「運命」とは存在するのか?
今まで積み重ねてきた負の連鎖は、やがて巡り巡って幸運となって僕に降り注ぐのか?
それを今こそ天に問う時が来たようだ。
人は時として、運命に導かれるように良い流れに乗る時がある。
いや、良い流れに乗っていると思いたいだけなのかもしれない。
それが良い流れだったのかどうかは、僕が9月末に「アメリカ」にいるかどうかで全てが決まるだろう。
僕は今、きっとその「答え」に導かれている途中なのだと思えてならない。
僕はアメリカに行く運命だったのだ。
全ての始まりは「屋久島」にまで遡る。
カヌー野郎全盛期の僕は、この屋久島への旅の際に初めて「登山靴」を購入。
その時に買ったのがイタリアの名門ブランド「スカルパさん」の登山靴だった。
以来僕はそのイタリア野郎を履いて各地を旅した。
この軟派野郎とはとても僕は仲良しだった。
仲が良すぎて、彼は毎回陽気に「靴擦れ」を提供し続けてくれて、随分と僕を楽しませてくれた。
やがてそんなイタリア野郎とも決別の時を迎える。
前年の「槍ヶ岳」の激戦の末、ついに彼はその天寿を全う。
最期までかたくなに僕に靴擦れを提供し続けた挙げ句の、実に惜しまれたイタリア野郎の死だった。
やがて僕は「今度こそ最高の相棒を見つける」という意気込みで新登山靴を物色。
検討に検討を重ねた末、僕は「軟派イタリア野郎」から「硬派スイス野郎」へと乗り換えた。(参考記事:さよなら相棒〜そしてマンモスへ〜)
僕の登山史上で最も印象的な登山靴、4万円クラスの「マムートさん」の登場だ。
これで僕は「一生もの」の登山靴を手に入れたと喜んだ。
やがて彼は期待以上のポテンシャルで僕の想いに応えてくれた。
なんとマムートさんは、「激しい打撃系の痛み」と「ランクアップした靴擦れ」を100%提供してくれる超硬派で律儀な男だった。
さすが4万円もしただけあって、その痛みのレベルはスカルパさんの比ではなかったのだ。
僕はこのスイス野郎を手に入れて以来、山に向かうスタンスが劇的に変化した。
僕の中で、登山は「楽しむもの」から「SMプレイ」へと変貌し、「山を登る」というより「靴と戦う」という別次元の住人と化したのである。
あまりにも辛いから彼とは早々と別れたかったんだが、4万円という高額な出費がどうしても諦めさせてくれない。
僕は激しく天と運命を呪いながらも、その打撃系のセルフSM道具を足に装着して数々の山に我慢して登って来た。
最近ではいちいち書いていなかったが、毎回僕の足は登山後に使い物にならない程に痛めつけられていたのだ。
そんな中、運命に導かれるように今年チーム・マサカズに入隊して来た二人がいる。
前回僕とともに雨乞岳を制覇し、見事僕の鈴鹿セブン完全制覇をサポートしてくれた二人。
それは「パパラッチK」と「低血圧Mちゃん」。
実は僕の中で今回の雨乞岳登山は、このマムートさんの「最終テスト」を兼ねていた。
今まで色んな工夫をしながら付き合って来たが、今回駄目ならいよいよバッファローマンとともに超人墓場に葬り去ってやろうという覚悟だったのだ。
そんな悲壮な覚悟の中でも、親の心子知らずなマムートさんは僕に対して相変わらずの反抗期。
僕はあの長い行程の8割程を、しっかりと靴擦れしまくっていた。
そんな時、雨乞岳登山中にパパラッチKと低血圧Mちゃんが登山靴の話題で盛り上がっていた。
「良い登山靴には中々出会えないよね」
「選ぶ時の店員さんによって全然変わって来るよね」
「そこで失敗すると目も当てられないね」
「でも今履いてる靴は良い感じ」
「やっぱサクライさんだよね」
「そうだね、サクライさんのおかげだよね」
「彼はやるわ」
「彼はやるね」
なんて会話が聞こえて来たのだ。
サクライとは何者なのか?
この時、ふとその男が僕の運命の歯車を好転させてくれる気がした。
聞けば、サクライさんとは石井スポーツ名古屋店の店員さんらしい。
いつかその人に会って、この負の流れを止めてもらいたい。
しかし育児中の僕には、のんびりと栄まで行って石井スポーツに行ける時間なんて無い。
ここで運命は途切れてしまうのか。
しかしその会話を聞いた時点から、運命の歯車は回り出していたのだ。
いや、ひょっとしたらもう屋久島から回っていたのかもしれない。
僕はここからすでに「アメリカに行く」運命だったのかもしれない。
そのわずか5日後。
運命の導きにより、ふいに仕事で「栄で打合せ」という事態が発生した。
しかもその打合せ場所が石井スポーツ名古屋店のすぐ近く。
さらに打合せ時間が夕方からだったから、打合せ後の直帰コースも確定。
僕はソワソワしながら「巻きで」打合せを強制終了させ、その足で石井スポーツへ直行。
まさに、打合せ中も頭の中は登山靴の事しか考えていない「釣りバカ日誌」状態だ。
いざ石井スポーツに行ってみたが、この時は「買う事」が目的ではなくあくまで「相談に来た」というスタンス。
そして目的の「サクライ」なる人物を名札から探し出し、彼がフリーになるのを陳列棚の影でジッと待った。
そして念願のサクライさんとの対面を果たし、僕は重々しく相談を開始。
切々と今までの登山靴の「負の歴史」を語って聞かせ、涙ながらに窮状を訴えた。
一方で、僕は「どうだ、こんなマイナス野郎の救いようの無い運命を変えることが出来るかな?え、サクライさんとやらよ」と斜に構える自分もいた。
しかし僕はみるみるサクライさんの奏でるイノセントワールドに引きずり込まれて行く。
彼は実に適切に、そして分かり易く僕を導いて行く。
筆おろしシリーズのベテラン女優のようなその手腕で、的確に僕をエスコートだ。
なぜ足は痛むのか、なぜ靴擦れは起こるのか、履き方はどうなんだ、紐の結び方は適切か、歩き方はどうだ、足の形はどうなんだ、インソールは合ってるか、保管方法は間違っていないのか、etc…
目からウロコのサクライワールド。
しかも彼が言うには、他店で買ったあのマムートさんでさえ、ここに持って来てくれればまだ助かる道はあると言うではないか。
適切な履き方とインソールの調整と、必要であれば多少の修理で「復活する」とハッキリと行ってくれた。
この時、僕は彼の背後に後光を感じた。
そしてそのまばゆい光に包まれ、「ハッ」と我に返った時。
なんと僕は、一つの登山靴を手にレジでお会計しているではないか。
僕はここにちょっと相談に来ただけだし、マムートさんが良くなるかもしれないというのになんと言う事だ。
しかしこれは決してサクライさんの口車に乗ったわけではない。
実は最近の「子連れ日帰り登山」というスタイルでは、正直マムートさんはハイスペック過ぎた。
マムートさんは復活したとしても、履く状況や履き手の技量を選ぶ気難しい男。
ちゃんとした歩き方をマスターした上で3,000m級の山を大縦走するには向いているが、日帰り登山には重々しすぎるのだ。
それは子供の喧嘩にラオウを派遣するようなもので、全く適切ではないのだ。
そこで僕は、前々から軽くて気軽で「靴擦れをしない」日帰り登山用の靴を探していたというわけだ。
こうして突如として僕の新相棒に決定したのは、ノースフェイスの「Wreck Mid GORE-TEX」。
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サクライさんと協議の末、こいつが見事に僕の足にフィットした。
スペシャルに軽いし、そのくせフィット具合が絶妙で嫌な締め付けも無いのに足はしっかりと固定された。
これはうまくはまれば、今後僕はついに「人並みに登山を楽しむ」という長年の夢を果たすことが出来そうだ。
しかしこの商品ネーミングには一抹の不安がよぎる。
「Wreck」を翻訳してみると、「破壊・残骸・荒廃・骨抜・没落」などというお洒落なワードが入り乱れている。
なんて恐ろしい商品名なんだろう。
たかが登山靴なのに、履くだけで人生がめちゃくちゃになってしまいそうだ。
まあでも色んな縁の末にサクライさんに出会い、試し履きした靴がジャストフィットしてしまったという運命。
さらにもう一つの運命がここで交錯する。
実は最近、ちょうどノースフェイスが驚きのキャンペーンを開始していた事に僕は注目していた。
それは15,000円以上のGORE-TEX製品を買うと、抽選で8名の人に「ジョン・ミューア・トレイルの旅ご招待」というもの。
ジョン・ミューア・トレイルとは世界中のバックパッカー憧れのロングトレイルの聖地。
カヌー野郎にとってのユーコン川と同等の夢のステージ。
僕の人生設計の中で、「数十年後に行けたら最高」という場所にリストアップされていた夢のまた夢な世界だ。
だから僕は何でも良いから、近々対象商品を買う気満々だった。
GORE-TEX製品が欲しいというより、とにかくジョン・ミューア・トレイルに行きたいという強い想い。
キャンペーンで当たったとなれば、さすがの嫁も行かせてくれる気がする。
そんな折での今回のノースフェイスの登山靴。
見事にGORE-TEX製品で、価格も16,800円でキャンペーン条件を満たしているではないか。
僕はここに激しく運命を感じた。
スカルパさん〜マムートさん〜低血圧パパラッチさん〜そしてサクライさんからのジョン・ミューアさん。
これは「運命の流れに乗った」んではないか?
靴擦れともおさらばして、ジョン・ミューア・トレイルの旅が当たるって流れじゃないのか?
僕のこの負に負を重ねた地獄のような苦悩の歴史は、ここで歓喜に包まれるための伏線だったのではないのか?
さらにはなんと石井スポーツ自体もGORE-TEXキャンペーン中で、当たれば5万円のお買物券。
これでアメリカに旅立つ装備の準備もできるではないか。
いい流れだ。
当たる気がしてならない。
というかもう脳が当たる前提で動き始めている。
9月末に、僕は必ずアメリカの台地で夢の舞台を歩いているはずだ。
さあ、ノースフェイスさんよ。
いやさ、ノースフェイス様。
たかが靴を買っただけでここまで長々と書いたんです。
ここまでキャンペーンの宣伝もしたのです。
どうか僕に神の存在がある事を証明してください。
子連れ養子狼の僕に「自由とはなんぞや」を示してください。
どうか我に光を!
報われない男に愛の当選を!
子持ちの中年にスペシャルな夢を!
ここで当選しなかったら、多分ジョン・ミューア・トレイルに行けるのはヨボヨボのじいさんになってからになるでしょう。
お願いします。
まだまだ「代償」が足りないというのなら、もっともっと山にこの身を捧げます。
なんならもっともっと靴擦れで足を痛めますから。(お?)
とりあえず、9月末。
僕はアメリカで自由の風になっていることでしょう。
その模様をお伝えできるのが今から楽しみです。
みなさん、待っていてくださいね!
※9月末の記事が「鈴鹿の山」だったら、もう僕は運命なんて一生信じないだろう。
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これは、もしかして、おちは、アメリカに当たったけれども、嫁に反対されて、挙句の果てに、ビビルSあたりに、譲渡する?! みたいな・・・
9月の楽しみがひとつできました(笑)って、笑ってちゃいけませんけど、まあ普通は当たらないので、もし当選したならば、やはりこれは、ここで一発、本でも出して世にあなたさまの素晴らしさを広めて欲しいものです。
私のFB仲間の間では、私が、ママ友サークルとか、ミュージカルとか立ち上げて、いろいろ活動してるんですが、こうなったら、イベントにでもお招きする?とか、講師でどう?とか。そんな話もしております。
まあ、冗談ですけど、それにしても面白い。。。
当選をお祈りいたします。
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ルーシーさん、どうもです!
さすがにこの難関を突破して当選したあげくに嫁却下はきついです。(ありそうですが)
ビビるSに譲るくらいなら、多分離婚覚悟で日本脱出するでしょう。
帰ってきたら嫁に一世一代の土下座をかましてギャフンと言わせてやりますよ。
もう僕の中では当選することになっているので、今から徐々に準備を始めていきます。
何事も信じきることが大切ですからね。
何ならノースフェイス本社の前で署名活動でもしたいほどです。
そして僕が講師でイベントに行っても、実際はシャイシャイボーイのネクラ口べた野郎なんで大ブーイング間違いなしです。
でもアメリカから帰ってきた暁には壮大な冒険話をお話ししますので、楽しみに待っててくださいね!