◉ りんころ成長記

男のロマン

男のロマンという言葉に多くの女性陣は引く事だろう。

なにせ意味の分からない事に異常なまでに没頭して、女性そっちのけになってしまう男の悪い病だ。

その男のロマンの一つに「城」がある。

うちのりんたろくんもやはり男だった。こんなに城が好きだなんて。


休日の朝、嫁の機嫌が悪かったのでりんたろくんを連れて脱出。

背中にりんたろくんをくくり付け、MTBに乗って目的地もないままに飛び出した。15の夜のように。


りんたろくんの好きな電車を見ながら線路沿いを進んでいくと、やがて大垣城に着いた。

歴史大好き、お城大好きなお父さんは迷わず潜入です。

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なんかりんたろくんのテンションが以上にあがった。やっぱりあんたもこの良さが分かってくれるのか。男だねえ。

しかも城は塀で囲まれているから、結構安心して野放しで遊ばせられる事も分かった。これは以外といいぞ。


塀の矢狭間に興味津々のりんたろくん。

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ちなみに三角形の穴は鉄砲狭間。この穴から迫り来る敵に矢とか鉄砲とか煮えたぎった油とか糞尿とかで対抗するんだよ。

こういう類いのうんちくは絶対嫁には話さない。「ふ〜ん」で終わる事は目に見えているからだ。


壁をつたい、全ての穴をチェックするりんたろくん。まるで忍者のようだ。

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そして忍たまりんたろうは城内への進入に成功した。

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甲冑を見て狂喜乱舞。
話はそれるがりんたろくんの五月人形は、僕の郷里の大英雄徳川家康モデルの兜である。


そして階段をよじ登り、りんたろくんの密偵潜入は続く。

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男は何故かこの城下町ジオラマが好きなのだ。

どこの城にも必ずある。お城あるあるの基本。ボタンを押して光ったり、解説音声が流れるタイプは鉄板だ。


そして、体験コーナーへ。

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お父さんに刃先を向けないで。

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火縄をセッティングし始めるりんたろくん。

彼は不気味にニヤリと笑った。

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だいぶ男の血がたぎってきたようだね。


そして、こちらもお城のお約束。記念スタンプである。

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りんたろくん、若干スタンプ押し過ぎではないか。

記念スタンプ持ってご満悦のりんたろくん。

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子供の頃、僕が親父に岡崎城に連れて行ったもらって、記念メダルを作って大喜びしていた時の事を思い出した。

僕も親になったんだなあと、ふと思った瞬間。


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城の横の公園で乗馬訓練をしていると、お館様(嫁)から帰還命令が下った。

しぶしぶ若君を背負って家来は帰還致しました。

束の間の男のロマンタイムでした。



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