◉ 愛すべき旅道具

ゆうしゃのよろい〜iPhoneタフギア化への道〜

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ついに手に入れた最強の鎧。

予約してから実に1ヶ月の時を経て、やっとこさ我が家に珠玉の甲冑がやって来たのだ。


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去年の12月頭まで、僕はソフトバンクにてiPhone4sを使用していた。

当時このiPhone4sを購入した際、僕はこいつを「アウトドアで使用するにふさわしい勇者」にしてやろうと、日夜ネットの世界を彷徨って最強の鎧(ケース)を物色していた。

そしてどれにしようかとウジウジと迷って決めかねていた時。

買って数ヶ月でその悲劇は起きた。

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養老山への登山前、思いっきり地面に落として割ってしまったあの「養老の悲劇」。

最強の鎧を求め過ぎたあまり悩み過ぎ、結局ケース無しの「無防備」の状態で現場に連行されてしまった4sさん。

優柔不断な主のせいで、鎧を着ずにいきなりダンジョンに送り込まれた形となってしまった4sさんの哀れすぎる負傷だった。(参考記事:聖なるピンチヒッター〜養老三山〜


この日以来僕は急激にこの4sさんへの愛を失った。

それどころか「このバキバキさが逆にワイルドで、ある意味アウトドアっぽくていいじゃないか」と涙目になりながら言い出す始末。

そして勝手に「iPhoneアウトロータイプ」という名前を付け、以来手荒く彼を使用するようになった。

4sさんとしては、裸で戦場に送られて負傷した挙げ句に鉄砲玉のような存在にされて実に報われない存在だ。


それでもその無能な主は、さすがにケース無しじゃ悪いからってんでこのような鎧を購入して彼に着させた。

それがこの中国4千年の歴史が生み出した鎧。

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日本では1万円以上するバッテリーケースなのに、中国4千年の力で2000円程で手に入れた間に合わせ品。

この時は「とりあえずバキバキの背面が隠れて、ケースっぽくて、充電も出来るっぽいもの」というコンセプトで買ったもの。

4sを買った当初は「アウトドアiPhoneとして最強の鎧を着せてやる」で始まったはずが、結局「最強のパチモノ鎧」に行き着いた訳だ。(参考記事:遅れてきた刺客達


こうして最強の鎧どころか、ドラクエで言う所の「ぬののふく」程度の防御力を手に入れた4sさん。

しかもこのチャイナ製「ぬののふく」は、まさかの「のろいのふく」だったということが判明する。

なんとこいつはたったの「半月」で大発熱を巻き起こし、そのままご臨終の運びと相成ったのだ。

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あまりにも壮絶な中国からのサイバー攻撃。

僕のような一般市民にまで細かすぎる被害を与えるという、実に奥深い策略。

さすがは中国4千年の兵法だと言わざるを得ない。

これにてこのバッテリーケースは、充電の出来ないただの「重くて分厚いケース」へと画期的な変貌を遂げる事になった。(参考記事:春に想ふ〜ある刺客の死〜


その後、どんどんご主人からの扱いが酷くなる4sさん。

結局次も間に合わせの鎧で、たまたまTSUTAYAのレジ横にあったケースをとりあえず着せられる事に。

そして4sさんは、その後もその「かわのふく」程度の鎧で次々とハードな戦場に送り込まれて行った。

写真

やがて歴戦の猛者のように傷だらけになった彼は、ある意味で実に無骨な風貌をしたアウトドアっぽいiPhoneへと進化した。


一方で彼は風貌の変化とともに、その機能をみるみる退化させて行った。

雪山等の過酷な現場に連れて行き過ぎたのか、いよいよ通常使用でもバッテリーが「1日持たない」という状態に。

そして電波の受信も同じソフトバンクで同じ機種の人に比べて格段に弱く、ネットスピードも驚異的な遅さに。

多くのアウトドアな現場で戦って来たこの4sさんだったが、結局その持ち主同様の「体の弱さ」を露呈し始めて来たのだ。


いよいよそんな4sさんの限界が近づいて来た去年12月。

ようやく彼の2年の懲役期間が終了し、ソフトバンクへの分割金を全て払い終えた。

これにて4sさんは静かに引退。

その後の余生を、りんたろくんのおもちゃとして穏やかに過ごして行く事となった。


そして無能な主も「次こそは完璧なアウトドアiPhoneを」という強い意気込みで、めでたくドコモへ鞍替え。

そしてやっとこさiPhone5sへ。


もちろんドコモにしたのは、「山での圧倒的な電波の繋がり易さ」が決め手だ。

ソフトバンクも必死で「繋がり易さNo.1」と宣伝しているが、結局それは浮かれた都市部だけのお話だろう。

反論があるのならあの半沢くんに対して、小木曽次長のように机を叩きながら「じゃあ山ではどうなんだね?え?」とねちっこく追いつめてみようか?

何にしてもこれにて根本的な「山で繋がる」という対策は済んだ。


そして4sさんの犠牲を無駄にする事なく、僕はかなり速い段階から動いていた。

それは、もう二度と「養老の悲劇」を繰り返さない為にも早めにケースを購入するという事。

そして、もう二度と「チャイナの悲劇」を繰り返さない為にも、高くても間違いのないケースを購入するという事だ。


僕はドコモへの鞍替えより一ヶ月も前からその鎧を探す旅へと出ていた。

アウトドア最強の鎧「ゆうしゃのよろい」に求める要素は以下6つ。


・川に落としても問題のない防水性能。

・おもっきり岩に落としても問題のない耐衝撃性能。

・わずかな塵や埃の侵入も許さない防塵性能。

・もちろん雪や氷の世界でも安心できる防雪性能。

・せっかくの5sなんで指紋認証可能な事。

・かと言ってあまりゴツすぎずに軽いもの。


まさに「ゆうしゃのよろい」に相応しいこの性能たち。

ふいに山や川で遭遇した登山者に、突然「メラゾーマ」や「イオナズン」を唱えられても全てを跳ね返すほどの防御力だ。


とにかくそれを身につければ、雪山登山からカヌーまで、濡れる事や落とす事の心配なく扱えると言う訳。

もちろんある程度のゴールドが必要となって来るが、失敗を繰り返して変な物を沢山買うよりはよっぽどいいだろう。


そしてそんな条件を満たす、オンリーワンな鎧を予約注文。

随分と前置きが長かったが、ついにその鎧が1ヶ月待ちで送られて来たのだ。

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パッケージのイラストが物語るように、各種アウトドアシーンから工事現場に至るまで「どんと来い」と言っているこの自信過剰さ。

恐らく現時点で「アウトドアにおける最強のiPhoneケース」。

それがこのlifeproof社の「LIFEPROOF iPhone5s Case」なのであります。

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LifeProof 【日本正規代理店品・保証付】【LIFEPROOF】防水防塵耐衝撃ケース LifeProof fre iPhone5/5s Black ブラック2101-01LifeProof 【日本正規代理店品・保証付】【LIFEPROOF】防水防塵耐衝撃ケース LifeProof fre iPhone5/5s Black ブラック2101-01
(2013/11/20)
LifeProof

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日本語のメーカーサイトは→(こちら


値段、いくらに見えます?

嫁に聞いてみた所、凄く興味なさそうに「2,000円くらいじゃないの」と言ってました。

でも実際はなんと「9,350円」という、鼻血噴出もののお値段なんですよ。


全国の皆さんから「バカじゃないの?」という厳しいお声が聞こえて来そうだが、これは二度と4sさんの失敗を繰り返さない為の「最初からいいもん買っとけば間違いない」の原理なのであります。

ただ正直、コイツの適正価格はせいぜい4,000円くらいだと個人的にも思うけど…。


でもここまで思い切ったお買物をしたのには理由がある。

恐らく2年後にiPhone6sとかiPhone7に変更した際、iPhoneの形が変わったとしてもずっとこの鎧は5sに着せ続ける。

その時に初めて、5sは電話機能をシャットアウトした電池持ちのいい完全なGPS専用機として生まれ変わるのだ。

故に今後5年くらいは活躍してくれる事は間違いなく、9,350円の元は取れると判断した訳です。



さて、それでは早速箱を開けてみよう。

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「たからばこをあけると、なんとミミックだった」なんて事にならなくてホッとした。

なんせ結構この商品の「チャイナミミック」が横行しているらしい。

だから高くてもちゃんと正規日本販売店で買ったんです。

とりあえずちゃんと「ゆうしゃのよろい」が入っていてホッとしたぞ。


しかし早速こいつを装備したい所だが、まだこいつを素直に信用してはダメだ。

装着した途端に変な音が鳴って「なんとゆうしゃのよろいは呪われていた!」なんて事になったら目も当てられない。

近所に教会なんてないから、ここは万全を期す必要がある。


そこでまずは本体を入れる前の状態で、徹底的に水攻めを食らわしてみる。

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そして重しを乗せて、徹底的に懲らしめてやる。

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この状態で30分ほど放置プレイ。

そして恐る恐る中を確認。

いつもの僕なら、この段階で浸水してて「なんて事だ」と言って血を吐いて死ぬ場面。

しかし中身はちゃんと全く濡れていなかった。


こうして「ゆうしゃのよろい」に呪いがかけられていなかった事を確認。

ついにガシーンと装備完了です。

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これにて防御力が2から99へと一気に跳ね上がったぞ。

さあ、それではじっくりとコイツのファーストインプレッションを書いて行こうか。


まず目についたのが、ホームボタン部分の頼りなさだ。

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指紋認証に対応する為なんだろうが、なんだかこの部分だけサランラップみたいななんとも頼りない生地。

この一点に鋭角な物が当たった時に破れてしまいそうじゃないか。

しかも肝心の指紋認証の精度が、体感で20%ほど落ちる。

値段が値段なだけに、早くも僕は「ムムム」といった表情に。


まあ、あれだ。

きっと薄いけど相当に強度があるフィルムなんだろう。

この部分だけ信頼のオカモト製なのかもしれないしね。

だから今すぐ「こんな事だったら指紋認証無しのタイプの方にすれば良かった」などという思考を捨て去るんだ。

とりあえずこの部分は見なかった事として次に行こうじゃないか。


マナーモード切り替えスイッチとボリュームの部分。

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実は最初、何度やってもマナーモードに切り替えられなくて相当に冷や汗をかいた。

しかし実際はケースの中でスイッチの凹凸がうまく噛み合ってなかっただけで、入れ直したらちゃんと切り替えが出来た。

薄皮ホームボタンの直後だっただけに相当に焦ったぞ。


でもやっぱり切り替えにはちょっとコツがいる感じだが、慣れれば問題はない。

ボリュームに関しても問題はない。


しかし音楽を再生すると、当然ケース内で鳴っているから音がこもってしまうという弱点が。

まあこれは想定内だし、今までの4sさんを音楽プレイヤーとして使って行けばいいんだから気にしないようにしよう。

なんならドラムのビートに沿ってケース自体が「びりびり」と振動するから、体で音楽を聴いてる感じがしていいじゃないか。

とりあえずその部分も見なかった事として次に行こうじゃないか。


電源部分は、パカッと開閉できるフタがあるからそう面倒なものでもない。

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そしてイヤホンジャックはこのねじ穴を解放させて、専用のコネクタをねじり込んで使用するというもの。

完全防水ではなくなるが雨程度のものなら問題なさそうで、小雨時のランニングでも十分に使える。

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一見めんどくさそうだが、手持ちのヘッドフォンに予め専用コネクタを付けておけばさほど手間ではない。


あと問題があるとすれば、この表面の「ペコペコ起伏」の方だ。

写真では分かりにくいだろうけど、表面が完全なフラットじゃなくて所々ペコっと膨れ上がっている。

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当然そこの部分は、感覚的に1.2倍くらい押し込まないと反応が悪い。

全体的な操作は特に不便を感じるものじゃないが、9,350円もするんだからもうちょっとどうにかならんかったもんだろうか?


まあいいさ。

そんな細かい部分は見なかった事にしておけばいいだけの事。

こんな時こそ僕の得意技「慣れる」という奥義を発動してしまえばいいだけの事さ。


そもそも「アウトドアに特化したケース」にそこまで多くの事を求めるのは野暮ってもんだ。

完璧な女性よりも、どこかおっちょこちょいな部分があった女性の方が可愛いじゃないか。

なんでもこなせる技巧派より、無骨で愚直な富樫源次こそ野外には向いているのだ。


それよりも防水・耐衝撃性能を維持しながら、ここまでの物を作り上げた所を評価するべきだ。

ここまでの防御力を得るには、何かしらの犠牲は必要な物なのだ。

そう思いたい。

そう前向きに思いたいのであります。

あまり今の僕に対して、威勢良く「いよ!後悔屋!待ってました!」とか言わないでいただきたい。

僕は決して後悔はしていない。


ただちょっと、やっぱ9,350円は高い気が….。



さあ、買ってしまったものはしょうがない。

最強の高級鎧「ゆうしゃのよろい」を身にまとった我がiPhone5sだが、だからと言ってたった一人で敵に立ち向かうのは無謀というもの。

ドラクエでも攻撃一辺倒ではなくて、必ず「回復専門」のパートナーを連れて行くものだ。

そこで以前少し書いたこいつ。

iPhoneの最大の弱点、バッテリー消費を徹底的にサポートするモバイルバッテリー「ANKER Astro M3 13000mAh」でございます。

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実にベホマ6回分(約6回フル充電可能)という大容量。

これ一個持っておけば、数泊の山行でもほぼバッテリーの残量に気を使う事はなくなる。

そして厳しい雪山でも、常にコイツにつなげていればiPhone自体が熱を持って温まるから「寒冷シャットダウン」の心配はない。

iPhoneは氷点下の世界だと、充電がが残っていても突然「ザキ」を唱えられたかの様に即死する事があるのだ。


ただそれらの安心の代わりに、結構な重量を携行する羽目になるけどね…。

何気にこいつの方はケチって中国4千年の力に頼ってしまったし…。

ちなみに日帰りなら5200mAhくらいの物(ベホマ2回分)で十分ですよ。



さあ、こんな感じでiPhoneのタフギア化は完成。

しかしこれだけ素晴らしい防御力を持っていても、根本的に持ち主が冒険に出ないと意味がない。

だが肝心のその持ち主が家庭内のボスキャラを中々突破する事が出来ないのだ。

なんせそのボスキャラは、僕が「アソビニイキタイナ」という呪文を唱えると、すぐに「いてつくはどう」でその思いをかき消してしまうのだ。


万年風邪ばっか引いてるこの養子勇者。

常にHP(体力)もMP(精神力)も、真っ赤っかの瀕死状態。



まずはこの勇者自体がタフになる必要があるようだ。



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