小秀山/岐阜

苦行おなべ隊in小秀山〜うまい棒meetsホモい棒〜

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お鍋がおいしい季節になってしまった。

そうなると黙っていられない奴らがいる。


そう。

彼らの名は「苦行おなべ隊」。

この時期になると全国各地からワラワラと集結してくるという、真の味覚に飢えた者達。

地元岐阜・愛知・三重の者から、遠くは浜松、果ては何故か大阪経由でやって来た横浜の者までいる。


大人しく下界で鍋やれば済む話を、無理矢理登山と絡めてロマンという名の隠し味を求めてしまう。

あえて2,000m付近の避難小屋で鍋を食ってこそ、下界では求められないファンタジーがお鍋に宿るのだ。


マゾの先にこそおいしい鍋は存在する。

そう信じてやまない集団の苦行鍋道中。


アッツアツで振り返って行こう。


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苦行おなべ隊隊長・ゲロッパ田沢。

彼は朝一から頭を抱えていた。


彼は岡崎市の実家に同窓会のために帰省していた。

そしてそのままお鍋会場である小秀山に移動する算段だった。

しかし彼はいざ小秀山に移動しようとした時に気づいてしまう。

家に「登山靴を忘れて来てるじゃないの!」、ってことに。


ついに彼のスカスカ脳は匠の境地へ。

とうとう登山で一番大事なアイテム「登山靴」を忘れて来るというハイパーまさかを炸裂。

朝っぱらから実にスペクタクルな展開に自らを追い込んだ。


己の不甲斐なさにワナワナと震えながらも、仲間達に「すんません。余ってる靴貸してください。」と必死で懇願。

何とかジョンボーAの靴を借りれる事になった。

やはり持つべきはカワイイ後輩である。


やがておなべ隊の集合場所へ移動。

そこでジョンボーAが、「ほんとしょうがない人ですね。はいこれ。」と登山靴を取り出した。

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ゲロッパ隊長は「そうそう。これ一回履いてみたかったんだ。透湿性抜群で一切の蒸れ知らずってやつ。ソールもビブラムソールなんだね」と、喜んで受け取る。

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間違いない。

かつて「マジ尊敬してるッス」と言っていたジョンボーAだったが、完全に今奴はこの私をバカにしている。

今回は私の企画したお鍋登山。

なんとか大成功させて、このディスり後輩から尊敬の眼差しを取り戻さねばならない。


とりあえずちゃんとトレランシューズが借りれた所で、隊長がダンディに動き出す。

突如彼は「ハッピバースデ〜 トゥ〜 ユ〜♫」と歌い出した。

この突然の歌い出しにキョトンとする小木K。

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そして彼は皆からの拍手に包まれた。

小木Kはこの数日前にめでたく40歳の誕生日を迎えていたのだ。


やがて隊長がおもむろに取り出したのはバースデープレゼント。

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そして「来年劒岳に挑戦する君のために皆で買いました。透湿速乾性に優れたアークテリクスの高機能ソフトシェルです。是非今日はこれを着て山に登ってくれ。」とそれを手渡す。

すっかり人の心を失くしてしまっていた残虐超人の小木Kも、さすがにこれには感激。

早速彼はそのテクニカルウェアに袖を通した。

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背中には、かつてラインホルト・メスナーが言った「NO UMAIBO NO LIFE」の名言も刻まれている。

本日のハードな登山を快適にこなすには持って来いのソフトシェル。

たとえ本人が嫌だって言っても、我々の想いを汲んで今日はこれで2,000mまで登っていただこうではないか。


そんなステキなセレモニーを終え、登山口まで移動した苦行おなべ隊。

総勢9人の食に飢えた猛者達が集合した。

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左から「ツりキチのん平」「ビビるS」「B旦那」「ゲロッパ田沢」「B女房」「低血圧Mちゃん」「小木K」「ジョンボーA」「クラッシャーK」。

今回初登場となるツりキチのん平は、ビビるSの飲み仲間の飲んべえ。

そして彼はやたらと足をツるという趣味を持っており、以前ビビるSと大杉谷登山した際にも足をツらせて豪快に転倒して死にそうになった事も。

果たして今日の彼は足をツらずに登りきる事が出来るだろうか?


そんな足に爆弾を抱えた男の横では、小木Kが逞しく山頂を見据えている。

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まるでアークテリクスのカタログを見ているような気分だ。

実に羨ましい。私が着たいくらいだ。


そんなこんなで、意気揚々と出発です。

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しかしウキウキ気分が一転。

開始30秒で、登山道に早くも暗雲が立ちこめる。

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今回がチーム・マサカズでの初の登山参加となるクラッシャーKも、「まさか!」と早速初まさかを堪能。

以前姫川で隊長を「パックチェイス」というまさかに巻き込んだ彼も、今回はまさかに巻き込まれる方だ。


事前に調査済みではあるが、この先は台風の影響で道が荒れているため通行止めになっている。

ただ自己責任で行く分にはOKらしい。

なので、早速我らが「ネギガール」低血圧Mちゃんが、ネギ臭を振り撒きながら柵を乗り越えて行く。

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彼女は今回のために事前に親不知を抜き、それが化膿して登山当日に症状を悪化させて来るという絶妙な仕込みを済ませている。

しかもこの日は謎の胃の違和感にも襲われている。

さすがは我らの料理長。

彼女の調理はすでに始まっているのである。


そして後方では追い込み系変態AV男優のジョンボーAが、橋の欄干に己の乱竿をこすりつけて興奮している。

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前回の小太郎山では彼の追い込みでリアルに吐かされた男がいるだけに、本日も彼の後方からの追い込みから目が離せない。


この小秀山の「二の谷登山道」は、雰囲気の良い沢沿いの木道を進んでいく。

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今回隊長は皆に「お鍋メインのお気楽な行程です。のんびり楽しみましょう」と呼びかけている。

毎回そう言われながら酷い目にあっている小木Kは「今回こそ本当だろうな?」と早くも疑いの目だ。


すると早速道は荒れに荒れて行く。

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まるでB女房が「話が違うじゃないのよ!」とばかりに木道を蹴り壊したみたいにみえるが、台風の影響でこのような倒壊箇所があったりするのだ。

先頭を行くクラッシャーKも、小秀山のクラッシュっぷりに脱帽の様子。

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足元も滑りまくるし、お気楽登山が一転して緊迫した登山へ。

そしてお気楽木道と思いきや、中々の急登も仕掛けて来る始末。

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わんぱく小学生のように一人だけ半袖のビビるS。

そしてテクニカルウェアのせいで、首元からムンムン湿度が放出されてメガネを曇らして行く小木Kの必死のハイクアップ。

なぜかプレゼントしたウェアの脱湿がうまく行ってないようだ。


やがて我らはすっかり疲れ果て、滝が小木Kの心のようにねじれて見えて来る厳しい時間帯へ突入。

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早速今回も「また騙された。全然お気楽じゃねえじゃねえか。」と小木Kの愚痴が止まらない。

このままでは小木Kの心が折れてしまうと判断し、我が隊が誇る二人のおもてなしガールが彼の機嫌を取る。

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偶然にも低血圧MちゃんのTシャツが「うまい棒明太子味カラー」だった事により、まるでペアルックのバカップル状態に。

こんなカップルが登山していたら実に痛々しい事この上ない。

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しかしこれで小木Kの機嫌も治った。

とにかく足元が滑りすぎて歩きにくいったらないが、なんとか先に進んで行くおなべ隊。

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そしてメンバーが弱って足が重くなって来た時、後方から激が飛ぶ。

「オラ!ちんたら歩いてるんじゃねえ。気合い入れろ。声出して行け!」

振り返ると追い込み歩荷人の団鬼六と、歩荷アシスタントのチョコボールB作の姿が。

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鬼六監督はズボンのベルトに手をかけて、今にも己のイチモツを取り出して追い込む準備万端。

チョコボールB作も胸にGoProを装着して撮影準備万端だ。


この二人の暑苦しい後方圧力により、全く休む事が許されず次第にペースアップして行く前衛メンバー達。

少し寄り道するだけの展望台への道も、誰一人協議する事なく見てみなかったふりして突き進む。

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この時点で同い年のジジイ達(ゲロッパ、ツリキチ、ビビる、小木)は、すでに息も絶え絶え。

かろうじて立ち休憩が許された頃には、手前のGG4(ジジイの4人)の顔からすっかり笑顔が消えている。

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特にうまい棒の男は、なぜかウェアがびっちゃりと汗で滲んでツラそうだ。

しかしそんなタイミングから、小秀山による熱烈急登大歓迎が華々しくスタートしてしまうのである。

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「ぜえぜえ」言いながら無言で急登と向き合うZZGG4(ぜえぜえ言うジジイ4人)。

特に痔持ちの小木Kとゲロッパ田沢のZZGGGは、ケツが擦れる度に患部にシパシパ感を感じて嫌な気分。

それでもなんとか次の休憩ポイントである避難小屋に到達。

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ここで「そろそろ昼飯を食わせてくれ。どうか休ませておくれ。」と訴えるZZGG4に対し、鬼六は「まだだぁ!こっから良い表情が撮れるンじゃねえか!」と休ませてくれない。

諦めて重い足取りで先に進むZZGG4。

そんな彼らの前には、矢印が明らかにおかしな方向に向いちゃっている看板が。

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もはやこの先に大急登しか予感させない絶望的なインフォメーション。

そして律儀に矢印通りのハイパー急登を惜しげもなく提供して来る小秀道場。

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鍋や食材、酒や大量の水を担いで上がって行くにはあまりにもおマゾが過ぎている。

もうさっきの避難小屋に引き返して「ここがゴールです」と言い張ろうかと思うが、後方から鬼六撮影班の厳しい監視の目が。

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そして新人アイドルに枕営業を迫る悪行プロデューサー的に、鬼六が「映画出たいんだろ?この世界の事分かってんだろ?」とこの表情で圧迫して来る。

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このろくでなしブルース的な威圧感に追いつめられるZZGG4。

後方を見るとゲロ吐きそうになるので、せめて景色に慰めてもらおうと横を見る。

するとこの驚きの白さ。

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何にも見えやしねえ。

「我々は一体何を目標に上を目指しているのか?」

ふと誰かの口からそんな愚痴がこぼれる。

しかし心が折れそうになった頃。

素晴らしき滝が目の前に現れる。

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「夫婦滝」である。

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夫婦滝と言う割には旦那の姿しか確認出来ない。

恐らく隊長の家と同様、嫁は屋内で寝転んでテレビでも見てるんだろう。


そしてここでもメシを食わしてくれない鬼六達。

たまらず小木Kは四次元ポケットに忍ばせた、水なしでは喉を通らない行動食たちを登場させる。

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もはや「うまい棒」の行商人にしか見えない。

ここまでやれば、そろそろ彼にやおきんからCMオファーが来てもおかしくないだろう。


そしてわずかな時間だけ夫婦滝を楽しんだ後は、再びスペシャル急登タイムへ。

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どこまでも続く超急登。

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ひたすら終わらない超急登。

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もはや小木Kなんて怒りを通り越して笑っちゃってる。

もう彼は二度と隊長が言う「今回はお気楽だから」という言葉は信じないだろう。


そして急登中もこのような猛烈な落石のある荒れ荒れ道を登り、

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滑落したら夫婦滝の滝壺一直線のギリギリ道をトラバースし、

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ツルッツルで不安定な橋を越えて行くという「お気楽登山道」。

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ここまで痛めつければもう休憩させても良いでしょう、と鬼六も納得の五郎丸。

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間もなく14時になろうかという段階で、やっっとこさ昼飯のゴーサインである。


この頃にはうまい棒パーカーは汗でグチャグチャになり、新品なのに裾は早くも伸び伸びに。

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さすがは選びに選び抜いた高機能ウェア。

汗をたっぷり吸った綿素材は、間違いなく彼を低体温症へといざなって行くだろう。


そこですかさず小木Kは禁断のアイテムを取り出す。

小木Kお得意の行動水、「黒霧島」である。

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まだ全行程の半分にも達していないにも関わらず、やっぱり今回も飲みやがった男。

そしてもう一人。

普通に高機能ウェアを着ているはずなのに、うまい棒パーカーよりも汗冷えでプルプルしてるゲロッパ田沢もたまらず黒霧島。

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この二人は最後まで完登する気があるんだろうか?


そしてメシ休憩もそこそこに、再び上を目指す苦行おなべ隊。

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もちろん容赦ない急登の嵐が、食後の胃もたれ男達に次々と襲いかかる。

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次第に這いつくばるようなメガ急登になって行き、生い茂る木々に黄金の鍋が引っかかりまくって苦戦するゲロッパ隊長。

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そしてそんな兄の一方で、悪天候妹の低血圧Mちゃんが「ネギ汁ブシャッー!」っと叫びながら霧を大発生させている。

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最近の彼女の今年のトレンドは霧なので、この急登が嬉しくてついつい放出してしまった模様。

おかげで世界は瞬く間に白に包まれた。

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いよいよ何を目指して登っているのかよく分からない事に。

しかしこれでいい。

我らが目指すはあくまでもおいしいお鍋であって、景色なぞはクソ食らえなのである。


そんな霧の中、楽しい楽しい「藪漕ぎ」のお時間スタート。

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濡れた笹が容赦なく綿生地のうまい棒に襲いかかる。

そして後方からはそんな薮の海を泳いで来るB夫妻のお姿。

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彼らは昨日まで大阪のUSJでファンタジーを楽しんでいたはずなのに、なぜ今日はこんなコアな世界に巻き込まれてしまったのか?

ここからは表情が窺えないが、恐らくB女房の顔は「話が違う」とばかりに眉間にシワ寄りまくりだろう。


そして藪漕ぎを抜けると、いよいよ手を使って這うように登って行くというギガ急登に突入。

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どこからか「誰だ!こんな山選んだのは!」という声が聞こえた気がするが、隊長は右から左に聞き流す。

そうこうしてるとギガ急登はついにテラ急登の領域へ。

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背中にはクソ重たいお鍋の材料や重いストレートつゆや水などなど。

もはや笑うしかない苦行の世界。

とうとう看板の矢印は、まっすぐ天を指すという臨終ラオウ状態に。

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我が山チョイスに一面の悔いだらけ。

後方から這い上がって来るB女房が無言過ぎて恐ろしい。

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しかも頑張って登ってから振り返れば、一面に広がるこの絶景。

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もちろんこれを見て一言も発さないのは、あまりの白さに感動して声も出ないのだろう。

そして再び前に目を戻せば、ジャングルみたいに濃密な急登ワールドが続く。

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USJのハリポタよりも楽しい3D体験がB夫妻を包み込む。


このままじゃ本気でB女房がキレてしまう。

せめて景色だけでも見せてあげたい。

そう思った隊長は、ついに得意の「奉納行為」を開始する。


何気なく写真を撮ったゲロッパ隊長。

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何だ?やたら暗く写ったぞ。

もう1枚撮ってみる。

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なんだ、なんだ?暗いぞ。

もう1枚撮ってみる。

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真っ暗じゃないか!


何度も何度も撮る。

どれだけ撮っても真っ黒。


そう。

隊長は己の一眼カメラをこの段階で「故障させる」というビッグプレーに打って出たのだ。

修理に出せば、恐らく中古の同じ機種が買えてしまうような額を請求される事間違いなしのファインプレー。

これで隊長が写真を撮れなくなってブルーになった事により、何が起こるか?

そう。

突然霧が晴れて景色が広がるのである。(こっからは他の人のカメラです)

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これにてあれ程無言だったB夫妻の顔に笑顔が取り戻された。

高い奉納となってしまったが、この笑顔が見れたのなら悔いはない。

そう隊長は呟きながら一筋の涙を流した。


なんて事してる間に、とうとう到着予定時間をとっくに過ぎた16時30分。

もうすっかり日が暮れそうな勢いだ。

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完全にズサンプランナーである隊長のプランニングミス。

そもそも集合場所から登山口までが、なんとなくで15分と見越していた所が1時間かかる道だったのがそもそもズサンなのだ。


そんなズサンプランナーの仕掛けたおマゾ山行に対し、ついに今回初参加のあの男が動き出す。

前方を歩くツリキチのん平の様子が何やらおかしいぞ。

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彼は「ぬおおお」と悶絶しながら、足を上げて嬉しそうに笑っている。

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そう、ついに彼の挨拶替わりの奥義「足ツり肉痙攣」が炸裂。

ここから日が暮れる前に小屋に着くためにスピードアップしようって段階で、まさかの負傷。

ここにまた一人、追い込み自傷系のマゾが現れたのだ。


初参加にして負傷にまで追い込まれた新人、ツリキチのん平。

今後も彼のツリっぷりからは目が離せそうにない。

おかげで行軍は遅れ、世界はついに真っ白から真っ黒のワンダーランドへ。

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まさかの想定外ナイトハイクに突入したおなべ隊。

お気楽登山が一転、悲壮感と疲労感が入り交じる地獄絵図に。

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皆口々に「まさかヘッデンを点ける羽目になるなんて…」と驚きが隠せない様子。

ズサンプランナーによる小粋なサプライズが止まらない。

これぞ、我らが苦行おなべ隊なのである。



やがて到着予定時刻から1時間30分遅れで、やっとこさ避難小屋「秀峰舎」に到着。

これでやっとのびのび落ち着くと思った矢先、隊長の運の悪さが露呈。

この時期にここに泊まる人は誰もいないだろうと踏んでいたが、5人の先客がいたというまさか。

こっちもショックだったが、向こうは向こうで急に9人もの大量のマゾ共が押し掛けて来たんだから迷惑千万だったろう。


とりあえず後から来た我々は広い8畳部屋を諦め、狭い6畳部屋に9人が収まるというまさかのイモ洗い会場を楽しむ事に。

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何らや今にも黒魔術で悪魔でも召還しそうな雰囲気。

本来は全14畳を貸し切ってワイワイやるつもりだったが、隣人がいるのでついついヒソヒソ声で喋る事になってより怪しい。


しかしこのお鍋会だけを楽しみにあの苦行を耐えて来たから、ここで凹んでる場合ではない。

気持ちを新たに、いざ乾杯の儀。

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厳しい道のりだったが、もうここからは楽しいだけのノンマゾ世界。

さあ者共、楽しもうではないか。


そう思った矢先。

まさかの事態が勃発。

なんとここでもツリキチのん平の足がツッたではないか!

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狭い室内で無理な体勢を取った事により、電光石火の速さで足をツらせたGGツーリスト。

やはり40代ともなると、わずかな気の弛みが仇となる。


そしてこれを見たあの男にスイッチが入る。

昼は「追い込み請負人」「AV男優」「日活SM監督」という顔を持つジョンボーA。

彼は夜になると「ホモイスト」へと変貌するのである。


ヒゲ面ホモ男の「イオナ ズン子」は、ここがチャンスとばかりにツリキチに襲いかかる。

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「ねえ、ここなの?ここがツッてるの?それとももう少し上なの?」と、次第に股間に攻めあがる。

やがてはついに押し倒し、股間にヘッドライトを鋭く照射しながらマウントポジションへ。

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この後ツリキチがどうなったかは、ここでは倫理的な問題があるため割愛する。

彼のチーム・マサカズデビュー戦は、大いに汚されたものとなってしまったのだ。


野郎どもがくんずほぐれずしているうちに、女性陣二人が手際良く鍋を完成させていく。

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しかしそんな女性陣の頑張りに対し、平成無礼男の小木Kはひたすら下ネタを語り倒すという無礼行為に打って出た。

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これにはすっかり興奮してしまったイオナ ズン子。

彼はすかさず小木Kの肩をぱふぱふし始めたのだ。

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この快感に抗えずに、すっかり恍惚の表情の小木K。

これに味を占めたイオナ ズン子。

ズン子は小木Kのパーティーに次々と襲いかかった。

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かいかんのいちげき!


瞬く間に6畳の狭い部屋が、新宿二丁目の名店「黒ヒゲガール」へと早変わり。

そしてイオナ ズン子の勢いは女性陣にまで飛び火。

ついに頭を激しくもっこりさせながら、人の女房にまで手を出し始めたのだ。

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もはや七福神レベルにまで頭がビンビンに伸びきっている。

これを見て不安になった低血圧Mちゃんはトイレに行くと言って逃げ出したが、結局回り込まれてズン子の餌食に。

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そしてもちろんその魔の手は、チームで一番若い男クラッシャーKへと注がれる。

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しかしここで黙っていないのがクラッシャーK。

「後輩の僕がやってもらって申し訳ないんで、ズン子先輩も…」と、逆に襲いかかった。

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そしてやっとピクピクから立ち直ったツリキチも参戦して、ズン子の胸元を優しくこねくり回す。

新人二人の反撃に対し、意外にもくすぐったがりだったズン子は悶絶。

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こうして楽しい楽しいおかまバーの夜は更けて行く。


やがて鍋も食らいつくし、時間も遅くなって来たんで隣人を気遣って外に移動。

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この頃にはすっかり酔いが回り、小木社長もご機嫌でズン子ちゃんを口説きまくる。

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小木社長はオーバージェスチャーで話すもんだから、シェラカップに注がれた日本酒がザバザバとズン子のダウンジャケットを濡らして行く。

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これを激しい求愛と捉えたズン子と社長は次第に良いムードになって行き、

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やがてはこんな事や、

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こんな事に。

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もちろんこの後、ズン子と社長の熱い接吻が交わされた事は言うまでもない。

一応確認しておくが、ここは標高2,000m付近の藪の中であって新宿二丁目ではない。


その後おひらきとなり、狭い部屋からはじき出された新人のクラッシャーKは外でテント泊する羽目に。

そして「皆さん狭いでしょうから、僕もクラッシャーKのテントで寝ますよ」と言って、ズン子も彼のテントに消えて行った。

もちろんその夜、クラッシャーKの操がクラッシュされた事は言うまでもない。


しかもクラッシャーKはこの時に使ったテントのペグ一式を、この場所に置き忘れて下山した事が後に発覚。

彼は操のみならず、ペグまで喪失してしまったのである。


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翌日。

8畳部屋の人達が早くに出発したので、その広い方の部屋でまったり朝食。

昨夜、破壊的ないびきの競演で小屋内を絶望の渦に巻き込んだ二人を説教する事からスタートだ。

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中でも、この風間トオルみたいな髪型になってるツリキチのいびきは凄かった。

もはや「いびき」と言うより、それはもはや「叫び」。

そしてその叫びに対して小木Kが、合いの手を打つようにいびきで対抗。

おかげで不眠者続出の波乱の一夜となったのだ。


隊長に至っては、寝不足のあまりすっかり人相まで変わってしまっている。

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目は真っ赤を通り越して黄色くなり、すっかり激おこプンプン丸だ。


しかし再びチームは一致団結。

外でケツを抑えながら泣いていたクラッシャーKと合流し、いざ小秀山の山頂へアタック開始。


そこから山頂までは実に激しい苦難の道のりだった。

やがて小屋を出る事30秒。

とうとう我々は小秀山の山頂に到達したのである。

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厳しいアタックを無事に乗り越えてヨロコビを爆発させるおなべ隊。

仲間がいたから戦えた。

おなべがあったから乗り越えた。

我ら苦行おなべ隊。

また一つ、新たな勲章が我らの物に。

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そしてこの小秀山は、御嶽山を一番間近で見られる最高の展望スポットとして知られる日本200名山の一つ。

この山頂からの眺めを見るために、多くの登山者が苦難の道を乗り越えて来る。

そして今、我らの前に勇壮に佇む御嶽山。

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この山からの眺望が、登山者を引きつけてやまない理由がよく分かる絶景である。


さあ、帰ろう。

もう思い残す事はない。

そしてこっからの地味な下山にも特記すべき事はない。

なので、あっという間に下山記念写真である。

DSC00568.jpg

正直余計な事を書きすぎて長くなりすぎたため、下山の様子は豪快に割愛です。

ご了承くださいませ。


そして下山の様子は割愛しておきながら、その後の昼飯の様子をひとつ。

たまたま入った定食屋で、ごはんの大盛りを頼んだビビる、ツリキチ、ズン子。

すると想定していたごはん量を遥かに越える、テラ大盛りごはんが運ばれて来ると言うまさか。

IMG_9123.jpg

さすがのわんぱくアンパンマンのビビるSも口をあんぐり。

しかもほぼ倍のごはん代まで請求されるという追いまさかも。

結局彼らはあんなに頑張って登山したのに、太って帰って行った。


やがて店を出たら駐車場で恒例の儀式。

毎度ずさんな計画で、結局大変な目に合わされるメンバーから隊長への謝罪要求。

中津川の街に、隊長の「この度は、ほんとスイマセンしたぁ!」という声が響き渡る。

S__16744452.jpg

こうして長い長い「お気楽おなべ登山」は幕を閉じた。


結局重い荷物担ぎ上げて、山頂でホモごっこして帰って来ただけという不毛な戦いだった気がする。

景色も見れてないし。

カメラ壊れてるし。


しかしこの無駄感こそおなべ隊の真骨頂。

今後も彼らはどこともなく現れるだろう。


そこに山がある限り。


この世にお鍋がある限り。




苦行おなべ隊in小秀山 〜完〜



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


はい、長々と酷い内容でしたね。

ちなみにジョンボーAが「僕の名前、ジャギとか松尾とかばっかでもっとマシな名前にしてくださいよ。スラムダンクの仙道がいいっすよ」と言っていたが、ご希望に沿う事が出来なかった。

靴貸した挙げ句汚れたまま返されて、そして結局今回は黒ヒゲガールのイオナ ズン子に落ち着いてしまって本当に申し訳ない。

せめて次回は仙道ズリ子にしますんで許してください。


ってことでおまとめ動画でございます。

今回の曲はPrimal Screamの「Rocks」。

サビの訳はこんな感じです。

「お鍋はロックするんだよ、
気持ちイイったらないぜ。
さあ、ノッっていこうぜ。
山に繰り出して。

お前、果ててしまえばいいのさ。
気持ちイイったらないぜ。
さあ、ツッっていこうぜ。
山に繰り出して。」


それでは、Get your rocks off!






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MATATABI BASE

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