毎週のように悪天候登山を楽しんだこの1ヶ月。
天気予報に裏切られ続け、修行色の強いハードな筋トレ月間だった。
さすがに僕の精神と体力は弱り切り、ひどく疲れ果てていた。
だから今回の週末は徹底的に休養日(家族サービス)とし、精神の回復期間にしようと計画した。
そして週末。
起床した僕はゆっくりとカーテンを開ける。
するとまばゆいばかりの日光が僕に降り注ぎ、空は快晴に包まれていた。
覚悟はできていたはずだった。
でも渦巻く感情を制御できない。
「悔しさ」と「切なさ」と「飛び出していきたい衝動」。
僕の中の1/3の純情な感情がスパークする。
なぜいつもこうなんだ?
そしてなぜ僕はこんなにアウトドア派なのに色白なんだ?
一度でいいからこんな日に山や川で遊んでみたいものだ。
嫁に愛されないのは仕方が無いとして、せめてお日様にだけは愛されたいよ。
結局「精神の回復期間」と位置づけた週末に、逆に精神を痛めつけていくという高度マゾプレイ。
休む事なんてやはり僕には許されないようだ。
でも、自宅の庭に友達を招待しBBQなる平和的行事をこなした。
最近ストイックな登山が続いていただけに、これはこれで充実した「人間らしい」時間を過ごせた。
家族サービスもバッチリこなしたから、次なる戦いへの布石も抜かりない。
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という事で今週末、僕は山旅に出ます。
しかも金曜日に有給取って、2泊3日で。
行き先は「憧れの先っちょ」だ。
高校球児は甲子園を目指し、サッカー部は国立競技場、ラグビー部は花園を目指す。
カヌー野郎で言えば、釧路川や四万十川を目指すようなもの。
登山2年目の脱初心者を狙う僕にもそんな目指すべき山がある。
初心者と言いつつ1年で40近い山を登り、富士山も登り、雪山まで手を出してしまった狂人初心者が次に目指す山。
そいつはやはり北アルプスに鎮座している。
その憧れの先っちょの名は「槍ヶ岳」。
ついに登場した北アルプスの雄。
標高日本5位の3,180mにそびえる、日本中の登山野郎憧れの山だ。
これは以前蝶ヶ岳付近で一瞬だけ姿を見せた槍ヶ岳のお姿。
真ん中にちょろりと見える鋭角な先っちょが槍ヶ岳。
実はこの山、憧れの山だけではなく「因縁の山」でもある。
20年以上前の中学生の頃に、なんと僕は一度ここに登っているのだ。
当時、母さんに「山に行くよ」とだけ言われて連れて行かれたのがこの槍ヶ岳だった。
僕は行き先がどんな場所かも分からずに、何日も掛けてひたすら登らされた挙げ句、山頂の絶壁を鎖とハシゴで登らされるというとんでもない恐怖体験をさせられた。
その時本気で僕は親に「殺す気か!」か吐き捨てたものだ。
きっと今のりんたろくんが僕に抱いている感情と同様のものだろう。
この時の山頂アタックの記憶がそのままトラウマとなり、僕の高所恐怖症が始まったように思う。
以来、高い場所は怖い、山は怖い、登山は怖い、嫁が怖いといった恐怖に取憑かれる事になった。
そんな因縁の山に、20数年の時を越えて挑むというロマン。
あの時の自分の記憶を上書きし、新しい槍ヶ岳を僕の中に刻み込んでトラウマを払拭するのだ。
共に挑むはお馴染みのB旦那とバターNの三人体制。
前日夜入り車中泊、片道10時間登山、山頂テント泊で翌日下山。
槍の穂先をへし折る最短弾丸ルート。
最終日は予備日と言いつつ、しっかり万水川カヌーを計画に入れているという隙間のないスケジュール。
今の所、週間天気予報は晴れマークが踊っている。
もちろんそんなものは信じないので、雨が降るものだという心持ちで挑む。
死線を彷徨った伝説の「マゾ男登頂記」以来の北アルプス。
今の所悲惨な思い出しかない北アルプス。
待ち受けるのは最高の景色なのか最高のマゾなのか。
尽きてしまうのは僕の命なのか嫁の愛想なのか。
今週末もこの男から目が離せない。
(注/快晴の行楽を計画されている方は北アルプス方面には近づかないようにしてください。悪天候時の責任は負いかねます)
トラウマグッバイ〜あの先っちょへ〜
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MATATABI BASE
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はじめまして。このサイトに出会ってから約15年ぶりに山登りを再開させましたアツシと申します。
本当にいつも声をだして笑ってしまうほど、山の過酷さを微塵も感じさせない楽しい文面!最高です!!(奥様との攻防もww)
僕は、岡崎城西出身なんですが、当時学校の伝統行事で夏山登山がありまして、素人同然の高校生を槍ヶ岳に登らせるという、男子校丸出しのドS行事がありました(笑)※共学になってから廃止されたようです。
今考えれば、特に何を入れたでもないリュックに運動靴でよく槍なんかに登ったなぁと思います。でも、頂上に上がった時の達成感と壮大な景色は、いまでも忘れられない思い出です。
くれぐれも気を付けて槍アタック思いっきり楽しんできてください!
「マゾ男登頂記~槍編~」楽しみにしてます!
長文、失礼しました。
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いらっしゃいませ、アツシさん!
まさかの城西OBの来訪でジョンボー魂も喜んでおります。
かく言う僕も岡崎城西出身で、あの白いハイネックにブレザーという画期的男子校時代の生き残りであります。
大学受験で忙しい3年の夏に行なわれた夏山合宿は、まさに学校側と生徒側との壮大なSMプレイでした。
僕は体力無しクラスでしたので、槍ではなく穂高の方へ登りました。
もちろん当時から力を発揮して、山頂に着く頃には深い濃霧に包まれて何も展望できないという屈辱も味わいました。
ある意味僕も忘れられない思い出となっております。
そして時を経て、今僕は望んで槍ヶ岳を目指しているという不思議な人生。
これもジョンボーならではの「質実剛健」の教えがあったればこそかもしれません。
見事に槍の先っちょをへし折って来ます。
その前に心がへし折れる可能性もありますが、気長にアップをお待ちください。
ありがとうございます。
今後もよろしくお願いしますね。
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せせせ先輩!?本気と書いてマジっすか!!!
ビビリました・・・まさかあの幻のハイネック&囚人服体操着世代の大先輩だったとは・・・m(_ _)mハハー。
ちなみに僕は緑のVネックセーター2期生ですww
こんな偶然あるんですね(笑)
僕もあの頃、二度と山なんて登らねーぞと思ったのに、今ではアルプス登頂の夢を抱く毎日・・・ほんと不思議ですねww
こちらこそ、今後とも宜しくお願いいたします。
P.S. 今岐阜在住ってのも偶然一緒です(笑)
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おお、囚人服体操服!
マラソンの授業ではあの服を来て矢作川の堤防を一周したもんです。
時間内に帰って来られない者はそのまま川に突き落とされるという壮絶な時代でした。
よく校舎のベランダに人糞が落ちていたこともあったっけ。
僕は高校受験時、頭が悪すぎて単願で城西しか選択肢のない男でした。
そんな男は「JTB」(城西単願ボーイ)と蔑まれた時代。
正直楽しい思い出は一つもありませんね。
岐阜に住んでいるのなら、いずれバッタリと出くわす事もありそうですね。
ヘロヘロになりながらもニヤリとしている男がいたらそれは僕です。
嫌じゃなければ声かけて下さいね。
P.S.まさか嫁までドSじゃないですよね?
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JTBですか!面白い!(笑)
僕は「第一志望意外なら城西で散る!」と栗城バリの無謀な登頂に挑むも、見事に滑落し、生死をさ迷いながら3年間を過ごしました(笑)
ただ、友人には恵まれ(キャラの濃いビッチばかりですがw)、それなりに楽しめた高校生活でしたw。
山登りは、本当に最近始めたばかりでして、すぐ近くの金華山ばかり登ってますが、3日の金曜日に珍しく「Killer bee(嫁)」(普段はおとなしいが、刺激すると手が付けられない(笑))が居ないため、ちょっと遠くの山に行ってみようかなぁと企んでおります。
冠山か恵那山あたりを物色中ですw
普段は平日休みのため、なかなかお会いできる機会がないかもしれませんが、もう少し修行を積んでご迷惑をかけない程度になりましたら、先輩!ご一緒させてください!!
P.S.ちなみに僕はSなんで、「金華山ごときでぜーぜーいいやがって!この豚ヤロー!」と自分を罵ってニヤリとするタイプです(笑)
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いいですね、冠山か恵那山。
冠山は僕はいつも通り悪天にまみれて撤退した山です。(花房山参照)
恵那山は初雪山未遂の思い出の山ですね。
どっちも良い山だと思いますよ。
いっそ南アルプスの仙丈ヶ岳もいいんじゃないですか?
金華山は僕の金トレ山ですね。
是非僕に引き続き、一日で全10ルート制覇の最高に楽しくない登山を楽しんでみては?
と言ってもSの人にはお勧めできませんが…。
でも基本的に登山はセルフSMプレイだから、結構楽しめると思いますよ。
ご近所さんですしジョンボーなんで、是非とも都合のいい時にでもご一緒しましょう。
一応これでも登山二年目のド素人なんで、特に修行とか積まなくても良いですよ。
修行的な救いのない登山は好きですけどね。
それでは、お互い有意義な週末を過ごしましょう!