僕がまだ三十路手前だった頃のお話。
当時綴った紀行文があったので少しずつでも記録として残しておこう。
この紀行文は未完のまま終わっているけど後半はダイジェストでお届けします。
当時の文章のまま載せるので稚拙な文章はご愛嬌。

それでは、お暇な方はのんびり読んでちょうだい。
はじまり、はじまり。

〜北海道中膝栗毛〜

車走行距離2567km,カヌー漕行距離約100km,MTB漕行距離約50km,写真撮影枚数812枚,iPodが流した曲数758曲,旅先でのロマンス0,美しい景色プライスレス。
10日間の旅の記録。
物語は愛知県岡崎市の自宅から始まる…。

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8月11日20時、僕は自宅の便所の中で考え込んでいた。
会社を定時で早々にあがりそのまま北海道遠征へと出発する予定だったのだが、ここに来てありえない腹痛が僕を急襲してきたのだ。

ここはおとなしく出発を遅らせて大腸の回復を待つべきなのか、それとも腹痛をおして今から出発して明日の朝を長野辺りで迎えてより遊ぶ時間を増やすべきか？
僕は大脳と大腸をフル回転させて答えを導きだした。

僕は日常という名の己の茶色い分身を切り離し、トイレの彼方に葬り去り家を飛び出した。
強行軍覚悟の北海道遠征がここに始まったのである。

延々と車を走らせる事3時間、岐阜の日義木曽駒高原の道の駅で大腸怒りの咆哮。
30分ほどトイレで格闘し、その日は力尽きてその場で車中泊。
初日にして、最終回の矢吹ジョーなみに真っ白い灰となった。不安な立ち上がりだ。