USA時間 10:00
予定より大分遅れてアンカレッジ空港到着。
中々荷物が出てこないと思ったら、別の場所にポツンと僕の荷物と釣り竿が放置されていた。
英語が読めない、話せない僕をあざ笑うかのような光景だ。
今日泊まるホステルへ大幅に到着が遅れることを早く電話で伝えなければいけない。
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11:15
もう、イライラはピークだ!
たかだか電話代の為のコインを崩すのに1時間以上経っとるぞ!
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23:20
フェアバンクスのGo North Hostel。
今日はあれからいろんなことがあって全然日記が書けなかった。
やっと落ち着いたから振返って書いてみよう。
あのあと、やっとの思いでコインを得て連絡は出来た。
フェアバンクスへの国内線乗り換えゲートはC1ゲートからと書いてあったから、ゲートの前で待っていたが一向にゲートが開かない。
不審に思ってたどたどしい英語で空港の人に聞いたら、
「別の便だ!なにやってる急げ!走るんだ!」とまくしたてられた。
大慌てで猛ダッシュで別の機に乗り込む。
もう、訳が分からない。
ほんとにこの便であっているのか?荷物は大丈夫なのか?
機内から見る外の景色はすっかり雨雲に覆われていて、マッキンレーを見る事かなわず。
うつらうつらしていたらフェアバンクス空港へ到着。
現地でレンタルカヌー等の個人手配をしていたネイチャーイメージの方に電話をしたらもう空港に来ているとの事。
車に乗せてもらい移動。
色々話したかったが、小さな子供も一緒に来ていてずっとうしろでアンパンマンのカラオケのおもちゃを大音量で奏でられてまるで話しが弾まず。
やがてアラスカ大学のマップオフィスへと向かう。
ここで今回下るミドルフォーク・コユクック川の地図を購入するのだ。
1枚7ドルを4枚程買う。
そしてそのままゴーノースホステルへ移動。
ホステルでネイチャーイメージ代表の牧栄さんと合流。
さっそくホステルの長身でナイスガイのアレックスと牧栄さんに、借りるアリーのカヌーの組み立て方のレクチャーを受ける。
1度組立を見て再度一人で組み立ててみた。かなりしんどかった。
本日泊まる部屋はBEARという部屋で、でかいテントの中にベッドが5つ。
他に人がいないから実に快適だ。
しばし、牧栄さんと細かい打ち合わせやよもやま話に興じる。
大変感じのいい人で、いかにもアラスカに根を張って生きている感じの好感がもてる男だ。
牧栄さんと別れてから荷物を整理し、雨が降る中、近くのフレッドマイヤーという巨大なスーパーへ買い出しへ出かけた。
ここはとにかくでかくて何でも売ってる。
ライフルがスーパーで売っているのにはおどろいた。
でも一番肝心のガスカートリッジが売ってなかったから、明日から調理手段は焚き火のみだ。素晴らしい。
数日分の食料やら買って、それを抱えてレンタル自転車で帰ったので重みで横転。
旅はまだ始まっていないのにすでに負傷してしまった。
ホステルに帰って、再度明日の準備を万端整えビールを飲んでやっと人心地。
時差ぼけもあってすっかり披露困憊でこの日記を書いている。
明日は5:45に予約しているシャトルバスが来るけど、正直起きれるかどうかが心配だ。
雨はまだ降り続いている。
とにかくやんでくれないと気分が高まりません。
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8/12(土)9:35
俺は大馬鹿野郎だ!
あれだけ目覚ましかけたのに見事に寝坊してしまったではないか。
当たり前だ。
日本から持って来た携帯で目覚ましセットしてたから、日本時間のままじゃないか!
なんて初歩的な大ミスなんだ。
ネイチャーイメージさんに連絡して、シャトルを明日の便に変えてくれるように頼んで、今その結果の電話を待っている。
ずっと雨が降っているから1日ずれるのは良いんだが、16日に予定していたチナ温泉行きは諦めよう。
もう今日は開き直ってアラスカ大学見学に切り替えよう。
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17:50
本来ならコユクック川の河原でテント泊しているはずが、相変わらずホステルにてこれを記す。
あれからネイチャーイメージさんから連絡があって、シャトルの金は当然返ってこない事を知らされる。
さらに次のシャトルは5日後とのこと。
頭が真っ白になった。
しかし、ちょうどネイチャーイメージさんのツアーが明日あって、料金さえ払えばコールドフットまで便乗していいとのこと。
心から助かったが、プラス200ドルは帰ってこなかったバスの代金とあわせてとても痛い出費だった。
でもしかたない。寝坊した人間が悪いのだ。
1日おもっきし時間が出来てしまったので、レンタルMTBを借りてザザ降りの雨の中アラスカ大学へと向かった。
まずは明日現金でネイチャーイメージさんに200ドル払わなければ行けないので、両替をしにウォールズなんとかへ行った。
2万円出して両替を頼むと、何やらわけのわからない英語をまくしたてられ両替してくれない。
「マンデーモーニング」だけわかったので、ネイチャーイメージさんに電話で聞いてみると多分月曜の朝まで両替できないのだろうとの事。
どうにも寝坊してから全てが悪い方向にずれて行っている気がして来た。
結局代金は帰国後為替で送る事でOKとしてくれた。
その後、雨の中坂道を1時間以上ひいひい言いながらMTBで登ってアラスカ大学のマップオフィスの隣の図書館へ行った。
図書館ではパソコンが使えると書いてあったので、日本の友人にメールを送ろうと思ったのだ。
しかしまさかの休館日!
むなしく引き上げようとしたらなんと自転車がパンクしているではないか。
おお、神様…。
相当打ちのめされたが、気を取り直してパンクした自転車を引きずりながら再び雨の中1時間以上歩く事に。
本当に辛くて切なくて惨めだった。
街に降りて来て、本屋さんに公衆電話があったから一応ネイチャーイメージさんに電話してみる。
ホステルの人に聞いてみるから、10分後にまたかけてとの事。
10分後電話しようとしたらおばちゃんが電話使ってた。
これがまたすこぶる長電話なのである。
イライラしながらじーーっと待っていると、結局聞きつけたホステルの人がトラックで来てくれて新しい自転車と交換してくれた。
気を取り直して再びアラスカ大学の博物館へ行った。もちろん休館日の確認をしてから。
たしかに充実した展示だったが思った程ではなかった。
犬山市のリトルワールドでもよかったのでは。
2階のオーロラが見れる部屋なんかは訳が分からんかったし。
17時頃にはネイチャーイメージさんがホステルへ荷物をピックアップにくるとの事だったので帰る事に。
途中、バケツをひっくり返したような雨が降って来て、心から泣きそうになる。
ほうほうの体で帰って来てラーメン作って食ったら口の中火傷した。
その後、荷物をまとめて現在ネイチャーイメージさんを待っている。
一体今日の一日はなんだったのだろうか?
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23:05
現在大変いい気分だ。
あの後、日本の彼女に国際電話をして、久しぶりに日本語を沢山しゃべれて落ち着けた。
やっぱ持つべきは日本で待っていてくれる彼女だねえ。(筆者注:この頃彼は知らない。後に白豚と罵ってくる人間になろうとは)
その後パソコンで(図書館行かんでもホステルにあったのね)日本の友人にメールを打つべく、両替をしに(5分25セント)オフィスへ行く。
50ドル札しかなかったのでそれを持って行ったら、また英語で一杯話しかけられてパニックに陥る。
見かねたオフィスの女の人が「これ持っていきなさい」と25セント10枚くれた。
それでなんとかメールは打てた。
その後ホステルのキャンプスペースで2人の日本人が焚き火をやっているのを発見。
近づいて行ったらカレーを食わせてもらった。うまかった。
空も雨が上がり日本人三人で焚き火を囲んで共に酒を飲んだ。
こんなところまで一人で来るマニアックな日本人同士、あっという間に意気投合し、話は盛り上がった。
一人は豊橋から来た25歳のSくん。
Sくんはダルトンハイウェイをなんと自転車で北極海まで行き、果ては泳いで来たという強者。
一人は30歳のKさん。
Kさんはカナダホワイトホースからレイクラバージュを越えてフォートユーコンまでカヌーで下ってきたそうだ。
二人ともシッカリとした単独行野郎で実に頼もしかった。
しかもSくんは、僕が以前ショップのイベントで野田知佑さんと豊川を下った際に、ショップスタッフとしてその場にいたそうで、なんとすでに僕と一度会った事があった人だった。
こんな遠くアラスカの地で、三河地方の会った事がある人間同士がばったり出くわすなんて、なんかすごい事のように思えた。
その後も三人で、極北を旅した者にしか分からない熊の恐怖や、旅の良さを大いに語り合った。
今朝寝坊しなければ彼らとも出会えずに、得られない経験だった。
やっと今日一日が報われた気がする。
さあ、やっと明日からアラスカの原野に旅立つぞ!
アラスカ珍道中1〜大失態野郎の朝〜
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MATATABI BASE
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