ちょい旅

爆発大移動の旅8〜上高地後編/そして育児へ〜

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現在地、上高地最深部、横尾。

トレッキング野郎達の最終地点であり、登山野郎達の出発の場。

ここまで3時間の道程と、蓄積された旅の疲れがどっと溢れ出てる。



さあ、ここから折り返しの3時間。

この旅を締めくくるウィニングロード。

旅する育児お父さんの最後の踏ん張りだ。



と言っても、元来た道を戻るわけだから特記事項は特になし。

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相変わらず美しいんだけど、行きと帰りが同じだとちょっと気分的にへこむよね。

行きは真新しい景色が次々現れて疲労も忘れるが、帰りは思い出したかのように蓄積疲労が体中をノックし始める。



やがて再び「桃源郷」徳沢に戻って来た。

そして、極上の芝生にてにマルタイ棒ラーメンを食す。

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やっぱ、ここいいわあ。

落ち着きすぎちゃって、ケツからアンカーを突き刺したみたいにその場から動けない。


旅も最後になって何なんだが、やっとこの時点で「ちょっと、無理しすぎちゃったなぁ」と呟く。

毎度、気づくのが遅いのが僕のお家芸。

そしてこの場でグッタリと横になって、30分ばかし寝た。


これがドラクエなら仮眠を取ってHP全快といった所だが、もちろん僕はそんな超人ではない。

逆に気だるさポイントが上昇しただけだった。



すっかり重くなった体を引きずって、明神まで戻って来た。

実はここから橋を渡って行けば、行きと違う対岸ルートで行くことが出来る。

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その分距離は増えてしまうが、同じ景色を見るよりはマシだ。


でもしんどかったけど、実際こっちはこっちでまるで違う景色を見せてくれた。

やっぱり「急がばマゾれ」だ。



そこにあったのは穂高神社奥宮。

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この先に「明神池」という神秘的な池があるらしい。

神社は興味ないが、その池を見ておきたかった。


しかし、神に祈りに来たわけでもなのに「拝観料」300円を取られた。

清掃協力金とか、景観維持費ならまだしも、ちょっと納得いかんなあ。

昨日の地獄谷温泉の猿と言い、直前まで引きつけてお金を取るんだもんな。

まあ、払うけどもさ。



中に入って行くと、なるほどな美しさの池が出て来た。

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カヌー野郎の性か。

どうしてもこういう場所を見ると漕ぎたくなって来る。


そして二之池。

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いいねえ。

ロードオブザリングとかで出て来そうな場所だ。

今にも耳の尖った妖精が現れて微笑んでくれそうじゃないか。

まあ、家に帰れば角が尖ったサディスティックな女ゴブリンが怒って待っているんだけどね。



池を堪能したので、道に戻って再び歩いて行く。

やがて道は木道となり、美しすぎる小川沿いを歩いて行く。

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細い道だから牛歩なシニアグループがいるとつっかえるけど、すごくいい雰囲気だ。

小川、奇麗すぎるぞ。


ここでカヌー浮かべられたら、感動で脱糞するな。

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ああ、やっぱり回り道して来て良かった。

しんどいけど、今日は人並みに楽しんでるなあ。

いいぞ、いいぞ。



なんて、幸せな気分に浸っていたら不思議な現象が。

さっきまであれ程の快晴だったのが、たちまち空と景色がお馴染みのグレイッシュな光景になっていく。

そして僕は瞬く間に、快晴の世界から突き放された。

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しまった。

少々浮かれすぎてしまったようだ。


マゾはマゾなりに、眉間にシワ寄せて苦渋の表情を浮かべていなければいけなかった。

せっかく神様が晴天のご褒美をくれたのに、僕みたいな人間が人並みに楽しんでしまったのが癪に障ったのか?

それとも、拝観料300円にケチをつけた僕に対する制裁なのか?


やがてポツリポツリと何やら冷たいものがホホに当たる。

そんな、馬鹿な。

あんなにも快晴だったじゃないか。

とてもじゃないが、僕はそれを雨だって認めることが出来ない。




いよいよ旅のフィナーレだというのに、すっかりへこんできた。

歩き続けで、疲労ももはやピークを越えている。

雨は本降りではないが、小雨がポツポツと僕の心を濡らして行く。


かっぱ橋に辿り着いた頃には、すっかり黒々とした世界に変わっていた。

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ちなみに数時間前のこの場所の写真はこれだ。↓

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劇的すぎるビフォー・アフター。

確かに僕は行きと帰りが同じだとつまらないとは言ったが、ここまで豹変してくれなくても良かったのに。



まあ、考えようによっては僕らしいフィナーレか。

旅の神も今回の旅の健闘を称えて、僕の相棒「雨雲」というスペシャルゲストを用意してくれたんだ。

彼らなりに、僕を喜ばそうと趣向を凝らしてくれたんだ。


さあ、彼らのサプライズを無駄にしてはいけない。

胸を張って雨に打たれて行け。

これは勝利のシャンパンパンファイトだ。


こうして僕は上高地バスターミナルへ凱旋。

見事に、長かった爆発大移動の旅が完結した瞬間だ。


でも実は、まだちょっとだけ爆発の燃えかすが残っている。

家に帰るまでが旅なんです。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


移動は続く。

北アルプスを突っ切って高山市へ。

いよいよ岐阜に帰って来た。


そして何を思ったか、そのまま夜通し帰れば良いものを車中泊。

疲れていた事と、まだ帰りたくないという思いがそうさせてしまったようだ。


GWに休養日など必要ない。

フルに遊んで、そのまま仕事に突入して行くのがツウな過ごし方だ。


というわけで、おまけの延長戦。

高山の街並をMTBでポタリングだ。

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早朝という事もあって、ブラブラと宮川朝市へ。

高山と言ったら、まずここでしょう。

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よく考えてみたら移動や遊んでばっかりいたから、ろくにお土産を買っていない。

しかしこれだけ色んな所に行ったから、どこの土産を買えばいいんだろうかと悩んでいた。

そして出た結論が、結局最後におまけで立ち寄った「高山みやげ」で落ち着いてしまった。


会社にも持って行くが、「ああ、この人は高山に行って来たんだ」と単純に思われるだろう。

でも実際は、茨城・群馬・静岡・山梨・長野・岐阜と渡り歩いて来た末の「高山みやげ」。

他の高山みやげと一緒にしてもらっては困るのだ。


あとはもう、アホな顔して何も考える事無く街をプラプラ。

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高山の古い街並が、大自然から実生活に戻る為のいい潤滑油的な役を担ってくれた。

僕は少しづつ「日常」に体を順応させて行く。


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いやはや、いいポタリングでした。

別に何か楽しかったとかじゃなく、ただ何となく良かった。



さあ、これでもはや思い残す事なし。

我がGWに一片の悔いなし。


こうして僕は、家族が待つ家へと帰って行った。

そして再び長くて大変で、不眠で不自由で、最低で最高な育児の日々へ大突入だ。


しかしリフレッシュ休暇だったはずだが、疲労の蓄積っぷりが尋常じゃない。

でも、おかげで心はスッキリしました。


もうかなり過去の事ですが、嫁にはこの場を借りて改めて感謝いたします。

と言っても、嫁がこのブログを見る事は無いですが。

悪口ばっかり書いてるから、とても見せられません。

もし見られたら、もれなく黄泉の国への大移動を余儀なくされることだろう。


まあ、せめて気持ちだけでも届きますように。

そして、今年もGWに爆発させてもらえないでしょうか?

ダメでしょうか?



とりあえず、こんな感じの2010年のGW「爆発大移動の旅」でした。



この男。


絶対「家庭向きじゃない」と思うのは僕だけだろうか?




爆発大移動の旅 〜完〜

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