霊仙山/滋賀

ロマンティック浮かれモード〜さわやか霊仙山〜

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地獄の鬼ヶ塾から1週間。

早くも山中を彷徨い出した春のマゾ達。



先週の強烈過ぎる戦いで彼らはすっかり疲弊していた。

鬼ヶ牙の呪いは下山後も体にまとわりつき、チーム・マサカズの全メンバーが壮絶な全身筋肉痛の集団C3-PO状態で仕事に突入して行った。


そんな中での週末登山。

週間天気予報はめまぐるしく変動し、日曜の登山予定日はみるみる傘マークへと進化。

いつもなら「絶好のマゾ日和」と言う事で、喜んで雨の山中に突っ込んで行くのがチーム・マサカズ。

しかし今回に関しては、先週のマゾ三昧で「もうお腹いっぱいだよ」と言う声が相次いだことにより日曜日は雨天中止に。

僕もさすがに雨の山に子供を担いで行くわけにも行かず、仕方なく比較的天気のマシな土曜日へ変更。

これによって行けるメンバーは減ったが、少数の手負いマゾ達にて滋賀の名山「霊仙山(りょうぜんざん)」を攻める事になった。



霊仙山は1000m程度の山だが、そこには福寿草なるお花が咲き乱れ、可愛い野鹿が戯れるというロマンティックな山だという。

ゆえに今回は「さわやか&ノーマゾ宣言」が発動し、平和で「正しい」登山を楽しもうという意気込み。

先週に必要以上の悲惨な目に遭った今の我々には、「ムチ」ではなく糖分たっぷりの甘い「飴」が必要なのだ。


そんな少数のチーム・マサカズが堪能した平和なさわやか登山。

たまにはこんな日があってもいいじゃないか。

しかしこのブログは「正しくて楽しい登山」を書くと、なぜか作者が非難を浴びるという不思議な現象が起こる。

どうも人が苦しんでいる姿を見てスッキリしたいサド読者と、疑似体験でコーフンするマゾ読者が入り乱れているから「楽しかった」なんて報告なんて聞きたくないという者が大半だからだ。

なので今回は「ロマンティックのなんたるか」を心得た、清い心を持った暇人の方だけご入室いただきたい。


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今回は直前に予定が変更になった為、「失踪おしゃべり男・小木K」「嫁自慢晩酌男・ビビるS」「絶倫イボ痔男・アゴ割れM」の騒々しいメンバーが来ていない。

このチーム・マサカズ内における「かしまし三人衆」がいない事により、静かで穏やかな登山は約束されたようなものだ。


なので今回はチーム内でも穏健な「ハト派」メンバーによる登山となった。

穏健すぎて、一番右のゲリMなどは出発前から早くも瞑想中だ。

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先週の鬼ヶ塾卒業メンバーの矢作C・低血圧Mちゃん・僕、そして先週我々が地獄を彷徨っている時にのんきに家族旅行していたゲリMの4名。

別名「チーム・ロマンティック浮かれモード」の皆さんだ。


低血圧Mちゃんに至っては、先週のデビュー戦であれ程酷い目に遭ったというのに早くも2戦目の登板。

前回は企画者の僕が、彼女から訴えられても文句の言えない内容だったのに。

にも関わらず、嬉々として今回も参加して来るあたりはさすがは8球団競合の末に引き当てたゴールデンマゾルーキーと言った所だ。


そしてこの日は、寒の戻りで2月下旬並みの寒さ予報。

なので今回は心配性のお義父さんによる「風邪を引かせると大変だから、りんたろを寒い山に連れて行くな指令」が炸裂。

これによって僕のマストマゾアイテム「りんたろう」を担がずに単独登山を許されたのだ。

久々の重り無し登山で、鉛の道着を脱いだ悟空並の身の軽さと責任の軽さを手に入れた僕。

これで純粋に登山を楽しむ浮かれモードの準備は整った。



このようなハト派メンバーでのテーマはやはり「さわやか登山」。

もちろん出発直後から、早速「今は誰も住んでいないジメジメした暗い廃村を通って行く」というさわやかさを満喫だ。

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しかもこの道は、来月あたりからヒルの絨毯と化すらしい。

その時にはここで僕の血による大技「ヒルクライムレッドカーペット」を披露しようと思うが、今日はあくまでもさわやか登山なのでやめておく。

そん時が来たら、「行きは黒いズボンだったのに、真っ赤なズボンで帰って来る」というイリュージョンをお見せすることが出来るだろう。


やがて廃村を抜けて行くと、山小屋かなやへ到達。

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ここには名物の「手動飲料販売所」があって、ビールやジュースが販売されているというさわやかさだ。

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この近辺の山では中々味わえないサービスだ。


ここで低血圧Mちゃんが動く。

前回はわざわざ重い一眼カメラと三脚を背負って来た挙げ句、「生きる事」に必死で10枚程度の写真しか取れなかったという悲しい思い出の持ち主。

しかし今回は余裕があるので、ここぞとばかりにこのさわやかなシャッターチャンスを見逃さない。

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やはり低血圧だからなのか、無意識に願望を込めて「元気ハツラツ」に鋭く寄っている。

我々低血圧人間が一度は大声で叫んでみたい憧れのワード。

今日こそは山頂で「元気ハツラツ!」と叫んでやるという、彼女なりの意気込みが見てとれる。


その後もキレイに整備された素敵な登山道を登って行くさわやか部隊。

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今回ばかりは矢作Cと低血圧Mちゃんの「さっさと撮影を拒否してしまう従軍キャメラマンコンビ」に余裕があるので、彼らもさわやかに撮影を楽しんでいる。


やがてさわやかな汗が出て来た所で「汗拭き峠」に到達。

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それでも余裕があるので、ここで矢作Cによる写真撮影講座が始まるという余裕。

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しかしこの面子だと、まるで卑猥な画像を持ち寄った中学二年生のような情景になってしまうのが不思議だ。


その後も快適に進んで行くと、やがて道は岩場の道になっていく。

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しかし鬼ヶ塾の変態道で鍛えられた我々にはこの程度の道は舗装路のようなさわやかさだ。

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マゾレベルがさらなる高みへ押し上げられてしまった我々には屁でもない道で、なんだか物足りない。

しかしそんな我々の気持ちを察してくれたのか?

先頭を歩いていたゲリMが道を間違え、我々を登山道から外れた急登コースへとご案内という余計なサービスを提供。

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これにはグハグハと喜びの吐息が漏れる鬼ヶ塾卒業生の「喜び組」。

しかも後続の関係ない登山者までついて来てしまい、慌ててゲリMが「すいませーん。こっちの道違いまーす。」と叫んでいる始末。

厳しい訓練を受けた我々だけならいいが、一般の方を巻込んではいけない。


そして今回は余裕があるので、要所要所で休憩。

思えばチーム・マサカズで「休憩」などというオシャレな行為に及んだ記憶がない。

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何やら突然矢作Cがマイケルジャクソンのモノマネを披露し、僕が拍手喝采しているように見えるが一応これでも休憩中。

慣れない「休憩」という行為に若干戸惑っているようだ。



やがて景色が開けて行き、雄大な琵琶湖も姿を現した。

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さわやか登山と言いながらも、空はいつものモクモクさんに支配されていて真っ白だ。

しかし「3m先が見えればそれはもう快晴です」というセルフルールにより、気持ちだけはさわやかさをキープするメンバーたち。

普段真っ白な世界しか見られない彼らにとって、琵琶湖の景色はフライデーの袋とじ付録ページ内のセクシー写真のように輝いて見えたはずだ。


やがて霊仙山は、1000mとは思えないような雰囲気になっていく。

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まるで森林限界を超えた高い標高の山を歩いているかのようなさわやか気分。

身長は低いが、人間の屈辱限界を越えた罵倒を浴びせて来る我が嫁のようなお得感だ。


これにはいつも眉間にシワを寄せて苦渋の表情で山に登る彼らからも、やはり自然と笑顔がこぼれる。

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こんなにさわやかな表情で山に登る矢作Cを僕は初めて見た。

いつもはテクノメガネで、全てを諦めたような表情を見せる男なのに。

↓(資料写真A)

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そして本来ならマイケルジャクソンではなく、Mr.オクレのモノマネをしながら「たった今オヤジ狩りに遭いました」という風情を見せつけるという特技を見せてくれる男なのに。

↓(資料写真B)

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要するに、この資料からも今回は余裕があってさわやかだと言う事が言いたいのだ。


やがて広々とした台地に到達し、普段は一人でやるべき己撮りを4人でやりだす「浮かれモード」たち。

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以前からこのブログを読んでくれていた低血圧Mちゃんにとっては、「これが噂の己撮りか」と感慨もひとしおだ。

でも恥ずかしいからこういう裏事情を撮影しないでいただきたい。

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いかにいつも一人で、無駄で恥ずかしい事をやっているかがよく分かっていただけたはずだ。


やがて景色は荒涼さを増し、アラスカの原野を彷徨っているかのような満足感。

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戦で家を焼かれて逃げて来た流民のような情景で見た目こそさわやかさはないが、我々のテンションは上々だった。

そして誰とも無く「福寿草」を探し始めるという信じられない行動に。

お花とは全く無縁の世界の住人だったチーム・マサカズに、いよいよ人としての心が芽生え始めた。

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正直ここに来るまで「お花なんてシニア登山者の世界じゃん」と思ったいたが、いざここまで来てまだ出会えないとなると必死にお花を探し求めてしまう。

「ワンピースなんて子供の世界じゃん」と大人ぶっていたものの、いざ読み出すと涙が止まらずにハマって行ったあの感覚だ。

出会えないと益々心は福寿草で満たされて行くが、奴らは中々その姿を見せずに我々を悶々とさせた。

お花を求める我々のロマンティックが止まらない。


やがて色んな意味で名所となっている「お虎ヶ池」に到達。

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実はこの池は琵琶湖の形をしているという触れ込み。

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まあ、言われてみれば琵琶湖だけど、ちょいと苦しいし何だか汚いな。

峯岸みなみのモノマネする八幡さんって感じの池だな。

さらにここの看板が実に混迷を極めている。

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米原市作の「八合目お虎ヶ池」、西出商店作の「ここはお虎ヶ池です」、そして下丹生地区作「ここはお虎ヶ池ではありません」。

現場は大混乱で、看板屋の僕としてもその奇抜な看板の小競り合いについつい引き込まれてしまった。

その混迷っぷりは、最近の石川遼くんの髪型くらいの迷走感だ。


そんな人間たちのよく分からない小競り合いは関係ないとばかりに、悠然とした広い台地は続いて行く。

かなり後方からの、矢作Cによる「アビーロード風」のさすらい写真だ。

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しかし設定にこだわりすぎた矢作Cがこの場でもたつき、他の登山者が詰まって「矢作渋滞」が巻き起こっていた。

そんな事が起こるのも、心に余裕のある登山ならではの情景だ。


その後も広くて気持ちのいい台地を進んで、

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ちょっとした岩場を越えて行くと、

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霊仙山手前の経塚山の山頂へ到達。

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さらにひたすら突き進んで行って、

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ドリフのバックに流れるようなおばちゃんたちの笑い声を横耳で味わいつつ、

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霊仙山の山頂に到達です。

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さわやかな白い青空と、さわやかな2月下旬並の寒さの風を感じながらの登頂。

それでもいつもは何も見えない場所に琵琶湖が見えるから気分はよろしい。

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結局福寿草は咲いてないばかりか野鹿なんていやしなかったが、まあいいじゃないか。

企画者に対する「話が違うじゃないか」という視線を感じるが気にしない。

心がロマンティックである事が重要なんだ。



そして風のない所に避難して昼食です。

矢作Cは久々に無駄に重い鉄板持参で、随分とロマンティックな昼メシを作っている。

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やはり鬼ヶ塾卒業生としては、重い鉄板を担いで来るというプチマゾは入れこんでおきたかったのだろう。

これに反応したのが、もう一人の卒業生で優雅にクラムチャウダーを食べている低血圧Mちゃん。

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なんと「あえて」スープ内に「虫」の混入を許し、自らの昼メシを台無しにするという小技を繰り出した。

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霊仙風クラムチャウダーで小さく自分を追い込むという、自己追い込み型マゾの彼女らしいプレイ。

女性ならではの繊細できめ細かい仕込みマゾだ。


これには本家もだまっちゃいない。

僕は男らしいプチマゾとは何たるかを示すべく、ジェットボイルで激しく大量のお湯を瞬間大沸騰。

たちまち大量の熱湯が溢れ出し、現場は大混乱に。

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バルブの位置にお湯が吹きこぼれて来るので火を消す事も出来ず、たちまち手は熱湯にまみれて僕の顔には笑顔がはじける。

慌てて鍋を持ち上げて火から離そうにも、そこは「一体型」のジェットボイルが追従して来て沸騰が止まらない。

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そして蒸発した激しい煙でメガネが曇り、一人で勝手に追い込まれて行く男。

周りのメンバーもなす術も無く見守るしかない一人マゾ劇場。

結局火傷寸前の状態で手をビショビショにしながらなんとか消し止めた。


見たか。

これが鬼ヶ塾一号生筆頭、剣マゾ太郎の実力だ。


こうしてロマンティックな昼メシを堪能した4人。

僕はこの「360度見渡せる山ガールだらけの山頂でオシッコポイントを探してさまよう」という食後の追いマゾデザートを満喫。

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これは随分と遠くまで行って、無事に任務を遂行して戻って来た時の姿ですね。


さあ、これでそのまま下山しても良いんだが、経塚山まで戻ると気になる表記。

なんとさっきまでいたのは「霊仙山の山頂」なんだが、別の場所に「霊仙山の最高点」があると言うではないか。

お虎ヶ池といい、随分と紛らわしい山だ。

なんだか最高点まで行かないと気持ちがスッキリしないので、追加でそこを目指す。

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で、よく分からないけど本日二度目の山頂記念写真。

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何やら背後の雲っぷりが重みを増して、さらにさわやかさがアップしている気がする。


実はここから大周回コースを経て下山するという選択肢もあった。

実際とても魅力的な稜線が「こっちおいでよ」と無邪気に僕を誘って来ている。

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僕は散々悩んで、喉元まで「周回コースで帰ろう」と出かけていたが、その手前でメンバーから止められた。

今思えばこの時に周回コースに行っていたら大変な事になっていた。

もし今日一人だったら、僕はお馴染みの世界に突入していたはずだ。

恐らくとてつもない距離を延々と歩いて、途中で冷たい雨に打たれながらボロ雑巾のようにのたれ死んだ事だろう。

正しい判断をしてくれる仲間ってありがたい。


結局折り返して帰ることになったが、もう一つ心残りが。

ここまで来たらもはや福寿草は完全に諦めたが、この山では「大量に戯れる野鹿」が見れるというのを楽しみにしていたからだ。

この登山を企画した僕としても、みんなを喜ばそうと「福寿草と野鹿の群れ」というキーワードで散々期待感を煽って来た責任というものがある。

せめて野鹿だけでも拝んでおきたい。


再び経塚山に戻って来た我々は、さらに別ルート上にある避難小屋を目指す事にした。

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どうにもあの小屋の奥に野鹿がいる予感がするし、あの小屋周辺で目撃された最近の記録も見て来ている。

一路野鹿を目指して、何気に今日一のガレた道を降りて行くメンバー。

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ここで僕は自分が危険な位置にいる事に気付いた。

これは先週から続く低血圧Mちゃんの特技、「落石」の格好の位置関係。

まさに「福寿草も咲いてなけりゃ野鹿もいねえじゃねえか。話が違うぞこのブタ野郎。」という怒りの落石攻撃に晒されるのは時間の問題な気配だ。


しかし何とか事なきを得て、無事に小屋が近づいて来た。

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素敵な避難小屋だったんで、試しに中を覗いてみたらいきなりインド人がいたのでビックリした。

しかし我々が見たいのはインド人ではなく、あくまでも野鹿なのですぐさま小屋の裏手へ移動。


うすうす気付いてはいたが、やはりそこに野鹿はいなかった。

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そこには必死で野鹿の声を聞き取ろうとする悲しい男が一人いただけだった。


しかし戯れる野鹿がいない代わりに、浮かれて飛び跳ねる4匹の馬鹿が戯れていた。

もうどうでもいいやとばかりに、プリケツ全開で飛び跳ねるマゾケルジョーダン。

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続いてキツネ目の変質者も陽気に飛び跳ねる。

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さらには低血圧Mちゃんまでも、80年代のアイドルのようにさわやかジャンプ。

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しかし残念ながら、血圧が低すぎて5cmくらいしか飛べていない。

やはり「元気ハツラツ」とはいかなかったようだ。


矢作Cに至っては全体的におかしな事になっている。

飛ぶ前の姿はプンプン怒るおネエ状態だ。

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早朝の新宿二丁目で、こんな人が早足で歩いていそうではないか。


こんな感じで彼らのロマンティック浮かれモードが止まらない。

こういう痛々しい事をする余裕があるという喜び。

たまにはこんな登山もいいじゃないか。


そして元来た道を談笑しながらさわやかに下山。

廃村まで戻って来ても余裕があるので撮影会。

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矢作Cは悠然とポーズを取っているが、セルフタイマーの10秒で石垣をよじ登って来てるので実は息が荒い。

いよいよこの頃には陰鬱とした雰囲気は勢いを増したが、しかしこれはこれで実に雰囲気のある作品になった。


まるでちょっとした映画のポスターのようだ。

マゾの気があるお姫様(低血圧Mちゃん)をめぐる大冒険作品だ。

まのけ

これならマゾの快楽が理解できない少年少女にも見やすい作品となる事だろう。


そしてこんな余計な事をしてる間に、ついに雨が降って来るという「やはり」な展開。

慌てて逃げ惑う4匹のマゾたち。

しかしその最後の雨によって、彼らの顔は満足感でニヤリとしていたという。


下山後、最後に車でゲリMを雨の中に置き去りにするという安定感のあるオチにて登山終了。

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これにて浮かれまくった奴らの「正しい登山」が終わりを告げた。

束の間の浮かれモード登山。

いつかこの代償を払う日が来る事だろう。


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その後。

やはりメンバーは地味に浮かれモードの代償を払う事になった。


・ゲリM

あの後少しでも早く帰って妻の育児を手伝おうというゲリMは、温泉にも入らず急いで電車で帰っていった。

しかしそんな健気な彼に待っていたのは、嫁からの「足が臭くて不快だ。次からはちゃんと温泉に入ってから帰って来い」という優しい言葉だったらしい。



・低血圧Mちゃん

温泉後のメシで担々麺を皆で食い、疲れた体に染み込む美味さ。

しかしその直後に、己の100円玉を担々麺の激辛スープに落としてしまうと言う地味で細かすぎるプチマゾを披露。

僕はその姿に、しっかりと僕の後継者の匂いを嗅ぎとった。


さらに彼女はこの2日後に再び単独にて登山に行くという、僕のような追い込み方を見せつける。

しかも過度な低血圧がたたって寝坊し、全力山ガールの格好で満員の通勤電車に揺られて行ったというから驚きだ。

もはや他人の気がしない。

彼女は実は生き別れた僕の妹なのか?



・矢作C

彼の場合、スマホのマイクロUSB端子が折れて充電が不可能になるという実に華々しい代償を支払った。

そして泣く泣くiPhoneに買い替えたが、以前のスマホからアドレスが抜き取れずに悲嘆にくれる事に。

浮かれた代償によるショックの大きさは彼が一番だったかもしれない。



・僕

僕の場合何事も無く今日まで過ごして来た。

原因不明な背筋痛に苦しめられたが、その程度では代償とは思わない。

しかし今日。

この長い長い記事を8割方書き上げた時点で、なんと間違えてブラウザの戻るボタンを押してしまったことにより、苦労して書き上げた霊仙山の記事の全データを失った。

この計り知れないショックを想像していただけるだろうか?

そして記憶をたどりながら、また同じ記事を書いて行くという当てもない徒労感。

地味だが実に精神をえぐる代償プレイだった。


やはり浮かれるのも大概にしておかないと痛い目に遭うのだね。

また気を引き締めてマゾっていかんと。



なので今週末は子供担いで2191mの恵那山登って来ます。

鮎釣り解禁前だから、子連れだろうとカヌーだってやっていかないといけない。


さあ浮かれてる場合じゃないぞ。

追い込みゴールデンマゾウィークはすぐそこまで近づいている。



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コメント

    • アツシ
    • 2013年 5月 13日

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    先輩、ご無沙汰しております!
    ジョンボーのアツシです。
    遅ればせながら、第二子のご誕生おめでとうございます!

    ブログはいつも欠かさず拝見しておりました!
    お子さんが産まれてからも精力的なマゾ活動には感心するばかりです(笑)

    僕も先輩の影響でどっぷり山にハマってしまい、あちこち登りに行ってます!先週も常念~大天井を冬季小屋一泊で行ってきました!

    2軍での調整も順調です。
    先発メンバーに故障者が出た際には、是非お声がけ下さい!
    肩は作っておきます!(笑)

    • yukon780
    • 2013年 5月 14日

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    おう、お久しぶり!
    第二子が生まれて、随分と工夫しながら遊んでますよ。

    常念~大天井を冬季小屋一泊って、もう本物の人じゃないすか。
    2軍どころか随分と通り越しちゃってるよ。
    先発メンバーはある意味常に故障してる奴ばかりだからいつでも参加しておくれ。
    ただ嫁がアレでアレなんで、行くとしても突然「明後日行く」とかそう言うのりになるかもだけど。

    行く時は基本的には日帰りで子連れという条件になるから行けるとこも限られるけどね。
    ひとまずメールするね。

    • yukon780
    • 2013年 5月 14日

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    あれ、うまいことメール出来んかった。
    良かったら画面上のコンタクトからメールちょうだい。
    FBやってたら登録します。

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