猛烈に悩んでいる。
山猫を飼うべきか、盗賊と手を結ぶべきか。
歴史的な円高が進み、現時点でおよそ77.5円。
一時よりは多少持ち直したが、未だに70円台だ。
ここで政府の市場介入よりも、最もいい方法で円安にする方法がある。
僕が個人輸入での買い物を決心する事だ。
きっと僕があれこれと悩んでいる間に、円安に転換する事だろう。
この円高の好機を逃す手はない。
僕はカヌーの新艇購入を決断した。
(こっから先の記事はマニアックなお話なんで、分からない人は読まん方がいいかもよ)
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僕のメイン艇であるHIVIXは今イチ修理もうまくいかないし、ちゃんとセルフベイラーが付いたインフレータブル艇が欲しかった。
僕の中ではずっと、次に買うならAIRE社のリンクスⅡと決めていた。
誰しもが認める名艇で、手に入ればこの先10年は安泰だ。
でも買えなかったのは25万円以上する、その驚きの値段があったからだ。
いくら希少種の山猫(Lynx)だからってそんなにお金は払えない。
しかしここに来ての円高で、米国「NRS」のネット販売価格が$1,392。
日本円で約11万! 半額以下じゃないか。
一気にハーツ・オン・ファイヤー。
11万でも十分高いし、お小遣いはほとんどないけどこのチャンスを逃す事は出来ない。
急がないと、僕の事だ。また1ドル100円台に戻ってしまうだろう。
そしてリンクスⅡ購入の決意が固まった所で、思わぬ強敵が現れた。
盗賊(Bandit)が僕のハートに侵入して来たのだ。
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B旦那さんから、何やらNRSのバンディットⅡ(Bandit Ⅱ)なる艇がアツいとの情報が流れ込んで来た。
Banditを直訳すると「盗賊・無法者・悪党・ひとでなし」など、およそ商品名にしてはダメだろうといったネーミングもそそるじゃないか。
「僕の相棒は盗賊です」なんて言ってみたいじゃない。
しかもリンクス同等の強度を持ちながらも、とにかく軽いらしい。
ネットで見ても、その手のマニアックカヤック野郎達の間で、名艇として密かに好支持を得ている。
日本では販売店がないから、個人輸入しなくては手に入らない。
日本でもこの艇に乗っている人は、ネット見る限りきっと20人くらいじゃないだろうか?
天邪鬼な僕は、マニアックになればなるほどそいつに惹かれていく。
こうして盗賊の急襲によって、僕は再び「悩ましの瀬」に突入する事になった。
次に買う艇は、間違いないものを長く乗りたい。
嫁選びに匹敵する程の重要度を持つ、運命の選択だ。
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ここで自分の気持ちを整理する為に、この盗賊野郎と山猫を戦わせてみよう。
「山猫」VS「盗賊」〜次期相棒争奪タイトルマッチ〜 10ラウンド制
〈Round.1〉お値段対決(現時点)
「山猫」108,000円 × 「盗賊」81,400円
盗賊の圧勝のようだが、盗賊はシートやポンプなどの付属品を新たに購入する必要がある。それを考慮すると山猫とは1万くらいの差だ。今後の長いお付き合いを考えれば、多少の差は気にはしないからここはイーブンだ。
結果=「山猫」0 × 「盗賊」0
しかし注意すべきは、NRSが突然40%オフなどのセールをぶっ込んで来る事があるらしい。それによっては大きく判定基準が揺らぐ事だろう。
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〈Round.2〉男前対決
「山猫」重厚感あるがロゴがダサい × 「盗賊」シートが一重だからか安っぽい
やはり全体的には山猫が勝っている。しかし盗賊のマニアック感とやんちゃにそり上がったキールは盗賊と呼ぶにふさわしい。しかしここは山猫に1ポイントだ。
結果=「山猫」1 × 「盗賊」0
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〈Round.3〉軽量対決
「山猫」19.5Kg × 「盗賊」12.7Kg
これは文句なしの盗賊圧勝。さすが盗賊だ。この差は運搬時などとても魅力的な数値だ。これは2ポイントあげていいだろう。
結果=「山猫」1 × 「盗賊」2
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〈Round.4〉強度対決
「山猫」二重構造 × 「盗賊」一重構造
山猫の圧勝に見えるが、盗賊は一重と言えどとても頑丈な生地のようだ。ネットでも評価は高く安心だろう。山猫のが間違いなく強靭だろうが、使用上そんなに大差はないだろうと判断。ドローにしておく。
結果=「山猫」1 × 「盗賊」2
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〈Round.5〉TMレボリューション対決(風への耐久度)
「山猫」重い分マシか? × 「盗賊」軽いから影響大か?
インフレータブルなんで、所詮風の影響は受けやすいだろうけど、重い分山猫のがマシなんかなあ。トロ場や湖なんかで向かい風吹くと漕ぐのがしんどいだよね。風って僕にとって結構重要。こればかりは経験者に聞かないと分からないので、ひとまずドロー。
結果=「山猫」1 × 「盗賊」2
いやあ、肉薄した戦いになってるな。拮抗してるね。
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〈Round.6〉直進性と回転性
「山猫」二重構造 × 「盗賊」一重構造
山猫は重い分始動がもっさりしているようだが、その分直進性はあるように思える。盗賊は回転性は抜群だろうが抜群すぎてうまくコントロール出来るかな?僕の場合ツーリングでのしようも考えているから、どっちかと言えば直進性を重視したい。どっちの艇も同じような直進性であれば、文句なしで盗賊なんだけど、これも経験者じゃないと分かんないなあ。なのでドロー。
結果=「山猫」1 × 「盗賊」2
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〈Round.7〉積載能力
「山猫」990mm × 「盗賊」914mm
盗賊は実に度量の狭い男だ。ツーリング仕様の事を考えるとここは山猫さんだな。でも盗賊は狭いってことはパドリングの時邪魔にならなそうだし、居住感が著しく悪くなければいいけどね。長期のツーリングはカナディアンで行くから近所の日帰りか一泊使用がメインになるだろう。そう考えると、積載量はタンデムならさほど関係ないか。
結果=「山猫」1 × 「盗賊」2
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〈Round.8〉膨らませやすさ(時間)
「山猫」? × 「盗賊」?
膨らませる時間はかなり重要だ。これが早いと気分的にとても川に行きたくなる。構造的にはほとんど一緒かな?これも実際の経験者の声が欲しい所。ドローです。
結果=「山猫」1 × 「盗賊」2
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〈Round.9〉アフターサービス
「山猫」日本の販売店多い × 「盗賊」基本海外
これは山猫が断然有利かな。といっても二艇ともほぼメンテナンスフリー的に頑丈らしいからなあ。でも僕のHIVIX艇みたいに、会社がカヌー業界から撤退なんて事があるから万が一の時に困る。山猫に1ポイントだ。
結果=「山猫」2 × 「盗賊」2
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〈Round.9〉安定度
「山猫」◎ × 「盗賊」◯
どっちも良さそうだけど、軽くて幅が狭い分盗賊のが振られるだろうな。岐阜に住んでるからメインリバーが長良川になるだろうけど、結構方向転換の機敏さが安定度に繋がるかも。
結果=「山猫」3 × 「盗賊」2
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〈Round.10〉持ち運び
「山猫」普通のバッグ × 「盗賊」キャリーバッグ有り
別売りだが盗賊には背中に背負えるキャリーバッグがある。軽いからこそ出来る技。これならソロでもゴールに置いた自転車にカヌー背負って乗って帰る事も可能だ。盗難防止にもこれはかなりそそるものがある。盗賊1ポイント。
結果=「山猫」3 × 「盗賊」3
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試合終了。
見事にドロー。
基本的にタンデム艇にするかソロ艇にするかでも悩んでる。
いつも単独行だから気軽なソロでもいいし、でも友達や将来子供と遊ぶ事やツーリング仕様考えたらタンデムだし。
もう悩みすぎてどっちでも良くなって来たぞ。
最終的にはNRSのセール情報次第か?
いつまで待てるか?
1ドル80円台になるまでは、もっともっと悩んでみよう。
何か情報があれば(マニアックすぎて無いだろうけど)どしどしコメント入れて下さい。
早くこの悩みから解放されたい。
山猫VS盗賊
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MATATABI BASE
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初めまして、毎日ブログ閲覧させていただいております。
hamatoshiです、以後お見知りおきを。
DRやダッキーの情報を探してたどり着きました。
忌憚なく正直に申し上げますが、深夜家族には悟られない様に、読んでいました。
はじめて読んだ記事、幾行か拝読するにつれ一筋の涙が目から落ちてゆくではないですか。そしてそれは滝のようにとめどなく流れ落チてゆきました。
深夜です、家族に悟られれば、せっかく眠っているところをお越し心配までかけてしまします。
私は一人事務所部屋のPCの前で肩を震わせ、止まらない涙を静かにいなし、受け入れました。あぁこれが生きているってことだって。
そして、TOPより単純にさかのぼっているとやはり話が見えない(ブログの宿命)。
そこで一番初め(過去)の記事から読ませていただいております。
(SEO解析ちょっと増えてまえんか?)
あとどれくらいでゴールなのでしょうか?
この直前までカヤック談義がなく登山三昧、私はパドラーですが、登山家ではありません、れっきとした下山家です富士も幾度か下山しています。
という事で今後とも、ご拝聴させていただきますので、よろしく御奉り願う次第でございます。
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hamatoshiさん、初めまして!
こんなマニアックで救いの無いブログを読んでもらって光栄です。
なんだか急激にアクセス数が伸びたのは、hamatoshiさんの地道な夜間作業があったのですね。
実にありがたい事です。
そして分かる人には彼の苦渋の様が感動を呼ぶ事でしょう。
事務所や電車で読んで周りに迷惑をかけたという話も聞いております。
後半になるにつれ悲惨度は増して行きますんで、ハンカチを箱買いする事をお勧めします。
そして最初から読んで来たなんてなんて根気のある方でしょうか。
よほどのカヌー好きか、よほどのサディストか、よほどの疑似マゾ体験希望者といったところでしょうか。
もうただただありがたいです。
ちなみに画面上にAllPostってのがあるんですが、これ押すと時系列に沿ってタイトルが羅列されるんで一気読みの人にお勧めです。
ただ最初の頃はちゃんとまじめにブログっぽい事書いてたんですが、どこからかおかしな方向に向かってしまって…。
文章も長文だし、アウトドアの記事というより公開マゾ日記ですし。
この記事は2011年の9月なんで、先は中々長いですねえ。
しかもカヌーに行けずに仕方なく始めた登山にどんどんはまって行くんで、読んでいただけるかどうか…。
でも単発記事の様で本筋は繋がった話になってるんで、おひまなら是非現代に追いついて来てください。
どんどん酷くなって行きますから。
ほんとありがとうございます!
今後ともヨロシクです!