随分久しぶりのりんたろ成長記。
たまにはお父さんしている姿も書いて行かないと、家庭を顧みないただの遊び人と思われてしまう。
お父さんは1ヶ月に及ぶカヌー強化月間が終わり、体がボロボロになってしまった。
後払い式の快晴代償の苦行は続いており、首を動かす度に背中に激痛が走る状態を楽しんでいる最中だ。
しかし遊びに行かない休日は、全力で家族サービスしてポイントを稼がねばならない。
要するにどっちにしても僕には「休養の休日」などは存在しない。
平日は仕事と養子と育児に追われているから、通勤の車の中だけが唯一の僕の回復場所。
そんなもので回復するはずも無く、このようにして蓄積された疲労でまたどこかを痛めるというマゾ循環。
ゾクゾクするわ。
で、今回の休日は僕の体力回復の意味も込めてりんたろくんの大好きな温泉に行こうと嫁に提案。
嫁にもこれから始まる妊婦生活に向けて温泉でゆったりしてもらおうと思ったのだ。
日頃の感謝の意味もあり、きっと喜んでくれるに違いない。
しかし嫁の「行きたくない。家でテレビ見てたい。しんどいから歩きたくない。」という発言が飛び出す。
まさか駐車場から温泉までの数十秒の歩きに対してしんどいと言っているのか?
僕は今までそんな人に対して「登山」や「カヌー」をさせようとしていたのか。
僕は妊婦になった事が無いから分からないが、妊婦とはそこまで動けなくなってしまうものなのか?
そう言えばりんたろくんご懐妊の時も、嫁の要望はハイクオリティーなものになっていった事を思い出す。
夜に突然、妊婦なのに「ロッテリアのポテトが食いたい」と僕に行って来たりする。
妊婦とは脂っこいものが受けつけなくなるんじゃないのか?
しかも明らかにマクドナルドのが近いから、「マックのポテトじゃダメでしょうか?」と言っても頑にロッテリアにこだわる嫁。
そんな事を思い出していたら「モスチキ食いたい」と言い出すではないか。
またしてもマックよりも遠い、車で15分のモスバーガー。
マックチキンではダメなんでしょうか?
2位じゃダメなんでしょうか?
僕は蓮舫に詰問されたおっさんのような切ない表情のまま車に乗って、痛む背中を抱えながらモスチキンを買いに行った。
世間一般の妊婦さんもこんな感じなんだろうか?
もう何が普通で何がサドなのか僕には分からない。
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モスチキを食べて機嫌が良くなったので、親子三人で池田温泉に向かう。
途中、1年前にりんたろくんが川デビューした(参考記事)子供用の川へ寄った。
やっぱり子供にはこの程度の川が楽しいようだ。
山に関しては完全に僕は教育に失敗し、最近のりんたろくんは「ヤマ、キライ」と言って僕を悲しませる。
やはり2歳児を担いで3000mの山に登ったりしていたのがいけなかったようだ。
だから僕は川に関してはとても慎重に段階を踏ませるようにしている。
彼に川まで嫌いになられてしまったら、お父さんは家庭で完全に孤立して弱い立場に追いやられる事になる。
焦りは禁物だ。
すっかりテンションが上がって来たりんたろくんが僕の手を引っ張って川へ誘導する。
非常に嬉しい瞬間なんだが、残念ながらお父さんは今背中が激痛中なんだよ。
こんな不安定な場所歩くと、一歩一歩に電流が走るって知ってるかい?
そんな事は我関せずとばかりに、りんたろくんはハードな方へ僕を誘導して滝を登らせる。
それにしても何だこの気持ち悪いふくらはぎの筋肉は?
何かどんなに運動頑張ってもお腹とおっぱいの肉は一向に落ちないのに、何故かこのふくらはぎにだけ強烈に筋肉が付いて行く。
すると上半身ぷよぷよで下半身ムキムキと言った体になり、嫁にも「キショッ」って言われる事になる。
この一堂零の筋肉大移動みたいな体はどうにかならんもんだろうか?
そしてその後も息子に引きずり回される激痛お父さん。
いたい、いたい、いたい。
背中の痛みはもちろんの事、黒い内臓の数々を抱える僕にはこの「足つぼ」への刺激がハンパなく痛い。
その痛みでビクッてなると、その反動で背中に電流が走る。
これは何の罰ゲームだ?
家族サービスのつもりで来たのに、結局いつも通りのセルフマゾなのか?
もちろんこの間、嫁は階段に座ったままピクリとも動かない。
むしろそんな苦しむ僕を見て、ニヤリとしている気さえする。
いよいよりんたろくんのコーフンが止まらない。
やはり先天的に川に対する本能が遺伝されているのか?
非常に嬉しいんだが、見事に彼はずぶ濡れになって行く。
そんな彼を僕は微笑ましく見ていたんだが、嫁が僕に「風邪引かしたら殺すよ」と遠隔攻撃。
まだ僕は死にたくないので、慌ててりんたろくんを川から出した。
そして公衆の面前で全裸にさせられる息子。
で、1週間前のお父さんの姿がこれだ。
受け継がれて行く意志。
親と子の絆を感じる一コマだ。
そして嫁が「アイス食いたい」と言うので、温泉前に道の駅へ。
まだ出来たばかりの道の駅でキレイだから、なんとか嫁の機嫌はよろしさをキープしている。
そしてそこには「バロン」という名のピエロがいた。
なんだろう。
長い養子生活が続き、愛想笑いが板についてしまった僕としては妙にピエロに感情移入してしまう。
そんな切ない眼差しでバロンを見ていたら、突然バロンが僕の手を引っ張って観衆の面前に晒し出す。
そして僕はバロンのショーに巻き込まれた。
何だこの恥ずかしさは。
小学生の時、ブルマを履いて全校生徒の前で歌った時以来の恥ずかしさだ。(参考記事)
しかもバロンは僕が今背中の痛みと戦っている事を知らずに、色んな事をさせる。
最後にバルーンでお花を作らされ、大衆の面前で片膝付いて嫁にそれをプレゼントしろと言う。
さらにバロンが嫁に「抱きつけ」というジェスチャーをする。
彼はよかれと思ってやってくれているんだろうが、嫁の顔が本気で嫌がってる。
結局抵抗する嫁に抱きつく事が出来ず、バロンと観衆の期待を裏切ったばかりか何だか嫌な空気だけが会場に漂った。
バロンは選ぶ夫婦を間違えたのだ。
何だったんだ、この拷問のようなひと時は。
でもりんたろくんは相当にバロンの事が気に入ったようだった。
あの作られた笑顔がお父さんと重なったのかな?
そして僕らは池田温泉に行った。
僕は温泉に浸かりながらりんたろくんに聞いてみた。
「お父さんの事好きか?川好きか?」と。
すると息子は嬉しそうに言った。
「バロン、スキ。また行く、バロン。」と。
こうして痛みをおして強行した家族サービスは終わった。
結果僕にポイントは加算されず、見ず知らずのピエロに全てを持っていかれた。
本日、最もピエロだったのはお父さんなのかもしれない。
おどけた笑顔の裏の涙が止まらない。
妊婦と道化師の休日
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MATATABI BASE
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サイトチェック中にブログを発見してしまい、不躾ながらコメントさせていただきました。
道の駅池田温泉にお越しいただきありがとうございます。また、ネタとしてご参加いただけたこと大変感謝申し上げます。
コンディションが良くないとは知らず大変失礼致しました。でも喜んでいただき幸いです。
心を奪うのが私の仕事ですのでまた是非お越しくださいませ。
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うわあ!
なんだかすいません、まさかのご本人様登場で非常に恐縮です。
道の駅ではお世話になりました。
あんな風に書いてますが、何気に楽しませて頂きました。
そして息子がいたくバロンさんを気に入って、実は今でもテレビでピエロを見ると「ボクまた行く、バロン」と言って来ます。
彼にとってもとても良い思い出になったようです。
ありがとうございました。
これからも多くの家族の心を癒してくださいね。
がんばってください!