
というかここまで書いてるんだから、パタゴニアさんとマウンテンハードウェアさんから少しくらい謝礼金を頂けないだろうか?
僕もそこそこ巨乳だし。
だめかな?
ギア編へ 〜つづく〜
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こんにちは。
ドライステインのレビューを探していたらこちらに辿り着きました。
yukon780様はサイズはどれをお使いでしょうか。
ご教示頂けますと幸いでございます。
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takaさん、こんにちは。
買った当時の僕は身長172cmで体重75キロ。
日本人らしい胴長短足の頭デカでちょいと腹が出てます。
普段の服は大概Lなんですが、やはりアメリカサイズで大きいんでこのジャケットはMにしました。
実際に着丈はちょうどで、細身な感じですがインナーダウン着ても問題ない感じです。
ただ袖が妙に長いですが、特に気になる程でもないです。
僕の場合ジャケットは良かったんですが、Mサイズのパンツの裾が長過ぎてSに変更した過去もあります。
やはり出来ればショップでモノがあれば着て見たい所ですね。
冬場は若干の寒さを感じますが、行動時にこの速攻透湿はこれをど有り難いもんはないです。
個人的にはもうGORE-TEXには戻れないです。非常におすすめです。
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早々のレスをありがとうございます。
私は168cm/65kg ガッチリ体系なので、丈でウェアを選ぶと胸/肩周り
がパツンパツン、逆だと裾/袖余り過ぎ‥と中々苦労しております。
頂いた情報よりインナーを考えるとMかな‥。
DRYQには非常に興味があったのですが、今冬のドライステインIIは色
使いが気に入らずスルーして結局GOREに流れました(汗
嫁がDRYQ Elite のソフトシェルのザーラジャケットを購入して絶賛してたので、いいものなんだろうなと思いますね。
因みに私もR1は大好き(というかフリースはPatagoniaしか考えられない感じです)なので、冬場は主にモンベルZEOLINE MW + R1 P/O + TNFのクライムライト といった格好でございます。こちらを拝見してキャプ3にもちょっと興味が出てきました(笑)
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takaさん、僕も随分とサイズでは頭を悩ませたのでご苦労がよくわかります。
でも羨ましい逆三角形の体型。結構海外ブランドのものが合いそうな感じですがそうもいかないみたいですね。
そして確かに僕もドライステインⅡにはカラー的に購買意欲湧きませんでした。
これからの季節は奥様のソフトシェルは最高でしょうね。
一度激しい行動時にDRYQ Eliteを使ってみてほしいです。病み付きになりますよ。
そしてtakaさんの冬場のレイヤリングもいいですね。
是非そこのベースのベースにファイントラックのフラッシュドメッシュスキンを。
これはこれで汗戻りが無くて病み付きになりますよ。