前回、日本シリーズを見られない男(コチラの記事参照)で登場した施設「つどいの泉」に行ってみた。
前回もご紹介した通り、まるで参加出来ない講習会を講習し、やっと施設が利用出来るようになったからだ。
講習会の内容はとてもためになるものだったが、随分苦しい思いもした。
それだけに、有効にこの施設を使用しなくてはならない。
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地元の施設だけあって、きっと新しいご近所さんとの出会いもあるはずだ。
なんだったら、他の若奥様との禁断の恋路が始まる可能性だってある。
期待と不安を胸に、僕は施設へ向かった。
施設使用料はトレーニング室が100円、歩行用プールが100円だ。
100円を支払って、トレーニング室へ。
部屋が真っ暗だ。
というか、誰もいないじゃないか。
僕の期待は早くも打ち砕かれた。
禁断の恋路どころか、お友達だって作れやしない。
何が「つどいの泉」だ。孤独の泉じゃないか。
まあ、考えようによっては黙々とトレーニングするには最適だろう。
いつも通りのストイックタイム。慣れてはいるさ。
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このトレーニング室にはランニングマシンとエアロバイクとブルブルマシーンがある。
筋トレ用の器具はダンベルくらいしかない。
ランニングは外で出来るから、本当は筋トレマシーンを使用したかった。
でも、講習会でも筋トレマシーンは役場前の別の施設に行ってくれと言われた。
しかも管轄が違うからまた講習会受けてねって言いやがる。
また平日の昼間に行われる講習会。
仕事で行けねえって言ってるだろ。
これだからお役所野郎はキライなんだ。
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気を取り直して、まずはブルブルマシーンとやらをやってみる。
最初に受付でコインを貰えて、1日1回で1コイン15分の利用が可能だ。
コインを入れて、台の上に立ちスタートボタンを押す。
激しく全身の肉がブルブルする。
一人でポツンとブルブルしている中年の男の姿が、目の前の鏡に映し出される。
広い部屋の片隅で、なぜこの男は肉を揺らせているのか?
急速に僕を襲う孤独感とブルーなキモチ。
ブルーブルーマシーンと読み違えたのか?
僕は一体何をやっているのか?
ふとそんな事が頭をよぎる。
ブルブル効果で、あっという間に尿意をもよおす。
急速に僕の膀胱ダムが決壊。
でもこのマシンは15分は止まらない。ストップも出来ない。
そのままにしてトイレに行けばいいんだけど、「1日1回1コイン」の稀少性が僕を躊躇させる。
15分、モジモジブルブルタイムをタップリ堪能してトイレに直行。
すごい勢いで放たれた黄金水。
こんなスリルが楽しめるなんて。中々やるじゃない。
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ランニングマシンで1時間汗を流し、置いてあったバランスボールにトライ。
書くまでもないが、ブルブルマシーンなど目じゃないほどの惨めさを味わえる。
ボールに乗ってポンポンと跳ねる中年男が鏡に映る。
一人で両足を上げてバランスをとって踏ん張る姿など、見ていて痛々しさすら感じる。
わずか3分ほどで男は静かにボールから降り、無言でボールを片付けた。
運動したあとの充実感よりも、寂寥感を抱えて僕は帰宅した。
日本シリーズ第6戦を犠牲にしてまで求めていたものは、こんなものじゃなかったはずなのに。
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そして昨日も休日なのに天気悪かったから行って来た。
もちろんトレーニング室には誰一人いなかった。
その日も部屋の中は、中年の男の息切れの声のみが響いた。
ここは本当に天気が悪い日か、深く哲学にふける時だけ利用しよう。
そう思った一日でした。
孤独なブル男
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MATATABI BASE
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