清滝川/京都

るろうに中年〜京都大火編〜 清滝川探検隊

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京都。

そこは陰陽がうごめく魑魅魍魎の世界。

今その京都の奥底に侵入を試みる4匹の亡者がいる。


それは「変態闇商人」を筆頭に、「童貞ヒゲ乳首」、「人見知り冒険女」、「病弱マゾ男」が入り乱れる魅惑のパーティー編成。

一人として勇者を名乗れないキワモノ職業を極めた異色の放浪者たち。

今、未開の川に向けた彼らの冒険が始まったのだ。



その川の名は保津川の支流「清滝川(きよたきがわ)」。

過去に下流部を下った記録は残されているが、水量乏しく岩が多い中流域での川下りの記録は皆無。

しかし彼らは「歩き覚悟のパックラフト部隊なら行けるんじゃないか」という浅はかな作戦のみで突き進む。


そもそもこの川を攻めるに至った理由は偶然の重なりがあったからだ。

以前チーム・マサカズ トレラン部で京都トレイルを走った際、僕はこの川を見て「これ、頑張れば下れそうだぞ」と思ったのが最初。

同じ頃その京都にてこのブログを読み、パックラフト購入を目論んでいたとある人見知りの女子大生がいた。

やがて彼女は何を間違ったのか、アラスカやユーコン川の情報欲しさに僕のような腐った人でなしに声をかけてしまう。

そこで情報交換をしているうち、あれよあれよと一緒に京都の川を下ろうとの事に。

そこで彼女も気になっていたという「清滝川」というワードが共通の敵として浮上したのだ。


大学で探検部に所属する彼女は、なんと徒歩で清滝川を事前スカウティングするという行動力を見せつける。

そして奴隷生活で身動き取れない僕が京都に放った隠密のように、せっせと清滝川の情報を岐阜へと流す。

で、「行ける!」と判断した二人は、共にその清滝川を落すべく日程を調整した。


冒険と言っても気楽なもんで、僕は「まあのんびりはんなり行きましょう」と言い、彼女も「焚き火でマシュマロとか御座候とか焼いちゃいますか」とすっかり浮かれモードに。

僕としても「女子大生さんと二人で川下り」という非日常的な世界観にキャピキャピ気分が止まらない。

気分はすっかり「援助川下り」である。


しかしである。

そんな浮かれ中年の元に闇の使者の影が忍び寄る。

なんと突如二人の薄汚れたおっさんが「白馬主稜登山が風速20m予報で中止になったんでそっち行っていいすか?」とまさかの京都参戦表明。

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そして前回記事でお送りした通りの展開になり、あれよあれよと3連休(公称2連休)となって僕は嫁に「お前とは一生埋まらぬ溝がある」と言われてしまうという大惨事に。

こうして合計年齢113歳の加齢臭部隊が京都にご光臨という、全く予定外のむさ苦しい展開になってしまったわけである。


それではそんな急造部隊でお送りする清滝川探検記。

はんなりと御座候を食べるはずが、がっつりとマゾ候を食らう事になった魅惑の京都マニアックリバー行脚。

ここで彼らのマゾ下りの様子を長々と振り返って行こう。


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京都。

待ち合わせのコンビニに到着したるろうに中年達。

車内は夜逃げで京都に流れ着いたかのような荷物のカオス感。

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全てが急だったため、ありったけの物をとりあえず詰め込んで来た結果である。

普通なら誰からも話しかけられそうにないこの状況だが、そこに話かけて来た小さな女の子が一人。

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登場一発目からガチョーンポーズで現れるという、年齢不相応な掴みに見えるがさにあらず。

人見知りの彼女は「推しメンのシェルパ兄弟に会えて光栄です」とばかりに、こんな汚れた大人たちに対して緊張しているのだ。


彼女の名は「アドベンチャーM」。

大学の探検部に所属していた彼女は、何と休学届を提出して今夏ユーコンに旅立つという人見知り系酒好き冒険ガール。

いずれは「カリブーハンターM」とか「リンクス狩りMちゃん」とか「グリズリーキラーM」とか「一升瓶M」の名を襲名する可能性があるが、今はまだ人見知り中なのでソフトなネーミングにしておこう。


この中年達に怯えた小動物の雰囲気のようなアドベンチャーMを見て、ランボーNは「探検部の女性と聞いてたんでもっと筋肉隆々な迫力ある人を想像してました」と驚いていた。

恐らくランボーNが想像していたのは、年代的にはこのあたりのイメージだったと推測される。

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さすがにこのように待ち合わせ場所で「ダ・ダーン! ボヨヨン、ボヨヨン、ダ・ダーン!」と待たれていたら我々は素通りしていただろう。

しかし実際は実に可愛らしい女の子がやって来たのだ。


これにはヒゲ童貞もコーフンが止まらず「おい!オレの筋肉。おい!オレの上腕二頭筋。さあ、やるのかい?さあ、やらないのかい?どっちなんだい!?」と激しく彼女に迫り寄る。

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この突然のジャギやまきんにくんの暑苦しい圧力に対し、早くも後悔が止まらないアドベンチャーM。

それでもまだ彼女は緊張気味だ。


しかし京都の人間は気持ちと表情は裏腹だという。

顔は笑顔でも本音は決して表に出さないのが京都人。

まさに陰と陽が織りなす陰陽の世界の人々。

実は彼女も人見知りを装って「さあ、この飛んで火にいる春のビチグソどもをぎゃふんと言わせてやるわ。」と言ったサディストの一面がないとも限らない。

果たして彼女の本性はどっちだろうか?(彼女の出身は奈良だけど便宜上京都の人にしておきます)


さあ、こうして変態・童貞・マゾ・陰陽師という異色の探検隊が結成。

早速我々は高雄観光駐車場へと車を移動。

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そして前日の板取川でフルドライスーツを着ずにすっかり風邪を引いてしまった僕は、さすがに本日は満を持してフルドライモビルスーツの初出撃。

ついに現れた赤が似合わない赤い彗星養子、シャア・マゾナブルの勇姿である。

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ランボーズデポにせかされてヤフオクで思わず買ってしまったが、この色しかなかったのだ。

しかも首の締め付けが苦しくて、まだ何もしてないのに吐きそうになって苦しんでいるというフライングマゾ。


しかも出発した後にGoProを車に置き忘れてる事に気づいて、この姿のまま観光地を走って戻る。

で、再び走って戻って来た赤い彗星。

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これにより、まだ何もしてないのにスーツ内は汗でビショビショに。

彼はどんな便利なアイテムでもマゾく使いこなす事に長けた男なのである。


そんな異質な格好をしたニュータイプ達が清滝川を遡上して行く。

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今回はある種のパックトランピングスタイルなので、行ける所まで歩いてスタートポイントを探すのである。

せっかくアドベンチャーMが事前に下見して発着ポイントを見つけてくれてたのに、早くも勝手な行動で計画をかき回す中年達。

しかもヒゲ童貞が勝手に柵を乗り越えて、我々を道無き道へと誘導。

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このように童貞野郎とはとかく奇をてらった行動を起こしがち。

しかしこのビギナーズチョイスが我々の冒険感を見事に演出。

全くどこに出るのかも分からない、荒れたマゾ道へと吸い込まれて行ったのである。

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次第に道は不明瞭となり、このようなスペクタクルな展開へ。

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右側は中々の急斜面で、足を滑らせたら落ちて行ってしまう。

しかも奴らはアドベンチャーMを大事大事に扱って、高所恐怖症で打ち震える僕に手を差し伸べる事なくスタスタと先に行ってしまう薄情さだ。


しかし何とかその難局を越え、急斜面を降下して行くと清滝川に合流成功。

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で、こっからさらに上流へと行ける所まで詰めて行く。

奥の方では朝霧が立ちこめ、実に荘厳な雰囲気。

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本来はアドベンチャーMとはんなりのんびりツーリングの予定だったんだが、やはり彼らが合流するとこのような荒々しい世界に到達してしまう。

もはやビジュアルは沢登りの世界である。


やがて頃合いを見てスタート地点を決定。

京都も一歩山奥に侵入してしまえば、このような秘境感が味わえるのだ。

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アドベンチャーMも、必死にバイトで貯めたお金で手に入れたアルパカラフトを膨らませて感無量のご様子。

京和食のお店で皿を洗いまくり、魚やネギを焼きまくり、おぼろ豆腐を盛り付けまくった挙げ句に手に入れたこの自由。

彼女の汗と努力と京都の味が染み込んだ珠玉の京風パックラフトなのである。


そんな彼女のパックラフト処女航海に同行でき、我々も身が引き締まる思いだ。

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ただこの時点でリアルに身を引き締めているのは、一人だけドライスーツを着ていない右端の童貞航海男。

まるで連絡網が回って来なかった惨めな生徒のように、当然ドライスーツなんて持って来ていない。

彼だけただカッパを着ているだけの状態で、沈したら高確率で凍え死ぬという状況設定だ。


先生であるはずの他のベテラン二人はしっかりドライスーツ着込んでいるのに、童貞なのにほぼ生身のノーガード戦法。

金も持たずに叶姉妹を口説いて来いと言われるに等しい無防備さ。

しかも童貞喪失2日目にして、いきなりこのような未知の川を下らされるというスパルタ教育。

ある意味、今回一番の被害者は彼なのかもしれない。



何はともあれいざ出発。

しかし大方の予想通り、岩だらけでいきなりのリバーウォ−キング大会に。

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早速京都からのマゾの洗礼を浴びる探検隊。

やがては「死んでおくれやす」と言わんばかりのこの光景。

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我々はパックラフトでの楽しい川下りを想定して来たんだが、まるで特殊部隊の訓練風景のようなこのサバイバル感。

担ぐばかりでいつまでも処女航海できないアドベンチャーMと、童貞航海2日目にしてアブノーマルな世界に引きずり込まれたジョンボーAの必死の助け合い作業。

まるで青森から上京したうぶな男女が、いきなり夜の歌舞伎町で働かされているかのような悲しげな光景だ。


しかしひょっとしたらこれはアドベンチャーMの仕掛けたおもてなしなのかもしれない。

憧れの先輩マゾどもに「失礼がないようにあんじょうマゾらせてあげなあきまへん」と、すでに下見済みのマゾポイントに誘導したのかもしれない。

もしくはただのサドガールなのか、己のマゾ心を満たすために誘導したのか?

京都人の心の中は相変わらず読み取れないのである。


しかしやがてこのようなハードウォーキングも落ち着き始める。

やっと水量も大岩も落ち着いて、ついにパックラフトで下り始めるご一行。

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しかもこの清流度。

やはりこの清滝川は、おいそれとは懐に入り込めない「一見さんお断り」の名店だったのだ。

これにはランボーNもすっかり浮かれて、お座敷あそび的なモンキーダンスが止まらない。

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これを見たアドやっこも「喜んでもろて嬉しいどす」と、案内人としてほっと胸を撫で下ろす。

しかし後方からは花街は初めてというひげ面童貞が、まるで負け越した時の朝青龍のようなムスッとした表情で下って来るではないか。

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これにはアドやっこも「いきなりあないな童貞はんを花街にお連れして気ぃ悪うさせてしまったんやろか?」と心配顔。

しかしよくよく聞いてみると「怒ってんじゃなくて必死すぎて顔が強ばってたんですよ。だって昨日一時間教えてもらっただけなのにいきなりこんな岩だらけの所でほったらかしですもん。しかも僕だけカッパなんすよ。」と童貞の遠吠えが止まらない。

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言い訳ばかりして野暮な男だ。

お座敷に来てグチばかり言っていると舞妓さんにはモテないぞ。


そこで遊び慣れているランボー社長は、アドやっこに「新人がご無礼いたしました。お詫びに僕の酒を一献受けてくれますか?」とソーヤーミニで水を注ぐ。

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そしてこのような場をセッティングし、

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アドやっこと新人童貞の二人に、アルミポッドの蓋の上に石を置いたり取ったりさせるお座敷遊び「金毘羅ふねふね」をさせて場を盛り上げる。

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そうこうしているうちに場は和み、気づけば本日もパーフェクトな炊飯が成功。

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これで腹も満たされ、我々探検隊の団結力も強まった。


そしてこの炊飯遊びの先には、前半の岩歩きを乗り越えた者にのみ与えられるさらにステキなお座敷が用意されていた。

実に京都らしい、雅なる川下りがついに始まったのである。

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この独特な雰囲気。

京都なのに観光客もいない静かなる侘び寂び空間。

これが意地でもこの川を下ってみたかった理由の一つでもあるのだ。


さらに清滝川の雅が止まらない。

優雅なる都人が涼と京料理を楽しむ「高雄の川床」のご登場である。

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夏の夜にここを下れば、一連に連なった提灯に灯がともり、蛍が飛び交う中での幻想的な川下りが出来てしまう。

こんな雅なる川下りは京都の川だからこそ成せる技。


そしてさらに涼を楽しむスポットも登場。

それがこの主張しすぎない小さな小滝。

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たとえこの寒い時期だろうと(寒い時期だからこそ)、このおもてなしにはマゾの心が奮い立つ。

早速ランボーNが「ぬへ、ぬへ、ぬへへへへ」と変態的に笑いながら滝に突入。

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そして僕もアドベンチャーMも次々に突入して涼を楽しむ。

そしてジョンボーAに対し、「さあ、童貞よ。君もいざ行くがいい。」と煽る。

彼は「みんなはドライスーツだから良いですけど僕はただのカッパですよ!勘弁してくれませんか!」と窮状を訴えて来るが、我々はそんな野暮な言葉に傾ける耳は持ち合わせていない。

アドやっこも「さあ。心行くまで涼を楽しんでおくれやす。」と言ってヒゲカッパを滝に突入させる。

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「ひあっー!」という声が聞こえた気がしたが、きっとこの雅な涼に言い知れぬ爽快感を感じているのだろう。

暫くは感動でプルプル震えていたほどだ。


しかしそんな京のおもてなしの数々に、あのオドオドしていた童貞くんもいつの間にかご覧の状態に。

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すっかり大人の自信を身につけて、北方謙三ばりのこのダンディズム。

しかしアドやっこは、このうぬぼれダンディーを置いてさっさと上陸。

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実はこの先に大きな堰堤があるから、一旦ここで大きく迂回するのだ。

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この感じがまた軽量なパックラフトの旅ならではの身軽さ。

しかしアドベンチャーMは体が小っちゃいから、パックラフトを担ぐと何やら猛烈な怪力の持ち主に見えてしまうから不思議だ。

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今こそ「ダ・ダーン! ボヨヨン、ボヨヨン!」と言って欲しい所だが、彼女はあまりにも世代が違いすぎるから意味が分からないはずだ。

やがてクズ界のアウトローと言われる我々は、「クズの侵入禁止」の看板を無視して再度清滝川にプットイン。

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ここから川は東海自然歩道と京都トレイルに平行していく。

ちょうど僕が「ここ頑張れば下れるな」と思ったポイントに到達したのだ。

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やはり非常に美しく独特の雰囲気。

ただ有名散策道に沿って下って行くから、ハイキングのおばちゃん達の好奇の視線に晒されるという羞恥プレイが幕を開けることになる。

このようにアドベンチャーMが橋をくぐり抜けると、

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おばちゃんたちからはヤンヤの喝采が巻き起こる。

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ジョンボーAもパシャパシャ写真を撮られながら、

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よくドリフとかで聞いた笑い声と歓声に包まれながら橋を突破。

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しかも彼はこのあと岩に引っかかり、おばちゃん達にヒソヒソ声で「橋越えたらすぐに左に行かなきゃ」などと駄目出しされるという憂き目に。

彼は童貞2日目で、いきなり「熟女からの羞恥プレイ」という随分とコアな世界に踏み込んでしまったようだ。


だがその羞恥プレイを差し引いても、やはりこの川は気持ちの良い素晴らしい川だ。

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ここからはギリギリパックラフトで通過出来る岩のルートが続き、飽きることもない。

この頃になると、スパルタ現場主義で生き抜いて来たヒゲ童貞もすっかり堂々たるパックラフターに。

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しかも最終的には、2日連続の「ジャギスペシャル(ローリング後方ひねり段差落ち)」を炸裂させるほどに。

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こいつはとんでもないルーキーが現れたもんだ。

それでも今日も彼はかたくなに沈しない。

もはや彼には何も教えることは無さそうだ。

基本的に最初からほとんど何も教えてないけど。



さあ、そしていよいよこの探検もフィナーレの時がやってくる。

ついに我々の前に壮大な滝が現れ、この挑戦に惜しみないマイナスイオン賛辞を贈ってくれたのだ。

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清滝川というネーミングに持って来いのスポット。

ちょうどこの先が大きな堰堤で、何気に時間も押していたからここを今回のゴールポイントに。


さあ撤収しようかと思ったその時、何やらおかしな行動に出ている奴がいるぞ。

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しまった。

ちょっと目を離した隙に、またあの男が妙なクスリを打ってしまった模様。

まだ帰りたくない、まだ遊んでいたいという思いがスパークしてクライミングを始めてしまったではないか。

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コケだらけの岩場をノーロープでガシガシと登っては、「ドゥヘ、ドゥヘ、ドゥヘへへへ」と唸っている。

もはや目の焦点は合ってなく、口からは大量のヨダレが。

さすがのシェルパ弟も、アドベンチャーMに対して「ダメだ。あれを見てはいけない。」と注意を促す。

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近々東京に引っ越してランボーNに弟子入りする予定のアドベンチャーMも「いずれ私もああなってしまうんでしょうか…」と不安が隠せない様子。

基本的に彼が教えてくれるのは、技術的な事よりも命のやり取りにおける快感のみである。


しかしこんな所で死なれてしまっては困るので、慌てて彼を壁から引き離してゴールの記念撮影。

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このあと僕がランボーNに滝壺に誘導されて滝に打たれるというアクシデントはあったものの、とりあえずこれにて清滝川探検終了。

ちょどこの先の堰堤を越えたあたりからが下流コースになるから、ぜひ次回は下流を下って保津川まで合流したい所である。

とりあえず今回のログを載っけておくけど、行かれる方は無駄な遡上をせずに普通に高雄観光駐車場からスタートすると良い。




さあ、ゴールしてもすんなり終われないのがパックラフターの宿命。

ここからは道無き道を直登してこの川から脱出しなくてはならない。

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もちろん道等なく、頼れるのはランボーNの野生の感のみ。

当然そうなるとこのような猛烈なる大急登に導かれる事になる。

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現場が白馬だろうが京都だろうが、我々のやる事はやはりマゾ一本。

たちまち事態はリポビタンD的な世界観へ。

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恐らくこの時のアドベンチャーMの心中は「やっぱ声かける奴を間違えたかな…」と思っていたかもしれない。

はんなりと焚き火でマシュマロ焼いてお茶するつもりが、まさかマゾマゾやってこんなディープな脱出劇をやらされてしまうとは。

実に壮絶な処女航海である。


やがて道路に飛び出た我々は、「せっかくだし」というファジーな理由でバスがあるにもかかわらず徒歩で駐車場に戻って行く事に。

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しかもよくよく拡大してみると、またしてもジョンボーAの乳首がファジーな事に。

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そのあまりの変態さに、観光客のおじいさんも目を丸くしてその乳首を二度見しているほどだ。


そして下って来た川沿いを延々と北上。

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散々歩いて駐車場に着くと、保津川上流の川原目指して大移動。

もちろんそこで大渋滞に巻き込まれるという京風マゾをしっかりと堪能。

結果的に風呂に入る時間もなくなってしまったほど暗くなった時点で、やっと保津川の川原に到着。

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ここで落ち着いてしっぽりと焚き火めしタイム。

アドベンチャーMはまだ人見知り状態なので、本来は「一升瓶をそのまま飲みながらこの加齢臭どもを罵倒したい」という本音を隠してかわいい清酒で我慢。

一方、そんな彼女との距離を縮めるべく、「アルプスマッサージ店主」という顔を持つジョンボーAが動く。

今まで山で数々の男達を快楽に導いて来たアルプスマッサージ。

そんなまるでトキに秘孔を突かれているような心地よい彼の妙技に、アドベンチャーMのサド心も次第に溶けて行く。

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見方を変えれば壮絶なセクハラ現場。

ひょっとしたら彼は栂池浮かれポンチーズ以来激しくホモ疑惑を持たれているので、ここらで「私はノーマルです」という事がアピールしたかったのかもしれない。

しかし彼の中に眠るオネエ心が爆発してしまったのか、次は僕に襲いかかって来た。

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悩ましい表情で、僕の足の指の股を巧みにワセリンで刺激して来るヒゲ面オネエ。

その顔を拡大してみると、何も色調整してないのにこの厚化粧感。

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いつのまにか口紅を妖艶に塗りたくり、チークも塗りすぎだ。

僕は京都に来ていたはずだが、いつの間にか新宿二丁目に迷い込んでしまったんだろうか?


そんな感じの愉快なオカマバータイムを楽しみ、京の夜は更けて行く。

本日も実に充実した冒険だった。

僕はこの快晴続きの2日間に言い知れぬ感動を味わっていた。

今回は風邪ひいたくらいの代償で済んだようだ…。


と、思ってふと下を見る。




これは…

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我が大事なジャケットに焚き火の火がはぜて穴が空いているじゃないか!

今年買ったばかりのパタゴニアのナノエアジャケット38000円!

ちょっと前に「今シーズンで買って一番満足している一品です」と自慢げにこのブログで紹介していた我がナノエアがッッッ!!


そう。

これが我が快晴代償奥義、「終わりマゾなら全てマゾ」。

京都の夜に美しく灯る火は何も大文字焼きだけではない。

外国人観光客達にも、ぜひこの美しい「パタゴニア焼き」という京都大火を鑑賞して欲しい所だ。


これにて美しく本日の旅を締められそうだ。




さあ。

色々涙の激流が溢れて止まらないが、明日はそれより激流の保津川下り。


明日は明日のマゾが吹く。


我々の京都行脚はまだまだ続くのである。




るろうに中年〜伝説の最期編〜へ  つづく



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



また長々と書いてしまいました。

随分短くしたつもりだけど、どうしても短くまとめられません。


それではいつものように、めんどくさくて最後まで読めなかった人へ送るおまとめ動画でございます。



最期の演出は何?と聞かれても困ります。

ただやってみたかっただけでございます。



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