四阿山/長野

秋のリフレッシュゲリ祭り〜季節の狭間の攻防戦〜

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ご無沙汰しております。

時間がなさすぎて全く更新ができず、すっかり冬が来てしまいました。

更新が途絶えたので、当ブログに詳しい方は「とうとう嫁に毒殺されたのか…」とか思った人もいるかもしれない。

しかし僕はいたって元気であり、別にずっと長良川に沈められていたわけではないのです。


今年の6月に突然「勉強のため」と言って発表したブログ充電宣言。(参考記事:沼の淵に潜むマゾ〜しばしの充電〜

そこから半年、ついに「実際何をしていたのか?何をしようとしているのか?」を発表する時がいよいよ近づいて来ました。

薄々気づいてる人もいるだろうけど、もちろんこの世紀の遊び人が「勉強」なんてしていたわけがないんです。

次なる「壮大な遊び」のための準備期間だったのですよ。


まあその発表はまだできる段階じゃないんで次回です。

とりあえず、今回は死亡説を払拭するためにアゲ記事をサラッとお送りする次第。

記事的にはすごい間が空いちゃったけど、前回の奈良井川の翌日の「四阿山(あずまやさん)」登山の模様ですね。

時間ないからボツにするつもりだったけど、せっかくの100名山なので記録用として簡単に。


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体を張ったリフレッシュマゾとなった奈良井川の翌日。

まだまだリフレッシュしきれてない僕は、せっかく塩尻まで来たってんでそのまま松本へ。

そこで松本に移住したチーム・マサカズの「低血圧Mちゃん」を強制連行し、その足で一気に群馬県境の100名山「四阿山」を目指した。


天気予報は「-3℃、風速20m」」というオシャレさだったが、低血圧Mちゃんを連行したのはその防御策。

僕の悪天候マイナスパワーに、彼女の悪天候のマイナスパワーを加えて天候をプラスに調整するのが狙い。

それによって、ヘルミッショネルズのマグネットパワーレベルに強大な二人の負の力で、何と登山口の時点で「晴れている」という快挙に恵まれたのである。

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いつも白い世界の中にいる二人は「これってどうやって使うんだっけ?」と言いながら、久々のサングラスに興奮気味。

低血圧Mちゃんが地味に石に乗って身長をかさ上げしているのも見逃せないところだ。


そしてこの山は牧場スタートなので、何ともピースフルでチャッピーな雰囲気が充満しまくっている。

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白樺と落ち葉と部屋とYシャツと青空。

こんな気持ち良い空間が我々の身に巻き起こっても良いのだろうか?

景色もご覧の通りの素晴らしさ。

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はるばる来た100名山なんだし、昨日酷い目にあってるんだから、ここはひとつ浮かれても良いのではないだろうか?


もちろん、そう一瞬でも思ったが最後。

さっきまで雲一つない快晴だったのに、突然我々の向かう四阿山方面だけがやたらとホワイティに。

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二人はすかさず「だよね。」「ですよね。」と言って静かにサングラスを外す。

次に彼らがサングラスをかけるのは4年後くらいだろう。


そしてそれを合図に、前日まで降り続いた雨の余波が陽気に二人を襲い出す。

それがこの栄光への「グローリーゲリロード」なのである。

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1000人のゲリストたちが縦並びで一斉に道に脱糞したかのような壮絶さで、このグローリーゲリロードはこの先延々と続くことになる。

そして足元をグッチャグッチャさせながら笹薮のハイタッチアーチへ突入。

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靴は滑るし、笹薮はバシバシ当たるしで、マゾい二人はニヤリが止まらない。

しかも紅葉を楽しみにして来たんだが、今年はハズレ年なんでそれもイマイチ。

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それどころかまだ10月なのにすっかり山は白化粧。

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そしてここに来て-3℃の予報を忠実に守り出したのか、秋山なのに樹氷で紅葉すら白くして来る四阿山。

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すごく寒くなって来た。

低血圧で低体温で低収入の二人は、とにかく体を冷やさないために動き続けなくてはならない。

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しかしこの時点で途中で休憩してたおっちゃんが話しかけて来た。

またそのおっちゃんのトークがエンドレスに終わらない。

みるみる汗冷えで体幹を冷やしていく二人。

それでもおっちゃんはトランス状態でしゃべり続け、その場に我々を食い止める。

僕らとおっちゃんの手に汗冷える攻防戦。


たっぷりとおっちゃんの武勇伝を堪能した後、何とか会話の隙間を見出して動き出した頃には、すっかり僕はブルブル震えていた。

そんな中、ついに四阿山の山頂を捉えたのである。

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もう目に見えてわかる冷気感。

そして勢いを増すゲリ感。

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いろんな意味で楽しめる山。

さすがは日本100名山である。


で、しっかり予報通りに風は強風と化して、予報通りにクソ寒くなってきた。

結局、そのまま歯を食いしばって登頂を果たし、いつも通り白い背景をバックに記念撮影。

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北アや鈴鹿の白も好きだが、群馬側を望む白もまた格別。

景色は空想で楽しむものだと言い張ってやまない二人は、これでも十分に大満足。

むしろここに来て大寒波な強風が吹き荒れ、とてもじゃないけどその場に滞留することができないからニヤニヤしちゃってもう。

持って来た防寒服を全て着込み、冬山登山同等の厳重装備にて下山開始。

秋の紅葉の山をのんびり楽しむ予定だったんだが、我々には紅葉登山なんて分不相応だったらしい。


山頂でメシを食う予定だったが、そんなことしてたら「マゾ兄妹」というタイトルの2体の氷のオブジェができるだけなので、とりあえず風を凌げる樹林帯まで移動。

しかしそこは風こそ凌げたが、頭上から樹氷の氷が不定期に落ちてくるというスペクタクルなランチスペースだった。

運が悪ければ頭にうずらの卵大の氷が激突し、お湯を沸かしたコッヘルの中に落ちればたちまちお湯が冷えるからまた沸騰させねばならない。

おかげで沸騰しきれてないお湯で作ったカレーメシは、カレールーが溶けきらずに画期的な不味さとなった。

そんな中でも氷の玉が次々落下して来るから、焼夷弾の雨の中で飯食ってるみたいで落ち着かなかい。

しかしそれもまた楽しいと言い聞かせるのである。


で、こっからはお隣の「根子岳(ねこだけ)」を経由しての下山。

正直100名山の四阿山よりも、こっちの根子岳のが楽しみだったのだ。

根子岳の山容は、なんだか鈴鹿の竜ヶ岳に似た感じでもっさりしてて非常に僕好み。

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この手の優しい山容に憧れるのは、普段から優しさに飢えているからなのだろうか?

アルプスのイカツイ感じも好きなんだが、家庭内で毎日大キレットクラスの罵声を食らっている身としては、たとえ相手が山だろうとたまにこの手の優しさに触れることは重要な事なのである。


そしてその根子岳への登りの途中から後方を振りかえれば、幻想的に広がるこの光景。

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いつもならこのアメリカ人みたいに唐突に始まるモクモクさんのパーティーには苦しめられるんだが、今日はそんなモクモクが良い雰囲気を演出。

こういった天気の時、ごくたまにこういう幻想的な光景を見せてくれるから、いつまでも悪天候でマゾることをやめられないのである。

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フォググラファーの低血圧Mちゃんも、喜んで写真を撮っている。

彼女はいろんな場所の真っ白な写真を量産するのが趣味なんだが、今日ばかりはこの山域をフォグの渦に巻き込まないように必死で力をセーブしている。

それほどに、いつまでも見ていたい光景だった。


しかしである。

よく見るとその光景の中に、あのエンドレストーキングのおっちゃんの姿が。

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このまま追いつかれてしまったら、また激しく体幹を冷やすことになってしまう。

すごく良い人なんだが、いかんせん話が長すぎるのでる。


そっから根子岳までは迫り来るシングライクトーキングとの一進一退の攻防戦。

一度道を間違ってしまった際に追いつかれてしまったが、その時はたまたま他の登山者がいておっちゃんのトークの矛先はその人たちに。

その隙を見逃すことなく一気に駆け上がり、無事に体を冷やすことなく根子岳の山頂に到達である。

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これにて後は牧場に向けて下山するのみ。

もちろんこの段階でやっと晴れたのは言うまでもない。

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微妙な紅葉から始まり、ゲーリンググローリーからの寒波&強風の真っ白山頂を経て、焼夷弾ランチの後は幻想とおっちゃんの狭間で優しさに包まれ、最後はポカポカ陽気の中で下山するという、まるでヴィクトリノックスのマルチツールのようなお得な山行だった。

靴は肥溜めにはまったかのようにグチャグチャだが、気持ちは実にさっぱりしている。

なかなか良い感じの追いリフレッシュだったな。

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こうして奈良井川〜四阿山という二日間に渡るリフレッシュの旅は終わった。

若い時なら「もう1リフレッシュ」と言いながら2本くらい川下りを追加しているところだが、老いた僕にはこのくらいでちょうど良いだろう。

もう尿切れの良かったあの頃の僕ではないのだ。


さて、このリフレッシュの旅のおかげでしっかりリフレッシュできたのか、あれから約1ヶ月、僕はずっと風邪をひいています。

これ打ってる今なんて喉痛と頭痛とズビズビの鼻水と悪寒に耐えながらの渾身のマゾアップ作業。

もう老いを通り越してそろそろ「風邪死」しそうです。

アウトドア界一体の弱い男の面目躍如でございます。


それでもカヌー野郎は、こんな軟弱な体を引っさげてでも次なるステージへ向かって動き出します。

次の更新がいつになるか未定ですが、早い段階で何かしらアップしたいっす。

楽しみにお待ち下さいませ。




では、とりあえず次なるステージとか言う前に風邪治します…。


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今回のギア

【上半身】
・ベース/ファイントラック「スキンメッシュT」
・インナー/スマートウール「NTSミッド250クルー」
・アウター&ミドル/パタゴニア「ナノエア」
・ハードシェル/MHW「ドライステインジャケット」

【下半身】
・下着/ノースフェイス「ドライショート」
・パンツ/マムート「ソフテックトラバースパンツ」
・レインパンツ/ティートンブロス「ブレスパンツ」

【足】
・ソックス/フィッツ「エクスペディションブーツ」
・シューズ/ノースフェイス「レックミッドGTX」

【頭部】
・キャップ/マーモット「ニット帽」
・ネックウォーマー/ibex「インディークイックリンク」
・サングラス/オークリー「ピットブル」

【手】
・インナーグローブ/ミズノ「ブレスサーモインナーニットグラブ」
・オーバーグローブ/借り物

【ギア】
・トレッキングポール/ローカスギア「cp3」
・ヘッデン/ブラックダイヤモンド「ストーム」
・座布団/サーマレスト「Zシート」

【ザック類】
・ザック/グレゴリー「Z40」
・リザーバー/プラティパス「ビッグジップLP2L」
・GoProセルフィー入れ/ノースフェイス「TRポールホルスター」
・デジカメ入れ/ノースフェイス「小物入れ」
・エマージェンシーキット
・財布/スノーピーク「山財布」

【デジ物】
・一眼カメラ/ペンタックス「K30」+レリーズ
・三脚/ベルボン「キューブ」
・ウェアラブル/GoPro「HERO4silver」

【食】
・バーナー/プリムス「P-132」&ガス缶
・コッヘル/エバニュー「チタンクッカーセット」
・ライター/ソト「ポケトーチ」
・箸/モンベル「野箸」
・水筒/プラティパス「プラティ 2L ボトル」
・カレーメシ、行動食のパン



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