五色ヶ原〜黒部ダム/富山

五色ヶ原秘境おなべ隊 後編〜星降るお鍋と聖なる盃〜

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秘境五色ヶ原を颯爽と闊歩して行く集団がいる。

彼らの名は「秘境おなべ隊」。


彼らはロマンを失った現代社会に警鐘を鳴らすべく今日も荒野を突き進む。

そこには名誉も殊勲も栄光も存在しない。

あるのは「おいしい鍋」、それだけだ。


前回、秘境おなべ隊のメンバー達はそのおいしい鍋を求めてついに浪漫秘境「五色ヶ原」に到達。

ここまでの戦いは、「咳き込み限界体調不良隊長」や「下りが苦手な腹下しゲリ夫」、そして「急登ニヤリ女」などが続出する激戦の数々。

さらには「取扱注意の大女優&大御所男優」と「復縁を迫るハイパー歩荷クリエイター」や「ADオレンジヘッド」が跋扈する魑魅魍魎の撮影大縦走。

お気楽ルートと言いながら、結局いつものハードマゾになって歯を食いしばるおなべ隊。

しかしロマン(鍋)への飽くなき思いが彼らをここまで突き動かして来た。


周囲からは「意味あるのか?」とか「家でやれよ。」という声も聞こえて来る。

しかしそんなロマンを失った者にこそ刮目してもらいたい。

この壮大なる不毛な努力の先にある美しき世界を。


それではそんなロマン溢れる素敵なお鍋模様。

ドロリと振り返って行こう。


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日没サスペンデット寸前。

我々が辿って来た獅子岳の大下りが夕陽に染め上げられて行く中、

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秘境おなべ隊は、ついに目的地五色ヶ原テント場に到達した。

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まるでアラスカの荒野にでも迷い込んだかのようなこの雰囲気。

奥にトイレの建物(この時期閉鎖中)と水場(もちろんこの時期水出ない)があるだけで、あとはひたすらだだっ広い大地が広がる。

とても北アルプスのまっただ中にいるとは思えない世界だ。


そして当たり前だが、こんな最高なテント場を我々だけが独占。

この時期にここに来る物好きはいない。

かと思っていたら、なんと1名の先行テン泊者がいた(黄色い方)。

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僕は途端に罪悪感に支配された。

僕が逆の立場だったらいい気はしない。

「さあ、これからこの圧倒的な世界を一人で満喫だ!」といった局面で、突然ゾロゾロと8人の汚れたマゾが現れて「さあ、これからこの圧倒的な世界でお鍋を満喫だ!」と言って来るのだ。

しかしこの人は非常に気さくな方(山岳写真を撮っているプロの人だった)で、「実は一人で寂しかったんです」と言ってくれたおかげで気が楽に。


それで安心した秘境おなべ隊は、テントを立てるのももどかしいとばかりに早速恒例儀式を開始。

それは五色ヶ原の精霊達への挨拶として行われる、厳かな祈りの儀式だ。

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この聖杯の中身を喉に流し込むと、ここまでの苦行で汚れた心がシュワワッと浄化されて行く。

非常にめんどくさい行事なんだが、一口飲む度に「府波阿!于芽絵!」という呪文を唱えなくてはならない。

これを最初にやっとかないと、お鍋の神様に失礼なのである。

そしてその儀式が済むと、我々は鍋予定地を軸に「結界」を張って行く。

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これにて陰陽道に則った聖鍋域(サンクチュアリ)の完成だ。


さあ、これで八百万(やおろず)の神々に捧げる聖鍋の準備は整った。

今こそ我々のロマンを花開かせる時。

たとえ今蓮舫に「家じゃ駄目なんですか?」と言われても、我々は断固として「家じゃ駄目なんです!」と言い返そうぞ。


やがて闇が訪れると、アヒージョ料理長(参考記事:世紀末救世主伝説3〜生贄のクリスタルジャギ〜)こと低血圧Mちゃんの祈りが開始される。

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パパラッチKもその祈りの調べに合わせるように、生贄の豚(明方ハム)を切り刻む。

そしてその祈りにつられるようにして、聖鍋人達がワラワラと集まって来る。

額のチャクラから神々しい光を発しながら。

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いよいよ聖鍋人達もそのオーラを抑える事が出来ない。

そして今にもこっくりさんでも始まってしまいそうな黒魔術的な光景に。

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いよいよ勢いを増して闇に響き渡る低血圧Mちゃんの呪文。

そして彼女が「アヒッー!」と叫んだ瞬間。

突然空は満天の星空に包まれた。

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天の川がお鍋に吸い込まれるように姿を現し、方々でザクとガンダムの銃撃戦のように流れ星が乱発。

広大な大地で見る何も遮るものの無い超絶プラネタリウム。

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聖なるお鍋を囲むこの状況を「ロマン」と言わずして、一体何がロマンだと言うのか?

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流れ星、満天の星空、広大な秘境、最高の仲間達、ここまでのマゾ、そしてお鍋。

さあ!いよいよ機は熟した!

アヒージョ料理長のオーラも絶頂に達し、大爆発して「ビッシャー」と光り輝く。

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荒野に高らかに鳴り響くファンファーレ。

そしてついに、五色に味を変えると言われる「五色鍋」がこの五色ヶ原に光臨だ。

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まずは一色目「やさしさポトフ鍋」が炸裂。

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素材の味を生かしたコンソメのシンプルなお味で、おなべ隊の胃にやさしく「開戦の時」を知らせる。

ビールと気温ですっかり冷えて来た身に、耳かきのフサフサ部分みたいにやさしく溶け込んで来るポトフの調べ。


このアヒージョ料理長の素敵な滑り出しに、「私だって黙っちゃいないわ」と大女優も参戦。

東のサドガールと西のマゾガールの夢の対決だ。

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突如始まったこの世紀の一戦を固唾を飲んで見守る男達。

やがて二人のSとMがお鍋上でぶつかり合い、その衝撃波でなんとポトフがクリーミーに変化。

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これぞ二色目「SMクリームシチュー鍋」である。


あのやさしさポトフに女優Eのサド(塩)と低血圧Mちゃんのマゾ(生クリーム)が入る事で、鍋は一気に前線に躍り出た。

さあ、戦局が動いたぞ。

ここでパパラッチKが早くも戦場に爆弾を投下。

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この秘境に似つかわしくないブランドバックのような爆弾。

実はこれはパパラッチKが必死に担ぎ上げて来た極上ワイン1.5L。

このADの甲斐甲斐しい気配りに、大女優もご満悦の表情。

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一方で、地味に後方で湯気を一身に受け止める隊長の姿。

「俺が湯気を引きつけてるうちにみんなでワインを飲んでくれ!俺のことは気にするな!」という隊長の逞しい一面が飛び出す。


そしてSMクリームシチュー鍋とブランドバッグワインでメンバー達の士気も急上昇。

すっかり酔いも回って来て、小木KとゲリMなぞは「ナイトホモクラブパーティー」の一コマのような状態に。

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そして隊長も早々とワインに飲み込まれてこの表情。

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もうこのフワフワした感じがワインのせいなのか、それとも風邪なのか疲労なのか高山病のせいなのかもよく分からない。

いよいよこの闇の儀式も軌道に乗って来た。

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そしてアヒージョ料理長の合図のもと、皆で「アッヒィッーー!」と叫ぶ。

するとどうだろう。

天の川が鍋に雪崩れ込み、一筋の赤い流れ星がその鍋の中へ向かって流れて来るではないか。

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刹那、ズッシャーという音とともに辺りは一瞬真っ赤な光に包まれる。

そしてその光が収まって静寂を取り戻した時、ふと鍋を見てみる。

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これぞ三色目「赤い流星イタリアン鍋」。

赤い流星(トマトケチャップ&トマトピューレ)と天の川(チーズ)の「星空アタック」が炸裂したのだ。


たちまち五色ヶ原に吹き抜ける地中海の風。

もちろん相性抜群のワインが進む事進む事。

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秘境の闇に響き渡る、「まあまあまあまあ」「いやいやいやいや」という男どもの呪文の調べ。

そしてここでハイパー歩荷クリエイターのジョンボーAもすっかりイタリア野郎と化し、情熱のオレトーークを開始。

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満天の星空の下で繰り広げられるシリアストーク。

彼の「中国人の女の子が彼氏に甘えるときのたどたどしい日本語がたまんなくかわいいんっすよ」という小粋な話に耳を傾けながらの素敵なお時間。

すると、山肌からなんと満月が昇って来るという「ご来月光」が登場。

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この月光にロマンチックな感情になるほろ酔いエリカ様と、それを見たイタリア野郎は「今だ」とばかりに朝青龍みたいな顔で襟を正す。

この素敵なシチュエーションが復縁のチャンスだとばかりに、ハイパー歩荷クリエイター高城ジョンボーどぶろっくが一気にエリカ様に「もしかしてだけど…もしかしてだけど….俺の事まだ好きなんじゃないの?」と迫る。

しかしエリカ様は急に素っ気ない顔になって「別に」と言うだけ。

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これには高城朝青龍もガックリと肩を落としている。


なんて茶番を見ていたら、なんと四色目の鍋を撮り損ねていたというまさか。

かろうじて撮れてたのが、この「高城失恋カレー鍋」なのである。

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高城の復縁の想い(カレーブロック)を刻みに刻んで投入された四色目。

クリームとトマトの結合で甘酸っぱくなった恋心に、涙のスパイスが加わった失恋の辛さ。

そしてこれを食った高城朝青龍は、「もう女はこりごりだ」とばかりにその愛の矛先を小木Kへ。

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突然始まった野郎同士のにゃんにゃんに対し、パパラッチKも羨望の眼差し。

山間に響き出す小木Kの「ふぬ〜ん」という喘ぎ声。


さあ、いよいよ風雲急を告げて来た五色鍋in五色ヶ原。

ホモ達の逢瀬を横目に、ここで一気に仕上げに入るアヒー女料理長。

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四人の男どもが子供のようにアヒージョママの〆の一品を待ちわびる。

そしてついに五色目。

ごはんを投入した「王道カレーライス」の出来上がりである。

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ここで「おや?」と思われた方もいるかもしれない。

四色目と五色目って同じカレー味だし、そもそもカレーライスって鍋料理か?と。

これじゃ四色鍋じゃないのか、と。


そうゆう野暮なことを言う奴にはロマンを語る資格はない。

誰が何と言おうとこれは五色鍋。

言い換えれば、この五色目の味こそが「ロマンの味」だと私は言い切りたい。


こうして無事に聖鍋の儀式が完了。

あとはもう飲むだけ。

ワインから日本酒にチェンジして乾杯である。

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ただ一人低血圧Mちゃんだけは「酒なぞなまぬるいわ。私はガスを飲む。」とガス缶で乾杯している。

そんな西のマゾガールの挑発に対して、やはり東の大女優が黙っていない。

もうシャッターが追いつかないくらいの勢いで「ゴッキュンゴッキュン」と酒を流し込んで行く。

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しばらくしてから撮影しても、まだ高速でゴッキュンゴッキュンし続けてる主演酒乱女優。

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その圧倒的な迫力に、共演男優小木Kも思わず正座で見とれてしまっているほど。


そんな中、満月はぐんぐん昇って行き、もはや天然のランタンのように五色ヶ原を照らし出す。

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想像してたより寒くなく、そして風もなく、夢のようなひと時。

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この広大な秘境の大地で満天の星空の下、仲間達とどうでもいい事を語らうプライスレスタイム。

これぞ秘境おなべ隊の真骨頂だ。


そして月光に照らされながら、酔っぱらいどもは死んだように眠りに落ちて行く。

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いい夜である。

全てがパーフェクトな夜だった。

ただひとつ、このあと軽く幽霊疑惑(皆が夜中に足音を聞いたが誰も外に出ていなかった)があった事以外は。


ひょっとしたら熊だった可能性があるが、私は確信している。

あの足音は「ロマンの神様」の足音だったと…。


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翌日。

激戦から一夜が空け、五色ヶ原は穏やかな静寂に包まれていた。

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空はピンク、青、紫、白で彩られ、やがてそこにオレンジ色が参入。

五色ヶ原は刻々と色彩の表情を五色に染めて行く。

そしてそれを合図に、五色鍋儀式によって聖人と化したおなべ隊に北アルプスからの祝福のご来光。

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山頂から見るご来光も良いものだが、このように秘境から眺める山間のご来光も実にオツなもの。

何よりこの空間を我々だけで独占している悦びは何物にも代え難いロマンである。

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だがいつまでもご来光に見入っている場合ではない。

我々には、まだ秘境おなべ隊としての最後の任務が残っている。


メンバー達は再び聖鍋域に集い、鍋に向かって朝の祈りを開始。

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何やらホームレス集団の公園の一コマに見えるが、これは重要な儀式。

ここで朝食+残りもの整理+鍋の汚れ落としを一気にこなし、一滴の残り汁も出さずに美しい撤収を完了させるのだ。

そして出来上がったのが、ほんのりカレー風味の「立つ鍋跡を濁さずラーメン」なのである。

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これを食ったことにより、力がみなぎりまくったおなべ隊。

あまりにもみなぎりすぎて、一口食っただけで吹っ飛ぶパパラッチK。

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ハイパー高城朝青龍もたまらず「うめー!」と吹き飛ぶ。

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さらには昨日ヘロヘロだったゲリと小木も、体からみなぎる力を制御できない様子。

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もちろんこの後、空中にあるブロックにあたって1UPキノコが出て来たのは言うまでもない。

そして急激に血圧が上がった低血圧Mちゃんに巻き込まれて、B旦那までも吹っ飛んで行く。

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これを見た東のサド横綱も「負けてられないわ」とばかりに勝負を挑む。

しかしさすが女優。

絵になる彼女が吹き飛ぶと、どうしてもCM風になってしまうあたりさすがだ。

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そして最後の一滴を飲み干す頃にはこんな一同危険な状態へ。

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これぞ全てのお鍋儀式を終えた聖者だけに与えられる力「オナベーズ・ハイ」。

これですべの任務が完了。

「やりきった」という充実感に満たされ、実に清々しい表情のおなべ隊。

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さあ、あとは無事に下山するだけだ。


しかしである。

実はこの時点でなんと起床から「2時間半」というまさかな時間が経過していた。

起きてメシ食うだけでなぜこんなに時間がかかってしまったのか。

それはこのようにTAKE30くらいまで何度もジャンプしていたからに他ならない。

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右の早漏野郎を見て分かる通り、必ず誰かがタイミングを外して飛んでしまうから何度も撮り直す羽目になる。

この余計な茶番で無駄に時間を浪費しなければ、後々巻き起こる「黒部ダッシュの悲劇」はしないで済んだものを…。


だが余計な行動に全力を傾けるのがロマン人の心意気。

もうこの五色ヶ原で思い残すことが無くなった我々は、ついにこの場所に別れを告げて出立して行く。

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実に名残惜しい気分。

本当に良い所だった五色ヶ原。

無駄に苦労して来るだけの価値はある、実に素晴らしいお鍋会場だった。


さあ、ここからは黒部ダムに向けての下山戦線。

もうお鍋の時間は終わった。

ここからはおマゾの時間の始まりだ。


秘境おなべ隊はこの先の下山を完全に舐めていた。

しかしその先に待ち受けていたまさかの試練の数々。

「転倒悶絶オレンジヘッド」、「残念紅葉発言親父」、「ハシゴ滑落ポール破壊男」、「ゲゲゲのゲリゲリ限界野郎」、「終わらずのマゾ道」、そして「女優ご乱心」からの「黒部ダッシュの悲劇」。

それはまさに血で血を洗い、マゾにマゾを塗り込んで行く珠玉の紅葉下山祭り。

いよいよ鍋で腹が満たされた者達が、本業のマゾで総仕上げに入ったのだ。



そして一番のまさかなこと。

それは「前編と後編」で終わらせる予定だったこの記事が、「後編2へ続く」というまさかな事態。

お鍋の下りで余計なことを書きすぎて、すっかり長文になってしまったゆえの苦渋の決断。

何やら無理矢理連載を伸ばそうとする後半のドラゴンボールのようなやり口だが、どうかご容赦いただきたい。


要約すれば、夜鍋食って朝ラーメン食っただけの今回。

しかしたったそれだけの事を、ここまで無駄に長く書いてしまった余計さこそ「ロマン」と言えるのではないだろうか?


そう信じてやまない今日この頃なのである。




五色ヶ原秘境おなべ隊 後編2へ  〜つづく〜



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