嫁とこーたろくんが退院して一週間が経った。
この一週間。
僕も嫁もろくに睡眠が取れていない。
覚悟は出来ていたが、やはり今後の厳しい戦いの始まりを感じずにはいられない。
忘れかけていた赤ちゃん時期の育児のしんどさを、今じわじわと思い出し始めている。
長男りんたろくんが赤ちゃんの頃、このブログはまだやってなかったから当時の記録は無い。
ただただ辛くてしんどかった事は覚えているが、やはり時が経てばあんなに大変だった事も徐々に忘れて行ってしまうものだ。
なので今回はこーたろくん誕生を期に、ちゃんと育児日記を付けて行こう。
そして将来「お前はこんなに手のかかるやつだったんだ。ありがたいと思うのなら、お前の金でお父さんをアラスカに連れて行ってくれ。そして頼むからお父さんと遊んでくれ。見捨てないでくれ。」と言ってやろう。
そもそも次男というやつは、長男に比べて扱いが雑になる。
僕は次男だからよく分かるが、圧倒的に写真の量は少なく、兄のお古ばかりを着せられておもちゃもお下がりばかり。
なんなら七五三などの行事も省略される始末だ。
なのでせめて次男であるこーたろくんの記録だけでもちゃんと残してやりたいのです。
あと「こいつ遊んでばっかいるけど本当に育児してるのか?」という疑惑を払拭する為にも、ちゃんとここで身の潔白を証明して行かねばならない。
走れー走れーコータロー 父ちゃん兄ちゃんかきわけて
走れー走れーコータロー 追いつけ追いこせ引っこ抜け
というわけで、彼が2歳になるまで不定期でお送りする「走れコータロー」シリーズ第1弾。
マゾメンが綴る育児ダイアリーでございます。
ちなみに我が家は二世帯住宅でも何でも無い。
メシもテレビも風呂も全てご両親と一緒で、養子の身としては気を使い倒す日々。
生活スペースは全て1階のリビングで、寝る時だけ2階の部屋が我々夫婦と子供の空間となる。
なので当然こーたろくんとも同じ部屋で寝て、その部屋で面倒を見るという図式だ。
それでは今回は、現在の僕の平日の一日を記録しておこう。
こーたろくんだけでなく、りんたろくんの模様も書いておかんとね。
さあ仕事が終わる所からスタートです。
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18:00
定時で上がれる時はこの時間。
僕はタイムカードを押して家に帰って行く。
ここから家までの1時間30分の車内が、通勤時間でありながら僕の唯一やすらげる時間。
しかし寄り道は出来ない。
早く帰らないとお義父さんがりんたろくんを風呂に入れてしまう。
そうなると養子の僕としては申し訳ない気持ちでいっぱいになるから嫌なのだ。
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19:30
帰宅して玄関の扉を開く。
ここで僕は再び心の中でタイムカードを押す。
その瞬間「会社員」を退社し、「養子お父さん」へと出社する。
気持ち的には「帰って来た」という安堵感より、「今から本当の戦いが始まる」という心持ちだ。
帰るなりすぐにメシを食らう。
とにかく急いで食べ終わり、くつろぐ間もなくりんたろくんを風呂へ。
実は20時を過ぎてのんびりしてると、嫁やお義母さんあたりが「りんちゃん、いい加減にダンダ(風呂という意味)に入らんとといかんよ」言う。
それを養子的に翻訳すると「いつまでものんびりしとらんで、早く子供を風呂に入れなさい」と僕に向けて言われているような気分となるのだ。
だから20時までには風呂に入れたいのだ。
(ちなみにこーたろくんの風呂は17時くらいなので、週末はこーたろくんもベビーバスに入れてあげます)
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20:00
りんたろくんと入浴タイム。
終始テンションの高いウルトラマンごっこがスタート。
基本的にりんたろくんがウルトラマンで、僕が毎度いろんな怪獣役でやっつけられるパターン。
一日働いてグッタリと疲れが滲む怪獣を、容赦なくハイテンションで攻撃して来るウルトラマン。
怪獣が死んでも執拗に攻撃をやめないウルトラマン。
疲れを癒すべきお風呂がだ、僕の体の浴槽には「疲労」だけが溜め込まれて行く。
風呂を出てから、体を拭いて服を着せてやる作業だけでももはや戦争。
脱衣所から出る頃には、僕はすっかりゲッソリとしている。
ちなみにこの時、たまに拭きが足らんくてりんたろくんの頭が濡れている事がある。
するとお義父さんあたりがりんたろくんに「りんちゃん頭が濡れてるね。風邪引いちゃうぞ。」と言う。
それを養子的に翻訳すると「全然頭が乾いてないじゃないか。君は孫に風邪を引かせる気か。ちゃんと拭きなさい」という事になる。
そうなるのがイヤなので、ドライヤーで念入りに乾かしてやるのだ。
脱衣所を出るとすぐにお茶を飲ませ、歯を磨いてやる。
もちろん大人しく磨かせてくれないので、ここでも戦争となる。
この時も磨きが足りないと嫁から「前歯が磨けてない」という厳しいご指摘があったりするので、嫁の表情を伺いながら真剣に磨いてやる。
そして磨き終えるとすぐさま2階の寝室へ移動です。
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21:00
この時間あたりにちょうど嫁がこーたろくんに母乳をあげている。
ちなみに我が家は母乳+ミルクと言うスタイル。
なので嫁が母乳をあげている間に僕はミルク製作に取りかかる。
この際に難儀なのが、熱湯で作ったミルクを人肌まで温度を下げる作業だ。
殺菌の事を考えると最初は熱湯が望ましい。
だからミルクを溶かした後は、コップに入れた冷水に浸けて撹拌するという地味な作業が待っている。
今はまだ量が少ないから早く人肌になるが、これが1歳くらいになると結構な量のミルクになる。
それを深夜に地味に水道水に当てて冷ます作業が、何気に辛いのです。
人肌になったミルクを嫁に渡し、りんたろくんと布団へ。
そこで絵本を1冊読んでやる。
読み終わってお茶を飲ませて、消灯して寝かしつけです。
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21:30
いつまでもグダグダと寝ないりんたろくん。
僕自身も猛烈に寝付きと寝起きが悪い低血圧野郎なので、とてもしんどい時間だ。
延々と続く父と子の根比べ。
やがてどちらともなく眠りに落ちる。
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23:00
夜泣きで叩き起こされる。
しかもこーたろくんではく、もはや3歳児のりんたろくんの方だ。
彼は常に夢の中で戦いを繰り返しており、突然「キングジョーがぁ!」などと立ち上がって泣き叫ぶ。
その度にせっかく時間をかけて眠れた僕も起こされ、「大丈夫、キングジョーはもう死んでるよ」などと彼を落ち着かせる。
暫くするとりんたろくんは再び眠ってくれるが、僕はまた位置から寝直す作業に苦しむ事になる。
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0:00
やっと眠れそうにまどろんだ時、こーたろくんの夜泣きスタート。
男らしく、元気で大音量の叫び声で僕は叩き起こされる。
フラフラになりながらおむつを替えてやり、嫁が母乳をあげはじめると1階のレンジまで殺菌した哺乳瓶を取りに行く。
正直目は開いていない。
そしてまた地味にミルク作成タイム。
嫁の母乳が終わるのをジッと待ち、タイミングを見計って人肌温度に調整。
そして哺乳瓶を嫁に手渡して僕は再び布団へ。
その頃にはすっかり目が覚めてしまい、またしても寝付けない苦しい時間を過ごす。
2、30分くらいしてやっとこさ眠りに落ちる僕。
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2:30
最も深い眠りに落ちた時間帯で、再びこーたろくんの爆音夜泣き。
この時間帯が一番厳しい戦いだ。
僕はゾンビのように布団から這いずり出て、ヨロヨロと再び一連の作業を繰り返す。
寝起きの悪い僕は、この頃一番意識は混濁している。
そして作業が終わる頃、また同じように目が覚めてて寝付けない。
実にキビシい。
時間をかけてなんとか眠りに落ちて行く。
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5:00
こーたろくんの夜泣きモーニングショット。
猛烈に思い体を引きずって布団から這い出て来る男。
もはやこの頃には感情すら無く、ただの「ミルク製造機」というロボットと化している。
そしてまた一連の作業。
この時間ともなると、作業が終わっても目が覚める事が無くすんなり眠れそう。
でも寝ない。
なぜならここから家を出るまでの時間が、僕が家で唯一の「育児のない自由時間」だからだ。
自分の時間が欲しいなら睡眠を削るべし。
僕はそのまま自称時分部屋の物置の2畳半のスペースで筋トレを開始する。(足を痛めているのでランニングは延期中)
ストレッチ30分、チューブトレーニング30分、バランスボールトレーニング30分。
無理矢理作った唯一の自由時間で、しっかり朝マゾを満喫する。
結果的に、色んな意味でフラフラになる。
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6:30
朝食と出社の準備。
ついでにりんたろくんを起こして、朝飯を食べさせる。
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7:30
家を出る。
1時間30分の車通勤でしんどいんだが、とても落ち着く一人時間。
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9:00
出社。
「養子お父さん」のタイムカードを切り、「会社員」のタイムカードを押す。
ここからは切り替えてお仕事です。
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12:00
昼休み。
ひたすら会社の近くの公園をウォーキング。
ここでウォーキングしながら本を読むのが、唯一の読書タイム。
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13:00
仕事。
そして18:00の退社後、振り出しに戻るという感じ。
こんな感じの平日の一日でございました。
正直かなりしんどい。
でも一度りんたろくんで一連の育児の流れが分っているだけに「この先もっと大変になる」ことは分っている。
泣き止ませる為のあやし時間は伸びて行くし、やっと寝たと思ってそっと置くと「背中スイッチ」で再びふり出しに戻ったり。
僕も嫁もストレスが溜まって行って喧嘩だって散々するだろうし。
「二人目は楽だ」というジンクスを信じて邁進するのみだ。
よく考えたらりんたろくんの面倒もあるから倍大変な気もするが、考えようによってはりんたろくんと一緒なら山とかに行けるかもしれないし。
今はひたすらこーたろくんと嫁に尽くして、いつか旅に行かせてもらえるように頑張ろう。
その前に疲労で倒れて別の世界に旅立ってしまいそうだけど。
でもまあこんな大変な事もまた忘れてしまう事も分ってる。
今はこの状態を出来るだけ楽しんでみるとしよう。
なんせ僕はマゾメンなのだから。
走れコータロー〜走れマゾメン〜
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MATATABI BASE
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初めまして、キキと申します。
アラスカを検索しておりましたら、ユーコン川下り、アンカレジのジャックさん、旅日記を拝見させて頂きました。
お子さん、お二人目が生まれたと読ませて頂きました。
おめでとうございます。
2回目のアラスカ旅行記を読ませて頂き、とても強運の持ち主の方なんだなーと強く感じました。
私も(とても川下りはできませんが・(笑)アラスカの自然に魅了され、2回程夏に子連れて(うちは大きいですが)、レンタカーでダルトンハイウェイを北上しコールドフットの手前まで行ってきたりとしています。
デナリからフェアバンクスに戻り、別の道でウィッテアにまで行かれたのには圧巻と感動すら覚えました(笑)!
川下りとても素晴らしいですね!
私も真似が出来るのならしてみたいです、もう47歳のおばさんなのでとても無理ですが…(苦笑)。
私もアンカレジの毛皮屋のジャックさん知っています!
実は来週に3回目のアラスカに行って来ます。
冬の季節は初めてなので、どんな風景、気温なのか楽しみです。
今回はバローにも滞在し、凍った北極海を見てきます。
思わず、心優しいとても強運の持ち主の旅行記を読ませて頂いてコメントさせて頂いてしまいました(笑)。
長文になってしまいましたが、寒い日が続きますのでお身体気を付けて過ごされて下さい。
旅行記拝見させて頂いて、ありがとうございます。
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キキさん、はじめまして!
ユーコンとアラスカの日記を、まあ長々と読んでいただき光栄です!
僕も二人目の子供が生まれて、荒野を旅した頃の事を遠い目で思い出す日々です。
あの素晴らしかった体験は間違いなく僕の人生を変えてくれました。
そしてある意味確かに強運の持ち主かもしれません。
普通の人は「アラスカ史上初の橋崩落事故」に遭遇する事は無いですからね。
あの大迂回を越える壮大なドライブは今もって経験してませんし、もう一度やれと言われてもとても出来ません。
死んでしまいます。
それにしてもコールドフット手前まで行かれたんですね。
完全に僕と同じ道程なんで、あの別惑星みたいな広大な光景を目にしたんですね。
あれには心から感動しました。
ちなみに川下りなんて簡単なもんですよ。
正直日本の川より、ユーコン川の方が楽勝なんです。
流れは速いけど川幅は広いし、漕がなくても進んで行きますからね。
北欧の方ではカヌーの川下りは老後のレジャーとして愛されています。
激流下りじゃなく、のんびりと下るツーリングスタイルなら是非挑戦してほしいですね。
お子さん達と一緒に是非!
さらにはジャックさんをご存知とは!
あの人との出会いは本当に偶然で(トイレを借りた縁)、時間を忘れる程最高のひとときを得る事が出来ました。
もう覚えてないだろうけど、次回行った時はもっとゆっくりお話ししたい人ですね。
そして来週にはアラスカですか。
猛烈に羨ましいです。
きっと冬のアラスカにこそ本当の魅力が詰まっている気がします。
寒さは厳しいでしょうが、間違いなく最高の体験が待っているでしょうね。
僕もバローに行ってみたいです!本当に羨ましい!
僕もまだ当分先の話ですが、子供が落ち着いたら再びあの地を旅したいと思っています。
それまでは大人しく育児に専念いたします。
どうか僕の分まで楽しんで来てくださいね!