天狗岳/長野

浮かれ天狗の大行進〜キタヤツオシャレイズム〜

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いいんですか?

いいんです。

たまには浮かれていいんです。



そう。

ここは浮かれの殿堂「北八ヶ岳」。

全国の浮かれた輩が集まる「爽やか」の聖地。

誰もがランドネ的な笑顔で包まれ、思わずガーリーな気持ちに浸ってしまう魔性のエリアだ。


荒くれた野郎どもが眉間にしわを寄せ、黙々と己のマゾと向き合う厳冬期南アとは真逆の世界。

基本的に「山はSMの館」と勘違いしてしまった僕に対し、「実は山って楽しいんだよ。空って青いんだよ。景色って目で見えるもんなんだよ。」と思い出させてくれる奇跡の王国。

ここでは誰もが男の牙を抜かれ、思わずキャピキャピとカフェオレなぞを飲んでしまいがちな去勢の館。

それが冬季北八ヶ岳なのである。


僕はそんな世界にずっと憧れていた。

しかしいつも厳冬期には、北八ヶ岳以外のマゾい世界に吸い込まれがち。

その原因は、常に側に死神ランボーNと追込ジョンボーAがいたからだ。

本来は先週末、その二人と低血圧Mちゃんの4人で、ジョウゴ沢から硫黄岳に向けてアイスクライミングで駆けマゾる予定だった。


しかしランボー一家の「家庭内インフルエンザパンデミック」で中止が決定(もちろんランボーだけは感染していない)。

そしてその翌週はジョンボーAの都合が合わず、山に行けるのが僕と低血圧Mちゃんの二人だけに。

こうして武闘派の二人がいなくなった事により、僕の中で「北八ヶ岳に行ける」「普通の登山ができる」「浮かれるチャンスだ」と、念願の厳冬期脱マゾ宣言が炸裂。

普通の人々が楽しんでいるとされる、普通の雪山登山を今こそ存分に味わい尽くすのである。


そんな天狗岳での、いい気になった天狗兄妹の浮かれ登山。

いつものように、人のマゾ見て喜びに浸るのが目的な人間はここで立ち去るがよい。

たまに飴がないと、日常のムチには耐えられないのである。

たまには許して欲しいのである。


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登山口がある渋御殿湯に到達した二人の悪天候テロリスト。

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降水確率0%でも豪雨を降らせる兄と、常に霧に包まれる宿命を背負う妹の競演。

ついにこの迷惑な二人が、浮かれた北八ヶ岳に宣戦布告である。


しかし強いマイナス同士のこの二人だけだと、今まで結構ド快晴に恵まれて来た。

果たして天下の北八ヶ岳は、この二人の邪気をうまく融合してプラスに変える事はできるのか?


すると出発直後。

早くも「木漏れ日」というオシャレ攻撃に晒されてしまうフォグ女。

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いつもは真っ白な急登でしかニヤリとしない低血圧Mちゃんも、この見慣れない光には思わずニヤリ。

本日はいつもの「ネギ」ではなく、北八ヶ岳に相応しいオシャレ食材「バケット」を装着して来た甲斐があったようだ。


一方で、「アウトドアマンなのに日に焼けない男」でお馴染みの僕にも、燦々と日の光が降り注ぐ。

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慣れない光に思わず目が焼け砕ける所だったが、北八ヶ岳の森はそんな汚れた男すら優しく包み込む。


思わず僕から、「今日は噂に聞く“星空”ってやつが見れるんじゃないのか?」と強気な発言も飛び出す。

さすがは浮かれの殿堂北八ヶ岳。

浮かれ慣れてない者たちですら、早くもこの有様なのである。

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二人は「恐らく今日は我々の命日になるだろう。」と覚悟した。

そしてどうせ死ぬなら、心行くまでこの快晴を浮かれ尽くそうと誓い合う。


やがてそんな木漏れ日エリアを抜けると、シャレオツ山小屋の「黒百合ヒュッテ」が登場。

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僕の勝手なイメージだが、この小屋は青い空と爽やかな山ガールたちが似合うチャッピー空間。

正直このような場所には一生来る事がないと思っていた。


さあ、そんなチャッピー空間で、早速本日の寝床建設開始。

念願のMSR「ツインブラザーズ」の初現場張りの瞬間がやって来たのだ。


まずは整地。

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ひたすら雪を平らにならして行くが、なんせ2x4m分の広さなので地味にしんどい。

いつもなら突風が吹き荒れる中でやる羽目になって、中にはテントを飛ばされる奴もいる中での厳しいマゾ作業。

でも今日は燦々と降り注ぐ太陽の下でのチャッピー整地。

苦もなく設営完了なのである。

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そして中はご覧の広々空間。

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悪天候ブラザーズinツインブラザーズ。

二人だけで使うにはあまりにもオーバースペックな余計空間。

これは確かに4人寝れるし、うまく穴を掘れば8人くらいでの宴会も余裕で可能である。

ただどうしてもテストしたかったから重いの我慢して持って来たが、おっさん的にはせっかくガールと二人なんだからもっとキュンキュンに狭いテントにすればよかったと軽く後悔である。


さあ、ベースキャンプが完成したのでいざ出発の時。

天狗岳は明日の朝にアタックなので、本日は逆方面の「中山展望台」を目指す。

いつもなら「展望台」と名のつく所で何かを展望出来た事が無いが、さすがに今日は夢が見れそうだ。


しかし出発準備完了と共に、何やら頭上に重たい気配が。

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さっきまで雲一つなかった青空が、随分ホワイティーに浸食されていると感じるのは気のせいか?

二人は「きっと気のせいだよ」とこわばった顔で言い合い、空を見なかった事にして夢の展望台に向けて足を進めて行く。


ちなみに二人しかいないから、今回の記事は必然的に低血圧Mちゃん写真集的な感じになって行く。

しかもここからはどうしても、「覆面テロリストアイドルの個人撮影会」というニッチ感がつきまとってしまう事をご了承いただきたい。

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この状態でピッケルを持って無言で背後に立たれると、若干身の危険すら感じてしまう。

かなりマニア向けのグラビア写真集と言えるだろう。


そんなテロドルとともに中山峠を越えて行くと、やがて後方には明日行く予定の東天狗岳の姿。

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一応その姿は見えるが、全体的に色彩から青が消えているように感じる。

だがそれもまた見なかった事にし、展望台からの大展望に向けてその足を進める。


まずは「中山(2.496m)」の頂上に到達。

わざわざ来た甲斐があった、実に華やかな山頂である。

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地元の低山感溢れる、実に味気ない山頂。

しかし目的はここではない。

この先にある中山展望台。

そこは絶景とスノーモンスターが織りなす天上の楽園。

燦々と降り注ぐ太陽と爽やかなそよ風が頬をなでる、絶景の展望ワールドだったのである。



GoProのハウジングのせいで音声が縮小されちゃってるが、実際の現場の暴風音はケルベロスの雄叫びのようだった。

そんなステキな楽園で、オシャレな白をバックにパシャリ。

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どうかこの二人に教えてやって欲しい。

この世にちゃんと何かを展望出来る展望台って本当に存在するのでしょうか?

低血圧Mちゃんに至っては、もはや展望方向に背を向けて、妄想力だけで絶景を楽しんでいる始末。

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ゴーグルの奥にきらりと光るは夢の跡。



やがて失意の中、再び黒百合ヒュッテのテント場へ帰還。

あれ程チャッピーでシャレオツだった空間は、いつもの見慣れた世界観へ。

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もちろん先ほどからの風は勢いを増して、元気にツインブラザーズに襲いかかっている。

風に弱いこの双子兄弟を守るため、悪天候兄妹は必至で耐風用の雪壁製作に勤しむ。

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またお馴染みの「シベリア強制労働」の一コマに。

やがてついには「吹雪」となる過酷な現場に。

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強制労働のせいで痛む腰と、吹雪で冷えて行く我が身をガタガタ抑えながら僕は言う。

「誰だ…?今夜は星空が見えるかもしれないなんて言ってた野郎は…」と。

数時間前までこんなに浮かれてたのに。↓

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今回もダメなのか。

低血圧Mちゃんに至ってはショックで気が触れたのか、スコップで空を飛ぼうとしているではないか。(実際は道を作っている)

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突如吹雪の中に現れた「マゾの宅急便」。

彼女が届けるのはいつも霧と絶望。

とりあえず本日運悪くこの場に居合わせた他の登山者に、一人ずつ謝って回りたい気持ちで一杯です。


ひとまず雪壁も完成し、僕は凍傷寸前の足先をどうにかするべく秘密兵器を取り出す。

それがこのAmazonで買ったホットクリーム(塗るカイロ)。

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トウガラシエキスの4倍の持続力を誇り、暖かさは4時間も持続するというこの一品。

しかしこれが驚くほど「効果ゼロ」の名品だったのである。

ほんのりとすら暖かくならないというまさか。

むしろこれを塗るために裸足になって、冷たいクリームを塗ったせいで余計に足先が冷えてしまった。

現地で自ら無駄なマゾに埋没するため、このように私は日々余計な散財を行っているのである。


さあ、こうなったらもう宴会に全力を傾けるしかない。

今この北八ヶ岳にいる人の中で最も死に近い、極度の冷え性低体温コンビによる命がけの乾杯である。

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外が荒れてる以上、中の世界だけはチャッピーな感じでキャピキャピ行きたい。

ってことで、チーム・マサカズ料理長による久々のアヒージョが炸裂。

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そしてタンパク質強化月間の僕のために、尾張牛ステーキアタック。

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もうワインとウイスキーが進むこと進むこと。

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もちろんこれによって翌日は激しい二日酔いになるわけだが、そりゃあもう最高のディナー。

そして散々メシを作り、散々くっちゃべった結果どうなるか?

ツインブラザーズの中に、キラキラと念願の「星空」が広がったのである。

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このキラキラ光ってるのは、もちろん「凍った結露」。

それがシャンシャンシャンと雪となって我々に降り注ぐ。

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一見すると雰囲気抜群なメルヘンナイトに見えるが、極度の冷え性の二人にとっては生き地獄。

シェルターの中ですら雪を降らすとは、一体どこまで悪天候が好きなのか。

やはり北八ヶ岳は、拷問行為ですらオシャレなのである。


やがて小雪降る中、ひとつ屋根の下でご就寝。

なんだかそろそろ不倫疑惑が生じて「ゲスの極みおマゾとネッギーによる卒論の旅路」的な報道がなされそうだが、そんな事はないのでご安心を。

妙な誤解が生まれると人生を卒業させられてしまうので、そこはハッキリしておきますね。


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翌朝。

昨晩に続いて、アヒー女料理長による渾身のモーニングセット。

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いよいよ高まる北八ヶ岳らしさ。

もちろん食のお供はスウィートなカフェオレ。

これで外が晴れていた日には、我がティンコは枯れ果てて浮かれた山ガール路線一直線だ。


やがて外に出る二人。

すると低血圧Mちゃんの「ぎゃあああっっ!」という断末魔の叫び。

そして僕の「UUUURYYYYYYY!!!!!」というディオな絶叫。

そう。

二人の前には信じがたい光景が広がっていたのである。

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ド快晴ッッ!

いつもの「核戦争後の世界」じゃない!

この光景を見た途端、低血圧Mちゃんの目は潰れ、僕は砂となってサラサラとその場に崩れ去った。


昨日の今日だけに、正直好天なんて諦めていた二人はワナワナと震えるばかり。

僕は「これってまさかあの伝説のアイテム“サングラス”を使っても良いってことかな?浮かれて良いってことかな?」と何度も天に確認する。

半信半疑でうろたえが止まらない二人。

突然隕石とか落ちて来ないか警戒しながらも、なんとか二人は天狗岳に向けて出発した。

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快晴になっただけではなく、昨日の吹雪のおかげで森が白く染まっちゃって美しいのなんの。

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これだよこれ。

冬の北八ヶ岳はやっぱりこうでなくちゃ。


やがて稜線上に出ると、

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このようなマーベラスな世界が大展開。

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もはや脱糞を通り越して脱腸してしまう私。

東天狗岳の山頂と西天狗岳の山頂が一同に会し、まるでたわわな白いパイオツが横たわっているかのような奇跡。

これから向かう東天狗岳方面を拡大してみれば、大量の浮かれ登山者達が乳頭に向かって進撃中。

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いつもは我々のせいで迷惑を被る登山者の人達も、今日ばかりは我らを責める事はないだろう。


そして我々もその浮かれ乳頭進撃部隊の一員となり、その壮大な急登の中にその身を投じて行く。

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視線の先には青空に突き立つ天狗の乳首。

そこを乳輪に沿ってトラバース。

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やがて山頂にたむろする、全国から集まった我こそはという浮かれ天狗の群れを発見。

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ついに一生縁がないと思っていた、あの「勝ち組」の中に入れる時が来た。

もう他人のFacebookの快晴投稿を見て舌打ちをする日々にサヨウナラ。

今こそ声を大にして伝えたい。

「地球は青かった。」と。

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感無量の「元」悪天候兄妹だった二人。

視線の先は真っ白なキャンバスではなく、しっかりと広がる壮大な絵巻物語り。

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その先には、ヤツオリンピックの際にお世話になった赤岳さんの姿と阿弥陀岳の姿も。

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しかしまだまだ浮かれは止まらない。

勝ち組浮かれ天狗の大行進は、さらに本峰である西天狗岳に向かって進軍中。

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もちろん我らもそれに追随。

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ひょっとして昨日の晩に寒すぎて凍死したんじゃないかってぐらい、この天国過ぎる状況が信じられない。

今までフォグにまみれ続けて来た低血圧Mちゃんは天を見上げ、ゴーグルから涙がこぼれ落ちないようにするのに必死なご様子。

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脳裏に巡るは、今までの辛かった白い日々。

それでも涙をこらえ、二人は嗚咽まじりに北八ヶ岳最高峰の頂きを目指す。

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そしてついに山頂に到達だ!

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浮かれの殿堂北八ヶ岳のてっぺんで浮かれる二人。

頭上には遮るもののない青の嵐。

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まるで15年の長い地下牢獄生活から釈放されたかのようなこの開放感。

晴れ慣れしていない男は、すっかり「晴れ当たり」して立っている事も困難な様子。

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しかし何とか立ち上がって、全力で浮かれる。

「もう我々は悪天候人間ではない。」

こうしてすっかり天狗になってしまった二人。

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どうか今だけは温かい目で見てやって欲しい。

どうせこの鼻はすぐにへし折られるのだから。


こうしてセクシーな天狗の両パイオツを堪能した二人は、再び鞍部に降りて、

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別ルートでトラバース開始。

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やがてその先には、美しき樹氷という追加浮かれサービス。

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二人の浮かれ天狗の行進は止まらない。

帰りは「天狗の奥庭」と呼ばれるおへそ方面へと一気に下降。

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さらに大行進は続き、おへそから股間に向けて進撃。

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そしてその股間から見る大迫力の天狗のパイオツの姿がこれである。

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壮大なる白き女体盛り。

実に圧巻なる大迫力。

景色が美しくなればなるほど、我が文章力が毎度下品になって行くのはなぜなのか?


やがてそこから振り向けば、陰毛内に黒百合ヒュッテ発見。

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さあ、ここが最後の浮かれどころ。

浮かれ天狗の大行進の総仕上げ。

この急斜面を、一気にシリセードで急降下。

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溺れた人のようにドタバタと滑落して来る低血圧Mちゃん。

このドリフ的な見事なフィニッシュで、素晴らしすぎた浮かれ天狗達の大行進は完了。


そしてその後も、雨にも風にも霧にもやられることなく、浮かれたまま下山を完遂。

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初日こそ訳が分からなかったが、何やら久しぶりに正しい雪山登山をしてしまった気がする。

北八ヶ岳。

人をここまで浮かれさせ、堕落させてしまう魔性の王国。

やはり実に恐ろしい山域である。


まさにこれは束の間のマゾの休息。

軽く初日のフォグ&強風はなかった事にしているが、もうすでに我らは悪天候兄妹ではない。


しかし我々は知っている。


飴が甘ければ甘いほど


次回からのムチがしなりにしなる事を。





浮かれ天狗の大行進 〜完〜


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いやあ、浮かれましたねえ。

悪天候のジョウゴ沢が中止になってなかったらいつもの展開だったでしょうが、神様もランボー一家のインフルパンデミックまでは読めなかったようでモクモクが追いつかなかったんですね。


ってことで、おまとめ動画も北八ヶ岳らしく爽やかに。

今回の曲は、いつか浮かれた時に使ってやろうと温めていたNiceLittlePenguinsの「Flying」。

「I am flying.(浮かれちゃってるぜ)」の歌詞がピッタリですね。




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今回のお道具達

【上半身】
・ベース/ファイントラック「アクティブスキンロング」
・インナー/スマートウール「NTSミッド250クルー」
・腹巻き/アクシーズクイン「スソミ」
・ミドル/パタゴニア「R1」
・アウター/パタゴニア「ナノエア」
・ハードシェル/MHW「ドライステインジャケット」
・ビレイパーカ/パタゴニア「DASパーカ」

【下半身】
・ベース/ファイントラック「アクティブスキンロング」
・インナー/スマートウール「NTSミッド250ボトム」
・ミドル/マムート「ソフテックトラバースパンツ」
・オーバーパンツ/MHW「ヘスティアパンツ」
・防寒/ナンガ「スーパーライトダウンパンツ」

【足】
・ソックス/スマートウール「マウンテニアリング」
・インナーソックス/ファイントラック「スキンメッシュソックス」
・予備ソックス/フィッツ「エクスペディションブーツ」
・シューズ/ノースフェイス「ヴェルトS6K」
・スパッツ/ヘリテイジ「サガルマータロングスパッツ」
・防寒/ナンガ「テントシューズロング」
・防寒/モンベル「シンプルオーバーシューズ」

【頭部】
・キャップ/マーモット「ニット帽」
・バラクラバ/マーシャス「AIR SKINメタリックス・フード」
・ネックウォーマー/ibex「インディークイックリンク」
・サングラス/オークリー「ピットブル」
・ゴーグル/スミス「iOX」

【手】
・グローブ/ラボラトリズム「VBLグローブ」
・インナーグローブ/ミズノ「ブレスサーモインナーニットグラブ」
・予備グローブ/モンベル「オーバー+ライナー」

【ギア】
・トレッキングポール/ローカスギア「cp3」
・ヘッデン/ブラックダイヤモンド「ストーム」
・スコップ/bca「 B-1 EXT」
・アイゼン/グリベル「G12・ニューマチック」
・ピッケル/ブラックダイヤモンド「レイブンウィズグリップ65」

【ザック類】
・大型ザック/グレゴリー「トリコニ60」
・カメラバッグ/パーゴワークス「フォーカスL」
・GoProセルフィー入れ/ノースフェイス「TRポールホルスター」
・ダウン類圧縮/グラナイトギア「eVent シルコンプレッサー 」
・ゴミ袋/モンベル「O.D.ガベッジバッグ」
・エマージェンシーキット
・財布/スノーピーク「山財布」

【デジ物】
・GPS時計/スント「アンビット」
・一眼カメラ/ペンタックス「K30」+レリーズ
・三脚/ベルボン「キューブ」
・ウェアラブル/GoPro「HERO4silver」

【住】
・テント/MSR「ツインブラザーズ」
・ペグ1/MSR「ブリザードステイク×6」
・ペグ2/イーストン「ブラック12′×2」
・シート/ハイマウント「オールウェザーブランケット」
・マット1/サーマレスト「リッジレスト」
・マット2/サーマレスト「ネオエアーXサーモS」
・シュラフ/ナンガ「オーロラ900DX」
・ピロー/モンベル「U.L.コンフォートシステムピロー」
・チェア/サーマレスト「コンパックチェア」

【食】
・バーナー類は共同装備
・カップ/シートゥサミット「Xシリーズ×3」
・水筒/サーモス「FFX-900」
・ラーメン×2、行動食のパン
・ワイン、ウイスキー
・ワイン水筒/プラティパス「プラティプリザーブ」



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