富士山/静岡

さまよう変質者

今回は燃えろ!脂肪肝と、富士登山順応シリーズのコラボだ。


富士登山に耐えられる屈強な体作りと夜間登山の為に、日々やり始めた事がある。


夜、りんたろくんを寝かしつけた後、僕はおもむろに40Lのザック(富士登山使用ザック)を取り出す。

その中に、500mlの水が入ったペットボトルを22本11キロ分をぶちこむ。

富士登山時に想定しているザックの重さはおよそ7〜8キロ程なので、それよりさらに重いザックが完成だ。

そして、薄い酸素対策のためにマスクを二重にして装着。


ごついザックを背負い、マスクをした男が家族の前を通り過ぎて玄関に向かう。

嫁は基本僕には目もくれないが、お義父さんお義母さんの瞳の奥に「ご近所様に恥ずかしい」「変な養子もらってしまったな」という心の声が見て取れる。被害妄想だろうか。


登山靴を履いて、夜の町を徘徊する。

平地でも、登山の心拍数に近くなるよう出来るだけ早歩きで。


想像してみる。

夜に犬の散歩をしていたとする。

すると目の前の暗がりから突然大きなザックを背負い、マスクをした競歩野郎が「ハァハァ」言いながらうつろな目で迫って来るのである。

恐らく通報されるだろう。

女の人なら、スタンガンの電源を入れ臨戦態勢をとるかもしれない。

でも僕は気にしない。富士山の為に万全を期したいのだ。

こんな感じで日々2時間程、夜の町をさまよっている。


しかし昨日、いたって普通の何も無い平地で突然激しく左足をグネッた。

僕の左足は古傷を抱えている。

昔、コンビニ入店直後に何も無い所で激しくグネって転倒。

店員さんも「いらっしゃいませ」を言い終わる前の惨劇に驚き「大丈夫ですか」と駆け寄ってくる。

客の視線を一身に集め、非常に恥ずかしかった曰く付きの古傷だ。

以来なぜかグネりやすくなり、よく痛める。


そして今朝になって足首ばかりか、何故か左足の土踏まずの一点だけが妙に痛い。

重い荷物のせいで腰も痛い。

さらに前回の無謀なボルダリング挑戦のせいで、もう6日経つのに今だに両腕の筋が痛い。
筋肉を損傷してしまったのだろうか。


僕は快適に富士登山を乗り切る為に日々がんばっているんだが、実は登山を乗り切れない体を必死で作成しているのかもしれない。

さすがのアミノズドーンも追いつかない。

どうやらロッキーみたいな日々に、激しく自分に酔っちゃってたようだ。

ちょっと落ち着こう。

このままでは富士山に登る前に真っ白な灰になってしまう。


でもそう言いながらも、今週末は富士登山前の仮想登山に行く。

富士登山当日と全く同じ荷物を持って登る、最終仮想トレーニング。

正直、富士山登山でここまで追い込む野郎もそういないだろうが、自分を痛めつけるのが好きなんだ。

意気込めば意気込む程、当日雨天中止という残念な結果になりそうで怖い。

頼むから大人しく待ってろよ、富士山。



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MATATABI BASE

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コメント

    • MIN
    • 2011年 9月 08日

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    ずっと前から読んでて一言だけ言いたかった。

    落ち着いて。
    流れに乗ってはいけない時は、まず立ち止まって考えてみてね。
    結婚前のあなたを見ているようでハラハラします。
    まず、落ち着いて下さい(笑)

    • yukon780
    • 2011年 9月 09日

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    まさにご指摘の通り。
    もはや誰かに止めてもらわないと落ち着けない暴走特急状態。
    悪い流れに逆らえないという悪い流れに乗っちゃってるんだよね。
    自分でも分かってるんだけどねえ。
    確かに結婚前の感じに似たものがあります。
    万全を期した所で、山も結婚も登ってみないと分からない所がありますが、登る前から一直線すぎるのもいかがなもんです。
    でもこの暴走時はアドレナリン溢れて、充実しちゃってるんでまた困りもんだ。
    MINはこんな男と結婚しないように、十分に気をつけるんだよ。

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