我が中日ドラゴンズのCSと日本シリーズが近づいている。
そこで必勝祈願を込めて「竜」の山へ我が身を捧げる事にした。
入道ヶ岳に続く、鈴鹿セブン二発目は「竜ヶ岳」(1099m)。
お約束通りキン肉マン7人の悪魔超人で例えるなら、一番竜っぽい「アトランティス」が妥当だろう。
半魚人みたいな奴で、卑劣なファイトスタイルでお馴染みの超人だ。
一筋縄で行かない登山を想像させる。
今回も前回同様ビビるSとのタッグで攻める。
前回で懲りたので、さすがに今回はりんたろくんは置いて来た。
登山前日の夜、嫁と「子供の寝かしつけに於ける見解の相違」問題で激しく喧嘩していたので、あまり万全の精神状態でない事が悔やまれる。
しかしそんな事は言ってられない。
ミート君の足を取り戻し、ロビンマスクの仇を討ちに行かねばならぬ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
宇賀渓の有料駐車場(500円)に車を停めて、いざ出発だ。
ここで登山届けを提出する際、常駐のおっさんからの衝撃情報。
「この前の大雨で、裏道登山道がダメになっちゃってねえ。ちょっと登りキツいけど別の新道作ったからそこを登ってね。」
早くもアトランティスの先制攻撃。
裏道登山道を登る気満々で、みっちり事前調査を済ませて来た僕への挑戦だ。
イメージトレーニングばっちりの登山道から、未知の登山道へと気持ちを切り替えねばならない。
やはり一筋縄で行かない。さすが卑劣超人アトランティス。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
新道登山道に向かう途中、ビビるSが足下に何やら発見した。
なんと僕が入道ヶ岳で紛失した、トレッキングポールの先っちょのシャンプーハットみたいなやつが落ちてるではないか。
しかもぴったりと僕のポールにくっついた。
神の恵みか。
今までツイてなかった僕へのご褒美か(これでチャラだと随分割が合わんけど)。
僕のように失くしてしまうものがいれば、やはり同じように落とす奴がいるものだ。
こうしてウッカリ野郎達は助け合って生きて行くのだ。
僕が今までの旅で多々失くして来たものは、遠い空の下で別のウッカリ野郎の命を救って来たのかもしれない。
しかしこの状況、別の見方をすれば、アトランティスがミート君の足をおとりに使ってロビンマスクを倒した時に似てなくもない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
新道登山道は、実にキツい直登コースだった。
まさに妥協を許さない、尾根までの最短コース。
前回の入道ヶ岳の筋肉痛から回復していないビビるSは、もはやグッタリとしている。
もう大分登っただろうとGPSアプリを見ても、まだ1/3も登っていなかったりする。
実にハード。出来れば普通に裏道登山道で登りたかった。
しばらく登ると、ゴツゴツとした竜の鱗のような岩場を登る。
やっと竜の背中を捉えたか。少し景色が開けて来たぞ。
山頂が見えて来た。というかまだまだ先だなあ。
そして、引き続きエスカレートする急登タイムを満喫する。
ついにロープまで出てくる始末だ。
1時間半ほどの急登パラダイスが終わると、やがて尾根へ到達。
やっとここからは緩やかな尾根を進んで行く。
その名も「遠足尾根」という実にお気楽感たっぷりのネーミングだ。
以前「花房山」で、ネーミングとの激しいギャップを経験済みの僕は気を引き締める。
気の抜けたような名前ほど、その内に毒を持っているものだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
尾根はいよいよ遮るもののない笹原へと変貌して行った。
展望が開け、まさに「遠足尾根」にふさわしい長大で快適な尾根道だった。
僕の心配は杞憂になったようだ。
実に気持ちいいじゃないか。
今までのパターンだと「身の丈ほどもある笹が僕を覆い始め…」といった場面だが、やはり「陽」の男ビビるSと一緒なので快適だ。
眼下には員弁の街並が一望のもとだ。
振り返れば、今歩いて来た遠足尾根の道が見える。
竜の背中は、なんだか全体にモコモコしていて意外と気持ちがいい。
前回の入道ヶ岳もそうだったけど、鈴鹿の山はゴツゴツともさもさが共生する不思議な世界だ。
さあ、頂上を視界に捉えたぞ。
基本丸見えなので、頂上にいる登山者も見て取れる。
小学生が絵に描きそうな、不自然なほどの「正しい山」の姿だ。
そんな景色に見とれながら歩いていたら、妙に道が斜めってきて大変危険な雰囲気になった。
先行していたビビるSが珍しくやらかしたのだ。
快適登山道をあえてはずれて行ったのか、我々は困難なルートにて進んでいたようだ。
彼も中々粋な演出をしてくれる。
その後通常ルートに合流して、頂上まであと少し。
ビクトリーロードがはっきりと刻まれている。
なんかこの道に亀裂が入って、山が分割して中からサンダーバードが出撃して行きそうではないか。
思いのほか最後も急登だったが、ようやく竜の頭に到達だ。
鈴鹿セブン二発目「竜ヶ岳」制覇だ。
これでドラゴンズの日本一は確定だろう。
ハゲ山つながりなので和田が活躍して落合が宙に舞うことだろう。
今回も最上のテラスにて最高の昼メシを食らうのだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今回はタイムアップでこれ以上の記事は書けない。
次回下山の模様をお送りするが、どうやら彼らは頂上でミート君の足はまだ手に入れていないようだ。
卑劣超人アトランティスの主戦場は水中だということを忘れては行けない。
彼らは、これから渓流沿いの道を下山する。
アトランティスの芸術技「セントヘレンズ大噴火」は炸裂するのか?
(このシリーズ、キン肉マンを読んでない人にとっては何が何やらだろう。しかしあくまで押し通す。小学校の時、ゆでたまご先生に「機械マン」というオリジナル超人を書いてハガキで送った事があるほど好きなのだ。)
ー鈴鹿セブン二発目〜竜ヶ岳〜後編へつづくー
鈴鹿セブン二発目〜竜ヶ岳〜前編
記事が気に入ったら
股旅ベースを "いいね!"
Facebookで更新情報をお届け。
MATATABI BASE
この記事へのコメントはありません。