パラオ冷戦ハネムーン

冷戦ハネムーン〜パラオミステリー〜

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海を見つめる一組のカップル。

この姿から数年後。

一方はドSな罵倒女になり、一方はドMの変態男になる。

しかしこの時はまだそんな事になるとは露程も思っていない二人。

時は2007年6月。

場所は南国パラオ諸島。

今回の「あん時のアイツ」シリーズ第25弾は番外編。

次男こーたろくんの誕生を記念して、その原点とも言える新婚旅行の模様を振り返る。

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2007年の6月9日。

その後の夫婦関係を暗示するかのような「猛烈な土砂降り」の中で結婚式を挙げた二人。

涙に暮れる新郎と一滴の涙もこぼさない無表情な新婦の姿。

そして嫁いで行くのは僕の方なので、本来一番の感動スポットである「新婦から両親への感謝の手紙」などはもちろん無い。

さらには僕が弾き語りで歌った「糸」は、歌い出しで声が裏返ってとんでもない羞恥プレイとなった。

その無様な姿を、大仏のような無表情で見下ろす新婦。

幸せな夫婦生活のスタートが切られた瞬間だった。

そして結婚式の二日後。

我々はパラオ諸島に向けて旅立った。

そもそも何故パラオなのか?

街や人間の造った建造物に全く興味の無い僕と、長時間飛行機に乗りたくない嫁の意見から「ヨーロッパ」の線は消えた。

僕はもちろん「アラスカ」をリクエストしたが、当然嫁によりギャバン並のスピードで却下を食らう。

ならば「カナダ」か「ニュージーランド」でアウトドア三昧はいかがだろうと提案したが、当然インドア女により却下。

一方で嫁の要望は「アジアは仕事でしょっちゅう行くから嫌だ」(嫁はよくバリや香港や杭州へ出張する仕事でした)「飛行機に4時間以上乗りたくない」「海が奇麗な所が良い」「でもありきたりなグアムやサイパンは嫌だ」「基本的に動きたくない」という強烈な条件指定。

このハードな条件を満たす場所が果たしてあるのか?

しかも海をチョイスしておきながら「泳ぎたくない」という驚きの発言も飛び出す。

これは「とんち」なのか?

もちろん僕としてもある程度アウトドア遊びが出来ないと辛すぎるので妥協はしたくない。

そして散々悩んだ挙げ句、結果的にグアムとフィリピンの中間くらいにポツンとあった「パラオ」に決定した。

もはや基準は「ここに行きたい」ではなく「地図上でちょうどいい位置かどうか」のみ。

はっきり言ってどんな場所かもさっぱり分からなかったが、ここしか着地点が見つからなかったのだ。

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夜にホテルの部屋に到着。

早速ネットを繋ぎ、やり残して来た仕事に取りかかる女。

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新婚気分が一気に吹き飛ぶ所業。

思わず僕は「私と仕事とどっちが大事なのよ!」と叫んでしまいそうだ。

嫁の仕事が落ち着いた所で、早速パラオの天気予報をチェックです。

さあ、僕らが滞在する12日から16日までのお天気はいかがかな?

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これは何事だ?

ポーカーなら見事な悪天候ファイブカードの達成じゃないか。

パラオよ、お前もなのか。

嫁もサラリと「お前のせいだ」と言って来る。

でも言い返せない自分が悔しい。

翌日。

非常に晴れやかで爽やかな朝が二人を包む。

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南国なのにこのどんよりとした寒々しさは何事だ。

しかし聞けば、パラオの天気は1時間おきにめまぐるしく変わるという。

だから予測のしようがないため、誰も天気予報はあてにしてないという事。

確かにこれ以降、晴れたり曇ったり雨降ったリが続くことになる。

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こうもコロコロ変わると、非常にテンションの持って行きように困る。

それでもやはり天気が良いと海は美しい。

こんなかわいらしい島もあったりして、なんともシャレた演出をして来るパラオさん。

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無性に「塩と銛だけ持ってあの島でキャンプしたい」という欲求に駆られるが、さすがにそんな事したら一発でパラオ離婚間違い無しだ。

街に買い出しに出かけるが、ここがメインストリート。

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ここのわずか数百メートルの間に郵便局やホテルやショッピングセンターが集中している。

ここ以外は本当に何も無い実に素朴な島。

ショッピングセンターも非常にこじんまりとして、お土産と日用品が買える程度しかない。

ショッピング好きの嫁からしたら絶望的な光景だっただろうが、これでもはやアウトドアで遊ぶしかやる事が無いと判明して僕のテンションはアップ。

そもそも海外まで来て日本でも買えるような商品をショッピングするなんて、僕からしたら信じられない行為。

さあ、遊んでやるぞ。

もちろん一発目はこれ。

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これは棒状のものを振り上げて僕の頭をカチ割ろうとしているわけではない。

やはり何はともあれカヌーですよ。

これなら泳ぐ必要も無いし、二人艇で僕だけ濃いでいれば嫁も漕ぐ必要もなく動かずにいられる。

今ならカヌーに誘っても「川底に引きずり込まれて死んで来い」と言われておしまいだが、まだ当時はついて来るだけの優しさが残っていたようだ。

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こんな感じでガイドさんと洞窟に侵入したりして行く。

やっぱり川とは違う海の、そしてパラオならではのカヤックツアーで面白い。

洞窟の先にはぽっかりと空間が出来ていて美しい水面がお出迎え。

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これは中々楽しくなって来た。

しかし僕は後部に座っているから、前に座る嫁の表情が読み取れない。

通常なら「わあ、キレイ」「きゃあ、楽しー」などの感嘆系のワードが飛び出して来る場面だが、パラオの風は前方から「無言」しか運んで来ない。

ひょっとしたら結婚式の時みたいに、強烈に無感情な大仏様が降臨している可能性が高い。

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もはやパラオの雄大な景色より、彼女の表情の方が気になってしょうがない。

ある意味このカヤックツアーは僕のワガママだったので、「いやあ、奇麗ですねー」「海、良いですねー」「空、青いですねー」と専務に取り入るゴマスリ部長のようにご機嫌を伺いつつ、もはや漕ぐ事を放棄した嫁に対し「センスありますねー」とヨイショも欠かさない。

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一応最終的には「楽しかった」と無表情で言っていたが、その後このツアーの思い出話に花が咲く事は無かった。

その後、5秒に一回の割合であくびをする嫁と僕を乗せてボートは移動する。

素晴らしく奇麗なプライベートビーチでの昼食。

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これぞ南国。

これで多少嫁の気分も良くなった。

そしてボートはシュノーケリングスポットへ移動。

途中、かの有名な「イノキアイランド」が見えて来た。

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この写真の島がそうだったかどうか思い出せないが、アントニオ猪木がパラオ国王から貰ったという島だ。

猪木さん。

かつてあなたが「この道を行けばどうなる事か。行けば分かるさ」と言ったが、この夫婦生活の先に待っていたものはサドラリアットとマゾラツイストの日々でしたよ。

やがてシュノーケリングスポットに到着。

潜ると凄まじい量の美しい魚達が乱舞する世界だった。

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実はパラオはスキューバダイビングをする人達にとっては憧れの島。

カヌーで言えばユーコン川みたいな存在で、一度潜ってみたい憧れの海なのだ。

しかしそんな「みんなの憧れの海」を、ボート上から1ミリも動く事無くあくびをしながら無表情で眺めている女が一人。

ここに来て「私は泳がない」という徹底したスタンスを取り続ける嫁だ。

地元ガイドの人も「なぜ潜らない?そもそもなぜこの人はここに来たのだ?」というような驚きの表情。

「ボートの上から顔だけでもつけて中を覗いてごらん。とっても奇麗だよ」というガイドのアピールにも、「顔すら水につけたくない」というまるで3歳児のような拒否反応。

シュノーケリングのメッカにて「海を拒絶」した女。

本場の三ツ星フランス料理店に行って山菜そばをオーダーするかのようなまさかの所業。

僕自身、本来はスキューバダイビングに初挑戦してみたかったが、泳ぎたくないという嫁の為にソフトなシュノーケリングで奇麗なお魚を楽しんでもらおうという試みだったのに。

もはや彼女に関して新婚旅行は、自宅でテレビでも見ていた方が良かったのかもしれない。

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それから数時間の時が経過して夕方になった。

僕はホテルのプライベートビーチを「一人ぼっち」でさまよっていた。

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まさに新婚カップルが二人で眺めるのに最適なシチュエーションなんだが、僕は一人ぼっち。

なぜならこの数十分前に大げんか(というか一方的に叱られた)からだ。

実は今回の旅は、全て僕のクレジットカードで決済しようという事になっていた。

しかしこの日の買い物の時に、店員さんが何度カードを通してもカードを認識しない。

大慌てで日本のカード会社に国際電話を入れた所、なんと僕のカードが使用限度の上限に達していた為使用停止になっていたのだ。

とりあえず急遽上限を上げてもらう手配をしたが、審査に時間がかかるとのこと。

手元にはほとんど現金はなく、幸せなハネムーンは瞬時にして絶望的な状況に。

結果「なぜ上限の確認をして来なかった」「どんだけ上限低いんだ」「お前を信用した私がバカだった」などの叱責口撃で蜂の巣に。

思えばこの時が記念すべき「初罵倒」だったのかもしれない。

そんな状況の中で訪れた、ホテル主催のビーチでの「歓迎ダンスショー」。

僕は「とりあえず審査結果待ちだし、せっかく歓迎してくれるんだから行こうよ」と言うが、嫁の怒りは収まらず「一人で行って来い」という事に。

こうして新妻にすら歓迎されなくなった男は、一人で寂しくビーチに向かったというわけだ。

他のハネムーンカップルに混じって、一人神妙な顔つきで歓迎ダンスショーを見る男。

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かつてこれほどまでに悲しい気分に彩られたダンスショーを見た事が無い。

むしろここで踊っている人達全てが、早くも新妻に愛想を尽かされた僕を嘲笑って踊っているような気もしてしまう。

そしてやたらと美しい夕景が、より一層僕の心に寒風を吹き込んで来る。

そしてこの日の夜、さらに追い討ちをかけるようなイベントが待っていた。

ホテルのプライベートビーチに一席設けられ、1組のカップルの為のディナータイムがあるのだ。

これがその会場↓

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ラブラブのカップルにとっては夢のようなひと時に違いない。

しかし我々は今、アメリカと旧ソ連の冷戦状態のような冷ややかなる状態。

そのままこの素敵なテーブルが、離婚条約の調印式会場になる可能性だってある。

お互いが心に核の最終スイッチを握りしめてそのディナー会場に向かった。

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写真がぶれているのは緊張していたからなのかもしれない。

そもそも喧嘩以前に、二人の頭の中には「最終日にフロントにクレジットカードで支払うこのディナー代金は大丈夫だろうか?」という不安が支配する。

気分はもはや「食い逃げ確信犯」状態で、ソワソワして全く良い雰囲気ではない。

それでもそんな状況なぞ全く知らないホテルの人の温かなおもてなしのおかげで、次第に和解を始める二人。

そこはまだ新婚さんだけあって、なんとか傷の早期回復力があったようだ。

そして最終的には「もう割り切って楽しもう」という所で、無事に停戦条約が成立した。

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翌日。

実は前日のシュノーケリングはカヤックツアーのおまけ。

なんと本日はあらかじめ予約していたシュノーケリングのみの「シュノーケリングツアー」。

早くも海を拒絶した女に厳しい一日。

そもそもパラオでは海に潜らないと、何もやる事は無いのだ。

そんなこんなで本日もボートに乗って移動です。

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シュノーケリングメインのツアーだからといっても、200近くあるパラオ諸島の島を巡るアイランドホッピングスタイル。

このような最高に美しい無人島に寄ってはのんびりと過ごさせてくれるから、なんとか嫁のご機嫌もキープされた。

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それにしても本当に奇麗だ。

いつもは北方志向で寒々しい荒野ばかりに魅力を感じる僕だが、これは確かに一生に一度は味わっておきたい光景だ。

僕の地元愛知県の黒々としてワカメだらけの内海海岸とはやはり一味違うようだ。

しかしそんなのんびりした時間も終わり、本格的にシュノーケリングスポットへ移動。

ガイドさんも、まさかシュノーケリングツアーに参加しておいて海に潜りたくない人間がいるとは微塵も思っていないので、無理矢理に嫁を海へと引きずり込む。

必死で抵抗する嫁だが、相手が完全な現地人である為言葉も通じず、むしろその姿が喜んでいるようにガイドには写ったかもしれない。

そしてついにガイドによって嫁がパラオの海に投入された。

僕も同時に潜ったが、そこには宝石箱のような魚達の姿と必死でガイドと戦う嫁の姿が展開していた。

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鳥肌が体中に駆け回った。

凄すぎるし美しすぎる。

手を伸ばせば、大量の魚達が寄って来る。

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これがピラニアだったらたちまち血の海だが、この可愛らしさは相当なものだ。

僕は急いで浮上して嫁に「すごいよ!絶対潜った方が良いって!顔だけでもつけてごらんよ」と叫ぶ。

しかし水中ゴーグル越しに見えた僕を見る嫁の目に「殺すぞ」と書いてあった。

あまり無理に煽りすぎると、ピラニアがいなくてもここが血の海になる可能性が高そうだ。

結局現地ガイドの必死の説得も空しく、彼女は浮かんでいるだけで一度も顔をつける事が無かった。

正直ここで一番印象に残った光景は、この美しい魚の群れではなくて現地ガイドの「WHY?」という表情だった。

僕も大いに現地ガイドに賛同。

一体なぜ嫁が「海が良いな」とリクエストしたのかが謎でしょうがない。

その後も美しいアイランドホッピングが続く。

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このような陸でののんびりタイムでは、なんとか嫁もご機嫌を取り戻す。

そしてこんな時でもないとハネムーンっぽい「楽しそうにしている二人」という写真は撮れないので、ここがシャッターチャンス。

今では絶対に考えられないが、嫁を巻込んでの「己撮り」。

嫁の「なんでそんなことせんといかんの。面倒くさい」という言葉を振り切り、強行して撮影したのがオープニングの写真だ。

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非常に幸せそうな二人に見えるが実際は嫁は無表情で、カメラをセットしてダッシュでここまで戻って来た僕は肩で息をしている。

そしてさらに上級の「砂浜を楽しそうに駆け回っている二人」にかなり遠方からのチャレンジ。

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セットして10秒しか余裕が無いため、あらかじめ遠方にいた嫁めがけて猛烈な全力ダッシュ。

その僕の迫力に対して嫁が「怖い!」と言って逃げて行っているというのがこの写真の真相だったりする。

でも写真だけでも楽しそうに見えれば、それだけがメモリーとなるからオッケーなんです。

その後もポイントポイントで潜る。

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当然この頃には、嫁は現地ガイドにも「よく分からないけどあの人は潜れない人」という認識が浸透して悠々とボートでの見学を決め込んでいた。

でもここでは彼女は潜らなくて正解だった。

だって海底に「サメ」がいたんですもの。

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こいつを見つけた時の僕の狼狽ぶりが想像出来るだろうか?

2mくらいの奴がユラリと僕の10m下くらいにいるんですもの。

慌てて浮上して現地ガイドに「シャークッ!シャークッ!」と訴えたが、ガイドは「ノープロブレム」と言うばかり。

ちゃんと伝わったんだろうか?

危険性の無いサメという事なのか、僕がシャクレてないと言いたいだけなのか?

でもこいつとか目がイっちゃってるよ。

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本当に大丈夫なのか?

しかも僕の周辺に大量に集まって来たぞ。

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さてはこの現地ガイド、嫁に買収されたのか?

これはハネムーン中の不慮の事故として報道され、嫁に早速大量の保険金が舞い込むシステムなのか?

でもやっぱりこいつらは大丈夫な方のサメでした。

その後は安心して海を満喫です。(一人で)

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嫁は非常にもったいないと思うんだが、価値観が違うってのも夫婦だからね。

カヌーとシュノーケリングは旦那主導だったから、ちょっと申し訳なかったね。

そして翌日以降は、「嫁主導」のパラオ生活へ。

一切、海に行く事無く朝から夕方までプール。

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スキューバダイビングのメッカにてひたすらプールにいるという空しさよ。

そして夕方にはアロマリラクゼーションへ。

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僕は喉ちんこの所まで「日本でも出来るじゃない。下呂温泉のホテルでも出来るじゃない。」というツッコミが出て来ていたがグッとこらえる。

そして翌日は一日中、あの狭いショッピングセンターでお土産購入タイム。

この日の僕の心の中は「アンビリーバブル」と「ジーザス」という言葉しか浮かんでいなかった。

でも神の救いの手は差し伸べられ、無事にカード会社の審査に通りクレジットカードは復活していた。

これで夫婦仲は首の皮一枚でつなぎ止められた。

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こうして我々夫婦の記念すべき新婚旅行は終わりを告げた。

全体的に「なぜパラオだったのか?」「パラオでなければいけなかったのか?」という謎を残したままだ。

パラオでハントされたこのミステリーは、さすがの黒柳徹子でも解けない難問だろう。

しかしこんな夫婦だが、ちゃんとこの数年後に長男りんたろくんを誕生させている。

そしてそれと同時に希代のドS嫁が産声を上げ、僕は屈辱にまみれたドM養子生活者へとシフトして行く。

でもなんだかんだと今回次男こーたろくんの誕生まで共に歩んで来た。

徹底的に価値観が違う二人がここまでやって来れたのも、この旅行の時にハッキリとお互いの違いを認識したおかげかもしれない。

でも恐らく次男の誕生によって、そのサド度により一層の磨きがかかる可能性は高い。

僕も負けずにより一層のマゾ魂に磨きをかけ、折れない心を身につけて行かないと。

とりあえず、嫁様。

ふつつかなマゾですが、これからもご指導ご罵倒の程よろしくお願いいたします。

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