凄まじいアラスカ珍道中は終わったけど、例のごとく家に帰るまでが旅なんです。
今回はエピローグとして、トランジットで立ち寄った台湾珍道中のおまけです。
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8/22(月)台湾時間2:15
現在飛行機機内。
猛烈な披露の為、機内で中々寝られない僕も6時間泥のように眠った。
起き抜けで水分が欲しかったので、CAさんにコーヒーを下さいと頼んだら、ものすごい形相で眉間にしわを寄せ「クッキー?」って言われた。
やはり一週間そこそこでは、コーヒーすらまともな発音ができないようだ。
なんとか伝わったようだが、待てども待てどもコーヒーがこない。
とてものどが乾いている。
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7:17
台湾中正国際空港、第1ターミナルに行くバス待ち中。
結局コーヒーはこなかった。
飛行機はやたらと子供が泣き叫ぶ中台湾に降り立った。
アラスカと打って変わって実に暑い。
入国審査を済ませ、軽装に着替えて荷物も預けて、さあ台湾だ。
第1ターミナル行きのバスに乗ったつもりが、間違えて警備会社のバスに乗ってしまい降ろされる始末。
さらにまた別のバスに乗ってしまった。うまくいかない。
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14:50
あれからなんとか無事に第1ターミナルのバス乗り場まで移動することが出来た。
台北行きのバスに乗り込む。
バスは高速道路を進むが通勤時間帯なのか大渋滞だ。
そんなに時間はないのであせる。
やがて高速を降りると衝撃の光景が目に入る。
聞いてはいたんだが、すごい数の原チャリ軍団にかなり笑えた。
すさまじい交通量と人の数。すごい熱気。
アラスカの大自然から、これだけ濃密な人間の中に入ると、よりそのエネルギーを感じる。
台北駅のバス停で下車。
すると、先ほどまで雨の降る気配がなかったのに、僕が下車したのを合図に雨が降り出した。
かなりへこむ。台湾よ、おまえもか。
雨が降るとは思ってもいなかったから、カッパは荷物と一緒に空港に預けてしまっている。
しかたなく、ずぶ濡れになりながら台北の街を進む。
裏路地にある市場がいかにも台湾と言った感じ。人々の生活がよく見える。
雨がさらに勢いを増す中、総督府を経て中正記念堂へ。
でかい。
しかしずぶ濡れなので感動は薄い。
雨は当分やみそうにないので、もったいなかったがさすがに傘を買った。
しかし店を出て200Mほどの喫煙場所でタバコ吸ってたら雨が上がった。
この仕打ちは一体なんなんだ。頼むよ、おい。
邪魔だが捨てるわけにはいかないので、その後も傘を片手にぶらぶら。
近くの市場で犬神家の人々みたいなニワトリ等を見て、タクシーに乗って龍山寺へ。
タクシーのおっちゃんがいい人で、日本語と英語を交えながらいろいろ話した。
龍山寺では人々が熱心にお祈りをしていた。
心から信仰できる気持ちがある人々がうらやましく思えた。
セルフタイマーで写真を撮ろうとしたら、おっさんがおもいっきしかぶって来た。
その後またタクシーをつかまえ孔子廟に向かう。
さっきと違いかなり怪しげなタクシーでビビる。
腹が減ったので、裏路地の怪しげな屋台に入った。
観光地化してない所だから、注文してもまるで通じない。
困っていると現地に住む結構美人の日本人の女の人が、たまたま買い物に来ていて通訳してくれた。
ちょっといい気分だが、ロマンスに発展する事は当然なかった。
あんまりうまくないタケノコスープと、味がないスープのW水ものをおかずにご飯を食う。
足下には犬や猫がうろついている。
こんなアンダーな感じがとても好きだ。
喉が渇いたので自動販売機で得体の知れないジュースを買う。
非常に不愉快な甘さのジュースだった。
その後もぶらぶらしていたが、時間が迫って来たのでタクシーで空港に戻る事にした。
誠実そうなドライバーさんだったが、高速に入った途端、前の車と車間距離がほとんどない恐怖の高速ドライビングを見せる。
そこら中でクラクションが鳴ってて凄まじい国だ。
空港について荷物を受け取り、出国審査へ向かう。
チェックインはしなくていいとアンカレッジの窓口で聞いてたから、そのままイミグリ行ったら「駄目だ、再チェックインしてくれ」と言われる。
訳も分からず、中華航空カウンターへ行ったら空港税を支払いなさいとの事。
おかしい、僕は日本のチケット会社に空港税は先にすべて払っていたはずだ。
何度言っても支払われていないとの事なので、しぶしぶ払う。納得がいかん。
結局全ての空港でトラブルだらけ。ほんと空港キライ。
残りの台湾ドルを使い切るため、ちょうど残金と同じ値段でやってたマッサージ屋へ。
痛い、果てしなく痛いのだ。
気持ちよく寝るなんて到底出来ない程の力の入れ用だ。
術師の鼻息も荒い。
積年の恨みを晴らすかのような激しいマッサージ。
術師と僕、どちらが先に根を上げるかの戦いだ。
奴のイチモツが生暖かく肩にあたって、非常に不愉快だ。
しかし15分の激闘マッサージが終わると、とても体が軽くなっていた。やるじゃないか。
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というわけで今日本に向けた飛行機の機内。
ようやくこの旅も終わりが近づいて来た。
実に苦しく、長くて濃厚な旅だった。
過去最大級の不幸旅は、きっと今後の人生においてプラスになるだろう。なるだろうか?
僕は出発前今回の旅である程度やりきった感が出ると思っていたから、帰国後は今の彼女にプロポーズするつもりでいた。
しかし、なんだかやり残した事が増えてしまった気がするよ。
(筆者注:結局プロポーズして結婚。まさかの養子縁組で名字まで変わってしまう。そして嫁のまさかの性格豹変によって現在鎖でつながれた犬のような生活を強いられる現在に至ってしまうのだ。)
明日からまた、日常と一般的は呼ばれている非日常のどろどろした世界へ戻って行く。
振り返ってみれば、言葉なんかでは表現できない何かが自分の中に入り込んで来た旅だった。
答えではない何かが。
今後も僕はただの生き物のひとつとして、自然の調和の中で逆らわずに生きて行こう。
そんな事を思った旅でした。
しかし、疲れた。
アラスカ珍道中 〜完〜
ーーーおまけーーー
中部国際空港上空。
ちょっと前まで機内アナウンスでは曇りって言っていたのに激しい雨。
やはり名古屋も雨だった。
飛行機は空港上空で旋回を続け、気持ち悪くて泣き叫ぶ子供達。
到着後、友達に電話で生還の連絡。
電話かける前から、この雨で僕が帰って来た事が分かったらしい。
僕が旅をしていたこの11日間、名古屋は快晴続きだったようだ。
せつないね。
アラスカ珍道中エピローグ〜おまけ台湾編〜
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MATATABI BASE
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アラスカ珍道中楽しく読ませてもらいました
いやぁ凄い
何度聞いても読んでも、神憑り的な出来事で[i:63943]
友達にもお薦めしちゃったよ[i:63950]
ホント色んな事を乗り越えてきてるよね
その場は、越えないと先に進めないって思いでこなしてても。
思い返すと、その時の自分を何度も誉めてあげたくなるだろうね
何より無事に帰ってこれてるしさ[i:63992]
沢山の人にYちゃん旅を知って欲しいな
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自分でも書いてて改めて悲惨な旅立った事を鮮やかに思い出したよ。
晴れるってことは、すべてにおいて良い事だ。
一般の旅ブログは現地の素晴らしいとこを紹介し、楽しげな記事になるんだけどね。
こんな悲惨な旅でよければみんなにも読んでもらっておくれ。
長い記録だったけど、最後まで読んでくれてありがとね。