「体育の日」がやって来た。
体育の日と言えば、「己の体でマゾを育む日」と相場が決まっている。
本来なら初冠雪した笠ヶ岳か塩見岳あたりに日帰りで行って、ゲロランからの喀血紅葉を咲かせるつもりだった。
しかしこの日は嫁が仕事のため、子供達と家で大人しくお留守番の予定に。
でもそんな時は決まって空は透き通るような秋の晴れ空。
もちろん家族にウソついてまで山で余計な動画を撮ってるような奴が、こんな日に家で大人しくできるわけがない。
ってことで「子供達にも良質なマゾを育んでもらおう」と、りんころの二人を山へ強制連行。
「家でキン肉マンのDVDでも観ようよぅ」とごねるりんたろくんと、今年金華山で自力登頂デビューを果たしたこーたろくんを連れていざ親子登山だ。
今年の体育の日は、近場でのんびりサクッとお手軽マゾ。
紅葉で有名な山に、あえて紅葉前に行っちゃう勇み足。
それでは、そんな平和な一日を振り返ってこう。
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父が体育の日の親子登山に選んだステージ。
そこは三方山、小倉山、養老山の三山が連なる「養老三山」。
低山とは言え、2歳児が金華山の次に登るには中々しんどい山だ。
そしてその登山口に向かって行く我が子達は、ご覧の渋々顔。
なんとか来る途中にマクドナルドに寄って「ハッピーセット買ってやるからお山登ろう!」と買収したんだが、全く彼らからやる気が感じられない。
りんたろくんに至っては、そのハッピーセットの湯布院列車を手にしながら「ボク、山キライなんだよね」とハッキリ言っちゃう始末。
しかしそんな我が子の訴えなぞ聞く耳を持たない父。
「だって晴れてるんだぜ。」という父の無茶な理由だけで、子供達は山の方へ連れられて行く。
ある晴れた 昼さがり 登山口へ 続く道
ダメ父が トコトコ 子供を 連れてゆく
かわいい子供 売られて行くよ
悲しそうなひとみで 見ているよ
ドナ ドナ ドナ ドナ 子供を 連れて
マゾ マゾ マゾ マゾ お腹が ゆれる
秋の悲しい一コマに見えてしまうが、あくまでもこれは楽しい楽しい親子登山。
グロテスクUMA好きなりんたろくんは、ぺしゃんこに潰れた沢ガニの死体を見つけて大喜び。
そしてこーたろくんも、大勢の観光客の前でのオムツチェンジという大好きな羞恥プレイで大喜び。
これにてすっかりテンションが上がった我が息子達。
やはりどんなに渋々でも、現場に来てしまえば二人とも父のDNAが黙ってはいない。
名瀑「養老の滝」に着く頃には、すっかり気を良くして楽しげな雰囲気に。
しかしこの直後、りんたろくんは「はい、ここで登山終わりだよね?」とまさかの終了宣言。
彼は登山口前ですでに達成感に包まれてしまったようだ。
まあ確かに一般的なファミリーはこの養老の滝がゴールだ。
だが残念ながら、君の父は一般的な人ではない。
父は努めて優しい声で、「おいおい冗談キツいぜ。これからが楽しい時間の始まりじゃないか。だって晴れてるんだぜ!」と士気を鼓舞する。
きっとりんたろくん的には本気で言ったんだろうが、こういう時父は急に耳が遠くなる。
で、結局再び渋々さ全開で登山口へ向かう男。
まるでこれからカチ込みをかけるヤクザ映画のワンシーンじゃないか。
ある意味、もの凄く山慣れした風来坊感が出てていい感じだぞ。
で、沢を渡渉して、
いざ、登山道へ。
大人の感覚で「養老山は楽な山だから」と選んだが、2歳児目線だと「片側が崖で道幅狭くて歩きにくい急登道」という暗黒の世界だった。
2歳児でもマゾ出来ちゃうという、まさにハッピーセットのようにお得な登山道である。
結局お父さんとしても、いつ子供達がふらついて転落して行くか分からないので全く落ち着かない。
特にこーたろくんは、突然謎のダイブをかましては家の中で骨折・流血しまくる大仁田厚のような男。
いつ何時「アイキャンフライ!」と叫んで窪塚ダイブをかますか分からない。
それでも少しづつ、頑張って登って行く二人。
なんだかんだ言いつつ、6歳にして40以上の山を無理矢理体験させられたりんたろくんは、次第に自分なりに山を楽しみ出している。
虹色のこの虫、後で調べたら「アカガネサルハムシ」って虫らしい。
でもこの時こいつ虫のくせに「ギュゥゥゥ…ギュゥゥゥ…」と唸っていたので、りんたろくんによって超人っぽく「ミスター・ギューギュー」と名付けられていた。
その後ミスター・ギューギューは、りんたろくんのお供としてザックのポケットに封印される事になる。
一方、本日はこーたろくんの足が重い。
金華山で2歳自力登頂の偉業を達成した彼だったが、まさか早くも「あれ?山って楽しくなくね?ボクのお父さんって普通じゃなくね?」と気づき始めたのか。
次第に彼のペースは、牛歩戦術の人をスーパースローカメラで撮ったかと思うほどのスローペースに。
そしてついにはこんな事に。
とうとう「こっちのが楽しいや」とばかりに、ハッピーセットの電車で遊び出してしまった。
くそ、よりによってこんな時のハッピーセットの景品が彼の大好きな電車シリーズだったなんて。
なんてアンハッピーなんだ。
結局彼は、立ち退きに反対する住民のようにここで座り込んで動かなくなってしまった。
で、結局お父さんがそのまま担ぐ羽目に。
担がれても電車同士の連結プレイをやめようとしないこーたろくん。
まあいいさ。
家の中で電車遊びするより、山の中で父に担がれながらする電車ごっこのが楽しいはず。
しかも両肩を痛めているお父さんも同時にマゾれて、まさに一石二鳥である。
さあ、こうなれば我が家の希望は長男りんたろくんに託された。
ミスター・ギューギューを味方に付けた彼は、果敢に急登を登って行く。
しかもこの息が切れるような急登で、彼は延々とキン肉マンの「新超人」の解説を勝手に喋り続けている。
もう僕のキン肉マンの知識を遥かに越えた彼は、キン肉マン二世を含むマニアックな超人を完全に記憶。
それでも彼のキン肉マン愛は止まらず、ついに自分で多くの「新超人」を勝手に創りあげるほど。
それを今、急登を登りながら息継ぎなしでこのようにまくしたてる。
「新超人ドライヤーマンはね!ラーメンマンとモンゴルマンと同じ超人強度97万パワー!火事場のドライヤーが出た時はなんと7,000万パワー!出身地はティーパックマンと同じスリランカでね!タッグパートナーは悪魔将軍!笑い方は“ドララララララ”って笑うの!必殺技は“地獄のドライヤードライバー”!相手の両手両脚をロックして頭部に熱風を当てながらキャンバスに叩き付ける技!落ちた時の音は“グワッシャ”!ブロッケンマンがキャメルクラッチで真っ二つになった時と同じ音ね!王位争奪戦でお馴染みのビッグボディーチームのレオパルドンと親友なの!でねでね、ネプチューンマンと同じくジ・オメガマンから狙われてるの!そしてね….」
色んな意味ですげえ。
このような「キン肉ーズ・ハイ」に陥った彼は、もう目の前の登山道がどんなにハードでも全く疲れない。
むしろ聞いてるお父さんの方がグッタリして来る。
僕は息子にアウトドアの英才教育をしていたはずだったが、いつの間にかただのキン肉マン馬鹿に育ててしまったようだ。
確かにお父さんも小学生の頃、ゆでたまご先生に「機械マン」という新超人をはがきに書いて応募した事がある。
その時もはがきに隙間なく、その機械マンの特徴やら必殺技やら笑い方とか書いていた。
そっちの方のDNAだけ色濃く伝承されて、アウトドアの血は全く受け継がれなかったようだ。
その後も彼の「新超人ザ・キノボーの必殺木の棒アタック!」という技と戦いながら登って行き、
突然座っては「シータケン」と名付けられた椎茸と戦っている。
そして急に立ち上がり、「この超人パワー、ベルリンに届け!」と意味不明な言葉を叫んで空に棒をかざす。
まずいな…。
超人大全集なんて本を買い与えてしまったがために、彼の今後の人生が心配になって来たぞ。
保育園でも周りのお友達と全然話題がズレてて浮いてるらしいし…。
まあいいさ。
彼は彼なりにこの登山を楽しんでいるようだ。
結果的に山の中で笑顔でいてくれれば、お父さんはそれだけで嬉しいぞ。
しかしここで彼の中に眠る、もう一つの血がたぎって来る。
それは悪魔将軍(嫁)のサドの血。
彼はおもむろに栗を集め出しては、
それをひたすら僕に向けて投げつけて来る。
そして僕が「いてっ!いててっ!」と苦しむ顔を見ては、嫁と同じような笑顔でハツラツと喜んでいる。
そして背後から僕のケツの穴を棒で突っついて来るこの顔は、まさに我が家の悪魔将軍そのものである。
そして「もう歩けない。あと何秒で着く?」と嫁みたいな愚痴も止まらない。
それでも僕は「あとたったの3600秒だ!がんばれ!なんせこんなに晴れてるんだぞ!」と、ケツを刺されながら必死で励ます。
そんな感じでのらりくらりと進み、やっとこさ「三方山(730m)」到達。
お父さんの「どうだ!いい景色だろう!」という問いかけに対し、りんたろくんは無表情でこーたろくんはまだハッピーセットに夢中という寂しさ。
まあ、子供にとっちゃどうでもいいんだよね…山って…。
そしてほんとは次の小倉山で昼飯予定だったが、この時点でまさかの「14時」。
とりあえずリアルな飢えを訴える哀れな子供達にメシを食わせる。
その後、大人しく帰ればいいものを、「養老山は無理でも小倉山まで頑張って行こう!晴れてるんだし!」というマゾ父の提案。
もちろん「下山したらソフトクリーム買ってやるからさ…」という大人の取引も忘れない。
これに発奮したりんたろくんは、プリズマン戦のラーメンマンを見習って「ピラミッドパワーで体力回復だ!」と瞑想開始。
しかしこれが余計な力にパワーを与えてしまったのか。
雲一つなかった空が、たちまちモクモクで覆われて行くではないか。
しかもお約束のように冷たい風が吹き荒れ始め、強烈な寒さが冷え性親子に襲いかかる。
とりあえずありったけの防寒着を着させる。
するとそこにはこのような新超人「ファンキー・キッド」の姿が。
ファンキー・キッドはプルプル震えながら、「寒いのキライよ。あったかいのがいいの。」と窮状を訴える。
彼は今まで何度もお父さんに山で低体温症寸前にまで追い込まれた経験があるから、山で寒いのが本気で嫌いなのだ。
一方、寒さに強い1月生まれのこーたろくんはこの笑顔。
相変わらずハッピーセットのアピール感が凄いが、彼は彼なりにこの悪天候マゾタイムを楽しんでくれているのだろうか。
結局こんな天気だし、下山が遅くなっちゃうから今回は三方山だけで試合終了。
我が目の前を、三頭身のファンキーな仙人が下山して行く。
そしてその仙人の呪文で、空は益々ダークに。
さらに冷たい風が吹きすさぶ中、おもいっきりコケて喜ぶファンキー・キッド。
そして「だから山キライよー!もっと平らでツルツルな道がいいよー!」と叫び続ける。
それでもそんなファンキー・キッドに容赦なく寒風が襲いかかり、そして何度もコケる超人強度2パワーの男。
そしてついに彼は「山は残酷だッー!」という名言を吐いた。
間違いなく、彼は父と山に行く度に山が嫌いになって行ってる気がしてならない。
しかし君も大人になれば分かる時が来る。
君の中にはしっかりとこのおマゾの血が流れているのだから。
残酷なほどパラダイスを感じるようになって、初めて君は父に追いつくのである。
そうこうしながら、どんどん夕暮れが迫って来て焦る面々。
グッタリする兄をよそに、担がれてるだけの男は終始ゴキゲンだ。
そしていよいよ夕暮れが迫り来る。
その時ふと「あれ?駐車場って何時に閉まるんだろ?ひょっとして17時だったらもうアウトじゃないか」と気づくお父さん。
結局平和なのんびり親子登山も、毎度最後はタイムアタック下山へ。
そして文句が止まらないりんたろくんも担いで下るという、筋肉破壊マゾスタイルへ。
ついに現れた三面六臂の新超人「アシュラマゾ」。
傷む両肩にさらなる重量をめり込ませ、ヨロコビに浸る悪魔曽界のプリンスの登場だ。
そこからはいつも通り、ひたすらお父さんはグハグハ筋トレタイムに突入。
総重量30キロオーバーを味わいつつ、かなりのスピードでなんとか明るいうちに登山口へ到達。
ここからは平坦な道だからこの苦行からは解放される。
しかしどうしても「追いマゾ」好きなお父さんは、ここでピリリとしたスパイシーマゾを味わいたくなってくるもの。
ここで「アシュラ面、りんたろ〜」と叫んだ方思うと、背中の重量をこーたろからりんたろへチェンジ。
久々に担いだら凄く重い。
そもそもこのベビーキャリアの推奨年齢は3歳までなんだが、こりゃまだまだ当分こいつでマゾれそうだ。
去年までここが定位置だったファンキー・キッドも、やはり居心地が良いのかすっかり昇天してしまっている。
なんとなくお父さんも久々に担げて嬉しいぞ。
これで時間も随分巻けたし、後は駐車場が閉まる前にここから脱出だ。
しかし最後の最後の段階で、今更ながらこの兄弟に火がつく。
急にこの坂道で、ハッピーセット電車対決が始まったのだ。
白熱する彼らの電車デッドヒートの中、辺りはどんどん暗くなって観光客の姿もない。
焦りまくるお父さんをよそに、彼らは頑に電車対決をやめようとしない。
山の中では我先にとキャリアに乗って来る彼らも、この時は「イヤだ、乗らない。ここで電車遊びする」と言って父を困らせる。
今後ハッピーセット買ってあげるのは、絶対下山後にしておこう。
そう思った秋のお父さんでした。
ちなみにこの頃、ミスター・ギューギューはりんたろザックの中で息絶えていました。
結局この日の山滞在時間は7時間を越え、普通の縦走登山並の長い時間を山で過ごす事が出来た。
夜暗くなって帰宅した僕に、もちろん悪魔将軍から「一体何時まで山で2歳の子を連れ回すの。風邪引くがね!」と軽く小言を言われてしまった。
しかもその後、全く何もない場面でふいに「乳首もぎ取るよッ!」って言われたし。
子供らと風呂入る時も、脱衣所で急に髪留めのゴムで乳首「パチンッ」ってやられたし。
すげえ笑ってるし。
今思えば、いっそその姿を写真に撮ってはがきに貼って送れば良かった。
ゆでたまご先生に「新超人ですよ」って。
超人強度は8億パワーで、岐阜出身。
好物は困り果ててる旦那。
必殺技は「旦那懲らしめ」と「乳首の断頭台」。
笑い方は「ひゃっひゃっひゃ」。
拝啓ドクター・ボンベさん。
僕に何事にも耐えられる強い心臓を埋め込んでください。
あと、涙腺も切っておいてください。
目から養老の滝が止まらないのです。
秋の三人三方散歩 〜完〜
秋の三人三方散歩〜新超人達の攻防戦〜
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MATATABI BASE
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はじめまして
最高のブログに出会ってしまいました。
紀州赤木川検索から入ってすっかりはまってしまいましたわ。
時折挟み込まれる80年代少年ジャンプネタ。同世代とお見受けします。
私も結婚前はカヤックをしており、長良川などキャンプを絡めて遊んでいました。久しぶりに清流に行きたいなーと探していたら出会ってしまいました。もうすっかり大好物。
コミック界の憧れ→トキ 芸能界の憧れ→ホリケンさんとザキヤマさん そしてアウトドア界の憧れ→yukon780さんです。
あなたのように生きたい。。。マジで。
今後も更新楽しみにしています。読んでるとホントに笑ってしまうんで要注意ですが。
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river4000010さん、はじめまして!
ようこそ!何の役にも立たない無駄だらけの当ブログへ!
最近このブログに辿り着く人は、「清流好き」「鬼嫁持ち」「人の不幸好き」「ガチマゾの人」「変態さん」という図式が成り立って来ました。
哀れみの目で見られる事や、主婦層からお叱りのお言葉を頂くことはありますが、まさかアコガレルだなんて…。
全くもって嬉し恥ずかし朝帰りですよ。
ちなみに昭和51年の早生まれであります。
いよいよ来年3月には40になるんで、体中にいろんな問題が発生してますよ。
ちなみにこのブログでちょくちょく出て来るジョンボーAも最初は「憧れっす」って言ってけど、今じゃあ「スカスカスポンジ脳のゲロ吐き野郎」と言って来るほどなんで、現物は思ってる以上に情けなさの固まりのような男であります。
北斗の拳で言えばトキと言うよりアミバ。
芸能人で言えばホリケンやザキヤマというより田代まさしですよ。
基本情けない男です。
今後もそんな男の公開マゾ日誌でよろしければ見てやってください。
誰にも褒められないんで、色々気づく前にもっともっと褒めてくださいね。
褒められてマゾるタイプなので。
以後ヨロシクお願いします!