◉ 愛すべき旅道具

尻軽女とマゾマゾクッキング

エマージェンシーキット作成から始まった週末の男の風景。

前回のウェア編に引き続き、今回はギア編。

新規導入したギアの実地使用レビューと、その改造の模様をお送りします。


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長くポール問題で悩み続けて来た男。

そんな中、ついに今回新導入したトレッキングポールがこのブラックダイヤモンドの「ディスタンス」だ。

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ハッキリ言って、これはスペシャルヒットだった。

リコールや失踪などで数々の女性(ポール)と悲しい別れを演じて来たが(参考記事)、やっと最適な伴侶を得た気分。

本物の我が伴侶とは比べ物にならないやさしさを秘めたポールだった。


まず一番のウリとして、コイツは「ハンパない尻軽女」ってこと。

2本で340gという凄まじい軽さで、かなりお安い女だ。

その軽さは「目が合っただけでホテルイン」といったほどの脅威の軽さなのです。


使用中もまるで持っていないかのようなエアトレッキング気分。

トレッキングポール界のゴールデンボンバーと言っても過言ではない。


そのくせ結構強度もある。

この山行中に何度か滑って全体重を預ける場面があったが、実に逞しく僕を支えてくれた。

尻軽女のくせに「普段は市役所で経理を担当しています」といった感じで、意外と頼りがいがある女だ。

もしこれが我が嫁だったら、支えるどころかさらに僕を突き落として稲中の前野みたいな顔して指差して大笑いした事だろう。


で、折り畳んでもご覧のコンパクトさ。

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今までみたいにザックの横に取付けなくても、ザック内に入れても雨蓋の下に横にしても入るから素晴らしい。

こんなに小さくまとまってしまっては、バッターとしては掛布に文句を言われそうだがポールとしては最高だ。


何が素晴らしいと言えば、登山中にポールが邪魔な局面になった時、さっと畳んでザックのチェストストラップに引っ掛けておけば大して邪魔にもならずに両手をフリーに出来る事。

これって僕にとってはずっと切望していた事。

畳んだり伸ばしたりするのも「ジャキン」とものの2秒とかからない。


懸念していた長さの調節が出来ないって点も、持つ位置の上下で十分問題なく対応出来る事も分かった。

こいつは本当に素晴らしい選択をしたものだ。

もう、リコールとかは無しでお願いしますよ。


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ただコイツの唯一の欠点は雪山登山用のスノーバスケット(先っちょにつけるシャンプーハットみたいなやつ)が取付け不可ってこと。

夏山用のままだと、深雪の際にポールがズボッと埋まってしまって難儀をするんです。


そこでネットの情報を元に、クッキングの開始です。


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さて、今週も始まりました「マゾマゾクッキング」のお時間です。

今日ご用意していただく食材はこちらになります。

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尻軽女1セット、スノーバスケット2個、レキのフレックスチップMを2個、コッヘルとガス缶。

この際のガス缶は、残量が残り僅かで山に持って行くのは心もとないなあってくらいの中途半端なガス缶を使うのがコツです。

いっそこんな時にこそ使い切ってしまいましょう。


深めの鍋に、尻軽女の先っちょの黒いストッキングが入る程度の湯を沸かします。

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この人みたいに風が強くて寒い屋外でわざわざやる必要はありませんが、当番組はマゾ向けクッキング番組なのでこのまま進めます。


お湯が沸騰したら、軽々しくついて来た尻軽女のストッキング部分を熱湯に浸します。

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そして5分ほど懲らしめたら、一気にストッキングをはぎ取ります。

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ストッキング内のホットボンドが溶けて、相手に抵抗させる事無く脱がす事が出来ます。

ただそんな姿を子供に見られると恥ずかしいですし、熱湯が危ないので調理前に子供はどこかに隔離しておいた方がいいです。

この人は突然乱入されてもの凄く焦っていますが、マゾなので問題はありません。


ストッキングを脱がしたら、すかさずレキのフレックスチップMというコスチュームを着せてあげましょう。

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で、再びホットボンドが溶けるように熱湯でいじめます。

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1分ほど懲らしめたら、すかさず容赦なく固い地面にガンガンと打ち付けます。

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サドの人は大満足でしょうが、マゾな人はまるで自分がやられているかのようなイメージを頭に描く事が肝心です。


二本目も同じようにやりますが、この辺りから子供の自由度が増してインターバルタイマー撮影のカメラの前に被って来たり、

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「ダッコダッコ」が始まり出すので、作業は困難を極めます。

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そして途中でまさかの「2個目のガス缶の残量終了」により、お湯がぬるくなっていってストッキングを脱がせられずに相当焦る事になります。

やはりノンマゾの方は、大人しく室内の台所で普通にやる事をお勧めします。


やがて無事にレキのコスチュームを着せてあげることに成功したら、優しく純白のスカートを履かせてあげます。

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ヤクザの手法ですが、このようにさんざん痛めつけた後に優しくしてあげると彼女はあなたにゾッコンになるでしょう。

そして見事に純白のスノーバスケットを着けた雪山仕様の清純な女の子の完成です。

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これでもう尻が軽いだけの役所女ではありません。

純白な雪原を共に歩いて行ける、美しき伴侶の完成でございます。


このスノーバスケットは彼女の両足にピッタリフィットするので、折り畳んだ際も無駄無くコンパクトに。

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これならご家庭に本物の伴侶がいる方も、愛人としてザックの中に忍ばせる事が可能ですね。



あとついでに今日はデザートも作ります。

一眼レフカメラのストラップも軽くクッキング。

あの重々しかった純正のゴツくて邪魔だったパンツをひもパンに換えてみました。

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基本カメラはチェストバックにいれつつ、この軽くて邪魔にならないヒモを首にかけておけば、カメラを落とす事も無く安心。しかも軽い。

一眼レフカメラの重厚感が、このひもパンであっという間にオモチャのような安っぽさにまみれるあたりも味わい深いですね。


それでは本日の「マゾマゾクッキング」は以上でございます。

また来週お会いしましょう。


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それではお次ぎはこいつ。

サーモスの魔法瓶「FEK-500」です。

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コイツは「山専用ボトル」という触れ込みで売られているシャアみたいな魔法瓶。

山専用と言うだけあって軽量で、本体に巻かれたゴムバンドのおかげでグローブをしたままでもしっかりグリップ出来る。


僕は今まで、この手の水筒を持っていくのはシニアなイメージがあったのでちょっと抵抗があった。

でも雪山でバーナーを出すまでもなく、いつでも温かい飲み物が飲めるのはこんなにも素晴らしい事だったんだという事を今回の登山で知った。

体も内側から温まるし、甘いホットレモンティーなんて入れた日には体力だって回復することだろう。

ただ僕のような人間が「甘いホットレモンティー」なんて言葉は口にするのはあまりにも恥ずかしいので、男らしさを表現する為に中身はあくまでも「アツアツのおでんの汁」が入っていると言い張る事にしよう。


今回はコーヒーを持っていったが、体温を下げちゃうからあまりカフェイン入りのものは控えた方が良いみたいです。

あと家庭内でも、思い切って嫁に「コーヒーいれて」なんて言おうものなら、たちまち嫁の眉間に2本のしわが寄る事になるので大人しく自分で入れた方が良いみたいです。

豆情報でした。


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続いてついに僕のアウトドアライフに侵入して来てしまったジェットボイルだ。

なんとなく避けて来たけど、いざ自分のものとなるとやっぱりいいもんだね。

コイツはチタン製の軽量タイプ「JETBOIL SOL TI」。

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正直軽いと言っても、今まで使ってるチタンのコッヘルとミニストーブのセットと比べると若干だけ重い。

でも以前のものは極寒地でまるで機能せず、寒風吹きすさぶ御在所岳ではぬるま湯のままカチカチのラーメンを食った苦い思い出がある。

こいつには寒冷地でもガス缶の機能を損なわないラジエーターなるものが付いていて、とっても雪山仕様。

日帰りでラーメン用の湯を沸かす程度なので、コイツは実に最適なバーナーだ。


そして何より、寒い場所で即座にお湯を沸かしてくれる熱効率の良さが素晴らしい。

まるで一瞬で嫁を怒らせて沸騰させてしまうという僕の失言のような威力を秘めている。


今までのパターンだと、お湯に火をかけてからおにぎり1個と魚肉ソーセージを食った時点でお湯が沸騰している感じだった。

しかしこのジェットボイルは、僕がこのようにセルフタイマーをセットしている最中にもう水はお湯となり、

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そして内股でタマゴロウを剥いている最中に「ブッシュー」と湯気が溢れて沸騰していた。

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沸騰するのがあまりにも早すぎて、全く落ち着きのないランチだ。

ティファール並の沸騰スピードに、まだ僕の方が付いていけないくらいだ。


でもこのスピードは燃料の省エネにも繋がるし、いち早く温かい食べ物を食べたい雪山では大活躍間違い無しだ。

こいつは今後の活躍に期待大ですな。


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最後にいつも不便に感じていたあの問題の解決に着手。

いつも己撮りをして定期的にマゾを楽しむ僕としては、三脚のやり場に困るのだ。

この相棒のUL三脚(参考記事)ね↓

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凄く軽いから荷物にはならないんだけど、ザックにしまえばいちいち出すの面倒くさいし、しょっちゅう使うからすぐに取り出せる位置でキープしておきたい。

今はチェストバックの奥に押し込んで使用しているが、出来れば刀みたいにいつでも腰からスパッと取り出したい。


そこで好日山荘で物色しながらこのようなものを発見。

バーグハウスのペットボトルホルダーです。

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お店で試行錯誤を繰り返した結果、同じペットボトルホルダーでもこのタイプがベストと判断。

コイツはあの三脚がスポッと入り、入口も絞れて落下防止も問題無し。

ザックへの取付けに関しても、うまいこと僕のザックのちょうど良い位置に付く事が分かった。

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イギリスの老舗ブランドバーグハウスの初購入アイテムがまさか「三脚用ペットボトルホルダー」になるとは。

そもそも本来の使い方じゃないし。


しかし物の価値は使う人間が決める事だ。

だってちょうど良いんだもの。


で、ディスタンスをチェストストラップにつけた状態と三脚をセットした状態がこれ。

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なんだかゴチャゴチャしてて新手のトランスフォーマーみたいな外見だが、使用上は見た目ほど邪魔にならない。

そしてこの頃には子供もお父さんにすっかり興味を失くして、YouTubeを堪能している。


これで不測のマゾ事態に遭遇しても、即座に三脚を取り出す事が可能だ。

突然現れた熊と一緒に記念撮影する余裕すら生まれるかもしれない。

もしくは食われてる劇的な最期の瞬間を激写する可能性もある。


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と、こんな感じでギアの事前準備も完了。

エマージェンシーキットから始まった全3回に渡ってお送りした週末の男の出来事。


これで次回からの雪山登山に向けて準備は万端だ。

でも正直第二子出産直前でそんな場合じゃないというのが実情。

ここまで用意周到に準備して「一度も雪山行けませんでした」という究極のマゾプレイに突入する可能性は高い。

そもそも彼には、庭で妙なクッキングをする前にやるべき事が他にあるはずだね。


道具の前に、もう一度自分を見つめ直してみる必要がありそうだ。

うまく育児と両立していくのが次の課題でございます。



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