僕は生きている。
何とかお星様にならずに済んだようだ。
無事に今回、生きてブログの更新をする事が出来た。
全てはたった一本の電話のおかげだ。
前回記事の最後に、僕はケンカ中の嫁との仲直り宣言をした。
しかし正直突破口も見つからぬまま、重苦しい日々が過ぎて行くばかり。
僕は何か話しかける「きっかけ」を探し続けていた。
出来れば「あのさあ、今日こんな事があってさあ」なんて感じでフランクに話し出せる話題が欲しい。
そして嫁も「え、うそ。ほんとにー」なんて感じで切り返せる話題ならば、お互いにスムーズに話を弾ませることが出来るだろう。
しかし日常生活で画期的な話題などそれほど落ちてはいない。
ある程度インパクトのある話題じゃないと、「ふ〜ん」で再び氷結の無言に埋もれて行く事は必至。
うまい具合に会社帰りに孤児院の火事に遭遇し、僕が捨て身の覚悟で中の少女を救出するといったシチュエーションはやって来ないものだろうか?
もしくはダーツの旅のロケ班が、僕を「第一マゾ人」と認定してインタビューして来ないものだろうか?
このように悩みながら、空しく日々が過ぎて行った。
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突破口は思わぬ所からやって来た。
全く想像もしなかった場所からの援軍が来たのだ。
仕事中に僕の携帯が鳴る。
見た事もない番号で、「03」から始まる東京ナンバー。
以前に不明な電話番号に出た時の苦い記憶が蘇る。
あの時は「群馬機動隊からの出頭命令」という訳の分からない状況に追い込まれて、必死で無実を訴えたという不思議な状況を体験した。(参考記事:ホル太の大冒険)
ついに今度は警視庁本部からの出頭命令かと色めき立った。
恐る恐る電話に出る。
すると電話口の男は「テレビ朝日の者ですが」と言うではないか。
何事だ?
ついに新番組「マゾトーーク」の司会に僕が抜擢されたのか?
間違い電話かと思ったが、男はちゃんと僕の名前を言って来ている。
そして「ナニコレ珍百景の投稿についてお聞きしたいんですが」と言って来た。
思い出した。
確かに僕はこの前、りんたろくんとスキー場に遊びに行った帰りに見つけた看板を冗談で投稿していた。
テレ朝野郎は僕に当時の状況や現場の確認をして来た。
そして「まだ採用かどうかは決定じゃないですが、もし撮影となったら出演出来ます?お子さんも一緒に」という事になった。
そして撮影候補日の僕の予定を聞かれて電話は切れた。
これは予想外の展開になって来たぞ。
全国のお茶の間に僕にような変態を晒しても良いのだろうか?
でも自分で投稿しておいてなんなんだが、正直そんなに面白いネタでもないし話も広がりそうもない。
僕がテレ朝の人間なら絶対にボツだろうから恐らく採用の線はないだろう。
しかし僕にとっては採用されるかどうかは問題ではない。
これで「インパクトのある話題」が手に入ったぞ。
その日の夜。
僕は満を持して嫁にご報告。
久しぶりの夫婦の会話。
この話題を皮切りに仲直りに持って行ければ、この長かった大冒険の幕は降りる。
早速僕は嫁に一連の流れを説明。
しかし嫁は驚く程に驚かない。
僕が期待した「え、うそ。ほんとにー」ではなく、とても低い声で「やめて」と言った。
「お前が出ても恥を晒すだけだ。恥ずかしいからやめてくれ」とピシャリ。
そしてそのまま興味無さそうに背中を向けてしまった。
うわあ、ナニコレ。
効果音とともにカメラが僕にズームインしてこの修羅場のナニコレS百景を映し出す。
正直僕が投稿したものより、遥かにお茶の間のインパクトは大だ。
思いがけない反応に、僕の気分はすっかりMV沈だ。
しかしここで引き下がっては東京からの援軍に申し訳がない。
「なんかね、採用されると3万円で、MV珍になると賞金10万円なんだって」と言ってみる。
すると「じゃあ出演して来い。でもお金は私のものだ。」と言った。
帰って来た。
このジャイアン発言こそ嫁が戻って来た証拠だ。
これを皮切りにすかさず僕はスネ夫化して「かんべんしてくださいよ〜」とジャイアンを持ち上げる。
こうしていつものこの夫婦の状況が戻って来た。
途中からりんたろくんも乱入して来て、我が家に幸せな笑顔が戻って来た。
僕は調子に乗って、そっと嫁を抱きしめてみた。
すると「ネギ臭い」と言って一瞬で引きはがされた。
いいぞ、いつもの感じだ。
こうして我が家に再び平和的主従関係が復活。
ナニコレ様々だ。
とりあえず投稿してみるもんだね。
でもあれから一切ナニコレからの連絡はない。
やっぱり不採用だったのか?
それともあれは新手のナニコレ詐欺だったのか?
とりあえず嫁と仲直りで来たから良しとしようか。
ご心配おかけ致しました。
ナンバー03からの援軍
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MATATABI BASE
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