今週末はチーム・マサカズのメンバーで、近江八幡水郷巡りの花見カヌーが予定されている。
そこで予習もかねて、過去のお花見カヌーを軽く振り返っておこう。
「あん時のアイツ」シリーズ第19弾は2010年の4月。
場所は琵琶湖の北端「海津大崎」。
この「海津大崎」と「近江八幡水郷巡り」は、カヌーシーズンの開幕に向けての「漕ぎ初め」として、関西・東海地方のカヌー野郎達が花見ついでにやって来る場所。
言ってみれば気楽な「オープン戦」ですな。
この時は僕と、ビビるS夫妻の三人で初めての海津大崎花見カヌーとなった。
ビビるS夫妻と言えば、我々が学生の頃から長く付き合っているおしどり夫婦。
「陽」と言う言葉がピッタリの笑顔の眩しい二人だ。
そんな二人を、「陰」の男である僕はいつも羨望の眼差しで眺め続けてきた。
今回は、そんな僕の羨望鏡目線でお送りしよう。
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スタート場所は「マキノサニービーチ」。
僕の目の前で夫婦仲良く、カヌーのみならず愛まで膨らませやがって。
僕はただただ羨望の眼差しで目を細めて二人を眺めた。
僕と嫁の間にこのようなステキな時間は一生来ないだろう。
カヌーどころか全く外に出ない嫁と結婚してしまったから仕方ないんだが、見ててとても羨ましい。
そんな二人の横で、僕は淡々と一人で自分のカヌーを膨らます。
僕一人しか乗らない「二人乗り」のカヌーをね。
カヌーを運ぶときも、前と後ろでカヌーを持って二人仲良く共同作業するビビるS夫妻。
僕は二人乗りカヌーを一人でビーチに運びながら、「これは筋トレだ。羨ましくなんてないさ。」と自分に言い聞かせた。
サニーな夫婦がサニービーチで出発準備。
しかし、空はあいにくの曇り空。
「陽」な二人に負けじと、僕も「陰」な相棒の「悪天候」を連れてきているんだ。
そう、僕は一人じゃないんだ。
雨や突風とのおしどり天気っぷりじゃ負けてないぞ。
どんよりとした天気の中、出発。
ああ、いいなあ。いい画だなあこの二人。
夫婦で一緒にワクワク出来るってステキだよね。
僕は嫁に対する恐怖でゾクゾクする事はあっても、同じ目的に対してワクワクする事がない。
やはり共通の趣味があるってことは、とても重要な要素なんだろう。
なんせ僕と嫁は「アウトドア派」と「インドア派」、「自然派」と「都会派」、「マゾ」と「サド」の関係性。
二人が共にワクワク出来るのは、僕が嫁に「ブタ野郎」と言われている時だけなのかもしれない。
しばらく進むと、素晴らしき桜並木が現れる。
遊歩道にたむろする人々を尻目に、桜並木を湖から独占だ。
この手の「優越感」は、カヌーやってると時折堪能出来る。
しかし、美しい桜とビビるS夫妻を眺めているこの時の僕には優越感よりも「劣等感」が芽生えてしまう。
なぜ僕はいつも一人ぼっちなんだろうか?
一応、これでも既婚者なんだけど。
「夫婦仲良くアウトドア」って選ばれた夫婦のみに与えられる幸運なのか?
桜並木とビビる夫妻が、なんだかちょっぴり滲んで見えた。
大崎寺に到着し、上陸。
夫婦仲良く共同で防水バックか。
ちょっとその防水バックを貸してくれないか?
僕の目から大量の水が漏れてるんだ。
そして大崎寺に参拝です。
僕はいつものように「夫婦で楽しくアウトドアができますように」と「嫁が優しくなりますように」と懇願しておいた。
しかし、いつまで経ってもこの願いは聞き入れられない。
もう神も、そんな叶わない夢は諦めろと暗に言っているのか?
今後神社では「世界平和」だけを祈っておく事にしよう。
しかし、神様もそんな僕を憐れに思ったのか。
神様なりの僕に対する「励まし」が始まった。
僕らがカヌーで帰ろうとすると、突如凄まじい風が吹き荒れて、穏やかだった琵琶湖が大荒れに荒れ始める。
行きは穏やかだった湖が、大波+横風の大賑わいだ。
帰れないじゃないか。
僕はただただビビる夫妻に対して、申し訳ない気持ちで一杯だった。
平和な二人の静かな湖面に、僕という一石の邪気が投じられてしまって迷惑をかけている。
結局、たまたまそこで見つけた「湖上タクシー」という船にカヌーを積んで乗船して、荒れ狂う琵琶湖を突っ切ってサニービーチへと帰って行った。
気楽な「カヌーオープン戦」にしては、5回の裏から思いもよらないハードな展開だった。
もう、これ以上誰も僕の周りの人を不幸にしてしまってはいけない。
やはり僕はこれからも、一人で彷徨って行こう。
寂しくなんてないよ。
代わりにみんなが笑顔になれるなら。
そう桜に誓った春だった。
羨望鏡からの桜景色
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