8/13(日)23:45
ミドルフォーク・コユクック川の川原にてこれを記す。
今朝はちゃんと7:30には起きれてネイチャーさんの迎えには間に合った。
本日ツアーに参加される年配の方と牧栄さんと奥さんと子供、そして僕の5人で移動を開始した。
相変わらず本日も雨だ。
1時間程走らせて最初の休憩ポイントに着く。
いかにもアラスカらしい味のあるロッジで、チップを払ってコーヒーを飲む。
車は北上を続けいよいよダルトンハイウェイに入る。
ここからは激しいアップダウンの未舗装路だ。
昨日のSくんはよくこんな道を延々と自転車で走ったものだと感心した。
やがて車はユーコンクロッシングへ。
ここはダルトンハイウェイとユーコン川がクロスする場所だ。
2年ぶりのユーコン川をしみじみと眺めた。
カヌーで下って来た韓国人坊主軍団としばし談笑した後、野天でやってた土産物屋へ行く。
簡易テントで作られた店は、ドロシーさんというおばちゃんが手作りのグッズを売っていた。
そこでビーバーの毛が乗ったミニチュアカヌーと、花かごの工芸品を購入。
入れ物はなんとでっかいオレオの箱に入れて渡してくれた。実にアラスカらしい。
その頃には晴れ間が出て来て、大変気分がよろしくなっていた。
その後牧栄さんおすすめの隠れスポットで昼食。
BIGバーガーがはんぱなくビッグだった。
食べ終わる頃には、食べ終わったというより戦い終わったといったといったほうが適切だ。
車は未舗装路をさらに延々と北上を続ける。
未舗装路をキャンピングカーが走り、その後ろをコンボイが走る。実にアラスカっぽい。
途中途中で景色のいい所では止まって写真を撮らせてもらえた。
バスではこうは行かなかっただろう。
昨日の出会いといい、なんだかんだ寝坊して良かったのかも。
途中山火事の後に咲くファイヤーウィードの群生に出会う。
視界一面に広がるファイヤーウィードは恐ろしさえ感じた。
やがてフィンガーロックマウンテンという所に来た。
ここはとにかくもう凄すぎた。ずっと口あけてた。
なんだか別の惑星に来た感じなのよ。これぞアラスカ!
トイレのトイレットペーパーもさすがアラスカンスケール。
フィンガーロックマウンテンからほど近い場所にポツンと一軒の家がある。
牧栄さんの話ではいつも閉まっているが、一応お土産屋さんらしい。
しかし今日は人がいてやっていた。
サンディーとブライアン(ちょっと怖かった。なにせこの男笑わない。)と犬だ。
しかしすごいロケーションの所に住んでるもんだ。
うらやましい。オーロラもよく見えるようだ。
数年前にはNHKのクルーも来た事があるようだ。
記帳に名を残しておいた。
その後ついに北極圏突入!
有名なアークティックサークルの看板だ。さんざん本で見て来たから感動した。
ここで1ヶ月くらい前におばちゃんが狼に襲われたらしく、併設のキャンプ場は閉鎖していた。
さらに北上は続き、ついにコールドフット手前の川原に到着した。
川は増水して濁っており、なにより流れが速い!
初体験のシングルパドルでのカナディアンカヌーでいきなりこの流れは中々キツい。
とりあえず近くの支流に降ろしてもらいみんなとはお別れだ。
さあここからいよいよ単独での、自由な北極圏での川下りが始まるのだ。
まずはビールを飲んで一人ロンリー乾杯。
早速アリーの組み立てに入る。
中々手こずったがなんとか完成。
支流と言えど凄い速い流れで、ビビりながら川へ漕ぎ出す。
練習する暇もなく、すぐさま流木に流れがもろにぶつかるクランクカーブへ突入。
そこを死にものぐるいでなんとか回避。
いきなりアドレナリン全開だ。
しばらくしてコユクック川本流へと合流した。
流れは多分ユーコン川より速い。
Jストロークも要領を得て来て、しばし進むが、もう21:00を過ぎていたのでキャンプ地候補へ上陸。
周りをチェックしながら歩いてみると、生々しいクマの足跡があるではないか。
もうここは絶対出ると判断し、さらに漕ぎ進む。
体にピリピリとユーコンで体験した緊張感が戻って来た。最高だ!
遠くの方で猟銃の音が響く。
やっと、良さそうな場所を発見し、そこを本日のキャンプ地とした。
豪快な焚き火を起こし、パスタを食う。
夕日がとてもきれいだ。
といっても夜の22:00頃だけど。
久しぶりの白夜だ。
やがて月が出て来た。しかしこの時間でも空はこの明るさ。
なんかとてもでかく感じる。
双眼鏡で見たらクレーターまではっきり見える。スバラシイ。
これを書いてて今はもう0:30だ。
夕日は沈まず、そのまま空が白み始めていた。
実に長い一日だった。
夕べSくんが言っていた、ある人に言われた言葉を追記する。
「自分探しの旅でアラスカに来ても何も得る事はない。でもアラスカを旅していれば、自分のやりたくない事ははっきり見つかるよ。」
いい言葉だった。
今その言葉の意味が少し分かる気がする。
アラスカ珍道中2〜北へ、ひたすら北へ〜
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MATATABI BASE
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