実況:「お待たせいたしました。再びパックトランピング大杉谷会場より中継です。引き続き実況は富樫源次、解説は虎丸龍次さんです。虎丸さん、よろしくお願いします。」
解説:「よろしくお願いします。」
実況:「随分と長いCMでしたね。」
解説:「どうも書いてる本人が猛烈に忙しくて全然更新できなかったようですね。」
実況:「なるほど。私生活も中々大変そうですね。」
解説:「だいぶ遭難しているようです。」
実況:「それでは気を取り直して現場に目を向けて行きましょう。休憩を終え、第2ピリオドのトレランに向け準備万端のマゾリー選手です。」
実況:「酷暑とゲーリングでかなりヘロヘロでしたが、休憩中にだいぶコンディションを戻してきたみたいですね。」
解説:「気合い十分に見えますが、実は腹が出てるのをごまかすためにただ力入れてお腹を引っ込めているだけの状態ですね。本人の気分的にはもう小屋でのんびりしたいってのが本心でしょう。」
実況:「なぜかビール2本飲んじゃってますしね。」
解説:「そういった見通しの甘さというか、目先の誘惑に勝てないところが彼の真骨頂でありマゾの仕込みの妙なんです。」
実況:「さあ、ここから最深部“堂倉の滝”を目指して、今スタートです!」
実況:「堂倉の滝までかなり長い道のりですが、この酷暑の中でちゃんと行って帰って来れるんでしょうか?」
解説:「堂倉の滝に15時までに到着しないと明るいうちに帰って来れませんからね。どれだけ走って巻けるかが勝負です。」
実況:「そうですね。おっと、しかし開始わずかにして急激にスピードダウンしたマゾリー選手。」
実況:「道が猛烈に崖です!これでは走れない!」
実況:「もはや走るどころかビビってASIMOよりも遅いスピードになってますよ虎丸さん!」
解説:「そして己撮りが中々うまくいかず、何度も往復してますから全然進んでいかないですね。」
実況:「さらに所々出て来る滝がいい感じなので、いちいち立ち止まってもはや観光客レベルのスピードです!」
実況:「もうトレランで走る気はさらさら無さそうですが、ちゃんと15時までに堂倉まで行けますかね?」
解説:「この酷暑ですからね。ギリギリですよ。」
実況:「もう無駄な事してる時間はないですね。ああっと!そう言った矢先に川に飛び込んだ!」
実況:「普通に全身入って泳ぎ出しちゃってますけど、これもトレランなんでしょうか?」
解説:「恐らく彼の中では“なんだか道危ないし、出だしで少し走ったからトレランしたってことでいいよね?的な感じで自分を納得させてしまったようですね。」
実況:「川がなくてパックラフトできず、魚もいなくて釣りも出来ず、ここに来てトレランもできてない状態で金メダルは大丈夫なんでしょうか?」
解説:「実はこれでいいんですよ。このパックトランピングという競技は、速さや目的達成よりも時に無駄さとマゾさのが高ポイントだったりします。」
実況:「益々よくわからない競技ですね。」
解説:「ですから誰もやらないんです。」
実況:「散々川で潜って遊んだマゾリー選手。再び川からピットアウトして競技再開。」
解説:「どうやらここからはサービスマゾポイントのようですね。」
解説:「今こそいつも家庭内で肩身の狭い谷側を歩いてる成果を見せる時ですよ。」
実況:「全身ずぶ濡れ状態でグッハグッハと厳しい道のりのマゾリー選手。」
解説:「濡れた生足おっさんは見苦しポイント高めですよ。」
実況:「そしてそのまま崖に突入です。」
実況:「もう絶対走れるコースじゃないですね。このコースをトレランで走って時間を巻こうとしていたマゾリー選手、さすがに計画がズサンすぎませんかね?」
解説:「“あまり調べすぎるとロマンが薄まる”とか言ってちゃんと調べないから毎度こういう事になるんですね。」
実況:「そして己撮りポイントが危険な場所が多くて大変そうですが。」
解説:「好きでやってるんだからいいんじゃないでしょうか。」
実況:「さあ、そんなデンジャラスゾーンが終わると、今度は猛烈な「崩壊地ゾーン」に突入です。」
実況:「ここは平成21年の台風による被害で壊滅的な打撃を受けた場所。ひたすら岩をガシガシ登って行くマゾポイント。」
実況:「熱中症になりそうな酷暑の中これは中々のマゾ。審査員へのアピールポイントですね。」
解説:「酷暑で岩場急登だけじゃないですよ。注目して欲しいのは、彼はこの段階で再び“ゲーリング”をスタートさせて腹痛に見舞われているという所です。」
実況:「三重苦ですか。これは高ポイントですね。」
解説:「どうやらさっき我慢できずに服のまま川に入ったもんだから、濡れたTシャツに風が当たって腹部を冷やしてしまったんですね。これはゲーリストが最もやってはいけないミスです。」
実況:「このままこの崩壊地で、彼自身が内容物を崩壊させてしまう可能性があるということですか?」
解説:「十分あり得るでしょう。しかしここは神聖なオリンピック会場であり世界中継もされています。万が一崩壊させてしまった日には、もはやマゾを通り越した世界観になってしまうのでその場で失格となります。」
実況:「これは苦しい時間帯だ。そんな三重苦の中、やっとこさ崩壊地を越えてステキな川原に到達です。」
解説:「景観的にも行程的にもここで野宿できたら最高だったんですが、なんせ野宿禁止なのが痛いですね。」
実況:「そしてその場で随分と黄昏てしまってますね。」
解説:「奥の大岩の後ろで“崩壊ささせるのか否か?”という自問自答中ですね。」
実況:「新種目のゲーリングは、あくまで下痢の苦痛状態をキープしながら楽しむ競技なので出したら終わりですよ。」
解説:「彼もこの美しい大自然を汚したくないというポリシーがあるようなのでなんとか踏ん張っています。」
実況:「そんなポリシーがある割には、前回大会では聖地・雲の平でうんこしてましたね。」
解説:「彼的には秘宝を置いてきただけだと言い張ってましたが、あれはゲーリング的には即レッドカードですね。」
実況:「しかしこの人毎回お腹壊してますね。アウトドア向いてないんじゃないですか?おっとそう言っているうちに“光滝”に到達であります。」
実況:「これは見事な滝で迫力ありますね。」
解説:「今マゾリー選手がうんこしたらこんな感じになるでしょうね。」
実況:「さあ、そんな順調なゲーリングが続く中、再び急登三昧な道に入っていきます。」
実況:「タイムリミットの15時まで刻一刻と時が刻まれていく。」
解説:「クソ暑い中でゲーリングしながらの急登はなかなかハードな時間帯ですよ。ここ踏ん張りどころですが、あんま踏ん張っちゃうと出ちゃうのが辛いところです。」
実況:「どこか体もすごく重そうでしんどそうですね。」
解説:「これなんですよ。ここであのビール二本が効いてくるんですよね。この伏線の張り方が毎度見事なんですよ。」
実況:「さあすでにフラフラと虫の息のマゾリー選手。やっとの思いで急登を乗り越え、やがて堂倉の滝への最後の道標が出てきた。しかしこの時点でとうとう制限時間の“15時”だ!」
解説:「これは悔しいですね。しかし彼は残り200mくらいだったら無理して延長しようと腹に決めたようですよ。」
実況:「諦めない心が我々を感動させてくれます。というか道中で余計なことしてなかったら間に合った気がしますが、さあ果たして道倉まで残りは?」
実況:「360mだ!200mなら行こうと思ってたマゾリー選手。これは精神的ダメージが大きいぞ!」
解説:「ダメですね。もう完全に心が折れてしまっています。」
実況:「それでも行こか戻ろかの自問自答が続いている模様です。それではここで画面を彼の脳内ビジョンに切り替えてみましょう。
解説:「これはマゾリー選手の心の声の悪魔と天使ですね。」
実況:「彼の心の葛藤をじっくり見てみましょう。」
実況:「ああーっと!これは悪魔の声の圧勝です。」
解説:「もう天使は反論する気ゼロでしたね。なんか別の黒い奴出てきちゃったし。」
実況:「結局あとほんのちょっとの距離だったのに、マゾリー選手まさかの撤退であります。」
実況:「いよいよ彼が大杉谷にきた意味がよくわからないことになってきました。川下りといい、釣りといい、ここまで何一つまともにやれてないですよ。」
解説:「ある意味ではいつも通り順調な試合運びと言えますね。まだまだメダルの行方は分かりませんよ。」
実況:「しかも夕方になって冷えてきたのか、ここにきてゲーリングの精度が相当上ってきてるようです。
解説:「多分もう多少出ちゃってるとは思いますが、まだ審判には気付かれてませんね。」
実況:「さあ、帰路はもう全く写真を撮る元気もなく、あっという間に桃の木小屋まで戻ってきました。」
実況:「だいぶやつれてしまってますね。」
解説:「後悔の多い1日でしたから。特に後半のトレランは目的地にも着いてないし、よくわからない時間を過ごしましたからね。」
実況:「しかしここからはわずかばかりの憩いの時間が始まります。自炊のお時間です。」
解説:「どうやらこの小屋に泊まって自炊するのは彼だけのようですね。この小屋は美味しいご飯が出るので有名ですから、みすぼらしく自炊してるのは彼くらいですよ。」
実況:「しかもなぜか狭いベンチの上で細々と自炊してますね。これはなぜなんでしょう虎丸さん?」
解説:「ここの自炊テーブルは外に一つしかないんですよ。マゾリー選手が自炊しに行ったら、先に山ガール2名がそこにいましてね。その山ガールを一人の男性がナンパしてるんですよ。で、やたらそのテーブルは盛り上がっちゃって、マゾリー選手が行き場を失ったというわけです。」
実況:「小屋の中に談笑スペースはいくらでもあるのに、よりによって一つしかない自炊テーブルが奪われてしまったと?そういうことですね。」
解説:「ええ。大きな自炊テーブルのリア充トークを聞きながら見すぼらしくベンチで自炊する姿がなんとも切ないですね。これには審査員も気の毒そうな顔をしています。」
実況:「お、しかしここでリア充組がついにテーブルから去って行きました。これで落ち着いて自炊できそうですね。」
解説:「そうはいかないようですよ。小屋で飯を食い終わった若い男が、なぜか雑誌を持って即座にそのテーブルを独占です。」
実況:「小屋の中で読めばいいのに!」
解説:「小屋泊の人たちは自炊スペースがこのテーブルしかないことを知らないんですよ。」
実況:「でもなんか不憫ですよ。ああ、もうご飯炊けちゃったし。」
解説:「本来ノンマゾな場所でも、彼は往々にして外部からの外的マゾにさらされることが多いですね。」
実況:「中腰でベンチに向かってサバ缶食ってる姿が悲しすぎますね。」
解説:「しかも結構アブが飛びまくって鬱陶しそうですね。」
実況:「そしてここで第2ピリオド終了のホイッスルです。」
実況:「第1ピリオドは“川がない”という猛烈なスタートでしたが、この第2ピリオドを振り返ってみてどんな感じでしょうか、虎丸さん?」
解説:「そうですね。やはりスタート前のビール二本が後々まで重くのしかかりましたね。しかしあえてそんな冷たいもの飲んで、冷たい川に潜って、ずぶ濡れで歩いて腹冷やした上でのゲーリングは実に安定した試合運びでした。」
実況:「結局堂倉の滝には着けませんでしたし、そもそもトレランで走ったのは最初の50mくらいだけでしたがそのあたりはどうでしょうか?」
解説:「パックトランピングという競技は、とりあえずトレランの格好して数mでも走れば成立するので採点には影響ないでしょう。」
実況:「そういう意味では、次回最終の第3ピリオドでは形だけでもテンカラ釣りとパックラフティングは成功させなきゃいけないですね。」
解説:「小魚1匹釣ってパックラフトで数m下れればメダルも夢じゃありませんよ。」
実況:「随分ハードル下がっちゃいましたが、まあいつも通りってことですね。」
解説:「そうですね。」
実況:「それでは次の最終第3ピリオドは、テンカラ&パックラフティングです。」
解説:「あとは今大会から追加された“8耐”という新種目にも注目ですね。」
実況:「その種目の全貌は明らかになってませんが、一体どんな種目なんでしょうかね。」
解説:「楽しみです。」
実況:「それでは再びCM入ります。」
栄光への架け橋3へ 〜つづく〜
栄光への架け橋2〜悪魔と天使の攻防戦〜
記事が気に入ったら
股旅ベースを "いいね!"
Facebookで更新情報をお届け。
MATATABI BASE
SECRET: 0
PASS: 824720ce9504c64b8a4a1e20ebf74e4e
いい滝なんですがね〜。行けなくて残念ですね。
桃ノ木小屋のご飯はどうなんでしょう。僕のときは普通のカレーでした…
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
以前行った事がある仲間からも堂倉は良い滝だって言われましたよ…。
なにやら水量によっては写真を撮ると滝の中にオオカミの顔が現れるとか。
そんな余計な情報を後から聞いて余計な事しすぎた事に改めて後悔が止まりません。
そいつの話だとメシが美味かったって言ってましたが当たり外れがあるようですね。
ステーキを期待して赤岳鉱泉に泊まってサンマが出てきたときも相当ショックでしたから。