北岳/山梨

北岳王位争奪戦2〜立ちはだかる塾長〜

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王位簒奪の為に徐々に玉座へと近づいて来た反乱軍。

すでに稲中化するものや老化する者も現れるという苦難の道のり。

ここまで国王軍の急登部隊の激しい抵抗に遭い、まだ道のりは半ばだというのにすっかり疲弊してしまった男達。

しかしそんな傷だらけの男達の前に立ちふさがるはさらなる王の精鋭急登部隊。

いよいよ国王軍と反乱軍の血みどろの決戦が始まった。


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体勢を立て直そうとする反乱軍に対し、北岳の容赦ない波状攻撃が始まった。

ここからはそそり立つ階段を舞台に激しい攻城戦の火ぶたが切って落とされた。

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直登にもほどがある。

こんな感じのハシゴの波状攻撃が延々と終わらない。

激戦を越えて来た今の反乱軍には相当にハードな攻城戦だ。


しかし高度を上げていくにつれ、我々は素晴らしい紅葉に包まれて行く。

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しかしそんな光景も雅な心で堪能する余裕は我々にはない。

僕に至ってはすでに足の指の皮がずり剥けて、いち早く真っ赤にセルフ紅葉している状態。


でもこの紅葉は国王軍の焦りとも見てとれる。

ラオウ襲来を告げる修羅の国の血の川よろしく、今北岳全土に反乱軍の襲来を告げる鮮血の紅葉が始まったのだ。


そんな中、激しいハシゴとの戦いを終えてヨロヨロとふらつくB旦那。

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しかしそんな彼が見上げた先にはアホみたいな岩壁直登男道。

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グハグハとその岩壁を乗り越えれば、誰もが殺意を抱く光景が目に入る。

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一体この急登の泥仕合はいつまで続くのか?

1ラウンドから激しく打ち合い続けて、今や第69ラウンドまでもつれ込んだかのような疲労感。

この戦いに判定やドクターストップなどはない。

殺るか殺られるかのデッドorアライブ。

例えタオルが投入されても北岳は我々を殴り続ける気だ。


振り返れば今まで直進行軍し続けた真っすぐの道筋が見てとれる。

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黒はんぺんには力を感じず、後方の横綱Kもぐったりしている。

右前方を見上げれば、全く近づいた気がしない北岳の稜線。

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まるで下りのエスカレーターを延々と登り続けているかのような徒労感。

この山は体力より先に我々の精神の破壊を企んでいるようだ。

そんな鳳凰幻魔拳のような攻撃を必死で耐えながら進む反乱軍。

こんな時は美しい紅葉でも見上げて元気を取り戻そうじゃないか。

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おや?何かが見えたぞ。

拡大してみよう。

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なんと人がわっせわっせとはしごを登っているではないか。

まさかあんな所まで行っても急登が続いているのか?


嫌な物を目にしてすっかり戦意喪失する反乱軍。

被害者Kに至っては「稜線まで行ったらなだらかな道になるって言ったじゃないスか。話が違うじゃないスか。」と必死に被害を訴えかける。

しかし「そんな事は言ってません」とシラを切る4名の被告人。

この時、被害者Kはハッキリと悟ったという。

ああ、自分はマゾマゾ詐欺に遭ってしまったんだと。


その後、必死で折れかかる心を鼓舞しながら何とか稜線まで到達。

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そして眼前に現れたのは壮大すぎる南アルプスの圧倒的な世界。

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とにかくでかい。

北アルプスとは違う意味でのスケールのデカさ。

北アルプスが剣桃太郎だとするならば、南アルプスは登場した頃の大豪院邪鬼と言えば妥当な所か。

とにかくハンパなくでかいのだ。


一方で我々が向かうべき稜線に目をやってみる。

ここで僕は思わずカトちゃんばりの二度見をかますほどの信じがたい光景を目にする。

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これを見た瞬間、僕は「グハッ」と吐血しその場に倒れ込んだ。

そしてやがて笑けて来た。

もう、どうにでもしておくれ。


そんな事になっているとも知らずに、老人横綱Kが後方からフラフラと這い上がって来た。

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そして彼はフリーズした。

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あり得ない光景を見てついに彼は石化した。

北岳のメロメロメロウをモロに食らってしまったのだ。


ついに犠牲者を出してしまった反乱軍。

まあ、暫く放っておけばいつものように王大人(ワンターレン)が生き返らせてくれるだろう。


そして我々は天国への階段に取り付いた。

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買ったばかりのトレッキングポールを忘れて来た黒はんぺんSがついにここで真価を発揮。

彼はポールなんてただ邪魔になるだけだとあらかじめ分かっていたのだ。


やがてカリン塔を天空まで登り詰めると富士子ちゃんがご登場。

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日本第二位の山から見る日本一のいい女。

相変わらずお高く止まりやがって。


ここは日本第二位の標高の山だから、何気に富士子ちゃんを眺められる日本で一番高い場所。

やはり富士子ちゃんは実際に登るより眺めている方がそそる。

富士子め、しっかりと今回も僕らのハートを盗んで行きやがった。



一方永遠とも思えたカリン塔を登りきって、やっとこさ一息入れようとした所でさらなる追い打ち。

ズドーンと現れたのは重々しい急登岩壁野郎だった。

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目の前で「ワシが男塾塾長、江田島平八であーるッ!」と言われているかのような圧迫感。

さすがは太平洋戦争終結時「EDAJIMAがあと10人いたらアメリカは敗北していただろう」と言われただけの圧力。

ボロボロになった今の反乱軍ではとても太刀打ち出来そうにない。


それでも一歩一歩攻め上がる男達。

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もう反乱軍の誰もが黙り込んで黙々とのし上がる。

僕のイーグルアタックも最高潮だ。

(前回の記事書いてから気づいたが、鷹はホークなんで正式にはホークアタックだね。めんどくさいからそのままイーグルで行きます)


ハァッーー!ハァッーー!と激しい吐息が止まらない5人の加藤鷹。

そんな5人掛かりでも北岳という女優を未だに陥落させる事が出来ない。

被害者Kもとんだ企画ものに参加してしまったようだ。


八本歯のコルという場所まで到達し、さすがにがっつりと休憩を取る。

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そして横綱Kの石化に続き、ここで二人目の犠牲者が。

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ついに黒はんぺんSが江田島平八の一撃を食らって疲労死した。

しかし我々には王大人という最強の軍医がいる。

もうすでに横綱Kが蘇生して素晴らしい景色に包まれているのがその証拠だ。

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iOS6の新機能を早速駆使して撮影したパノラマ写真。

ブログだと横幅が固定だから逆に迫力のない写真になっているが、これは中々に良い機能だ。


しかしここは全く終わる気配のない苦しみのパノラマ急登世界。

王座に向けた最後の難関である塾長との戦いは長期戦の様相。

急がねばならない。

我々には時間がない。


重い腰を上げて再び進軍を開始する反乱軍。

もはや傷を負っていない者はいない大消耗戦。

王大人がいるせいでギブアップすら許されない男達。


行くも地獄、引くも地獄。

だったら進んで死に花を咲かす。

それが男の生きる道。


誰かが叫ぶ。

「みさらせ!これが反乱軍の根性じゃ~っ!!」

そして誰かが大声で大鐘音のエールを叫ぶ。

さらに誰かが男塾の大塾旗「喝魂旗」を掲げる。

もうこうなったら後には引けない。


山頂に向けての最後の戦いが始まった。



北岳王位争奪戦3へ 〜つづく〜



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