八重山諸島放浪記

波照間島2 最果ての極上夕日とゆんたくナイト

海でさんざん潜った後は、ただただひたすら浜辺でのんびり。

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今まで旅先でこんなにのんびりした事はなかったなあ。

好奇心が勝っちゃってせかせかといろいろ動き続けていたからね。

これはこれで中々良いもんだ。


徐々に日が沈んできて、日本最南端の素晴らしき夕日ショーが始まった。

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なんだだかもうすごく良くてただただ見入っていた。

いつの間にか何人かの旅人たちが浜に集まって、おのおの好きな場所で座って眺めてた。

一人の人、カップルの人、友達同士の人。

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みんなが一声も発する事なくただただ夕日を見ていた。

みんなが同じ時間を共有して、現場には妙な優しさに溢れた空気が広がっていた。

その瞬間、図らずも涙が出てきてしまった。

僕は夕日を見て涙することなんざ一生ないと思っていたけど、年なのかなあ。

僕らの住んでるこの世界はまんざらでもないようだね。

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壮大な夕日ショーが終わりを告げ、帰ろうとするとバッタリと鳩間島で出会った旅人に会った。

慌ただしい別れをしてしまった彼だ。

どうやら彼は僕の隣の宿に泊まっているようだ。

この八重山を旅をしているとこの手の偶然が結構あった。

彼ともう一人の同宿人の二人と後で飲もうという事になってその場は別れた。

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日も暮れてきてこの天気。
これは南十字星が十分期待できる雰囲気になってきた。

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宿に帰るとゆんたく(お酒飲みながら語り合う)が始まっていた。

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僕が座った席は、一般のお客さんではなく長期滞在でさとうきび狩りの仕事をしている人たちの席で、なおかつオーナーの島のご夫婦とも一緒だったから、かなり濃い時間が過ごせた。

途中、お客さんカップルが昨日石垣島で結婚式を挙げたという事がわかり大盛り上がり。

なぜか持参してたブーケの、ブーケトスが急遽開催された。

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独身女性たち大盛り上がりで、なんだかとても微笑ましい良い宿に泊まったなあとしみじみ思う。

そのブーケは最終的にお父さんの手に渡り、豪快にビールジョッキに水入れた即席の花瓶に飾られた。

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そんなところもいい感じ。 

その後はお父さんと、マスオという立場の男が取るべき行動のなんたるかを延々とご教授いただいた。

なんかすべてに説得力があって、目から鱗な事を沢山聞けた。さすが島の男だ。

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あまりにゆんたくが盛り上がってしまって、約束した隣の宿の二人のところへ行くのがずいぶん遅くなってしまった。

となりの宿に行くと、先ほどの宿とは全く異質な空間が広がっていた。

宿泊客は彼ら二人だけ。

あまりにも寂しげな男達の世界がそこにはあった。

そして僕も交えて、本日2ラウンド目。

男だらけの熱い男ゆんたくが幕を開けた。


仮名で呼ばせていただくなら、鳩間島で会った彼は氷川きよしに似ているから氷川君、もう一人は三平師匠とでも呼んでおこう(理由はとてもここでは書けない)。

話し始めは、従来通りお互い行った旅先の話を中心に盛り上がっていたが、そこは男ゆんたく。
徐々にピンキーな話題で盛り上がって行った。
おそらくその時点で僕らは日本最南端の変態三人組と化していた。

でもなんか、ここまで腹割ってバカ話ができる人たちと旅先で出会えるなんてなんか良かった。

まるで学生時代に友達の家で飲んでるような感覚があって、妙に幸せだったなあ。楽しかった。

時計を見ると、もう1時半だった。
もう南十字星が見えていい時間になっていた。

みんなで外に出てみたら、あれだけ晴れてた空が激しく雲に覆われている。

おまけに満月の明かりで相当明るくて、南十字星どころか星一つ見えないじゃない。

結局わざわざ一泊する事まで決めてきて肝心の南十字星は見えずじまい。

でも、それに勝る良い出会いがあったから旅は面白いな。


今日一日はほんと最高の日だった。

海はキレイ、夕日もキレイ、人もいい。

滞在中唯一の晴天は、天晴れな一日でしたよ。晴れるってほんといいもんだね。



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