2011年10月から始まった「鈴鹿セブン完全制覇」への道。
もはや忘れてしまった人も多いことだろう。
簡単に説明すると「鈴鹿セブン」とは三重県の鈴鹿山脈にそびえる7つの名峰の総称。
僕はこの7つの山をキン肉マンの「7人の悪魔超人」になぞらえて、ミートくんの体を取り戻すべく戦いを続けて来た。
キン肉マンを知らない人が読んだらさっぱり意味の分からないという、このブログの中でもひときわ異彩を放つシリーズだ。
そして僕は悪魔超人たちとの数々の名勝負を繰り広げ、去年末にいよいよ雨乞岳ことバッファローマンとの最終戦を迎えた。
そしてギリギリまでバッファローマンを追いつめたが、最終的には強烈な「ハリケーンミキサー」を食らって壮絶なる惨敗。
見事に鈴鹿セブン完全制覇に失敗し、ウォーズマンは死んでしまった。↓
この時のあまりにも悲惨すぎた惨敗の模様は、過去の記事を参考にしてもらいたい。(決戦前夜〜1000万vs13万の前哨戦〜、さよならウォーズマン〜雨乞岳前編〜、さよならウォーズマン〜雨乞岳後編〜)
今回はそんなウォーズマンの弔い合戦を兼ねた雨乞リベンジマッチ。
あの絶望の撤退戦から約半年。
今度こそ因縁のバッファローマンを蹴散らし、鈴鹿セブン完全制覇を成し遂げる。
随分とここまでに時間が経ってしまったが、待ってろよミートくん。
※先に断っておきますがキン肉マンを知らない人にはここで撤退をお勧めします。
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決戦の日。
前回は単独での戦いだったが、今回は助っ人超人たちを伴っての万全を期した最終戦だ。
まずは最強の助っ人超人、ホルモン強度1000万パワーのアゴ割れM。
出発前から「魚肉のどごしラリアット」をかまして、したり顔のアゴ割れネプチューンマン。
これほど頼もしい助っ人超人はいない。
そして今回、初登場の超人がいる。
画面右側でバズーカのような凶器を持って、充血した目でこちらに流し目を送る男。
実は彼は矢作Cのカメラ仲間で、何度かチーム・マサカズのイベントに参加しようとした過去がある。
その際の触れ込みは「強烈な晴れ男がいる」というものだった。
しかし彼が参加表明する度に登山当日がことごとく雨天中止に追い込まれるといった事態になり、それ以降僕から「詐称晴れ男」「粉飾晴れ男」という烙印を押されていた。
中止ばっかりでいつまでも僕と出会えなかったので、その「存在」すら疑問視されていた男。
そんな彼もやっとこの度、雨を降らす事無くこの晴れの舞台に参加することになったのだ。
この超人は「二日酔いで眼球を充血させて登場」という技で僕の前に姿を現した。
さらに「登山後にそのままテニスに行きます」という追いマゾ宣言。
またここにニュータイプの自己追い込み型のマゾ野郎が登場したようだ。
今後彼の事を「ワイン好きで首筋が弱点の充血眼球インテリ風テニスバズーカ雨男K」、略して「パパラッチK」と呼ぶ事にする。
そしてここに元祖従軍キャメラ超人「矢作C」と、生き急ぎ女超人「低血圧Mちゃん」が加わり、対バッファローマン戦に向けて万全のキャスティング。
もちろん今回も最強の助っ人超人りんたろくんを担いでの戦い。
りんたろくんとは鈴鹿セブン一発目の入道ヶ岳(ステカセキング戦)以来のタッグだ。
でも彼は助っ人と言うよりただの「重り」だから、彼が来ると僕の超人強度は20万パワー位にまで急降下する。
しかしその一方で、その重みで「マゾ場のくそ力」が発動されて僕のマゾ強度は軽く1000万パワーを越える。
これならバッファローマンとも対等に戦えるはずだ。
そして因縁の登山口へ。
前回は下山時にこの場所で、僕は真っ白に燃え尽きて灰と化したものだった。↓
あの時は鈴鹿スカイラインの凍結で、この「登山口」にまで辿り着くまでが相当な戦いだった。
それを思えば、今回は素直に登山口からスタートできるし雪山でもないから楽勝だろう。
やがてゴングが鳴り響き、ここに「正義マゾ超人軍団 VS バッファローマン」の戦いが始まった。
ここで最後尾にて、早くも新人超人が挨拶代わりのパパラッチ。
パパラッチKが、自慢のバズーカ砲で先制攻撃だ。
その佇まいは、ゲリラ戦線に突撃取材に来た戦場カメラマンのよう。
この驚異的望遠レンズにて、早くもバッファローマンの弱点を丸裸にしてやろうという作戦なのか。
しかしその「情報」と引き換えに、彼はこの「クソ重たいカメラ」を担いで行かねばならないというイバラの道を選んだのだ。
実に献身的なサポート超人。
これで僕も安心して戦えるというものだ。
一方で、バッファローマンも黙ってはいない。
早速僕の「まだ飲んでないヘルシアウォーター」に襲いかかって来た。
僕のショルダーベルトに取付けられていたヘルシアウォーターが、はずみで外れてなす術も無く谷底へ滑落。
「ああ、これで今回も脱水デスマッチに突入か…」と思ったその瞬間。
颯爽とホルモン超人が谷底へ向けて急降下した。
そして見事に僕のヘルシアウォーターを救い出した。
脱水デスマッチで試合を有利に進めようとした試合巧者のバッファローマンだったが、そうはさせじと弾けるホルモン。
まるで谷底からミートくんの腰を持ち帰って来た時のテリーマンのようだ。
なんて頼もしい超人だろう。
しかし試合は一進一退の攻防戦。
次にバッファローマンは、我々の弱点「りんたろくん」に目を付けた。
この時期とは思えない寒さがりんたろくんを襲う。
たちまち彼は「さむい、さむい」と訴え出す。
このままでは強制撤退を余儀なくされ、我々のリングアウト負けは必至だ。
すかさずここでピットイン。
我々は総出でりんたろくんの防寒対策に乗り出した。
こんな時のためにお小遣いをはたいて買った防風防水の子供用モンベルアウター上下を着せて、バッファローマンの姑息な攻撃をシャットアウト。
前回のウォーズマンの死を無駄にしない、万全の準備態勢がことごとく功を奏している。
ここからはガップリ四つの攻防戦。
アップダウンを繰り返す根気勝負のロングコース。
非常に地味な戦いだが、今回も低血圧Mちゃんは軽々と乗り越えて行く。
何と言っても彼女はこの1週間くらい前、生き急ぐあまりに単独で雪の残る北アルプスの涸沢に行って来たばかり。
言ってみれば「キン肉星王位継承戦」帰りの彼女にとっては、もはやバッファローマンは敵ではないのだ。
聞けば彼女は涸沢に向かう途中、そこにいた外人の超人に「This Road.Easy!Easy!」と言われて安心して突き進んだ挙げ句、雪渓のクレバスに足を突っ込んで大変な目に遭ったという。
恐らくその外人は「Deth Road.Crazy!Crazy!」言ったんだろうが、彼女は生き急ぐあまり聞き間違えてしまったんだろう。
そんな激戦後の彼女なので、バッファローマンの仕掛ける難所もさらりと越えて行く。
さすがのバッファローマンも彼女への攻撃を諦め、再び矛先をりんたろくんへ。
唯一肌があらわになっている「手」に向けて寒風を注ぎ込むという「耳無し芳一作戦」。
たちまち「ててが、ててがさむいの」と訴え出すりんたろくん。
すかさず本日二度目のピットインで、アゴ割れMの軍手を装着だ。
助っ人どころか、間違いなく足を引っ張りまくるりんたろくん。
彼は実はバッファローマンと手を組んでいるのか?
それとも我が家にいる悪魔将軍(嫁)から送り込まれた新たな刺客なのか?
しかし準備の良さと連係プレイの数々で、バッファローマンの巧妙な作戦もことごとく跳ね返す正義マゾ超人軍団。
その後も順調に試合を進めて行く。
万策尽きたバッファローマンも、ここにきてクリーンファイトに転換。
余計な策を労す事無く、バッファローマンらしく力技での対決を挑んで来る。
力対力の爽やかなるクリーンファイトの応酬。
やがてそんな打ち合いの中で、我々とバッファローマンとの間に「友情」が生まれようとしていた。
周囲は優しげな新緑の光で包まれ、悪魔に魂を売ったバッファローマンにも心の動揺が見てとれる。
前回のウォーズマン戦では薄暗くてジメジメした暗い悪魔道だったのに、あれから随分と時間が経って彼も少しづつ正義超人へ傾倒し始めて来たのか。
我々も「今だ」とばかりに、彼に平和な光景を見せつけて改心を迫る。
この光景に対し、動揺を隠せないバッファローマン。
ついに正義の心を手にしたバッファローマン。
しかし我々と握手を交わそうとした次の瞬間、彼は1000万パワーの源であったサタンに心身とも支配されてしまった。
再び悪魔に支配されたバッファローマン。
強度を増した彼はガレガレの道で襲いかかる。
登っては下るの繰り返しでジワジワと我々の体力を吸収し始めた。
そして溢れ返るバッファローマンの超人強度。
しかしこんな時のためにこの超人がここにいる。
溢れ返る精力を制御できない男アゴ割れMが、そんなガレた道を精力で切り開いて行く。
リング狭しと縦横無尽に立振舞う精力ホルモン超人。
さすがのバッファローマンも吸収しきれない程のホルモンパワー。
もはやその佇まいは原人だ。
ずっとここで暮らしているかのようなマッチング感。
今にも骨つきのマンガ肉を食い始めそうではないか。
こうして活路を切り開いた我々は、さらなる鈴鹿の深部へと突入して行く。
そしてここからは、前回惨敗を喫した東雨乞岳までの道のり。
バッファローマンも再び息を吹き返し、最後の急登攻めで襲いかかる。
これにはパパラッチKもマゾ的快感でニヤリが止まらない。
スタート当初はキリッとした戦場カメラマンのような威厳に満ちていたが、この急登マゾタイムですっかり変態盗撮小僧のようにニヤニヤし始めるパパラッチK。
そもそも彼は二日酔いでここに来ていて、この後はテニスの練習が待っているという大マゾ野郎。
過去にはワインを痛飲した翌日にマラソン大会に参加し、結果35キロあたりでリタイヤするという仕込みマゾの名人だ。
やがて景色が開けて来て、
ついに前回ウォーズマンを死に追いやった、因縁の「東雨乞岳」に到達。
パッと見「乞食です」と読める、懐かしの山頂看板。
前回は僕はこの場所で、まともに「ハリケーンミキサー」の餌食になって撤退を余儀なくされた。
あれから半年。
やっとこの場所に戻って来たぞ。
見上げる先には鈴鹿セブン最後の頂、雨乞岳。
待ってろよ、バッファローマン。
今その残されたロングホーンをへし折りに行くからな。
りんたろくんもぐっすり寝ているから、気にせずに全力でお前を倒してみせる。
パパラッチKも最後の攻撃に備えて臨戦態勢。
まるで遠方からパリス・ヒルトンを激撮しているかのような迫力でバッファローマンの弱点を暴いて行く。
そして何気に背中にはりんたろくんに託された仮面ライダー電王の姿が。
非常にシュールな光景だ。
そんな彼の望遠レンズによって、以前激戦の末に倒した鎌ヶ岳(ザ・魔雲天)の姿が鮮明に切り取られ、
バッファローマンのアフロヘアー内を毛ジラミのようのに突き進む我々の姿が撮影された。
バズーカレンズならではの望遠と解像度と再現性。
しかしそれと引き換えに、望遠故に彼は随分と後方に取り残される事になる。
まるでその姿は、お忍びで愛人と登山を楽しむイギリス王室のスキャンダルを狙っているパパラッチのようだ。
こうして最後のヴィクトリーロードを進んで行き、
ついにその瞬間を迎える。
バッファローマンの角の先っちょ。
鈴鹿セブン最後の山「雨乞岳」の山頂到達です。
これにて見事に鈴鹿セブン完全制覇達成。
2年8ヶ月に渡る長い戦いに終止符が打たれたのだ。
しかし。
正直僕はここで凄い達成感に包まれ、「バンザイ」だったり「ガッツポーズ」だったり「胴上げ」なんてのを想像していた。
でもここの山頂は思いのほか貧相で、狭くて展望もあまり利かない。
挙げ句に他のシニア登山者にそのわずかなスペースが支配されていて、恥ずかしくて大袈裟に浮かれることが出来ない。
満を持して挑んだ最終戦だっただけに、このなんともアッサリとした拍子抜けの目標達成の瞬間に戸惑う男。
僕は己の心の置き場所が見当たらずにただただその場に立ち尽くす。
この何とも苦々しいガッカリ感は小学生の頃に一度体験している気がする。
あれは何の時だったか?
そうだ。
バッファローマンが、まさかの「カツラ」だったという事実を知った時のあの感情だ。
この時、僕は小学生ながらにこの衝撃的な事実を受け止めることが出来なかった。
ゆでたまご先生の世界観に口を出すのは野暮な事なんだが、ここで一人の少年がショックを受けた事実は変わらない。
そしてその少年は、中年となってバッファローマンの山で再び軽いショックを受けている。
時代は巡り巡るのである。
何とも消化不良な感じだが、鈴鹿セブンを制覇した事に変わりはないから良しとしておこうか。
狭い山頂でコーヒーを飲み、ミートくん復活の儀式。
そしてついに感動のご対面。
ミートくんが完全復活した。
実はバラバラだったミートくんの正体は、すっかりくたびれてテンション下がりまくったりんたろくんだったというオチ。
無計画で始めてしまったこのシリーズなので、このような惨憺たる結果で終焉を迎える事になってしまった。
この「鈴鹿セブン制覇」シリーズで一番大変だったのは、何気に無理矢理キン肉マンの設定でこのブログを書き続けた所にあったようだ。
やがて下山開始。
実に長い長い道のりを延々と歩いて行く。
雨乞岳は鈴鹿山脈の最深部なだけに、単純に長くてしんどいのだ。
しかしその長い時間で、我々とバッファローマンとの絆はしっかりと強まった。
最後には、そのロングホーンに乗って記念撮影できる程に仲良くなった。
こうしてバッファローマンは念願の正義超人入りを果たした。
しかしその見返りに、新たにサタンに魂を売ってしまった男がいる。
登山口に戻って来た時、完全に悪魔に支配された絶倫男の姿が撮影された。
ただでさえ制御できないホルモンが破裂寸前に追い込まれている。
顔もイってしまっている。
ここに新たな変態悪魔超人が誕生したようだ。
戦いはこうして次なるステージへと繋がって行くのである。
一方で、なんだかんだと6時間以上ミートくんを担ぎ続けて来た男は結局力尽きる事に。
親子共々目も当てられないグッタリっぷり。
全ての活力がアゴ割れMに吸い取られてしまった末路。
何気に僕はこの6時間半の行程の8割くらいで、しっかりと「靴擦れ」を楽しんでいたんです。
その後方からはマゾな世界観に大満足のパパラッチKもゴール。
まるでブラピ夫妻のプライベート写真撮影に成功した後かのような渾身のガッツポーズ。
彼はこの後、そのまま名古屋に移動してテニスに突入するという変態マゾ行脚。
彼も悪魔に魂を売ってしまった一人かもしれない。
そして続いて低血圧Mちゃんも涼しい表情でゴール。
まるで「ちょっとコンビニ行って来ました」といった余裕の雰囲気。
やはり雪の北アルプス仕込みの彼女には、「バッファローマンなんてカニベースよりもちょろい」と言った感想かもしれない。
そして今回、ある意味で一番悲惨だった男。
それは撮影に集中するあまり、出発前の記念写真とゴールの記念写真でしかほとんど姿を現さなかった矢作Cなのかもしれない。
出発前とほとんど変わらない「頑固ラーメン屋店主」的なポージング。
(左:出発前、右:ゴール後)
果たして矢作Cは本当に雨乞岳を登ったのか?
これは等身大の写真パネルではないのか?
そんな疑惑が生じそうだが、彼も今回は立派に従軍キャメラマン超人としての責務を全うしたのだ。
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こうして鈴鹿セブン完全制覇は成し遂げられた。
僕の中で、「脱登山初心者」としての最低目標だっただけに感慨もひとしお。
まさかこんなに時間がかかるとは思っても無く、鈴鹿セブン制覇前に富士山や北岳や槍ヶ岳をクリアしてるから今更「脱登山初心者」というのも変な気もするがまあいいだろう。
とりあえず長かった7人の悪魔超人編が終わってホッとしている。
この流れで行けば、この後悪魔六騎士との戦いに突入して悪魔将軍との戦いに移行して行くんだろうけど、正直このスタイルで記事を書くのにほとほと疲れ果ててしまった。
今回の鈴鹿セブンシリーズを通して、改めてゆでたまご先生の偉大さを思い知った次第でございます。
それでは、長々とご清聴ありがとうございました。
そもそもキン肉マンを知らない人には、全体を通して一体何の記事だったのか訳が分からないはず。
登山計画の参考にしようと「雨乞岳 登山」で検索して来てしまった人、ほんとゴメンナサイ。
僕は一度キン肉星に帰ります。
失礼いたしました。
鈴鹿セブン完全制覇〜7人の悪魔超人編〜 完
鈴鹿セブン最終決戦〜雨乞岳リベンジ〜
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MATATABI BASE
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