本栖湖/山梨

本栖湖逃避行

IMGP8370.jpg

以前友人のYの紹介で、関東の人達と富士川を下ったことがあった。

いつも単独で動く僕だが、その時はみんなしっかりしたアウトドアの技量のある人たちだったからとても楽しかった。

あれから何度か誘いを受けたが、家庭の激流を乗り越えることが出来ずにいつも断ってきた。


しかし今回、なんとか日帰りでの許可がおりたから参戦することにした。

だが、岐阜から山梨の富士川を日帰りはさすがにハードだ。

僕はなんとか前日入りするべく嫁に土下座をし、前日の夜の出発の許可を取り付けた。
もはや土下座もしすぎて効力が落ちては来たが。


しかしそこで思った。

せっかく前日入りするのならもっと早く出て、一発漕いでみたいじゃないか。

そこで仕事が終わったら直接向かう旨を伝えた。
実は仕事なんてないのに。

そして今朝何食わぬ顔で、いつも通りの出勤時間に家を出た。

カヌーを車に積んで会社に行くわけはないのだ。

嫁にこのブログ見られたら大変なことになるが、基本嫁は僕にあまり興味がないのでこのブログは読まれないのだ。

意気揚々と車を走らせていると昼前に嫁から電話が。

かなりビビるが打ち合わせに向かっているとごまかした。大量の冷や汗が出た。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

向かったのは富士川からほど近い富士五湖の一つ、本栖湖だ。

IMGP8274.jpg

ここはあの5千円札の裏側の富士山が撮影された場所で、もっとも富士山が美しく見える湖だ。

今までもっぱら川専門でやって来た僕だが、やはりカナディアンカヌーは湖が絵になるのだ。

着いて早速駐車スペースを見つけ、カヌーを降ろして出発。

IMGP8243.jpg

IMGP8256.jpg

湖にしては中々の透明度。少しスモッグ気味だが富士山も見えて晴れている。

僕にしては上々すぎる立ち上がりだ。


そして湖の真ん中あたりで早速三線を取り出して気持ちよく音を奏でる。

最高だ。嫁にウソついてまで来て良かった。

恐らく本栖湖の湖上で三線を弾いた野郎は人類初ではなかろうか?


気分よく漂っていたら、徐々に風が強くなって来た。

やがて風は強風となり、風の影響をもろに受けるカナディアンカヌーには過酷な状況になって来た。


最近、晴れた場合は必ず強風が吹く。

晴れたからと言って安心できないのが悪天候男の宿命だ。

フルパワーで漕いでもくるくる回転してどんどん流されて行く。

すぐそこに見える岸まで辿り着くまで30分近く全力漕ぎした。

おかしい、湖でのカナディアンカヌーはもっと優雅なイメージだったのに。

筋肉ははち切れんばかり。さっきまでののんびりカヌーは遠い過去の話だ。

カナディアンカヌーは風のない午前中にやるものだと痛感致しました。


しばらく岸で強風に煽られながら三線を弾いて、風が落ち着くのを待つ。

IMGP8266.jpg

IMGP8269.jpg

しかし一向に治まる気配はなく、体も寒さで震えて来たので撤退。

せっかくテントとか積んで来て、良い場所で寝てやろうと思ってたんだけど、無念。

スタート地点まで、またも全力漕ぎでふらふらになりながら帰還した。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

カヌー撤収後、車で周辺を回って今晩テントを張る場所を探したけど良い場所が見つからない。

すると本栖湖の湖畔の最高のロケーションでテントを張っている人が見えた。

どうやら洪庵キャンプ場というキャンプ場のフリーサイトのようだ。

僕は基本的にはキャンプ場には絶対泊まらないようにしている。
うるさいし、整備されてるし、楽しくないから。

ただし次の条件を満たしていれば泊まってもいいと思ってる。

・とにかく他に人がいないこと。
・よっぽどのロケーションであること。
・サイトが区画化されてないこと。
・直火で焚き火が出来る事。

正直こんなシチュエーションのキャンプ場は北海道でもあるかどうかだと思っていた。

しかし、このキャンプ場はこの日偶然にも上記の条件を全てクリアしていた。

なんせ人がいないから、かなり良い場所でテントを張ることができた。

IMGP8285.jpg

IMGP8293.jpg

あとはもう新男の三点セット(焚き火、バーボン、三線※ギターは今回はお休み)で極上キャンプを堪能した。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日早朝。

やっぱり川もそうだけど、湖も早朝こそがゴールデンタイムだ。

風も少ないし、静かだし、景色は荘厳さに満ちている。

さっそく湖上にカヌーを浮かべた。

そしてこの時僕のペンタックスK-20Dのインターバル撮影機能がやっと役に立つ時が来た。

今までデジカメでセルフタイマーのわずか10秒という時間の中では、単独行で撮れるセルフポートレートには限界があった。

しかしインターバル撮影は何秒毎に撮影して何枚分撮るって設定が出来るのだ。

これで岸にカメラをセットして、カヌーを漕いでる自分が撮影できる。

この機能がなければわざわざこんな重いカメラにしてません。

そして撮れたのがこの写真。

IMGP8377.jpg

こんな写真が撮りたかったのよ。

早朝の湖、朝日が静かに昇り始める際の一面ゴールドな世界で遠く富士山が霞み、湖面をカナディアンカヌーが進む。

強烈な自己満足ながら良い写真が撮れた。


その後、湖にカヌーを浮かべながらカヌーの上でラーメンを作って食べた。

これもいつかはやってみたかったささやかな夢でした。

僕が撤収作業が終わる頃に大量の客がキャンプ場に入って来た。

これがおそらく本来のGWのこのキャンプ場の姿なのだろう。

どうやら僕はかなりツイていたようだ。

こうして僕は富士川に向けて移動して行った。



記事が気に入ったら
股旅ベースを "いいね!"
Facebookで更新情報をお届け。

MATATABI BASE

コメント

    • aki
    • 2011年 5月 09日

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    なかなか旅になってそうじゃん 
    カナディアンカヌー広々湖でって良いなぁ[i:63948]

    富士山頂も雲ない写真撮れてるし[i:63992]富士山もYちゃんを気に入ってくれたんかな??
    嫌われちゃう人は、全然山頂拝めないって言うじゃんね 

    お天気良さそうだけど、これはプロ技入っての色合いかしら??

    今回みたいに、上手に??時間確保しながら自分の楽しみもやってかなきゃね 

  1. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    カヌー自体は、強風で楽しいもんじゃなかったけど、雰囲気は中々良かったよ。
    キャンプ場もタイミングが良かったし、夜は焚き火できたし。
    ちょっと遠いけどおすすめのキャンプ場だね。

    写真の色合いはほぼそのままだよ。
    もう少しスモッグってなければ富士山がはっきり写ったんだけどなあ。

    次回からは土下座に変わる新しい戦法で攻めてかんといかんなあ。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)




カテゴリー

アーカイブ

おすすめ記事

  1. カンムギプロジェクト

    カンムギプロジェクトについて〜川遊びの聖地を作る〜
  2. 屋久島横断野郎/鹿児島

    屋久島横断野郎〜プロローグ〜
  3. 槍ヶ岳/長野

    槍ヶ岳1〜僕らの熱中時代〜
  4. 富士山/静岡

    富士6苦フェス1〜マゾストーリーは突然に〜
  5. 上八川川/高知

    四国清流行脚1・上八川川編〜浮かれた漂流者〜
PAGE TOP