気田川/静岡

マイ・スウィート・ホーム

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「あん時のアイツ」シリーズ第7弾。

今回も軽く静岡県のオツな川を紹介しておこう。

天竜川の支流の「気田川」(けたがわ)だ。


この川は僕にとってみると、言わば「ホームリバー」。

結構行くのに時間はかかるんだけど、多分一番多く下った川だろう。

その割にはたいした写真が撮れていないのが残念だが、実に奇麗な川なんです。

水はまさにクリアブルーで素晴らしき透明度。

川からの眺めも、山深いけど懐の広い雰囲気が味わえる。

鮎釣りも盛んだから、実質下れるのは解禁前と秋以降なのが残念だけど。


まあ今回は軽い紹介でとどめておいて、次回行った時に奇麗な写真とともに詳しく紹介したい。

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なんだかとても雰囲気がのんびりとしてて、ここに来ると「我が家」に帰って来た感じがする。

この「我が家」にはドSな嫁もいないし、マスオさんの僕でも気を使う事なく羽を伸ばせるのだ。

夜泣きもないし、飼い犬にも吠えられない僕だけのスウィートホーム。

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一度ガッツリと雨が降るとしばらくは濁ってしまうんだけど、ベストな時に行けば最高にクリアな水質を楽しめる。

もっとキレイでいい淵が沢山あるんだけど、何故か写真が残ってない。

今回の写真の数倍は美しいと思ってほしい。


キレイなだけじゃなく、結構適度に瀬もあって楽しい川だ。

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悪質な瀬ではないんだけど、結構クランクカーブが多いからお気をつけて。


山間部の区間では、とてもいい気分で下っていける。

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流れもそこそこあるから、水の上を滑っていくような感覚だ。

カヌーの影が川底に映り、ビュンビュンと石が後方にに飛んでいく。

空に浮かんでる感じが味わえるのよ。

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もうとにかく天気が良くて水質がパーフェクトな日には、腰がガクガクする程最高なカヌーツーリングが出来る。

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しかしひとたび雨が降り増水すると、一気に違う顔になる。

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凄まじいスピードと次々現れる瀬で、アドレナリンが全身の毛穴から噴出する。

こういう時は、「嫁の瀬」に匹敵する勢いの波が僕を激しく襲う。

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そして僕らはいつも敗退する。

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何度この惨めな思いを経験しただろう。

先ほど僕は「天気が良くて水質がパーフェクトな日には、腰がガクガクする程最高なカヌーツーリングが出来る」などと自慢げに書いていたが、実は僕の行く大半がこんな光景が展開される。

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お得意の「こんなはずじゃなかったのに…。」という名ゼリフはこの川で誕生したのかもしれない。

ここに写っている白いジャケットを着た男は、その数年後でも同じポージングで同じセリフを何度も口にする事になる。

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ここで、この轟沈をかましてなおマゾ的な微笑みをかます男を紹介しておこう。

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今後あん時のアイツシリーズで恐らく幾度となく登場するであろう男。山田(仮)だ。

学生の頃の彼の夢は「皇族に婿入りする」という大きな夢を持った男。

僕が独身時代に、最も多くカヌーパートナーを組んだ男だ。

一時毎週のように山田(仮)と遊んでいたので、ホモ説まで浮上した程だ。

「よく出てくるこいつは何者だ?」という思いを抱いていた方。この人は山田です。


僕が結婚して、中々一緒に遊ぶ機会が少なくなった。

最近彼に会うと、僕は嫉妬心に支配される。

独身を貫く彼の姿が、輝いて見えるからだ。

紀宮さまも結婚してしまったし、彼の結婚は愛子さまの成長を待つ他ないだろう。

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話がそれてしまったので、気田川の話題に戻る。

この川の魅力は、水の奇麗さや、景色の寛容さのみならず、その川原にも凝縮されている。

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もうどの場所でも一流ホテル並み(カヌー野郎視点)のテント泊が約束されている。

広いし、砂利も平らだし、何より豊富な流木が男の魂を揺さぶってならない。

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この川でメシを食うのに、ガスストーブなどは必要ない。

飯を作るも良し、暖をとるのも良し、バーボン片手に己に陶酔するのも良しだ。

もちろん男同士で熱く語り合うも良し、女に告白して結婚して養子に入って罵倒されるも良しだ。

この川の焚き火は全てを受け入れてくれる。

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しかし、焼き芋には注意したい。

一度その場から離れた隙に、何者かに盗まれた事もある。

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川原にいると、ふらふらと地元のおっさん達が来る事もある。

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いい川のそばに住む人は、ちゃんとその川を愛している人達ばかりだ。

色々と面白い話が聞けたりする。

僕のケツもプリケツになって食い込んでセクシーだ。

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天気がいい穏やかな日は、もうカヌーなんてそこそこで終わらせて川原でのんびりするのもオツな男の作法だ。

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本読んだり、昼寝したり。

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ホームリバーならではの贅沢な時間。

ほんと、大好きな川だよ、気田川。

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でも今は岐阜に引っ越してしまったせいで、随分遠い川になってしまった。

しばらく行ってないが、来シーズンこそは再び帰りたい。

川だけど、ふるさとがある事はいいことだ。

嫁と喧嘩したら、「実家に帰らせてもらいます」と吐き捨てて、僕は車にカヌー積んでこの川に帰るだろう。

きっと優しく迎えてくれるはずだ。

そしてその時は山田も一緒だ。

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