やっと届いた。
ペリーの来航(参考記事:青船来航)に続いて、この度ハリスが我が家に来航した。
随分と時間がかかったが、前回の記事(海外個人輸入野郎の呟き)の商品がやっと届いたのだ。
ドキドキの開封の瞬間。
ちゃんと間違わずに指定の商品が入っているのか?
破損や欠品はしていないか?
サイズは適切だったのか?
僕の事だ、物事がスムーズに済むわけは無いんだ。
入り乱れる不安の中、まずは関税等の確認だ。
前回あれだけ大きなカヌーを買った時の関税は100円だったのに、今回は1800円も取られてるじゃないか。
関税の基準は相変わらずよく分からんが、少々納得がいかんなあ。
そして前回同様、何に対しての税なのか分からん消費税が取られている。
悔しいので、僕はこれを「男のロマン税」という事で納得するようにしている。
そしていよいよ御開帳。
雪山玉手箱のオープンだ。
まず飛び出して来たのが、スノーシュー。
ここで少しだけ背中に寒気が走った。
パッと見、スノーシューしか入ってないように見えたからだ。
まだアウターの上下が入っているはずなのに。
慌ててスノーシューをどけて、底の段ボールをめくったら下からちゃんと出てきました。
ほんと、焦るからこういう梱包やめて。
ふーーっと息を吐き、心を落ち着かせる。
とりあえず注文した商品は間違いなく、我が家にやって来たわけだ。
各々の商品の詳しい説明はまた後日改めてするとして、まずは商品が問題ないかのチェックだ。
MSRの「EVO Tour」とオプションの浮力アップさせるフローテイルは問題ない。
初のスノーシューだから、分からない部分も多々あったが基本的にシンプルな構造なので問題なし。
あとは実践で確かめるしかない。
続いて、ついに現物に出会えて感激のアウター。
マウンテンハードウェアの「ドライステイン・ジャケット」。
新素材「ドライQエリート」がついに我が家にやって来た。
この未来素材は、僕にとってはまさに配色とネーミングからして「ドラえもん」の様な素材だ。
Mサイズをチョイスしたが、インナーと中間着を着た状態でピッタリフィット。
やや腕の寸法が長いけど、気になるほどじゃない。
着た感じも色味も中々よろしい。
こいつは早くフィールドテストしてみたいもんだ。
さあ、最後になりました。
同じくマウンテンハードウェアのドライQエリート素材のスノーパンツ「ヘスティア・パンツ」だ。
この時点で、もうすっかり僕の気持ちは雪山に向いていた。
さあ、今週末晴れたらこいつらを駆使して御在所にリベンジだ。
そんな事を考えながらパンツを履いてみた。
おや?
おかしいな、僕の足が出てこないぞ。
どういう事だ?
もはやでかいを通り越しているぞ。
全体にブカブカで、裾が異常に長い。
まるで忠臣蔵の松の廊下「殿中でござる」スタイルじゃないか。
「ええい、離せ。前回の恨みを晴らすのだ。御在所上野介、覚悟。」
こんな状態で山に行ったら、他の登山者に「山中でござる」って止められてしまう。
しばらく殿中スタイルで、その場に真っ青な顔で立ち尽くす僕。
しかし落ち着いて考えて「ああ、そうか、登山靴を履いてちょうどいいサイズなんだ。」と思い至る。
登山靴を履いて再びトライ。
登山靴の踵から裾が3cmほど飛び出てる。やっぱり長い。
なんてことだ。
こんなヒッピー的ベルボトムスタイルで雪山に登れというのか?
なんとかロングスパッツを着けて、その中に入れこめば使い物にはなる。
でも、そんなのなんかおかしいし納得がいかない。
おかしい。
そもそもサイズ表を元に嫁に採寸までしてもらってこのMサイズに決めたのに。
嫁に相談してみたら「バカじゃないの」って、なぜか僕が罵倒される始末。
もう訳が分からない。
一体僕は何を信じれば良いんだ?
さてはこういうものなんだろうか?
これで合っているんじゃないか?
いや、でもやはりここはSサイズが正解だろう。
僕の自問自答は松の廊下事件以来、数時間に渡って続いた。
他にブログでこのパンツを買った人にメールで問い合わせたり、マウンテンハードウェアの渋谷店に、そこで買っていないにも拘らず問い合わせてみたり。
しかし、益々混乱して行く僕の頭。
悩みすぎて、やがて頭から「どーん、どーん」という太鼓の音が聞こえて来た。
ついに討ち入りの時が来た。
僕の思考回路の門に、赤穂義士達が口々に大声で叫びながら突撃してくる。
「やっぱりSサイズだろ!」「日本人体型のお前には荷が重かったんだ!」「足短いんだよ!」「分をわきまえろ、この短足野郎!」
ついに彼らの想いが爆発し、僕は返品・サイズ交換を決意した。
往復送料分のおよそ5000円が実にバカバカしい。
それでも日本で買うより安いんだけど、この悔しさったら。
またも米国との胃の痛い英語でのやり取りが始まった。
メールで何度かやり取りして、パンツを送り返しつつ、改めて新規でネット購入すれば、送り返したパンツは返金扱いにしてくれるというような感じになった。
しかし、英語はよく分からないから、「ような感じになった」としか言えない。
とりあえずMサイズのパンツもEMSで送り返し、新規で購入した。
この新規購入の際も、僕のカードが上限に達してしまった為にさらに複雑な感じになっていって僕を苦しめるが、ここでは割愛します。
激しく不安だ。
ちゃんと処理されるんだろうか?
結局2本分買ってしまったなんて事にならないだろうか?
メールを送る度に、担当者がブレンダ、エリザベス、クリスチャン、ゲイルなどと次々と新顔が現れては消えて行くのでちゃんと伝わっているのか謎だ。
五里霧中とは今の僕に最適な言葉だ。
頭の中はホワイトアウト化し、行き先不明のデンジャーゾーン。
こんな不安な気持ちで、また何週間も待つなんて気が触れそうだ。
という事で「ライブチャット」とやらにトライしてみた。
このSirra Trading Postというショップは、カスタマーサービスとしてチャットで直接やり取りが出来るのだ。
果たして全く英語が解らない男が、生のアメリカ野郎と、この複雑なコミュニケーションを取れるのか?
現地のコールさんと繋がり、強烈に緊張する。
パソコン上にはチャット画面と、Googleの翻訳ページを開き臨戦態勢だ。
最初はそこそこ話がかみ合ってたんだけど、徐々に雲行きが怪しくなる。
画面越しにコールさんの眉間にシワが寄っている光景が、手に取るように分かる。
次第にコールさんも「あなたの言っている事が理解出来ない。私に何か出来る事はあるのか疑問だ。」と言ってくる。
Googleの直訳なので、実にキツい口調に感じられてならない。
猛烈に冷や汗が溢れる。
ライブチャットなので、とにかく焦ってキーボードを打つ手も汗でびっしょりだ。
この過酷な状況下でも、りんたろくんが「おとうしゃん、ダッコ、ダッコーッ!」と抱っこをせがんで来てさらに僕をパニックへと誘い込む。
その後30分程地獄のようなやり取りが続き、何とか話が通じたようだ。
最終回の矢吹ジョーと化した僕は、グッタリとコーナーポストに腰掛ける。
もう何も考えられない。
とりあえずこれで多少は安心して日々を暮らすことが出来る。
しかし、実際にSサイズのパンツが届いて返品したMサイズのものの返金が確認出来るまではこの不安は続く。
そして、意外とそのSサイズがまさかの小さすぎるなんてウルトラCが起きないとも言い切れない。
海外通販は価格が安い分、やはりこのようなリスクがつきまとうんだね。
御在所岳リベンジに向けての男の忠臣蔵は、まだまだ始まったばかりだ。
松の廊下の悲劇〜日米チャット対決〜
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こんばんは。
楽しく読ませてもらってます。
今更ながら、松の廊下の原因ですが(ひょっとして、もうお気づきかも)。
このパンツ、いわゆる股下サイズがあるようです。
S (76cm)/M (81cm)/L (86cm)となっています。
つまりM-Lサイズだったのでは!?
私も実はMHのパンツ待ちです。個人輸入で、サイズM-?です。
クリアランスセールだったから、Lが来るかも。
http://www.mountainhardwear.com/Men%27s-Hestia%E2%84%A2-Pant/OM4159,default,pd.html
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コメントありがとうございます!
そうなんです、股下サイズの存在は気づいていました。
僕の時の表記は「short」「regular」「long」となっていて、セール品なんで「regular」サイズしかなかったってわけです。
要するにMサイズのMだった訳です。
マックスサイズのマゾではないですよ。
一応サイズ表を参考にした所「short」と「regular」の差が3cmくらいなもんだったし、多少はいいかなあと思ってしまったのが浅野内匠頭への第一歩だったようです。
特にこのパンツはスキーブーツ用的な扱いで、かなりの裾の伸びっぷりでした。
実際バックカントリーメインでこのパンツを使ってる方で、同じような体型の方がネットでいらしたんですが問題なく使っているようです。
その後、SサイズのRに替えたんですが、やはり股下はRのままなんで長いです。
Sサイズになった分、靴からはみ出る事はなくなりましたがやっぱり長いです。
まあ、でも結局はロングスパッツつけるんで全く問題はないですが。
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参考までに僕は171cm70kgの平均的日本人胴長短足腹出し顔でか体型。
Sサイズで腹回りピッタリ(インナーは中に入れこむからMサイズくらいの余裕があっても良かったかも)で多少股下が突っ張る感じ。裾は登山靴履いて地面すれすれ。
リンクしてもらったページでもRしかないみたいですね。
ひょっとして同じヘスティアパンツですかね?
スキー用、冬用登山靴(僕は普通の登山靴しかない)であればMRでもいいかとおもいます。
邪魔ならロングスパッツ履けばいいですし。
僕がMサイズ返品前であれば、一緒に松の廊下ごっこができたかもしれませんね。
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どうもです。
注文中なのは、ボクタパンツです。強度のある製品ですが、サイズはそんなに変わらないと思います。メールで問い合わせたところ、M-Rと判明しました。
私の場合、パタゴニア試着Sサイズでは、太もも小さすぎなので(股下OK!)、M選択なんですが、MHの股下Rがそんなに長いとは思ってませんでした。
ちなみに身長176cmで昭和生まれの超短足日本人体形ですので、危険な領域です。貴殿との5cm差が全て有効であれば良いのですが。。。。
私も東海地方在住ですので、リアルに松の廊下ごっこできまたかもです。
ちなみにドライステイン・ジャケットも同時進行中です。
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ボクタパンツですか。良いヤツの方ですね。
僕も最初はボクタパンツが良かったんですが、予算オーバーで諦めました。
おそらく僕と同型の日本人体型とお見受けします。
なので僕以上の短足でない限り、僕が登山靴の踵から3cmオーバーくらいだったから、taniさんなら踵から2cm上のちょうどいい位置に来るはずです。
東海地方在住であれば、いずれどこかの山でお会い出来そうですね。
あまりマウンテンハードウェアのジャケットの人には出会う事がないので、一発で分かりそうです。
しかもドライステインジャケット同士の瞬間脱湿仲間。
殿中ではなく、山中でお会い出来る事を楽しみにしております。
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パンツがやって来ました。
かつてない巨額な男のロマン税と共に(登山靴くん分です)。
私的には、ロマン無く、一か八か税?税関ねすみ取り税?気まぐれ税?へたすると国内価格補正税です。
さて、MHのパンツが果たして長いのか?
結果はあっけ無く、松の廊下ごっこは出来ない、普通の長さでした。
本体もわりとスリムで、パタゴニアよりも若干細身のシルエット。
商品については問題なしーーーっ。
いい感じです。
来週、上下脱湿行為に行ってきます。
という事で、ご報告まで。
どこかの山でお会いできるといいですね。
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おめでとうございます。
いよいよ到着したようですね。
靴(皮もの)に対してのロマン税は結構するとはどこかに書いてありましたが、本当にそのようだったようですね。
ロマンとは割り切れない額だったようですが、額が大きければ大きい程、今後の登山で沢山のロマンが降り注ぐ事でしょう。
そう思わないとやってられないですね。
しかし、さらにサイズが難しい登山靴を買うとは…。
その行為自体に、アツいロマンを感じます。
そして、僕ももうちょっと出してボクタパンツにすれば良かったです。
余計な返品送料考えたら、悔やまれてなりません。
まあ、お互いこれは勉強代ですね。
人よりお得な思いをするには、それなりの対価と労力は惜しんじゃダメってことですね。
上下脱湿行為って、なんか響きが変態的ですね。
僕もガシガシ脱湿行為しまくります。
まず目下の目標は伊吹山。
今年は冬山初歩トレーニングの年ですので、近隣の山をさまよってます。
是非ご一緒して、色々教えてほしいです!
良いときがあったら、メールください。
共に脱湿して行きましょう!