笹尾山/岐阜

ある日のお留守番の風景

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一週間前の富士山登山でお父さんは腰が破壊されて、しばらく激しい運動が出来なくなってしまった。

でも週末は天気が悪いという予報だったので、家で養生がてら大人しくしてようと思ってた。

すると晴れなくてもいいのに晴れてしまった日曜日。

お父さんは、じっとしていられません。

嫁からお留守番を命じられていたけど、りんたろくんを連れて家を脱出。

激しい腰痛状態なので、今回はMTBで関ヶ原を駆け回るのだ。

恐らく、お父さんの腰痛は当分治らないだろう。

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関ヶ原は、以前お父さん一人で来た事がある。

その時は関ヶ原の戦いの時の、全武将の全ての陣地をMTBで駆け回るというマニアックな事をした。

なので今回は、それ以外のさらなるディープな関ヶ原に迫るんだ。

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「エコフィールド関ケ原」に車を置いて、MTBでプチ散策。

MTBだからといって、やはり腰に来る。大人しく家にいるべきだったか?


ここは野鳥観察なんかで有名らしい。

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しかし、残念ながら野鳥観察には興味は無い。

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しばし走らせると、以前りんたろくんと伊吹山の帰りで見た関ヶ原の決戦地へ。

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近くの旧小学校跡地で、ヤギにふれあえる所があったので行ってみた。

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ここに入る時、気づかなかったが「靴洗ってください」の看板があったみたいで、おっさんに「ちゃんと靴洗え」って怒られた。

どうしても見たかったわけではなかっただけに、出だしから怒られて少々ブルーだ。

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やがて「笹尾山」に着いた。

ここは石田三成が陣を張った山だ。

今回はこの山をりんたろくん初めての一人登山に挑戦。

りんたろ登頂記8番目の山は、超低山「笹尾山」だ。

お父さんは腰がアレなんで。ガンバレりんたろくん。

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結構な段差も「よいしょ」と言いながら登って行く。頼もしく成長したものだ。

わずか5分で山頂へ。

あっという間だけど、一人で登った事が重要だよ。

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山頂展望台は武士だらけだったので、りんたろくんが怖がってしまった。

これは決して見えては行けないものが見えているわけではない。

有料で、甲冑姿に仮装して町を練り歩けるのだ。


武士達が退却するまで、しばし東屋で待機です。

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次から次へと武士どもが上がってくるので、しかたなく山頂付近のベンチにて記念撮影です。

このくらいのベンチなら軽々登って行くりんたろくん。

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満足げに戦場を見下ろすりんたろくん。

親子はがっちりと健闘を称えあう。

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富士山も笹尾山も、登りきった満足感はいいもんだろ?

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笹尾山を後にして、以前から行きたかった場所に向かう。

そこはシュールな世界を理解する者のみが楽しめる魅惑のテーマパーク。

「関ヶ原ウォーランド」だ。

まずこのネーミングがすごい。「ウォー」と「ランド」の相対する言語の融合。

やがてウォーランドの塀が見えて来た。

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途端に漂い始める怪しげな雰囲気。

塀のパネル絵では、白目の武士達が太い槍をありえない持ち方をしていたりする。

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こんな絵が塀中に貼ってある。


入園するとパンフレットとともに不思議なステッカーがもらえる。

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関ヶ原とはまるで関係ない武田信玄が「ノーモア関ヶ原合戦じゃ」と息巻いている。

入園直後から、早くもこのシュールな世界に引きずり込まれて行く。


入ってすぐの所に資料館のような建物がある。

薄暗い館内にはオドロオドロしい鎧が並び、馬のオブジェがひっそりと佇む。

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なんか、田舎のおばあちゃんちの二階の奥の部屋の物置の匂いがした。


園内に進むと、至る所にこんな奴らが立っている。

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「子供に夢を与える」テーマパーク関ヶ原ウォーランドの真骨頂だ。

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りんたろくんは、かつて見た事が無い程にすっかり怯えてしまった。

彼を降ろして一緒に撮影しようとしたが、激しく泣きまくって僕にしがみついてくる。

僕はりんたろくんを連れて来てしまった事を激しく後悔した。

彼に新たなトラウマを植え付ける結果となってしまったようだ。

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供養のつもりだろうか?血だらけの戦観音が現れる。

そして、最後に登場したのが「あの」ステッカーの武田信玄だ。

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ランドなりの反戦メッセージだろうか?この辺りではもうどうでも良くなってくる。


噂に違わぬ凄まじいテーマパークだった。

何も知らずにファミリーでここに来てしまった人達は、ここで何を感じ取るだろうか。

我々にはとても後味の悪い「苦い」感情だけが残された。

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気を取り直して、今度はソフトな方のマニアック施設へ向かう。

「ごま」だけに全力でスポットを当てた「胡麻の郷」だ。

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「ごま」というテーマだけで勝負をかけた心意気に拍手を送りたくなる。

しかもキャラクターデザインはあのやなせたかしだ。

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先ほどの戦国地獄絵図からの落差は凄まじいものがあるが、りんたろくんはやっぱり喜んでた。


この館内への入口は閉じられていて、「開け!ゴマ!」と言うと開く趣向のようだ。

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正直、周りに人がいたしとても恥ずかしかったが「開け!ゴマ!」と言ってみた。


開かない。


何度も顔を赤くしながら言ってみるんだが、一向に開かない。

さすがに恥ずかしくてその場を離れて待機。

すると別の女の子が「開け!ゴマ!」と言ったら扉が開いた。

くそ、おっさんの声には反応しないのか?

女の子が扉を開けたのを確認した我々は、人が開けた扉で心が痛んだが滑り込むように中に突入して行った。


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館内では、ゴマの歴史がマニアックに紹介されて行く。

日曜日なのに無人の野を行くかのように、悠然と見て回れた。

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予想通り、そんなに楽しくはなかったがゴママニアなら垂涎ものだ。

大量にゴマのお土産を買った。

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隣接の「エコミュージアム関ヶ原」へ。

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無料の施設だったが、正直ここが一番りんたろくんには楽しかったようだ。

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関ヶ原ウォーランドが有料でここが無料とはどういうことだ。

実に作りも凝っていて、子供にはかなり楽しい所だった。

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少し離れた場所にある「関ヶ原鍾乳洞」を目指す。

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正直、この辺りでお父さんの腰はかなりヤバメになって来た。

瓶に入ったゴマのお土産を沢山買ってしまったせいで、荷物の重さがパワーアップしたのが原因か?

いいかげん帰ればいいのに、お父さんの暴走は止まらない。

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やはり思った通り、あまり楽しくはない。

しかも、天井が低くてりんたろくんが頭をぶつけないようにひたすら屈んで進む。

僕の腰がいよいよ悲鳴を上げ出したが、たっぷり20分は出る事も出来ずどんどん悪化して行く。

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さすがにもう帰ろう。

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りんたろくんもぐったりと眠ってしまった。

この時、りんたろくんが息をしていないんではないかと結構本気で焦ったほどの熟睡だ。


帰り道、笹尾山の麓で「東西戦国武将隊」のショーが始まっていた。

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ダンサブルに立ち振る舞う武将達。

関ヶ原の戦いの時の家康は60歳近かったはずだが、イケメンの家康は軽やかにステップを踏んで激しく踊る。


ダンスが終わると、観客参加で「ボール運び対決」などの茶番が繰り広げられる。

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再びダンシングタイムとなり、本多忠勝が槍ではじいた泥がりんたろくんを襲う。結構危険なショーだ。

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そして、ショーが終わった。

嫌がるりんたろくんを、汗でびしょびしょの家康公に抱かせて記念撮影だ。

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男臭に包まれてりんたろくんも切ない表情だ。



こうして、僕とりんたろくんの「お留守番の一日」が終わった。

基本的にお留守番も出来ていなければ、腰の養生も出来なかった。

どうしても晴れた日にはじっとしていられない。


そしてこの日の夜。

りんたろくんは何度も激しく夜泣きをした。

きっとあの兵士達が夢に出て来たんだろうな。



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