極上の昼メシを食ったのは良いが、強烈な尿意が僕を襲った。
いち早く放尿したいんだが、なんせこの頂上遮るものが全くない。
今日に限って山ガールな皆さんがたむろしている。
こんなに見晴らしの良い所で披露出来る程、立派なものは持ち合わせていない。
なので我々は下山を開始した。
どこまでも遮る事のない、笹原が続く。
どんなに進んでも、山ガール達の視界から逃れることが出来ない。
僕の膀胱が体内でシャウトを繰り返す。
やがて鈴鹿の山お馴染みの「ちん毛」ゾーンへ突入した。
僕は急いで毛ジラミのように毛内へ侵入し、無事に黄金水を大地に奉納した。
この後ビビるSと「なぜ登山中の男の一物はこれほどまでに縮むのか」というテーマで熱く議論を交わしつつ進んだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ちん毛エリアを抜けると、ダンディズムなおっさんが犬とともにたそがれているではないか。
どこまで散歩してるんだ。
マイク真木風なおっさんはニヒルな表情を浮かべて、さらに上に登って行った。
あんな渋い男になりたいもんだ。
そしてそこには「重ね岩」という岩が重なっている。
もう少しひねったネーミングは浮かばなかったのか。
僕なら「繊維不足のうんこ岩」と名付けるがいかがか?
記事冒頭の写真はこのうんこ岩に登って撮ったものだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
とても変化に富んだ下山は続く。
鈴鹿の山独特の白い砂の上を歩いて行くと、
登山道は一気にウォータースライダーのような道へと変貌する。
結構角度が急な上に、足場は滑りやすいもんだから足に来る。
腸の中を下って行くうんこ気分だ。
もう、いっそ滑って行きたい。
斜度は鋭さを増し、我々はレンジャー部隊のように敵陣に降下して行く。
この辺りから、この山はアスレチック的な要素がふんだんに盛り込まれ始める。
そう簡単にはミート君の足は取り戻せそうにない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ハゲ山〜ちん毛〜うんこ岩〜大腸レンジャーの汚物ゾーンを経て、いよいよアトランティスの主戦場「渓流エリア」に突入だ。
卑劣超人アトランティスは、基本水の中に相手を引きずり込んで戦うスタイルだが、実際ここの水は引き込まれるほどに奇麗だった。
果てしない透明度。
本来川野郎の僕はコーフンが止まらない。
下手なグラビアアイドルなんて目じゃないほどだ。
僕はもじもじして息も荒くなる。
夏のクソ暑い時期なら、迷わず飛び込んでいただろう。
恐るべし、アトランティスの誘惑。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
こいつは本当に我々を水中に突き落としたいようだ。
次々と罠が仕掛けられていて、我々は忍者のように何度もロープをつたっては川を飛び越えて行く。
この奥は滝になっているので、落ちて流れた日にはアトランティスドライバーで滝壺へ真っ逆さまだ。
さらには、高所恐怖症の僕に向けてのハシゴ攻撃。
もう後半戦はアスレチックランドだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
しばらく行くと素晴らしい光景が目に入って来た。長尾滝だ。
つい最近実写板の映画「釣りキチ三平」の夜泣き谷の映像を見て、「こんな場所いいなあ、どっかにないかなあ」って思っていた矢先にまさに「こんな場所」が目の前に現れた。
すさまじく水がキレイで、感動的な光景だ。
しばし、その清冽さに見とれる。なんてグラマラスなんだ。
滝のマイナスイオンと僕のマイナス運気が激しくぶつかり合う。
実に名勝負。
マイナスとマイナスで何かがプラスになっていないものか。
帰宅したら嫁が優しくなってるなんて奇跡が起こらないものだろうか。
そう僕は滝の龍神に願いを込めた。(※帰宅後特に奇跡は起きていなかった)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そこからはもうひたすらロープ天国。
そちら系のマゾの方にはたまらないエリアだろう。
いくつか魅力的な滝も現れる。
かつてこれほどまでに飽きの来ない下山はなかったな。
バリエーションが豊富すぎて、結構楽しいぞ。
そして「楽しい」と思って油断してしまうと僕はいつもやらかしてしまう。
この場所で、「滑落寸止め体験」を満喫した。
バランスを崩した僕は崖下に落ちそうになり、慌ててロープで全体重を支えた。
本来補助的役割のロープに両手でしがみつく。
ロープがなかったら間違いなく滑落して、アトランティスのセントヘレンズ大噴火を食らって大量出血で死んでいた。
やはりマゾとロープは切っても切れない関係で縛られている。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最後の難関を乗り越えて、無事我々は下山を果たした。
卑劣超人アトランティスを撃破し、ミート君の足を取り戻した。
鈴鹿セブン二発目「竜ヶ岳」。
全体を通してみれば、かなり面白い山だった。
ここの所、適度に休養も取っていたからウエハースの膝もベニヤ板程度まで回復している。
さあ、まだ5つも山が残っている。
今シーズン中にはなんとかミート君を復活させたいものだ。
鈴鹿セブン二発目「竜ヶ岳」〜完〜
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーおまけーー
竜ヶ岳近くのキャンプ場に、大学時代の旧友が働いている。
なので突然行って驚かそうという事になった。
「青川峡キャンピングパーク」は、始めて行ったがめちゃめちゃキレイキレイなキャンプ場だ。
こういう場所なら嫁もなんとかいけるんじゃないか。
ファミリーには最高のキャンプ場だろう。
マゾ的な要素は一つとしてないので、僕一人なら絶対来ないけど。
センターハウスに行って受付で友人の場所を尋ねようと思ったら、ミニーマウスのコスプレをした女の人が受付に座っている。
なんだ?ちょっと痛い子なのか?
S君の居場所を聞いたので向かってみた。
そしてS君を驚かせに来たのに、我々が驚かされることに。
そこには変わり果てたS君の姿が。
顔色が真っ白で、激しく目の下にクマが。
どんだけこき使われているんだ。
服もそんな布切れしか買えないのか。
そのえびす顔の笑顔が逆に痛々しいじゃないか。
しかし、どうやら今日はハロウィンのお祭りイベントだったらしい。
どうりで受付にミニーちゃんがいたわけだ。
しばし久しぶりにS君と談笑。彼も随分頑張っているなあ。
嫁にプレゼンが通れば、是非いつか家族で来たいものだ。
帰ろうとしたら、道をミニーちゃんが闊歩している。
ガッチャマンのコンドルのジョーみたいな奴と一緒だ。
とてもシュールなものを見た気がする。
鈴鹿セブン二発目〜竜ヶ岳〜後編
記事が気に入ったら
股旅ベースを "いいね!"
Facebookで更新情報をお届け。
MATATABI BASE
この記事へのコメントはありません。