「四国なアイツ」の2回目一人カヌー旅の5日目。
前日の黒尊川からの続きで、今回は以前にも下った「四万十川」。
前日に平井堅との攻防戦を繰り広げた川原の朝からスタートです。
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口屋内沈下橋川原にて5時起床。
明日徳島の穴吹川を下る事は決めていたので、今日一日を移動日に充てるか四万十を下るか迷いつつ朝食を済ませる。
思いのほか天気は快晴だし、川の流れもだいぶ落ち着いてきてる。
タイミングよくバスが口屋内に来る時間だったので、強行軍覚悟で四万十川を下る事にした。
車をそのまま口屋内に停めておき、折り畳んだカヌー担いでバス停へ。
その時、地元の中学生2人組と会ったら実に気持ちのいい「おはよう」の挨拶をしてくる。
以前来た時も、すれ違う小学生達の言わされてない挨拶には感動したものだが、それを今回も再確認できた感じだ。
なんだか、色んな事がいちいち気持ちに「ほっこり感」を与えてくれる川だ。
昨日のKen’sBarな夜は別として…。
バスに乗り込みスタート地点の江川崎まで移動する。
バスの中は地元民とカヌー野郎たちが入り乱れていた。
僕の隣にいた人と話すと、その人は昨日江川崎から中村まで一人で下った人で、カヌーの話で大いに盛り上がった。
話の途中で後ろの席の地元のおばあちゃんも「昔はこん川はもっと奇麗じゃったきに」と参戦してくる。
途中下車する人も僕らの話を聞いてたらしくいちいち話しかけてくれて大変楽しい移動だった。
僕はこうした温かな感じを求めて旅してるのかな。
スタート地点に到着してカヌーを膨らませていると、同時に隣で夫婦がカヌーを膨らませていた。
その旦那さんとまたもカヌー話に花を咲かせてしまった。
この川では普段あまり会う事が無い「同族」な人達が沢山いるから、ついつい話し込んでしまう。
その人もユ-コン川を一人で下った人で、上陸して野グソしてる最中に船が流されてしまったらしい。
そして、しばらくして流されてきたドイツ人に助けられたという実にエキサイティングな経歴を持った人だった。
やはり同族の人は変な人が多いようだ。
やがて僕は四万十川に漕ぎ出した。
増水している事もあり、しょっぱなに結構激しい瀬があって身が引き締まった。
でもその後は、景色ものんびりと雄大で気持ちがいい。
あんまり気持ちいいのでもう漕ぐのをやめて、カヌーで横になってゆらゆらと流されて行った。
四万十川は川幅も広く、水量豊富で流れもそこそこ早いから、漕がずにのんびりするのが一番良い下り方だ。
静かにゆっくりと流れて行く時間。
例え川が濁っていても、やはり晴れた日のカヌーツーリングは何物にも替えられない愉悦に満ち満ちている。
途中で観光客が体験カヌーをやっていた。
思えば二十前半の頃に四万十川でやった体験カヌーが、僕の初めてのカヌー経験だったことを思い出す。
随分僕も変わったもんだと感慨深く眺めてた。
まさかその先、一人でそこら中の川を下るような人間になって、挙げ句ユーコンまで下る人生が待っているなんて思っても見なかった。
やがて快適なツーリングが終わり、口屋内にゴール。
やっぱり下って良かった。
いつ下っても、四万十川はやっぱり文句なく良い。
川が濁ってても、良いものは良いのだ。
今度来るときは、がっつりとカヌーにキャンプ道具積み込んで長期ツーリングしてみたいもんだ。
さあ、強行軍のスタートだ。
一気に徳島の穴吹川に向かって大移動だ。
途中の偶然寄った海岸で、面白いイベントに出くわした。
実は前から一度行ってみたかったが、どこでやってるか知らなかったTシャツアート展だった。
ビーチに何百枚ものTシャツが展示してあり、それぞれに個性的なデザインがプリントされている。
なんだかとてもいい気分。
偶然こういうのに出くわすと、旅の気分がグッと高まるね。
その後も海の見えるマイナーな温泉などに寄り道しながら、延々と移動は続く。
やがて、やっとこさ穴吹川のゴール地点の川原に到着してキャンプ。
かなり疲れたが、天気も気分も大変よろしい一日だった。
明日は最も楽しみにしていた穴吹川だ。
四国一の清流との呼び声高き名川中の名川。
僕はぼけーっと焚き火を眺めながら、酒を飲んで眠りについた。
〜穴吹川編へつづく〜
良いものは良いんです〜四万十川編〜
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MATATABI BASE
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