◉日々のツレヅレ

野郎だらけのお鍋大会〜炊き出しイボ痔男の乳毛問題〜

長らく我々の前から姿を消していた男がいる。

それはチーム・マサカズのマスコットキャラクターこと「アゴ割れM」だ。

去年6月の「焼岳天候決戦」以降、彼は消息不明になっていた。


やがて年が明けて春が来た。

そろそろ「アゴ割れ死亡説」が流れ始めた頃。


彼は残雪の御在所岳山中で発見された。

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両手で鍋を持ち、まるで越冬炊き出し支援の列に並ぶ日雇い労働者のようないでたち。

そして何故か背中にはサッカーボール。


一体彼に何が起きてしまったのか?

ついにホルモンが溢れ過ぎて、家を追い出されてしまったのか?


さにあらず。

実は彼は長らく国家試験の勉強に励んだり、ハーフマラソン大会出場のためにストイックな日々を過ごしていたのだ。

故に今まで中々チームの行事には参加する事が出来ず、修行僧のような一人マゾを楽しんでいた。


しかし無事に試験も終わり、ハーフマラソンも見事に完走。

そこでやっとこさこの度、チームの平和行事「御在所岳山頂鍋パーリー」への参加表明となったわけだ。


実はこの企画、チーム・マサカズのファミリーを招いて2月上旬にやる予定だった「御在所岳スノーシュー&新年会鍋パ」という企画だった。

しかしそこは悪天候野郎の僕が本領を発揮しまくり、ひたすら延期を繰り返して開催すら出来なかった企画。

そして最終的には「もういつまで経っても天気がよくなる気がしない。雪も溶けちゃったし来年まで延期だ。」という、まだ3月にしてまさかの「越年延期宣言」が炸裂。

今年はもうそのままお蔵入りが濃厚の企画だった。


それでも滑り込みでなんとか「おっさん3名、少年3名」という野郎だらけが集結。

マゾ親子・ビビるS親子・アゴ割れ親子の計6人。

本来の企画とは大きくスケールダウンしたが、来年に向けての下見だと言う事で無理矢理開催。

アゴ割れMの復活祭としては、あまりにもスケールの小さいお鍋大会。

彼の復活を静かに祝う、ささやかな初春の小マゾ企画だ。


最近ハードな記事が続いたんで、今回は箸休め的な平和記録。

おっさんと少年が奏でる、爽やかな休日風景を召し上がれ。


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集合一発目。

早くも我が息子りんたろくんが動いた。


みんなと合流するなり、父が買ってやったお菓子を一本も食う事なく路上にぶちまけているではないか。

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スティックビスケットをチョコに浸けて砂糖粉を振りかけて食べるお菓子だが、もはや砂糖粉の生存者は絶望的な状況。

父にダダをこねてまで買ってもらったお菓子の自損行為に、早くも4歳児のテンションが急降下。


昔から彼はベビースターをぶちまけては父に回収させて来たが、何も成長していない。

己を追い込むマゾスタートダッシュの早さは父譲り。

さすがは我が息子である。


一方、父は父でガスコンロやら鍋やらスノーシューやら水やらを積み込んだ、ヘビーベビーキャリアを背にニヤリとしている。

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所詮はベビーをキャリーするザックなので、肩へのめり込みっぷりが心地よい。


そして前方から絶倫オーラをまき散らしながらを歩くは、久々に登場したアゴ割れMの後ろ姿。

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彼は去年の夏、他のメンバーと同時にテントと大型ザックを購入したが、ついにそれを一度も使う事なくシーズンを終えてしまった地味なまさかを展開した男。

この度、やっと彼のこの70Lのザックが思いがけない形でデビューする事になった。

その大型ザックの中身は、本来の使い方に反した大量の「食材」だらけ。

そしてサイドポケットには、実に男らしいマウンテンギアが装着されている。

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凄く渋い表情をしているが、どうも彼はザックの使い方を間違っている気がしてならない。

彼のザックを開発したウェイン・グレゴリー氏も、まさか自分のザックが遠い異国の地でこのように使わる事になろうとは夢にも思っていなかった事だろう。


こうして新品ザックを早くもネギ臭くしていく男。

しかも彼の新品ザックの中には、いつ割れてもおかしくない「生卵」が4つも入っているというスリリングな状況。

さすがはチーム・マサカズのマスコットキャラクター。

やっとこのブログに、絵になる男が帰って来たのだ。


こうして僕とりんたろくん、ビビるSと彼の息子のTKT、そしてネギ男とその息子のJくんの6人でロープウェイ乗り場へ。

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いつもならグッハグッハと子供を担いで登るんだが、嫁から「りんちゃん連れて雪がある山に登ったら殺す」と言われているので、ここは生きるためにロープウェイなのです。

物足りないけど、雪山で一番致死率が高いのは雪崩や吹雪よりも嫁だから仕方がない事です。


そうは言っても、子供にとっては楽しいロープウェイ。

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カモシカもお立ち台に立ってサービスタイム中。

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これには結構コーフンする大人達。

しかし意外なほどに子供達のテンションは低い。

アゴ割れおじさんが笑顔でTKTに絡んで行くが、TKTは頑に目を合わせようとしない。

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やはり子供がこのギラギラ40男の熱量を受け止めるには、少々時間が必要なようだ。


しかしやはりそこは子供。

山頂台地に着くとたちまちテンションが上がり、各々が雪めがけて嬉々として突っ込んで行く。

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それぞれが自由に動き回り、全く先に進んで行かない牛歩タイムがスタート。

そう簡単に打ち解けない少年同士、各自バラバラの方を向いて統一性ゼロの自由行動。

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本日はお母さんとか女の子がいないから、野郎どもは黙々と己のしたい事に没頭。

この男なぞは、出発前「お父さん。今日はわかいオンナはいるの?」と堂々と聞いて来たほどだ。

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基本的に男と言う生き物は、女性がいないと途端に手を抜いて協調性が無くなる生き物。

確かにお父さんも男子校時代、男だらけの体育大会では20%以上の力を出した記憶が無い。

アピールするポイントが無い以上、男はその牙を隠して力を温存するのである。



やがてちびっ子ゲレンデでひとしきりソリ遊びを満喫し、お鍋ポイントを目指して移動開始。

僕も久しぶりにりんたろくんと合体。

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最近では担ぐ度に「ああ、これがりんたろくんを背負う最後かもしれない」と感慨深いキモチになる。

そもそも対象限界年齢が3才までと書いてあったこのベビーキャリアだが、すでにりんたろくんは4才8ヶ月。

物持ちが良いにも程があるが、いつまで彼は「ベビー」でいるつもりなのだろうか?

そろそろ卒業させないといけないけど、まだ担いでいたいという父親としての感情もあったりと複雑だ。


一方で、2才という現役バリバリのTKTを担ぐ中尾彬。

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しばらく見ぬ間にまたしても恰幅が良くなって、今にも「おい、志乃」と言い出しそうな雰囲気。

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それでも彼は最近ついに「アイゼン」という名の悪魔の道具に手を出して、鈴鹿の雪山を攻め始めている。

来シーズンの雪山部入りが内定しているだけに、なんとか酒を控えて顔の破裂を防いで欲しい所。

彬から再びビビる大木レベルまで絞れた時、彼の雪山人生は華々しくスタートする事だろう。


そしてやはり絵になるこの男。

まるで借金を苦に夜逃げするホルモン屋の店主が、取り立て屋に発見されてしまった時のようなこの表情。

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もしくは家出中に、ふいに持病のイボがケツからひょっこり顔を出してしまったか時のような表情だ。

久々の登場だったが、やはり彼の絵的な安定感には唸るものがある。


そしてそんな彼の息子は、今回「スノーシューができる」と聞いて参加を決めたらしい。

しかし延期しまくったこの企画のせいで、もう御在所岳山頂には新雪なんて存在しない。

それでも一応僕のスノーシューを履かせて歩かせてみるが、ハッキリ言って彼は相当に歩きづらかったはずだ。

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Jくんの顔にほとんど笑顔がなかった事から、「スノーシューってどこが面白いんだ?」という心の声が伺える。

かつて彼の父のアゴ割れMが、真っ白な展望台で「なんかさ、感動が欲しい」という名言を吐いた事があった事を思い出させる表情だった。

それでも子供思いの夜逃げ男が、後方から「Jくん、いいぞ!いい感じだ!」と我が子をヨイショしている。

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しかしそれも空しく無視される夜逃げ男。

男の子は大きくなると中々親に手厳しいようだ。


やがて比較的風が落ち着いていた、通路脇の広場を鍋パポイントに指定。

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そしてアゴ割れMが担いで来た卵が割れてない事を確認。

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僕としては思わず「チッ」という舌打ちが出てしまったが、とりあえず彼のザックは卵との勝負に勝ったのだ。


そしていそいそと調理開始。

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女性がおらず、色んな事に無頓着なメンバーによる男鍋。

まな板なんていうオシャレな物は持って来てないので、力任せに食材直投入。

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見栄えなんて気にしない。

所詮、腹に入ればみんなゲロ。

男は細かい事を気にしてはいけない。

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調理時間およそ3分。

守るものがあるから、攻められる。

俺。父。俺。

これが我々の「ボクシー鍋」だ。


全てをやりきって、早速ノンアルビールで満足の乾杯。

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ビビるSに至っては、早くも魔貫光殺砲のポーズでやる気満々。


そしてその頃には子供達同士もやっと心を通わせ始めている。

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リトル・チーム・マサカズたちの最初の一歩。

今後彼らが父親達のように同じマゾの道を歩んで行くかは不明だが、20年後とかにどうなっているかは興味津々だ。


やがて「鍋なんて食材入れて放っておけば出来るもの」と信じる男達は、各々遊び出す。

りんたろくんがJくんにかめはめ波を放とうとする背後から、イボ痔おじさんが狙っている。

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そしてイボ痔おじさんは自分のイボをちぎって投げ、感染を恐れて逃げ惑う子供達。

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実に心温まる光景。

たまにはこんな休日もいいな、と思うマゾ父さん。


しかし、いつまで経っても沸騰する予感すら感じさせない鍋。

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ある程度予想はしていたが、やはり家庭用カセットコンロでは火力がスペシャルに弱すぎるのだ。

このままでは食材を水に浸しただけの「生野菜パーリー」になってしまう。


今この場に女性陣がいたら、間違いなく我々はノーガードで非難の雨を食らう事になっただろう。

だが、このようなハプニングに慣れている男は準備も抜かりない。

念のために、一応バーナーも持参して来ていたのだ。

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しかし彼のしたり顔も束の間、あまりの安定感の悪さにその場を動けなくなってしまうというプチマゾ。

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そしてこの頃から風が吹き出し、しめじの袋やらビニール袋が乱舞。

瞬く間にあわあわと余裕が無くなってオロオロし始めるマゾ父。


こんな時こそ息子に助けて欲しい所。

しかし自由人の彼は、律儀に靴を脱いで日当りの良い岩場でマッタリしている。

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助ける気がさらさらないばかりか「お父さんがマゾッてる。邪魔しちゃいけない。」と彼なりの親孝行。


やがて煮えてるのか煮えてないのかよく分からない状態の、鍋料理らしき物が完成した。

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見た目にこだわらず「腹に入ればみんなゲロ」と言い張ったが、腹に入る前から嘔吐物感が素晴らしい。

かき混ぜ過ぎて餃子がバラバラになっているのが、そこにより美しい彩りを添えている。

まあとりあえず豚肉が茶色になってるから問題ないだろう。


早速配給にむさぼりつく労働者達。

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なぜだろうか?

道ばたで妙な鍋を食わされてる彼らの姿がなんだか不憫に見えて来るのは?

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今回は平和的な行事のつもりだったが、不思議と漂うこの「避難中」な雰囲気。

そして「食事中に無駄な会話はしない」という男らしい重たい空気が現場に張りつめていく。

ここに来て風も出て寒くなって来て、子供達も口数が少ない。

なんだか鍋料理が全体的に「ぬるい」という所も気になる所。


これぞ野郎だらけのお鍋大会。

女性がいないと、必然的に「吉牛」的な現場になってしまうのである。



やがてボクシー鍋を堪能した男達。

目的を達成し、静かに山頂に向けて動き出す。

もちろんアゴ割れMの新品ザックには、新たに「ゴミ袋」というアイテムが追加され、彼も得意のエクスタシー顔で満足げだ。

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しかもなぜ両手でこのように鍋を持つ事になったのか?

それはあんなに苦労して運んで来た卵を使いそびれ、仕方なく鍋に入れて安全に持ち帰ろうとしているからである。

一体我々は、何のためにここまで卵を運んで来たのだろうか?


そしてその状態のまま急登階段に突入して行く事になり、彼のエクスタシー顔が止まらない。

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後方から迫り来るエクスタシー鍋男と、早くも先ほどのボクシー鍋をリバースしそうな表情の中尾彬。

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平和な行事が一転、ここは一体何の会場なんだ?


だがそんな状態でも彼らは無事に御在所岳山頂に到達。

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もうエクスタシーが行き過ぎたアゴ割れMは、随分とスッキリした顔に。

まるで整形直後のマイケルジャクソンのような表情だ。

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これにて全ての行事が終了。

アゴ割れMの御在所マイケルを堪能した我々は、そそくさと元来た道を戻って行く。

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なんだかよく分からない行事だったが、結構満足している。

もう二度とボクシー鍋が登場する事は無いかもしれないが、子供達のためにもこのような平和行事をもっと入れて行こう。

でも実際子供達が一番盛り上がっていたのは、ロープウェイの売店にあったおもちゃコーナーだったりする。

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まあいいさ。

こうして徐々に子供達とアウトドアの距離を縮めて行けばいいのさ。


しかしおかしな方向で距離を縮めているりんたろくんとTKT。

野郎同士のアツい友情と言うより、もはや愛情が芽生えてしまっているではないか。

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しかもりんたろくんの一方的な愛。

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確かに「野郎だらけのお鍋大会」と言ったが、お前がおなべになってどうする。


最近ウルトラマンよりもプリキュアやお花図鑑が好きになって来たりんたろくん。

そして好きな色は「ピンク」と言い出している。

若干お父さんは心配である。



その後はビビるS親子と別れ、アゴ割れM親子と温泉へ。

何気なく寄った温泉が、大人料金「1,680円」というまさかに見舞われたが時間もなかったから渋々ご入場。

そこでアゴ割れMは何故かりんたろくんに、おもいっきり乳毛を抜かれていた。

突然乳毛を抜くりんたろくんも問題があるが、その毛が15cmくらいあったアゴ割れMにも問題がある。



こうして「野郎だらけのお鍋大会」は無事終了。

来年のための下見で行った行事だったが、来年この行事が開催されるかどうかは非常に怪しい所。

そして今後のりんたろくんとTKTの仲も怪しい所。

もちろんアゴ割れMの乳毛の状況も気になる所だ。


たまにはこのような平和な親子行事も良いものだ。

あとは次回のボクシーのCMオファーが来るのを待つばかり。

反町から瑛太を経て、やがてチーム・マサカズへ渡るバトン。


我々はいつでも準備はできている。



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