妙法ヶ岳/岐阜

流血のヒルクライム

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ヒルクライムといっても、ロードバイクで颯爽と坂を攻めたわけではない。

ヒルにちゅーちゅー血を吸われながら山を登る、新しいクライミングスタイルのことだ。

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平日が仕事不足なため急遽休みになった。(大丈夫か、会社)

なんで、またもやりんたろくんを連れて筋トレ登山だ。

りんたろ登頂記4番目の山は「妙法ヶ岳」。
西国三十三番札所のラストの華厳寺をスタートし、山を越えて横蔵寺を目指す。


駐車場脇に顔出し看板があったので、伊吹山のリベンジだ。

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伊吹山の時は実にやる気のないりんたろくんだったが、今回は少し笑ってる気がする。

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ちなみに前回の伊吹山はこれだ。

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多少、やる気が出て来たか。


いつも土日にはすごく混雑する門前の商店街は閑散としていた。

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迫力ある華厳寺の入口の門。

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セルフタイマーで何枚か写真を撮っていたら、車が来てカメラを引きそうになりあせる。


境内に入ると苔むした感じが実に趣のある感じでよろしい。

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ひたすら階段を上って行くと登山道が現れる。

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本日も中々ハードなトレッキングを予感させる入山口だ。


しばらくはせせらぎや滝なんか見ながら気分よく進んで行く。

前日に大雨が降っていたから心配だったが何とかなりそうだ。

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川越えて行ったりと、気分よく進んでいたんだが、実はこのあたりからヒルクライムが始まっていたことを僕はまだ気づいていない。

昨日の大雨で、この山全域に大量にヒルが発生していたのだ。

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結構なキツさの上りを延々と登って行く。

さすがにりんたろくんと荷物で15キロくらいのバッグを背負っての登山はこたえる。

ひいひい言いながら華厳寺最深部、奥の院が見えて来た。

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やっと一息つけると、りんたろくんと休憩してたらなにやら足首あたりに異物感を覚えた。

かかとの方を見てみて「うおおおおぅ!」。

僕の両足のふくらはぎ下に10匹程のヒルがへばりついているではないか。
おまけに靴下の中にまで潜り込んでる奴もいる。

いつもならこんな場面に出くわせばネタになると先に写真を撮るのだが(北海道で釘が足を貫通した時とか)、今回ばかりは無理だった。

撮影してたとしても絵がセンセーショナルすぎてとてもここでは発表出来ない。

さらに「うおおおお」と言いながら必死で奴らを振り払う。

以前本で読んだことあったから、火で炙らんと取れんかと思ったがなんとか取っ払って行く。

体がちぎれても必死でちゅーちゅーを続けるタフな奴もいて実にキショい。

なんとかすべて振り払って、慌ててりんたろくんもチェック。
なんとか彼は無事だった。

りんたろがヒルに食われましたなんて言ったら、嫁の僕への攻撃はヒルどころではなかっただろう。


もう休憩どころではない。
折り返して帰ることも考えたが、またあの道をダウンヒルするのは気が引ける。

すぐにりんたろくん背負って妙法ヶ岳山頂を目指して動き出した。


しかし、ここからが過酷だった。

少しでも立ち止まれば、靴に取り付いたヒルが僕の生足目指して必死でヒルクライムを挑んでくる。
だからしんどくても休憩なんてしていられない。

歩いていてもどこからか取り付いてくるヒルズ達。
それを振り払いながらなので体力は著しく奪われて行く。

筋トレと言い聞かして来てるからしんどいのはしょうがないが、こんなにドラクエのダンジョンみたいに次々とヒルと戦いながら登るつもりはなかった。
僕のHPは毒に侵された勇者のようにみるみる減って行き、オレンジ色のひん死状態。
当たり前だが、ひとつも楽しくない。


もう息もグハグハ言いながら、山頂が近づくにつれヒルの攻撃もおさまって来た。

汗だくだくになりながら、やっっと辿り着いた頂上にはこの看板だけが吊るしてある。

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これだけ?

こんなに頑張ったのに。

さらに木に覆われ全く展望がない。

なんてストイックな登山なんだ。もはや修行の世界だ。


疲れきったりんたろくんもグニャリと眠りに落ちている。

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首大丈夫かあんた?


そして感動の登頂記念撮影。

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登りきった達成感に感極まって号泣のりんたろくん。

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というのはウソで、実は撮影時に寝てたのを起こされて不機嫌で泣いております。


なんとかメシを食って落ち着きました。

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でもお父さん、ここまでがハードすぎてとても食えなかったです。


こっからさらに1時間半くらいかけてゴールします。

その間の写真は一切ありません。

もうそれどころでない程体力を消耗していて、ただただ下山で精一杯。

ゴール付近では再びヒル達の追撃が始まる。

またもノン休憩で駆け下りて横蔵寺に逃げ込むようにゴール。

バサッと登山道から出て来た僕を見て、寺の人がすごく驚いてた。

「華厳寺から子供背負って山越えて来たんかね?信じられんね、すごいなあんた。」

僕はこのコースを「岐阜の山」という本を見て、体力度1つ星だったから選んだのに。
実は結構ハードなのか?

僕は自分の体力があるのかないのかよく分からんくなって来た。
まあその本も10キロの子供を背負って登る設定にはなっていないだろうけど。

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バスでスタートの華厳寺まで戻って、門前の茶屋でかき氷食った。

かき氷って久しぶりに食うとほんとうまいのね。
ヒルクライムの戦いの後だけにその爽やかさたるやたまらんもんがあった。

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こうして今回も、体力のなさを痛感した山登りとなってしまった。

でも身をもってヒルの恐ろしさ、うっとうしさを学んだ。

こうして徐々に経験して人は大人になって行くんだよ、りんたろくん。



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コメント

    • MIN
    • 2011年 8月 02日

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    これ、また会社で読んで、笑いをこらえるのに必死だったよー!


    私は、ミュージシャンのヒルクライムを最初に思ってしまいました(笑)
    りんたろくん、ヒルに噛まれたお父さんを見たのかな?!
    しかし、子供背負って山登り…。ホント、ワイルド〜だね!!!

    私はこの前、甥っ子と2人で初デートで家の近所を1時間かけて歩きました☆子供って、ほんとにカワイイね。早く自分の子がほしくなったよー!

    • yukon780
    • 2011年 8月 05日

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    いつもながら、行く時は楽しもうと思って行くんだけど、結果辛い目にあってMINとかを楽しませる結果になってしまっている。
    まあそれがあるから救いになるんだけどね。

    ちなみにりんたろくん、バッチリ父親のパニック状態を見ていました。

    まだ何の事かはわからないだろうけど、この日の夜は2時間おきに夜泣きされました。
    トラウマにならなきゃ良いけど。

    しかし、ほんと今が一番かわいいと思う。

    今が僕とりんたろの黄金時代かもしれない。
    楽しんで行かんと、育児は辛いからね。

    まだまだ、りんたろ連れまわします。

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