◉ 愛すべき旅道具

天幕一武道会〜手に入れろ!雪山理想郷〜

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おっす!

オラ妖怪死に魚!


お久しぶりです。

すっかり更新も遅れて疲れ果ててるスーパーサイヤク人(災厄人)です。



結局2015年がスタートしてからひたすら引きこもりの日々が続いている。

終わらないむち打ち治療、骨折こーたろくんの監視、そして一向に部屋を片付けてくれない嫁…。

新年明けてから今日まで、もはや「ため息で呼吸してないか?」ってくらい毎秒ため息が止まらない。

うまくすれば美木良介効果で痩せそうなものだが、なぜかストレスで体重も白髪も増えて行く一方だ。


もう去年の10月以降、かれこれ3ヶ月以上もまともに遊びに行けていない…。

もはや発狂を通り越して廃人と化し、そろそろ肉体と精神が発酵し始めて腐りかかっている状態。

今ならノーメイクでスリラーのバックダンサーが務まりそうなゾンビ感。

そして、日々晴れた屋外を眺めては「ううぅううぅぅぅぅぅぅ」とうなる冬彦さん的危険な状況。

まだまだ我が闇のトンネルは抜け出せそうにない。



という事でもちろん特筆すべき遊びの記事もない。

しかしアウトドアに行けないなりに、しっかりと僕は遭難していた。

この苦悩の1ヶ月、僕はAmazonの密林を探検したり、ヤフオク平原を彷徨ったり、好日山荘でビバークしたり…。


そこで今回は、その旅の中で獲得した(やっちまった)ギアの中の「おニューテント」の回。

こうでもしてブログを更新しておかないとすぐ「カヌー野郎死亡説」が出回るから、不人気企画のギアものだろうと「僕は生きてるよ」と世に知らしめておく必要がある。


そんな中でも、今回は需要の少ない「雪山テント(4シーズンテント)を考える」というコアな企画。

しかもたった一回しか雪山でテント泊してない知識無し男が、悩みに悩んだ末に導き出した「雪山テントの理想郷」。

そこに到達するまでの苦悩の泥沼模様をお送りいたします。


そしてその悩みの模様を、あえて「天下一武道会」で解説してみようという企み。

例えれば例えるほどに「結局よく分からない」と評判の少年ジャンプ例えシリーズですね。

テントの専門的な事や細かいスペックはいちいち書くのが面倒なので、各メーカーのホームページをご覧下さい。


ちなみに4シーズンテントに関しては、はっきり言って湿度の高い日本の風土を知り尽くした日本ブランドの王道テントが間違いない選択です。

アライとかエスパースとかモンベルとかダンロップとかメスナーとか。

そんな事は重々承知した上で、それでも我が所有欲を満たしてくれるのはやっぱりパツキンの外国美女軍団。

非常に個人的趣向が強い記事なので、間違っても4シーズンテント購入の参考にしようと思って読まないように。

普通に日本のテント買いましょう。



さあ、山に行けない腹いせで始まった雪山テントの理想郷を探すこの戦い。

その名も「天幕一武道会」。

群雄割拠の4シーズンテントの中で、見事我が理想郷に選ばれた栄光の選手は誰なのか?

じっくりと振り返ってみよう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ことの始まりは去年の4月に遡る。

初の雪山テント泊として挑んだ、伝説の「八方尾根の悲劇」。

「穏やかな雪山で優雅に雪山テン泊デビューだ!」、と期待で胸をいっぱいにした我々の前に展開した世界がこれだった。



雪山テン泊チェリー達に突きつけられたあまりにもハードプレイすぎる童貞喪失風景。

しかもこの時、ジョンボーAは突風でシュラフごとテントを谷底に葬り去られ、2014年度のボクデミー賞助演男優賞を獲得した事は記憶に新しい。

以来、我々の中で雪山テント泊とは「血で血を洗う修羅の世界」として記憶に刷り込まれる事になった。


しかもこの時僕はMSRのハバHP(夏用)という、インナーテントが「半分メッシュ」という通気性抜群の自殺スタイルで挑んだ。

しかしフリーズドライ死覚悟の挑戦だったが、実は意外と快適に夜を過ごした。

そして「防寒はテントでするもんじゃない。シュラフでするもんだ!」と織田裕二的にポンと膝を叩いたのだ。


メッシュで換気ぱーぱーのハバHPだと、テント内結露もせず意外と快適。

シュラフと防寒着さえしっかりしていれば、雪山でも十分3シーズンテントでやって行けると判明したのだ。


しかしこの時の最大の問題点は「狭さ」にあった。

夏に比べてただでさえ荷物が増えまくる冬登山。

一人用のテント内は、もはやゴミ屋敷のような状態で身動きを取る事が出来ない。

で、無理矢理着替えをしようと変な体勢になると、確実に脇腹をツるという地獄。

それは寒さとの戦いというより、「居住性」との戦いだったのだ。


そして、「そろそろ二人用のテントを求めても良い頃ではないだろうか」と欲情が沸き上がる。

せっかくなら4シーズン使えるものが良い。

そうなると居住性はもちろん、結露が起きにくく、そして耐風性もあって軽量なもので、設営の早さも重要だ。

しかもカッコ良くて天の邪鬼な僕を満足させるようなコアな奴が望ましい。



そこで私は旅に出た。

辿り着いた先はWEB島で行われるという「天幕一武道会」。

まずは予選の会場に顔を出してみる。


そこで真っ先に我が目に付いた男がいる。

それは北欧テントメーカーの雄「チャパ王」(ヒルバーグ)である。

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悟空が現れるまでは、対戦相手全員から一度も体をかすらせずに優勝したほどの実力を持つこの男。

多くのアウトドア野郎達から絶大な支持を得ており、僕もずっと憧れ続けて来たヒルバーグテント。

だがいかんせんプライドが(お値段が)高すぎるのがネック。

そして北欧仕様なので、日本の湿度に対して結露が発生し易いなどという噂も。

実力自体は折り紙付きだが、チャパ王はもう少し先の楽しみに取っておくとして今回は予選落ち。


続いて目に入ったのは「チーム鶴仙人」のみなさん。

チーム鶴仙人の共通特徴は「ダブルウォールテント」だということ。

結露対策としては安心なんだが、今回は「軽量」と「設営の早さ」を重視しているから無念の予選落ち。

正直見栄え的にはチーム鶴仙人のメンバーは優勝候補が多かっただけに、実に惜しまれる。

せっかくなのでそんな彼らをざっと紹介しておこう。


まず目立ったのが、変わり種の鶴仙人(EXPED Venus2)だ。

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あれ?鶴仙人って選手だったっけ?と思われた方もいるだろう。

それは、あれ?EXPEDってテントも作ってるの?と同じインパクト。

革新的なダウンマットが有名なスイスメーカーだが、テントもまた一級品。

両サイドにガッパリ入口があって、4シーズンと言えど夏でも快適に過せそう。

さすがはかつての亀仙人のライバルだけあっていい仕事をしているのである。


続いてはチーム鶴仙人(ダブルウォールテント)の中で、群を抜いてカッコ良くてそそった男。

もちろんそいつの名は天津飯(MSR フューリー)である。

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この天幕一武道会開催前までは、ただ単純に「カッコいいから」という理由だけで優勝候補だった男。

もちろん実力もちゃんとしており、好きなメーカーだから迷う必要もなかった。

しかしいかんせん総重量3kgオーバーという重量があまりにもヘビーすぎた。

それはまさに「気功砲」のようなもので、威力は凄いが気の消耗が激しくて使用者が死んでしまう恐れがあるという諸刃のテント。

やはり重量登山の雪山においては、カッコいいだけでは越えられない問題が有るのだ。


そこで注目したのが軽量級のこの男。

餃子(イーストン ハットトリック2P)である。

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4シーズンのダブルウォールテントにして、総重量2.08kgという軽さ。

だがシンプルに徹した分、見た目のインパクトがなんだか薄い。

イーストンのテント自体は天の邪鬼心をそそられるものはあるが、所詮餃子だけになんだかパンチ力がない。


で、パンチ力もあって実力もあって、日本の環境にアジャストしたサイボーグ野郎に目が行く。

それが桃白白(ニーモ クナイ2P)なのである。

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性能、居住性、軽量性、結露対策の全てにおいて秀逸な男。

それもそのはずで、ニーモがわざわざ日本の環境下を想定して日本向けに作ったんだからムダがない。

重量も2kgを切っており、最近では冬用の外張りまで登場させて来る力の入れよう。

実は僕はこの桃白白を購入第一候補としてリストアップしていた。

しかしショップで現物を見た時、なんか形的にも色的にもアライテントっぽくてなぜか心が動かなかった。

これはもう好みの問題なのでどうしようもない。


という感じでチーム鶴仙人は惜しくも予選でグッバイとなり、本戦はシングルウォール一本に絞って行われる事に。

まあどうせ結露なんて防ぎようがないんだし、ここは割り切って軽量性と設営の早さに絞った方が良いと判断。


そしてもちろんこの予選会場に多くのジャパンブランドのテントも参加していたが、僕の個人的な「人と同じのはイヤだ」という極端な審査基準によって軒並み予選落ち。

普通に戦ったら間違いなく優勝候補な選手達だけに、実に申し訳ない気持ちでいっぱいである。

あとは「何となく違うんだよなあ」という理由だけで、「ナム(ビッグアグネス)」「ギラン(マーモット)」「ランファン(テラノヴァ)」「パンプット(ファウデ)」にも予選でお帰りいただいた。

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あくまでも個人的な武道会なので、全ての勝敗は我がさじ加減一つなのである。


さあ、いよいよ本戦の始まりだ。


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我が脳内にアナウンサーの絶叫がこだまする。

「理想の4シーズンテントを決める天幕一武道会!ここに開催です!」

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沸き上がる歓声。

この日を待ちわびていた観客たちのボルテージは最高潮。


本戦に勝ち上がったシングルウォールの選手達、総勢8名。

「孫悟空」「クリリン」「ヤムチャ」「ジャッキー・チュン」「ピッコロ」「チチ」「バクテリアン」「男狼」

予選では20張りほど候補があっただけに、この本戦に進出した時点でどれ買っても後悔のない猛者達。

でも選んで行かなきゃ終わらないから、まず一回戦で4名を脱落させます。


まず最初の脱落者。

それはバクテリアン(シエラデザイン コンバート2)です!

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まずは勝手にバクテリアンにしてしまって、シエラデザインの人に謝罪したい気持ちでいっぱいです。

別に臭いわけでもないし、屁やタンで攻撃して来るわけでもない。

見た目も悪くないし、マニアックさとしても天の邪鬼な僕の心を満たしてくれている。

ただやはりシングルウォールのくせに総重量3kgというのがいただけなかった。

「お、珍しいテント使ってるね」という一言が欲しいがために、こんな巨漢野郎を担いで雪山を彷徨い続ける気にはなれない。

そんな事したら、それこそ汗だくになって僕自体がバクテリアン化してしまう。

クリリンならいいけど、僕にはちゃんと鼻があるから厳しい。

普段から嫁に「クサッ!この万年ニンニク野郎!」と言われる僕にはピッタリな気がしたが、やはりバクテリアンは初戦敗退となってしまいました。



そして続いての1回戦敗退者はこちらの方。

初戦敗退の常連男、ヤムチャ(ノースフェイス アサルト2)です!

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実は「かっこよさ、安定感、バランスの良さ」のトータルで僕はヤムチャを非常に気に入っていた。

重量は2.38kgと2kgオーバーだが、なんと言っても見た目がカッコいいし所有欲が満たされる。

しかし僕がヤムチャに手を出そうとした瞬間、なんとあの伝説のテント飛ばし屋「ジョンボーA」が先に購入していたというまさか。

ジョンボーAとテントがかぶって妙なホモ疑惑が出ても困るので僕はヤムチャを諦めた。

だから悔しいから「カッコだけの男・ヤムチャ」という不名誉な名前をこのテントに授けてみた。

まあどうせジョンボーAのことだから今シーズン中に谷底に飛ばすのが関の山。

そしてこのお馴染みの「白目ヤムチャスタイル」で雪山のもずくと化すのみ。

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でも悔しいけどこのテントはいいテントだ。

ジョンボーAにはこのアサルト2とアテント2を上手に使って、しっかり結露と尿漏れを阻止していただきたいものである。



そして初戦敗退残りの2名は同じメーカーから。

共にマウンテンハードウェアのテント。

まずは優勝候補だったジャッキー・チュン(MHW EV2)である。

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シングルウォールテントの中でも異彩を放つデザインと、確かな実力を兼ね備えた素晴らしいテント。

なんせ悟空が初出場した武道会で優勝しているほどの実力者。

その正体は亀仙人なだけに、その独特の亀甲模様的な見た目が美しい。

ただ残念ながらヤムチャ同様2kgオーバーという重量と、10万円オーバーというスペシャルなお値段がネックとなってしまった。

そんなお金があったら、一体何回「ぱふぱふ」できることだろう。

と言う事で所有欲は相当かき立てられたが、今回は初戦で散っていただいた。



で、同じくマウンテンハードウェアで、もう少しお手頃価格だけど初戦敗退となったのがこの人。

チチ(ダイレクト2)である。

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何と言っても今大会で一番軽量だったのがこのチチ。

その重量わずか1,200gで、携行性だけ考えると抜群の伴侶。

別売りのベスティブル(前室)を合わせても2kg以下だ。

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実用性を考えると、ジャッキー・チュンよりかなり現実的な女である。

でもEV2のかっこ良い姿を見た後では、やはりどうしても見た目的な格好良さに欠けてしまう。

しかもベスティブルまで買っちゃうと何気にジャッキー・チュンとそんなに値段が変わらなかったりする。

どのみちチチは将来とんでもないサド嫁になる女。

もう私に、これ以上サド嫁はいらないのである。



という感じで「バクテリアン」「ヤムチャ」「ジャッキー・チュン」「チチ」の4名が初戦敗退。

準決勝に残ったのは「孫悟空」「ピッコロ」「クリリン」と、まさかの大穴「男狼」。

いよいよ目が離せない天幕一武道会。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


さあ、休憩時間も終わっていよいよ準決勝。

ここで2名の方に脱落してもらいます。

と言ってもこの準決勝に残った4名はどれもこれもが優勝させてあげたい奴ばかり。

ここからはいよいよ苦渋の選択を強いられそうです。


まずこの方にグッバイです。

ここまでよく善戦してくれました。

ドラゴンボール読者でも忘れがちな、男狼さん(ブルックスレンジ Invasion Tent)です!

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月を見ると人間になてしまうという、ブルックス山脈からやって来た謎の男狼。

こいつは僕がWEB国立公園を徘徊中、偶然見つけたマニアック極まりないテント。

そもそもこのメーカーはアメリカの小さな会社で、日本ではタープやスノーギアで一部の人に知られているようだ。

特質すべきはその軽さ。

チチよりは少し重いが、前室一体型のタイプでは最軽量の1.36kg。

換気口も6カ所もあって結露の問題にも安心。

そして何より、誰も持ってなさそうというニッチ感がたまらなくそそるのである。

しかし魅力的ではあるが、あまりの情報量の少なさに恐くて手が出せない…。

買うにしても現地からダイレクトに買うしかなさそうで、はっきり言ってめんどくさい。

すごく欲しいんだが、買って使えなかったら悲しすぎる。

男狼も結局ジャッキー・チュンに催眠術で人間の姿に戻してもらったが、結局クリリンに「どっちにしても女の子にモテない気がする」と呆れられていたし。

挑戦欲は駆り立てられたが、どうしてもその一歩が踏み出せなっかのです。



さあ、続いてこの準決勝で散ったのはこの人。

まさかまさかの準決勝敗退。

孫悟空(ニーモ テンシ)であります!

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そのカラーリングからして、見事に孫悟空そのもののようなニーモのテンシ。

格好良さと実力を兼ね備えた実にそそる一品。

大きく開くリアハッチや、上部3カ所にある換気口で結露にも強そう。

そして何より僕の心をくすぐったのが、この内部カーテンの存在。

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これによって、一番結露の原因になりそうな呼気によるテント内の凍結を最小限にしてやろうという心意気。

何よりもギミック好きの僕には、このような「なくても良さそうなもんだが、他の奴らとは違うんだぜ」というスタンスが大好きなのだ。

しかしたった一つだけ僕の要望を満たせなかったのが、やはり「重量」だ。

本体のみなら2kg以下なんだが、この独特の前室なぞ含めた総重量は3kg行ってしまう。

じゃあ前室置いて行けばって感じだけど、そうなると途端に見た目が普通のテントになってしまう。

やはり鉛の道着(前室)を着た悟空がカッコいいのであって、その点で今回は準決勝敗退となってしまった。

実に残念である。



と言う事で準決勝で「男狼」と「孫悟空」が脱落。

決勝はまさかの「クリリン」VS「ピッコロ」となった模様。


いよいよクリリンが悲願の初優勝を果たすのか?

それともピッコロ(マジュニア)が父の無念を晴らすのか?

さあ、いよいよ決勝戦だ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ついにここまで辿り着いた天幕一武道会。

正直一体どれだけの人がここまで読み進んでいるだろうか?

4シーズンテントに興味ある人も、ドラゴンボール好きな人にも邪魔な情報だらけで何も伝わってない気がする。

だけどこれはあくまでも我が脳内で繰り広げられている戦い。

書く事がないし、遊びにも行けないから好きなようにやらせてもらうぞ。


まず積極的に動いたのは初優勝に燃えるこの男。

クリリン(Rab ラトックウルトラMK1)でございます!

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まずrabにテントがある事自体知らなかったんだが、ランボーNに教えてもらってゾッコンになったrabテント。

特筆すべきは、何と言ってもGORE-TEXよりも透湿性が素晴らしいeVENT素材を使用しているという点。

重量も1.6kgと軽く、前室こそないが「軽さ」「透湿性」「防水性」に優れた一品で、マニアックさも中々だ。

だが気になるのが、クリリンだけに80cmという背の低さ。

何かとテント内で色んな事をしなくちゃならない雪山テント泊で、これは若干窮屈なんじゃないかと。

実はこの1個前のタイプで「Summit Superlite Bivy」というテントがあったようで、さらに軽量で高さもあったんだが何故かこれはもう廃番となってしまった模様。

Rab-Summit-Superlite-Bivy.jpg

正直こっちのクリリンがまだ売っていたなら、迷う事なく優勝は早々とクリリンのものだった。

実は何気にランボーNがこれを持っているらしい。

さすがである。



さあ、そんなクリリンの攻撃に対してこの男の反撃。

ピッコロ(ブラックダイヤモンド ハイライト)です!

pi.png

bl.png

この独特なピッコロカラーが実に良い。

このピッコロには入口が縦型の「ファーストライト」という奴もいるが、僕の好みの問題で横型の「ハイライト」をチョイス。

こいつは何と言っても軽くて総重量1.42kg。

別売りのベスティブル(前室)含めてもわずか1.84kg。

blb.png

しかも横型のハイライトで前室含めれば、素晴らしい居住空間が得られる。

天の邪鬼的な観点から行くと、実は雪山では結構人気が高かったりする(それでも少ないだろうけど)。

その実力は折り紙付きで、耐風性も素晴らしくて風の厳しい稜線上でも問題なく使用可能との事。

ただ一つ難点があるとすれば、防水性。

あくまでもテントではなくシェルターのカテゴリーだから、通常の雨程度なら問題ないけど土砂降りになると若干水が漏れて来るという話も。

土砂降りと言えば私、私と言えば土砂降りと言われる僕にとっては、中々悩ましい所なのである。



さあ、実に実力拮抗した手に汗握る決勝戦。

一言で言えば「透湿性とマニアックさ」を取るか「軽量性と居住性」を取るかの決勝戦。

固唾を飲んで見守る観客達。

アナウンサーも絶叫を繰り返す。


だが次の瞬間。

突然天幕一武道会の会場に「ドガーン!」という凄まじい音。

辺りはたちまち粉塵にまみれる。

やがてその煙が晴れた時。

誰もが目を疑う光景が展開。


なんとクリリンもピッコロも場外にはじき出されて泡を噴いて倒れているではないか。

唖然とする会場。

良く見ると競技場の上に一人の男の姿が。


と..


と…


富樫源次だ!

imgChara03_20150120170624383.jpg

まさかまさかの乱入者。

突如ドラゴンボールの世界に現れた、濃厚すぎる劇画野郎。

事態が把握できずに立ち尽くすアナウンサー。

一体何が起こったのか?


富樫は叫ぶ。

「男のくせにちまちま悩みやがって。快適な4シーズンテントだ?マゾのくせに甘ったるい事言ってんじゃねえ!」と。

そして彼は突然煮えたぎった油風呂の中にその身を投じて言う。

富樫源次

「男なら底なしの根性見せてみろや。」と。

そして「雪山だろうとテントに底なんて必要ねえんだ!前室もいらねえ!男ならふんどし一本ドス一本で勝負しろや!」と叫ぶ。

やがて絶叫。

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富樫(ゴーライト シャングリラ3)は言う。

男に床(フロア)なんて必要ない。

たとえそれが雪の中だろうと、ダイレクトに大地を感じてこそ男。

寒さなんて根性の前では無力。

幕はふんどし1枚で十分。

そしてドス(ポール)も男らしくど真ん中に1本あればいいのである。

何より男である以上、丸くならずに常にいきり立った三角でありたいものだ。と。



ここまで散々ドラゴンボールで検討を重ねて来たのに、ここに来てとんでもない奴が現れてしまった。

実はこのようなまさかな提案をして来たのは、怪しい薬の常用疑惑があるランボーN。

僕がクリリンかピッコロで悩んでいると相談した時の答えが、この見当違いのまさかすぎる「富樫」だったのである。


しかしよくよく考えてみると、この底なし根性スタイルは雪山テント泊では十分理にかなっている気がした。

最初は「そんな馬鹿な!殺す気か!」と思ったものだが、ランボーNの言う事に目からウロコが落ちまくる。


そもそもテントで防寒が出来るわけじゃないから、フロアに1枚薄い布があろうが温かくなるわけでもない。

マットなどで自分の寝る場所だけしっかりと断熱対策すれば問題はないはずだ。

しかもテント内でフロアレスだと調理も楽だし、その場で雪を溶かして水が作れるし、最悪の場合用を足す事も出来る。

雪掘って玄関作れば、靴を履くのも難なく出来る。

そして何より本体だけだと脅威の「650g」という、果てしない軽さを手に入れる事が出来る。

非自立だからしっかりペグを打たないといけないが、設営も早い。

下部からの風の吹き込みは雪で埋めてしまえば問題ないはず。

ベンチレーションもしっかりついてるから、結露も多少は抑えられる。


そして注目すべきは、このとんでもない軽さを維持しながらのスペシャルな居住空間。

風の強い時なんかは、ここに4人くらい入って鍋を囲む事も可能。

低血圧Mちゃんくらいの小さい人なら中で立てるし、なんと三人が寝ても十分なスペースがある。

41GwUyziMkL.jpg

ただこの図を見て気になるのは、なんと真ん中の人はお腹にポールが突き刺さっているという驚愕の事実。

これこそゴーライトが提唱する「細かい事は気にするな」と言った宮下あきら的世界。

真ん中で寝る人は、常に極小路秀麻呂なみの根性が試されるのである。

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男なら己の腹でポールを支えるべし。

ここまでやれば、もはや寒いだのと言ってる場合ではなくなるだろう。


しかもこのテントにはこのようにフロア付きのメッシュインナーも付属。

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実はいずれ子供達とキャンプできるよう、広いファミリーテントの購入も考えていたからこいつは一石二鳥。

フルメッシュインナーだから、今夏の沢での探検でも活躍してくれそうだ。


まさに追い求めた理想郷。

テントの理想郷を探すべく開催されたこの天幕一武道会。

このテントの名前は「シャングリラ」。

それを訳すと「理想郷」。

そう、実は最初から答えは出ていたのだ。


実はこのような底なし根性テントの中にもいくつか候補はあった。

MSRのツインシスターズや、ブラックダイヤモンドのベータライト、キューベンファイバー素材のHMGのUltaMidなどなど。

でもそこまで追求しちゃうとまた一から天幕一武道会を開催しなきゃならない。

ただグッドタイミングなのかバッドタイミングなのか、この時点でシャングリラ3の新品がヤフオクでお安く出品されていたのを発見。

もうその時の私に、己の人差し指のクリックを止める力など残されてはいなかった。

こうしてついに僕は富樫をご購入。

天幕一武道会は、富樫源次の優勝というまさかな形でここに終結したのである。


なんだか勢いで買ってしまったが、本当に良かったんだろうか?

今最も判断能力が低下している時だけに不安で一杯だ。

さては死神ジャンキーのランボーNにはめられてはいないだろうか?

結局僕程度の根性では、あっと言う間に雪山で凍死して王大人に「死亡確認」されてしまうのではないだろうか?

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そして富樫の辞世の句「マスラオの マスせんずれば 若き血潮 ほとばしり じっと手を見る」が炸裂するんだろう。


しかし一番の問題は、そもそも今シーズン中に雪山テント泊に行けるかどうかの大問題が立ちはだかる。

こんな長々とテント選んでるより、早く現場で遊びたい…。

でもまだ行けない…。


という事で次回は「富樫源次を庭で試して寝てみる」という地味で悲しい模様をお送りいたします。

また今年も帰って来たんだね、あの庭男が。


ふう…

山…

行きてえなあ….



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コメント

    • 伊勢志摩のチチより
    • 2015年 1月 27日

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    矢で射ぬきそうになる人いるから、きをつけてね。

    • yukon780
    • 2015年 1月 27日

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    多分伊勢志摩のチチはMHWのダイレクト2ですよね。
    あれ、調べれば調べるほどいいテント。
    伊勢志摩チチとかぶってなかったら優勝候補でした。
    4シーズン2人用であの軽さはやっぱ驚異的ですよ。
    とりあえず矢が飛んで来たら、ケンシロウみたいに指でつまんでシュッと彼の額にお返しします。

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